【平均年収898万円】日清製粉グループ本社 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収898万円】日清製粉グループ本社 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日清製粉グループ本社は、日清製粉、日清製粉ウェルナなどを傘下に持つ持株会社です。製粉を基盤に食品、中食・惣菜など多岐にわたる「食」の分野で国内外に事業を展開しています。直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社日清製粉グループ本社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日清製粉グループ本社は持株会社であり、単体従業員数は364名、グループ連結従業員数は9,624名です。

同社グループは、製粉事業を基盤に、食品事業、中食・惣菜事業、その他事業を展開しています。連結子会社67社、持分法適用会社9社を擁し、国内外で幅広い「食」の分野を支える事業活動を行っています。

主な国内グループ会社は、日清製粉(小麦粉の製造及び販売)、熊本製粉、日清製粉ウェルナ、日清製粉プレミックス(プレミックスの製造及び販売)、マ・マーマカロニ(パスタ・冷凍食品の製造及び販売)などです。

日清ファルマは2026年3月にファインケミカル事業を終了し、健康食品事業をオリエンタル酵母工業へ移管しました。中食・惣菜事業では、2026年6月にトオカツフーズを事業持株会社とする体制へ変更予定です。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日清製粉グループ本社は、持株会社としてグループ全体の経営戦略を推進し、人材を成長領域へと拡大させることを基本的な人材戦略としています。既存事業の深化と新規・成長領域への挑戦を通じて、グループ全体の持続的成長と社会貢献を目指す企業文化がうかがえます。人材力向上と組織力向上の両面から、時代の変化に対応した働きがいのある環境づくりに取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が42.0歳、平均勤続年数が15.2年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境である傾向がうかがえます。従業員が長く働き続けることができる職場環境が整っていると考えられます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 8,980,584円
平均勤続年数 15.2年
平均年齢 42.0歳
単体従業員数 364人
連結従業員数 9,624人
単体のグループ内比率 3.8%


同社グループは、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)および確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は、同社および連結子会社の従業員を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は217億円、年金資産は13.5億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「信を万事の本と為す」「時代への適合」を社是とし、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」という企業理念のもと、事業を通じて社会貢献を果たすことを使命としています。2022年度策定の「日清製粉グループ 中期経営計画2026」では、経営戦略の実行力強化とステークホルダーからの信頼獲得を目指し、事業成長に連動した人材の量的・質的な拡大を人材戦略の基本的な考え方としています。既存事業で培った知見とDNAを持つ人材が、その能力を最大限に発揮し、新規・成長領域へ挑戦することで、既存事業の競争力強化とグループ全体の成長・発展の両立を図る方針です。

給与決定においては、「経営戦略の実現による中長期的な企業価値の向上は人材が支える」という考えに基づき、従業員給与を適切に決定することが人材の成長と活躍に資する重要な要素と捉えられています。担う役割や職責、発揮された成果や能力、専門性に加え、外部労働市場における水準や社内外のバランスを総合的に勘案して給与が決定されます。中長期的な成長意欲やエンゲージメント向上に繋がるよう、等級、評価、報酬制度等の見直しを継続的に実施し、社員の役割と成果により一層報いる仕組みへと連動性を高めています。

人材戦略は「人材力向上」と「組織力向上」の2つの観点から実行されており、人材育成、従業員の労働環境と健康、多様性の尊重が重点テーマとして掲げられています。人材力向上に向けては、グループ一括採用や職種別・事業別コース採用、インターンシップ活動の強化、経験者採用におけるダイレクトスカウトやリファラル採用、アルムナイ採用の導入など、多様なチャネルでの人材確保に取り組んでいます。育成面では、経営人材、デジタル人材、グローバル人材の育成に注力し、主体的な学びを促進する手挙げ式研修や自己啓発プログラムを拡充しています。また、グループ内人材交流の積極化、社内公募の強化、人材情報の一元的な把握・活用を通じて、中長期的キャリア形成と適材適所の配置・育成を推進しています。

組織力向上では、エンゲージメント調査を活用した職場改善や心理的安全性の向上、業務効率化による労働時間削減、休暇取得の促進など、働き方改革を進めています。健康経営も重視されており、「働く環境」「身体のケア」「メンタルヘルスケア」を3本の柱として、健康的な食事提供、運動習慣の定着、メンタルヘルス研修、健康指標の可視化など、従業員が健康で活き活きと働ける環境整備に取り組んでいます。ダイバーシティの推進も重要なテーマであり、女性の登用や育成、男性育休の取得推進を含む各種両立支援など、多様な人材が能力を発揮できる環境づくりに継続的に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率は、提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。

