【平均年収904万円】カゴメ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収904万円】カゴメ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

カゴメは、国内外で食品の製造・販売を手掛け、加工食品事業や国際事業を展開しています。連結従業員は3,200名を超え、世界第4位のトマト一次加工会社を連結子会社化するなど国際事業を拡大しています。直近の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、カゴメ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月13日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


カゴメグループは、国内外で食品の製造、仕入れ、販売を手掛けています。国内では飲料や調味料の加工食品事業を、海外では農業生産から商品開発、加工、販売までを行う国際事業を展開しています。

単体従業員数は1,737名、連結従業員数は3,253名です。報告セグメントは国内加工食品事業、国際事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、カゴメアグリフレッシュ(その他)、響灘菜園(同)、カゴメアクシス(同)などです。

同社グループは、2024年に世界第4位のトマト一次加工会社であるIngomarを連結子会社化し、国際事業の業績を拡大しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


カゴメは食品メーカーとして、自然の恵みを活かした事業を展開しています。同社グループは、従業員の成長を重視し、多様な働き方を支援する環境整備に力を入れていることがうかがえます。グローバルな事業展開とサステナビリティへの取り組みも特徴であり、長期的な視点でのキャリア形成が期待できるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、安定して働き続けられる環境が整っていることが示されています。平均年齢も比較的高い水準であり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 9,036,730円
平均勤続年数 18.0年
平均年齢 42.4歳
単体従業員数 1,737人
連結従業員数 3,253人
単体のグループ内比率 53.4%


同社グループは、従業員の退職後給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を有しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

連結ベースの売上原価に含まれる人件費は221億円(従業員1人あたり679万円)です。単体の平均年間給与と比較すると、連結ベースの1人あたり給付費用は低い水準となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


カゴメは「人の成長がカゴメの成長につながる」という人的資本経営を志向し、従業員の成長と活躍を重視しています。2035ビジョンの達成に向け、経営戦略と連動した人材戦略を推進しており、特に「ワークキャリア開発・ライフキャリア支援」「エンゲージメント取り組みの再構築」「人事領域のグローバル体制の構築・実働化」に注力しています。

具体的には、従業員一人ひとりが自律的にキャリアを築けるよう、キャリア開発、能力開発、組織風土開発の観点から多様な施策を用意しています。また、国籍や性別、年齢などに関わらず多様な人材が活躍できるDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)を推進し、2040年頃までに各職位の女性比率50%を目指す長期ビジョンを掲げています。

働きやすい環境整備として、フレックスタイム制度やテレワーク勤務制度、副業制度、看護休暇・介護休暇の時間単位取得などを導入し、多様な働き方を支援しています。従業員の「働きがい」を測るエンゲージメントサーベイを毎年実施し、心理的安全性の浸透にも力を入れています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


男性育児休業取得率は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
女性管理職比率 12.0%
男女間賃金差(全労働者) 67.6%
男女間賃金差(正社員) 70.5%
男女間賃金差(パート・有期社員) 81.6%

多様性・登用

指標 数値
総合職新卒採用における女性割合 46.7%
入社10年以内女性の継続就業状況(男性比) 1.0
総合職キャリア採用構成比 38.8%

育児・介護支援

指標 数値
男性育休取得率 総合職 79.3%
男性育休取得率 技能職 100.0%

健康・安全

指標 数値
有給休暇取得率 80.6%
総労働時間(時間/年) 1,907

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
エンゲージメントサーベイ総合スコア 73
「心理的安全性」浸透度スコア 74

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


カゴメは、国内外で食品の製造、仕入、販売を主な事業内容としています。同社グループは、国内加工食品事業と国際事業の二つを主たる事業として展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか

国内加工食品事業

飲料や調味料の製造・販売を手がけています。野菜飲料やトマトケチャップ、ソースなどが主要な製品です。
収益は、顧客との契約から得ています。前期と比較して売上収益は増加しましたが、事業利益はほぼ横ばいとなりました。

国際事業

海外において農業生産、商品開発、加工、販売事業を展開しています。トマトペーストなどの一次加工品や、ピザソースなどの二次加工品を製造・販売しています。
主な顧客は調味料メーカーや外食企業で、米国、ヨーロッパ、オーストラリアなどでBtoBビジネスを展開しています。前期と比較して売上収益、事業利益ともに減少しました。

その他

国内農事業、種苗の生産・販売、新品種・栽培技術の研究開発、不動産事業、新規事業などを展開しています。
前期と比較して売上収益は増加しましたが、事業利益は減少しました。

