【平均年収656万円】日東富士製粉 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収656万円】日東富士製粉 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日東富士製粉は、小麦などの農産物を原料とした製粉・食品事業を主軸に、倉庫業、外食事業、運送事業をグループ各社とともに展開しています。直近期は増収減益となりました。


目次

※本記事は、日東富士製粉株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日東富士製粉グループは、小麦などの農産物を原料とした製粉・食品事業を主軸に展開しています。また、小麦の保管を行う倉庫業、ケンタッキーフライドチキンなどのファーストフード店舗を経営する外食事業、原料・製品の運送事業も手掛けています。

単体従業員数は406名、連結従業員数は799名です。セグメントは製粉及び食品事業、外食事業の2つです。

主な国内グループ会社は、さわやか(外食事業)、隅田商事(製粉及び・食品事業)などです。

同社グループは、物流機能の高度化と効率化のため、連結子会社であった日東富士運輸の株式の3分の2を譲渡し、同社を持分法適用会社へ変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日東富士製粉は、製粉および食品事業を中核とする企業として、安定した事業基盤を築いています。同社グループは、多様な人材が活躍できる環境整備や働きやすさの向上に力を入れており、従業員の成長と挑戦を支援する方針が見られます。人材育成や報酬制度においても、従業員の能力を最大限に引き出すための取り組みを進めています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が比較的長く在籍し、経験を積んでいる傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定した環境でキャリアを形成している従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,561,419円
平均勤続年数 16.0年
平均年齢 41.1歳
単体従業員数 406人
連結従業員数 799人
単体のグループ内比率 50.8%


退職給付制度

同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付企業年金制度と、会社が拠出した資金を従業員が運用する選択型確定拠出年金制度を採用しています。一部の連結子会社では、複数事業主制度の厚生年金基金制度や中小企業退職金共済制度、特定退職金共済制度に加入しています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は23.8億円、年金資産は64.7億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日東富士製粉は、パーパス経営の実現と持続的な企業価値向上に向け、「人財」を重要な経営基盤と位置付けています。従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、主体的に挑戦できる組織の構築が不可欠であると認識しています。この考えに基づき、「人事制度の運用推進」「人財開発の強化」「多様性の推進」を柱とする人的資本施策を展開しています。

人事制度面では、2025年度より新人事制度を導入し、従来の勤続年数に基づく処遇から職務・役割を基軸とした運用へ転換しました。期待される役割と成果を明確化し、「成果評価」と「行動評価」による評価制度を導入することで、従業員の挑戦意欲とエンゲージメント向上を図っています。報酬制度においても、年齢・勤続依存型を見直し、役割と成果に基づく報酬体系への移行を進め、初任給や若年層の給与水準の見直しにより人材確保と競争力強化に取り組んでいます。

人材開発では、次世代リーダーの育成や適材適所の人材配置を推進し、能力開発やリスキリング機会の拡充を図っています。キャリアプランニング支援の充実やグループ横断での人財交流の促進を通じて、従業員一人ひとりの成長を支援しています。多様性の推進においては、女性活躍や外国籍人財の活用を含むダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを強化し、柔軟な働き方や多様な価値観を尊重する職場環境の整備を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。同社及び株式会社さわやかでは、同等・同質の職掌の場合の男女間賃金格差は設けておりません。上記差異は、「勤続年数の長さによって給与が高くなる傾向」と「給与の高い職群」の男性社員比率が高いことによるものと見做しております。

指標 数値
女性管理職比率 10.6%
男性育児休業取得率 75.0%
男女賃金差異(全労働者) 73.4%
男女賃金差異(正規雇用) 79.5%
男女賃金差異(非正規雇用) 61.8%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ 株式会社さわやか

同社及び株式会社さわやかでは、同等・同質の職掌の場合の男女間賃金格差は設けておりません。上記差異は、「勤続年数の長さによって給与が高くなる傾向」と「給与の高い職群」の男性社員比率が高いことによるものと見做しております。

指標 数値
女性管理職比率 4.8%
男性育児休業取得率 -
男女賃金差異(全労働者) 79.5%
男女賃金差異(正規雇用) 82.9%
男女賃金差異(非正規雇用) 109.0%