指標 数値
女性管理職比率 20.0%
男女賃金差異(全労働者) 72.0%
男女賃金差異(正規雇用) 77.4%
男女賃金差異(非正規雇用) 48.1%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 連結子会社(row 1)

指標 数値
女性管理職比率 10.4%
男性育児休業取得率 88.9%


▼ 連結子会社(row 2)

指標 数値
女性管理職比率 16.7%
男性育児休業取得率 100.0%


▼ 連結子会社(row 3)

指標 数値
女性管理職比率 9.9%
男性育児休業取得率 110.0%

人材力向上


教育訓練投資を除く各実績値は、日清製粉グループ本社、日清製粉、日清製粉ウェルナ、日清製粉プレミックス、オリエンタル酵母工業、日清ファルマ、日清製粉デリカフロンティア、日清エンジニアリング、NBCメッシュテック、日清サイロ、日清アソシエイツを対象としています。教育訓練投資および一人当たり研修時間の実績値は、上記会社に加え、トオカツフーズ、ジョイアス・フーズ、イニシオフーズを対象としています。事業経営者育成プログラムにおける各研修受講者は、一部の外部教育プログラムが2025年度以降、より早期の段階から受講させる目的でプログラムから除外されています。IT関連試験は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が認定している各種試験を対象としています。

指標 2023年度 2024年度 2025年度
教育訓練投資 404百万円 572百万円 501百万円
一人当たり研修時間 23.7時間 25.6時間 21.0時間
事業経営者育成プログラムにおける各研修受講者 119名 110名 62名
IT関連試験合格者 66名 43名 54名
グローバル人材育成研修受講者 16名 17名 14名

組織力向上

働き方改革(生産性向上とDE&Iの推進)


年間総実労働時間、年次有給休暇取得日数、年次有給休暇取得率の実績値は、日清製粉グループ本社、日清製粉、日清製粉ウェルナ、日清製粉プレミックス、オリエンタル酵母工業、日清ファルマ、日清製粉デリカフロンティア、日清エンジニアリング、NBCメッシュテック、日清サイロ、日清アソシエイツを対象としています。

指標 2023年度 2024年度 2025年度
年間総実労働時間(一般社員) 1,937時間 1,944時間 1,947時間
年次有給休暇取得日数 16日 15日 15日
年次有給休暇取得率 78.7% 79.1% 80.6%

健康経営


指標(実績・目標)は、日清製粉グループ本社を対象としています。総合健康リスク値は、ストレスチェックにおいて「仕事の質」「仕事の量」「職場の上司の支援」「職場の同僚の支援」を掛け合わせた指数であり、100が標準で、低いほど仕事面・職場の環境面が良好であることを示しています。アブセンティーズムは傷病による欠勤の平均値(従業員へのアンケート調査による測定)で、0に近いほど従業員の健康状態が良好であることを示しています。プレゼンティーズムは従業員が自分のパフォーマンスを振り返り、仕事の出来をパーセンテージで回答したものの平均値(「東大1項目版」による測定)で、100に近いほど労働環境が良好であることを示しています。

指標 2022年度 2023年度 2024年度 2026年度目標
働く環境・職場環境によるストレスの偏差値 54.9 54.5 54.1 55.0
働く環境・働きがいの偏差値 50.3 51.5 51.5 55.0
身体のケア・適正体重維持者割合 68.1% 63.0% 63.0% 80.0%
メンタルヘルスケア・総合健康リスク値 85 84 83 80
その他の健康指標・アブセンティーズム(日) 1.89 1.85 2.55 1.80
その他の健康指標・プレゼンティーズム(%) 83.5% 82.2% 81.5% 85.0%

ダイバーシティの推進


管理職社員における女性の割合、女性育児休業復職後定着率、男性育児休業取得者割合の実績値は、日清製粉グループ本社、日清製粉、日清製粉ウェルナ、日清製粉プレミックス、オリエンタル酵母工業、日清ファルマ、日清製粉デリカフロンティア、日清エンジニアリング、NBCメッシュテック、日清サイロ、日清アソシエイツを対象としています。