カゴメの収益は、主に顧客との契約から認識した収益で構成されています。国際事業ではトマトペーストの国際市況の変動が収益に影響を与える傾向があります。特定の顧客への収益集中としては、株式会社日本アクセスへの販売実績が全体の1割強を占めています。

セグメント 売上収益(2024年12月期) 売上収益(2025年12月期)
国内加工食品事業 1,557億円 1,573億円
国際事業 1,493億円 1,298億円
その他 219億円 224億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


カゴメグループの業績は、過去5年間で売上収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益ともに変動が見られます。直近の連結会計年度では、売上収益、各利益ともに前期から減少する結果となりました。
特に営業利益の減少幅が大きくなっています。これは、前期に連結子会社化に伴う差益を計上していた反動による影響も含まれています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上収益 1,897億円 2,056億円 2,247億円 3,069億円 2,943億円
税引前利益 139億円 126億円 165億円 337億円 211億円
税引前利益率 7.3% 6.1% 7.3% 11.0% 7.2%
親会社の所有者に帰属する当期利益 97.6億円 91.2億円 104億円 250億円 148億円
1株当たり当期純利益(円) 109.37 105.11 121.17 278.52 161.42

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


カゴメグループの従業員1人あたりの売上収益と営業利益は、直近の連結会計年度において具体的な数値が示されています。これらの指標は、同社グループの事業規模と従業員数に対する収益創出力を示しています。
従業員1人あたりの売上収益は90.5百万円、従業員1人あたりの営業利益は7.0百万円となっています。これらの数値は、組織全体の効率性や収益体質を測る上での参考となります。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上収益(連結) - 90.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) - 7.0百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定したキャッシュを生み出しつつ、将来に向けた投資も行っています。当期はフリーキャッシュフローがプラスに転じ、財務基盤の安定性を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は50.7%となっており、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は7.9%で、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び現金同等物は268億円と増加しており、安定した財務基盤を維持していることがうかがえます。これらの財務状況は、同社グループの事業運営の安定性につながるものと考えられます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
自己資本 1,857億円 1,906億円
自己資本比率 51.3% 50.7%
ROE(自己資本利益率) 15.7% 7.9%
現金及び現金同等物 213億円 268億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当期のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは269億円の純収入となりました。これは税引前利益の計上や減価償却費及び償却費、棚卸資産の減少などが主な要因です。投資活動によるキャッシュフローは115億円の純支出となっており、主に有形固定資産及び無形資産の取得による支出が影響しています。財務活動によるキャッシュフローは104億円の純支出となり、長期借入金の収入があった一方で、自己株式の取得や長期借入金の返済、配当金の支払いなどがありました。結果として、フリーキャッシュフローは154億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態を示しています。この状況は、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示唆しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 317億円 269億円
投資CF △463億円 △115億円
財務CF △6億円 △104億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △146億円 154億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、日本国内における景気の後退や需要の減少、消費者ニーズへの対応の遅れによる売上減少のリスクを認識しています。また、原材料や資材価格の高騰が商品供給や収益に影響を与える可能性も事業リスクとして挙げています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、成長分野、新規事業、海外事業領域の拡大に必要な人材の不足をリスクとして認識しています。特定の専門領域における人材不足や人材育成策の不足も課題として挙げられています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


カゴメは、創業以来「農」と「自然」を価値の中心に据え、持続可能な社会の実現と企業成長を両立させることを目指しています。人々の健康と豊かな生活への貢献を追求し、独自の強みで新たな価値創造に挑戦する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


カゴメグループは、「感謝」「自然」「開かれた企業」を企業理念とし、「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」をブランドメッセージとしています。同社グループは、新たに「ミッション・ビジョン・バリューズ(MVV)」を制定しました。

ミッションとして「人が自然を、自然が人を豊かにする循環を生み出し続けます」を掲げています。2035ビジョンでは、「農から食にわたる技術革新をリードし、自然の可能性を共に拓く会社へ」という姿を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


カゴメグループは、「品質第一」「現場・現物・現実」を重視するものづくりへの考え方と、安心・安全へのこだわりを大切にしています。同社グループの企業文化は、「食を通じた社会課題の解決」や「農からの価値形成」といった強みを言語化し、社会貢献と企業成長を両立させてきた歴史に根ざしています。