多様な人材が活躍する環境整備と働きやすさ


上記実績は、提出会社の従業員の状況となります。

指標 数値
従業員数<合計> 406名
従業員数<男性> 295名
従業員数<女性> 111名
管理職数<合計> 104名
女性管理職比率 10.6%
新卒採用女性比率 37.5%
キャリア採用女性比率 34.6%
障がい者雇用率 2.2%
平均勤続年数 16.1年
女性育児休業取得率 100.0%
男性育児休業取得率 75.0%
ストレスチェック受検率 97.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日東富士製粉グループは、小麦粉や食品の製造販売を主軸とし、ファーストフード店舗の運営や運送事業も展開しています。食のインフラを支えるとともに、消費者の食生活に密着した多様なサービスを提供しているのが特徴です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「製粉及び食品事業」「外食事業」「運送事業」の3つの報告セグメントで事業を展開しています。国内経済が緩やかな回復基調にある一方で、物価上昇や原材料価格の高止まり、円安の影響が続く食品業界において、各種施策を推進しています。

製粉及び食品事業

小麦その他農産物等を原料として、小麦粉・ふすま・ミックス粉・食品等の製造販売を行っています。収益は、これらの製品の製造販売から得ています。運営は、日東富士製粉、増田製粉所が行っています。この事業は同社グループの収益の大部分を占めており、前期と比較して売上高は微減となりました。主要な顧客として三菱商事への売上が大きい状況です。

外食事業

ケンタッキーフライドチキン等のファーストフード店舗経営を行っています。収益は、ファーストフード店舗の運営から得ています。運営は、さわやか(株式会社さわやか)が行っています。この事業は前期と比較して売上高が増加しています。

運送事業

主に日東富士製粉の原料や製品の運送を行っています。収益は、運送業から得ています。運営は、M&Fロジスティクス(旧:日東富士運輸)が行っています。当連結会計年度において、日東富士運輸の株式の一部売却により、同社は連結子会社から持分法適用関連会社へ移行しました。これに伴い、当期の運送事業セグメントには4月から10月までの業績が記載されており、前期と比較して売上高は減少しています。

同社グループの事業は国内が中心であり、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えています。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
製粉及び食品事業 608億円 605億円
外食事業 114億円 122億円
運送事業 1.4億円 65百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高は概ね増加傾向にあり、直近の当期は前期から微増となりました。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2期で減少傾向を示しています。

これは、老朽化設備の修繕費の増加、販売運賃をはじめとする各種コストの上昇、並びに飼料用副産物の市況価格の下落が主な要因となっています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 593億円 695億円 726億円 723億円 728億円
経常利益 48.9億円 57.3億円 58.2億円 55.6億円 43.9億円
経常利益率 8.2% 8.2% 8.0% 7.7% 6.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 37.1億円 39.6億円 42.4億円 35.5億円 33.2億円
1株当たり当期純利益(円) 101.89 108.83 116.38 97.49 91.15

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期の85.3百万円から当期は91.1百万円へと増加しました。これは、従業員一人ひとりが生み出す売上高が増加していることを示しています。

一方で、従業員1人あたり営業利益は、前期の6.0百万円から当期は4.8百万円へと減少しました。売上高が増加する中で営業利益が減少していることから、コスト管理や利益率の改善が今後の課題となる可能性があります。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 85.3百万円 91.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 6.0百万円 4.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日東富士製粉は、安定した財務基盤を築き、事業活動で得た資金を効率的に活用している状況を示しています。本業で着実に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元に余剰資金を確保していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


日東富士製粉は、強固な財務基盤を維持している状況です。自己資本比率は高い水準にあり、安定した経営体制がうかがえます。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均と比較して低い水準となっていますが、手元資金として現金及び預金を確保しており、事業運営の安定性につながっています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 494億円 501億円
自己資本比率 78.4% 78.5%
ROE(自己資本利益率) 7.2% 6.7%
現金及び預金 11.9億円 11.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、前期に比べて減少傾向にあるものの、依然としてプラスを維持しています。これは本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。投資活動によるキャッシュフローは、前期に比べて支出が減少しました。これは、物流機能の高度化及び効率化を目的とした連結子会社株式の一部譲渡など、事業構造の最適化を進めたことによるものと考えられます。

財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いなどによりマイナスとなっています。フリーキャッシュフローは増加しており、事業活動で得た資金が投資を上回り、手元に余剰資金が残る優良な状態を示しています。この資金状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた基盤を維持していることを示唆しています。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 50.6億円 46.7億円
投資CF △21.9億円 △9.0億円
財務CF △22.8億円 △25.9億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 28.7億円 37.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、国内の人口減少や少子高齢化による需要減少、輸入食品の関税撤廃・削減による市場環境の変化をリスクとして認識しています。また、主原料である輸入小麦の調達において、国家貿易や世界的な食料需給構造の変化、気候変動、為替変動による調達コスト上昇のリスクも挙げています。これらのリスクは、同社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日東富士製粉は、創業110周年を機に新たなパーパスを策定し、持続的な企業価値向上を目指しています。社会における存在意義を明確にし、多様なニーズに応え続ける企業文化を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日東富士製粉グループは、2024年の創業110周年を契機に、新たなパーパスを策定しました。そのパーパスは「小麦の持つ無限の可能性で、世界の多様なニーズに挑戦し続ける」です。