指標 2023年度 2024年度 2025年度 2026年度目標
管理職社員における女性の割合 11.6% 13.5% 14.6% 15.0%
女性育児休業復職後定着率(復職1年後在籍率) 76.7% 73.3% 95.2% 100%
男性育児休業取得者割合 84.9% 88.6% 109.3% 100%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日清製粉グループ本社は、持株会社として、製粉、食品、中食・惣菜、その他の幅広い事業を展開しています。食の安定供給を基盤に、多様な製品とサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、小麦粉や加工食品、調理済食品など、食に関する多岐にわたる製品とサービスを提供することで収益を上げています。国内外に事業を展開し、幅広い顧客層に製品を供給しています。海外売上高は全体の約29.2%を占めており、為替換算の影響を受けることがあります。

また、特定の顧客への売上集中も見られ、株式会社ファミリーマートへの売上高は同社グループの総売上高の約14.0%を占めており、これは主に中食・惣菜事業に関連しています。

製粉事業

小麦粉、ふすま(副製品)等の製造・販売を行っています。日清製粉、熊本製粉、フレッシュ・フード・サービス、ヤマジョウ商事、石川などが運営しています。海外では、アメリカのMiller Milling Company, LLC、カナダのRogers Foods Ltd.、タイのNisshin-STC Flour Milling Co., Ltd.、ニュージーランドのChampion Flour Milling Ltd.、オーストラリアのAllied Pinnacle Pty Ltd.などが小麦粉やプレミックス、ベーカリー関連原材料の製造・販売を行っています。収益は、小麦粉や関連製品の販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しました。

食品事業

プレミックス、家庭用小麦粉、パスタ、パスタソース、冷凍食品、製パン用等の食品素材、生化学製品、創薬研究支援事業、健康食品等の製造・販売を行っています。株式会社日清製粉ウェルナ、日清製粉プレミックス、マ・マーマカロニ、オリエンタル酵母工業、日清ファルマなどが運営しています。海外では、タイ、ベトナム、中国、インドネシア、アメリカ、トルコなどでプレミックスやパスタ、パスタソース、冷凍食品の製造・販売を行っています。収益は、加工食品や酵母・バイオ製品の販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。

中食・惣菜事業

弁当、惣菜、調理麺等調理済食品の製造・販売を行っています。トオカツフーズ、株式会社ジョイアス・フーズ、イニシオフーズ、株式会社日清製粉デリカフロンティアなどが運営しています。収益は、調理済食品の販売から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しました。

その他の事業セグメント

エンジニアリング、メッシュクロス、荷役・保管事業等を含んでいます。日清エンジニアリング、株式会社NBCメッシュテック、日清丸紅飼料、日本ロジテム、日清サイロ、阪神サイロ、千葉共同サイロ、信和開発などが運営しています。収益は、プラントエンジニアリングにおける大型工事の請負やメッシュクロス製品の販売などから得ています。当連結会計年度の売上高は前期から大幅に増加しました。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
製粉 4,436億円 4,285億円
食品 2,063億円 2,166億円
中食・惣菜 1,561億円 1,646億円
その他の事業セグメント 456億円 553億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期間の売上高は増加傾向にあり、直近の当連結会計年度も前期から増加しました。経常利益も概ね増加傾向を示しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に一時的な損失を計上した期がありましたが、直近では回復し、安定した水準で推移しています。当連結会計年度は減損損失計上により前期から減少しました。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 6,797億円 7,987億円 8,582億円 8,515億円 8,650億円
経常利益 326億円 331億円 500億円 492億円 514億円
経常利益率 4.8% 4.1% 5.8% 5.8% 5.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 175億円 △104億円 317億円 347億円 326億円
1株当たり当期純利益(円) 58.88 △34.91 106.74 117.33 113.33

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、当連結会計年度に前期から増加しました。また、従業員1人あたり営業利益も前期から増加しています。これらの指標は、同社グループの生産性が向上している傾向を示しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 87.5百万円 89.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 4.8百万円 4.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定的に資金を創出し、将来に向けた投資も継続しながら、手元資金を潤沢に確保しています。強固な財務基盤は、事業運営の安定性を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を大きく上回っています。ROEはプライム市場平均を下回っていますが、安定した水準を維持しています。手元資金も潤沢に確保されており、事業運営の安定性を示す状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素となっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 5,026億円 5,384億円
自己資本比率 61.4% 61.1%
ROE(自己資本利益率) 7.0% 6.5%
現金及び預金 940億円 978億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に減価償却費や減損損失等を足し戻した資金増加が、法人税等の支払等の資金減少を上回ったことにより、資金が増加しています。これは本業で安定的に資金を創出していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得による支出等により資金が減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支出や自己株式の取得により資金が減少しています。結果としてフリーキャッシュ・フローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状況です。この資金状況は、同社グループの事業運営が安定しており、将来の成長に向けた投資余力も確保されていることを示しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 552億円 692億円
投資CF △350億円 △325億円
財務CF △354億円 △408億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 202億円 366億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