新たな「2035バリューズ」として「Explore(探究しよう)」「Advance(先進しよう)」「Cooperate(協創しよう)」を掲げ、従業員一人ひとりの積極的なチャレンジを促しています。また、「人の成長がカゴメの成長につながる」という考えのもと、多様な人材が活躍できる心理的安全性の高い職場環境づくりを推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


カゴメグループは、グループ経営体制のマネジメントにおいて、国際事業の比率増加に対応した経営体制の構築を課題としています。新たに制定したミッション・ビジョン・バリューズ(MVV)の社内浸透と、海外グループ会社を含めた対話の深化も重要なテーマです。

国内加工食品事業では、農業の担い手減少への対応とバリューチェーンのさらなる強化に取り組んでいます。人的資本の強化として、経営戦略と連動した人材戦略を推進し、多様な人材が活躍できる環境を整備しています。

コーポレート・ガバナンスの強化も重点テーマであり、執行側と経営側の役割分担の明確化や取締役会の実効性向上に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


カゴメは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、コーポレート・ガバナンスを重要な経営課題と認識しています。取締役会は監督と執行の機能分離を進め、経営のスピードアップと責任の明確化に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


カゴメの株主構成を見ると、筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行であり、主要な機関投資家が上位に名を連ねています。特定の創業家や事業会社が過半数を占めるような構成ではなく、幅広い投資家によって支えられていることが特徴です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行 14.00%
ダイナパック 4.26%
日本カストディ銀行 2.66%
JP MORGAN CHASE BANK 385781 1.36%
カゴメ社員持株会 1.14%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性7名・女性2名)で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は奥谷晴信氏が務めています。社外取締役比率は0.0%です。

氏名 役職 主な経歴
奥谷 晴信 代表取締役社長 1990年4月同社入社、アジア事業カンパニーCFO兼企画調整室長、国際事業本部企画管理室長、経営企画室長兼米国成長戦略プロジェクト室長、執行役員、取締役執行役員、取締役常務執行役員、コーポレート企画本部長を経て、2026年1月より現職。
山口 聡 取締役会長 1983年4月同社入社、業務用ビジネス・ユニット部長、執行役員業務用事業本部長、イノベーション本部長、野菜事業本部長、取締役常務執行役員、代表取締役社長を経て、2026年1月より現職。
葉色 義久 取締役常務執行役員生産調達本部長 1990年4月同社入社、Kagome Australia Pty Ltd.取締役、国際事業本部グローバル品質保証部長、生産調達本部調達部長、生産調達本部長、執行役員、取締役執行役員を経て、2025年3月より現職。
佐伯 健 取締役常務執行役員CFO 兼 CRO 兼 財務経理部長 1986年4月京セラ入社、YASHICA Kyocera GmbH出向、2003年1月同社入社、トマト事業カンパニーCFO、財務経理部長、執行役員、CFO兼CRO兼リスクマネジメント統括委員会事務局長、常務執行役員を経て、2025年3月より現職。
荒金 久美 取締役(非常勤) 1981年4月コーセー入社、東京大学博士号(薬学)取得、コーセー研究本部開発研究所主幹研究員、マーケティング本部商品開発部長、執行役員、取締役、常勤監査役、クボタ社外監査役、戸田建設社外取締役を経て、2020年3月より現職。
粂川 滋 取締役(非常勤) 1986年4月ソニー入社、ソニーマーケティングテレビ&ビデオMK部統括部長、執行役員、CJSC Sony Electronics(Moscow) Chairman & President、Sony Europe Limited President、ソニー執行役員、ソニーマーケティング代表取締役社長、ソニーDeputy Global Sales&Marketing Officerを経て、2025年3月より現職。


カゴメは2016年より監査等委員会設置会社に移行しています。取締役会の主たる役割を経営戦略、経営方針の決定とその執行モニタリングと定め、アドバイス機能と監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


カゴメの役員報酬制度は、中期経営計画の実現に向けたグローバル企業として競争力のある水準を維持し、成果・業績に対して強い責任を求めることを基本方針としています。報酬は固定報酬と業績連動報酬で構成され、業績連動報酬は現金賞与と信託型株式報酬(BIP信託)に展開される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 5名 2.2億円 43.2百万円
監査等委員(社外除く) 1名 32百万円 32.0百万円
社外取締役 5名 44百万円 8.8百万円


なお、報酬等の総額が1億円以上である者または代表取締役社長に限定して記載しております。当事業年度末日後の2026年1月1日において、代表取締役社長に奥谷晴信氏、取締役会長に山口聡氏が就任しております。

個人別報酬が開示されている役員は、山口聡氏(0.96億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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