ビジョンとしては、「事業基盤の強化により持続的に成長する企業となる」ことと、「能動的に細かなニーズを捉え、新規領域での成長に挑戦し続ける」ことを掲げています。

同社グループは、このパーパスのもと、企業価値の持続的向上に向けた各種施策に取り組んでいます。中期経営計画をローリング方式に移行し、事業環境の変化に柔軟に対応しながら、パーパスの実現と持続的な企業価値向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日東富士製粉グループは、以下の行動指針を掲げています。環境に配慮した製品・サービスの開発と提供を通じて社会に貢献し続けること、法令と社会規範を遵守し誇りを持って仕事に臨み続けることです。

また、グローバルな視野を持ち、多様な文化を受け入れ、すべてのステークホルダーの満足度を高め続けることを重視しています。

サステナビリティ重要課題として、「チャレンジ文化のある企業を目指し、多様な人材が活躍する環境整備」や「働きやすさの向上」を定義しています。人権方針では、差別の禁止や強制労働の禁止、安全で健康的な職場環境の提供などを定めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日東富士製粉グループは、工場の老朽化や人材需給の逼迫、顧客ニーズの多様化による生産計画・在庫管理の複雑化を経営課題として認識しています。これに対応するため、サプライチェーン全体を俯瞰した統合的な需給管理体制の構築を不可欠としています。

中期経営計画「Rolling Plan」では、供給体制の強靭化と製販統括機能の強化を重要課題としています。これには、エンジニアリング体制の強化や老朽化対策、食品安全ガバナンスの強化が含まれます。

人的資本基盤の充実に向けては、2025年度に導入した新人事制度の運用促進やキャリアプランニングの強化、多様性の推進に取り組んでいます。サステナビリティへの対応として、GHG削減や役職者の女性比率向上、外国人労働者・技術者の活用を非財務目標に掲げています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日東富士製粉は、取締役会の監査・監督機能の強化とガバナンスの充実を図るため、監査等委員会設置会社へ移行しています。また、機動的かつ効率的な経営体制の強化を目的に、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日東富士製粉は、三菱商事が筆頭株主として過半数を超える株式を保有しており、その資本構成は特定の事業会社に強く支えられている特徴があります。その他、複数の機関投資家や事業会社が上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
三菱商事 64.74%
日本マスタートラスト信託銀行 4.64%
日本カストディ銀行 1.51%
山崎製パン 1.36%
日東富士製粉持株会 1.09%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性6名・女性3名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長は宮原朋宏氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
宮原 朋宏 代表取締役社長 1989年4月 三菱商事株式会社入社。同社食糧本部、農水産本部、生活消費財本部等を経て、2023年6月より同社代表取締役社長現職。
中田 昭久 取締役顧問 1983年4月 同社入社。生産技術部長、執行役員生産技術部長、取締役常務執行役員生産技術本部長等を経て、2026年4月より同社取締役顧問現職。
堤 隆敏 取締役常務執行役員営業開発本部長 1995年4月 三菱商事株式会社入社。同社食品原料部、飲料原料ユニット等を経て、2024年10月より同社取締役常務執行役員営業開発本部長現職。
長﨑 剛 取締役 1999年4月 三菱商事株式会社入社。同社糖質ユニット、製粉糖質部等を経て、2023年6月より同社取締役現職。


社外取締役は、豊島ひろ江氏(中本総合法律事務所パートナー)、宮下律江氏(株式会社エターナリア代表取締役)、小倉朋子氏(フードプロデューサー、株式会社トータルフード代表取締役)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化とガバナンスの充実を図っています。社外取締役は、その専門知識や経験を活かし、企業統治体制の充実に努めています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日東富士製粉の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績に連動する賞与、中長期の業績に連動する株式報酬で構成されています。社外取締役の報酬は、独立性を確保するため固定報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 1.4億円 28.4百万円
監査等委員(社外除く) 1名 0百万円 0.0百万円
社外役員 4名 18百万円 4.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。