国際貿易交渉の進展と麦政策の変更により、国内事業において需要構造の変化や競争の激化、再編等が進む可能性があります。これにより、同社グループの製粉事業や加工食品事業の業績や事業運営に影響を及ぼすリスクがあります。

また、海外事業においては、政治や経済の予期しない変動、法律・規制の変更、テロや紛争等の発生、新型感染症の流行などにより、業績悪化や事業継続に支障が生じる可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、同社グループの事業で必要とする人材の確保・育成ができない場合、長期的に競争力が低下する可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日清製粉グループ本社は、「信を万事の本と為す」と「時代への適合」を社是とし、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」を企業理念に掲げています。食の中心企業として、社会貢献と成長を追求する企業グループです。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日清製粉グループ本社は、「信を万事の本と為す」と「時代への適合」を社是とし、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」を企業理念としています。1900年の創業以来、事業を通じて社会貢献を果たし、食の中心企業として成長を継続しています。

同社グループは、長期的な企業価値の極大化を経営の基本方針とし、コア事業と成長事業へ重点的に資源配分を行っています。ガバナンスを強化し、環境(E)・社会(S)への取り組みを事業戦略と深く関連させたサステナビリティ経営を推進することで、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。株主、顧客、取引先、社員、社会等の各ステークホルダーから積極的に支持され続ける企業グループとして発展していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日清製粉グループ本社は、「日清製粉グループの企業行動規範及び社員行動指針」ならびに「日清製粉グループサステナビリティの考え方」を実践しています。事業を通じて社会的価値の創出に取り組み、「健康で豊かな生活づくりに貢献する」という企業理念の実現を目指しています。

同社グループは、最も優先的に取り組むべき社会課題として「サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)」を特定し、経営の最重要課題の一つと位置付けています。これには「安全で健康的な食生活の提供」「持続可能な原材料の調達」「食品廃棄物・容器包装廃棄物への対応」「気候変動及び水問題への対応」「働きがいのある労働環境の確保」の5つが含まれます。

また、「日清製粉グループの人権方針」に基づいた人権デュー・ディリジェンスや、「責任ある調達方針」に基づく公正で倫理的な調達を推進しています。多様な意見・考えを尊重する「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の重要性を認識し、持続的な成長に寄与するものと考えています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日清製粉グループ本社は、中長期的な経営環境として、地球温暖化や人権問題等の社会課題への意識の高まり、デジタル技術やフードテック等の技術革新の急速な進展を想定しています。このような状況において、小麦粉をはじめとする「食」の安定供給という社会的使命を果たすことを重視しています。

2026年度の最優先課題として、「複合的なインフレ対抗策の実行」「事業ポートフォリオの再評価と成長戦略の実行」「危機対応力に優れたガバナンス体制の構築」を掲げています。特に、インフレ対抗策においては、働き方改革による生産性向上とデジタル化による効率化、自動化・省人化を推進しています。

また、事業ポートフォリオの再評価では、海外事業の持続的成長戦略や構造改革を進めています。ガバナンス体制の構築においては、経営資源の適切な再配分と経営管理体制の効率化を通じて、体制の最適化に取り組んでいます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日清製粉グループは、監査等委員会設置会社として、取締役会による監督機能の強化と経営の透明性向上を図っています。持株会社制度を採用し、グループ全体の戦略的な経営とガバナンスの実効性を確保する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日清製粉グループの株主構成を見ると、特定の事業会社や金融機関、信託銀行などが上位に名を連ねています。同社グループは、国民の主要食糧である小麦粉等の安定供給を使命としており、その社会的責任を果たすための安定的な経営基盤が重視されていることがうかがえます。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 15.00%
日本生命保険相互会社 6.90%
山崎製パン 6.04%
日本カストディ銀行(信託口) 5.72%
みずほ銀行 3.18%


なお、日本生命保険相互会社は2025年8月7日付で公衆の縦覧に供されている大量保有報告書(変更報告書)において、2025年7月31日現在で共同保有者と合わせて20,530千株(7.06%)を所有している旨が記載されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性13名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.1%です。代表取締役社長は瀧原賢二氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
瀧 原 賢 二 代表取締役 取締役社長 1988年4月同社入社、日清製粉取締役、同社執行役員、同社取締役、同社常務執行役員、日清製粉常務取締役、日清製粉専務取締役、日清製粉取締役会長を経て、2022年6月より同社取締役社長現職。
坂 本 賢 二 代表取締役 専務執行役員 人事・労務本部長 1986年4月同社入社、日清製粉取締役管理部長、日清フーズ取締役管理部長、同社総務本部人事部長、同社執行役員人事・労務本部長を経て、2025年6月より同社取締役専務執行役員人事・労務本部長現職。
鈴 木 栄 一 取締役 常務執行役員 経理・財務本部長 1987年4月同社入社、同社経理・財務本部経理部長、同社執行役員経理・財務本部経理部長、同社執行役員経理・財務本部長を経て、2023年6月より同社取締役常務執行役員経理・財務本部長現職。
髙 橋 誠一郎 取締役 常務執行役員 技術本部長 1990年4月同社入社、日清製粉取締役鶴見工場長、同社執行役員技術本部長を経て、2024年6月より同社取締役常務執行役員技術本部長現職。
岩 橋 恭 彦 取締役 常務執行役員 1987年4月同社入社、日清フーズ取締役開発センター所長、日清フーズ取締役加工食品事業部長、同社執行役員、日清フーズ常務取締役加工食品事業部長、同社常務執行役員、日清フーズ常務取締役プロダクトマネジメント統括部長、日清フーズ専務取締役プロダクトマネジメント統括部長、株式会社日清製粉ウェルナ専務取締役を経て、2023年4月より株式会社日清製粉ウェルナ取締役社長現職、2023年6月より同社取締役常務執行役員現職。
池 田 晋 一 取締役 常務執行役員 1989年4月同社入社、Thai Nisshin Technomic Co.,Ltd.取締役社長、トオカツフーズ専務取締役営業本部管掌、トオカツフーズ取締役社長を経て、2024年6月より同社取締役常務執行役員現職、2024年6月より株式会社日清製粉デリカフロンティア取締役社長現職。
山 田 貴 夫 取締役 執行役員 1983年4月同社入社、日清製粉取締役東京営業部長、同社執行役員、同社取締役、日清製粉常務取締役営業本部長、日清製粉専務取締役営業本部長、日清製粉取締役社長、同社取締役常務執行役員、同社取締役専務執行役員を経て、2026年4月より同社取締役執行役員現職、2026年4月より日清製粉株式会社取締役会長現職。


社外取締役は、伏屋和彦氏(元会計検査院長)、永井素夫氏(元みずほ信託銀行取締役副社長)、遠藤信博氏(元日本電気代表取締役会長)、富田美栄子氏(西綜合法律事務所代表・監査等委員)、安藤隆春氏(元警察庁長官・監査等委員)、金子寛人氏(金子寛人公認会計士事務所所長・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を有することで、業務執行の監督機能を強化しています。また、独立性の高い社外取締役が経営に意見を述べる体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日清製粉グループの役員報酬は、固定報酬(基本報酬)、業績連動報酬(賞与)、株式報酬の組み合わせで構成されています。優秀な人材の確保、事業規模に応じた適正水準、中長期的な企業価値向上へのインセンティブ機能が考慮されています。特に、変動報酬の割合を高めることで、より一層業績に連動した報酬体系を目指す方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 8名 2.5億円 30.6百万円
取締役(社外除く) 1名 17百万円 17.0百万円
社外役員 6名 66百万円 11.0百万円


なお、報酬等の総額には、事業年度中に報酬の支給対象となった役員が含まれています。個人別報酬が開示されている役員は存在しません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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日清製粉グループ本社の転職研究 2026年3月期2Q決算に見るキャリア機会

日清製粉グループ本社の2026年3月期2Q決算は、売上高4,313億円と微増ながら、インドイースト事業の減損計上で大幅減益に。しかし、スマート工場「水島工場」の本格稼働や中食・惣菜への大規模投資など、将来の利益成長に向けた構造改革が加速。「なぜ今、日清製粉なのか?」、変革期にある同社でのキャリア機会を整理します。


【面接対策】日清製粉グループ本社の中途採用面接では何を聞かれるのか

2001年各事業が分社化し、日清製粉グループを統括している日清製粉グループ本社への転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、共に働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。