※本記事は、スターツ出版株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
スターツ出版は持株会社であり、単体従業員数は240名です。
同社グループは、親会社であるスターツコーポレーション株式会社を擁するスターツグループ88社の一員として、メディア部門を担っています。出版事業とインターネット事業を主軸に、書籍コンテンツ事業とメディアソリューション事業を展開しています。
スターツ出版は、当事業年度に観光DXアプリ「SASSY」等を運営するReliyon Tripの株式を80%取得し、子会社化しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
スターツ出版は、書籍・コミックの発行やウェブメディア運営など多岐にわたる事業を展開しています。同社グループは「人が、心が、すべて。」という企業理念のもと、社員一人ひとりの個性を尊重し、働きがいを感じられる環境整備を推進しています。多様な働き方や価値観に対応し、柔軟なキャリア形成を支援する方針が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
スターツ出版では、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は10年近くとなっています。これは、比較的若い世代が中心となりながらも、一定期間にわたってキャリアを築いている社員が多い傾向を示しています。社員が長期的に活躍できる環境が整っていることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,111,246円 |
| 平均勤続年数 | 9.5年 |
| 平均年齢 | 34.8歳 |
| 単体従業員数 | 240人 |
スターツ出版は、従業員の退職給付制度として、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方を採用しています。これらの制度は国内の従業員に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、退職給付債務は4.2億円、年金資産は5.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
スターツ出版は、スターツグループの企業理念「人が、心が、すべて。」に基づき、「個を活かしながら、全体の調和を重んじる」人事戦略を重視しています。社員一人ひとりの個性を尊重し、働きがいを感じながら自分らしく働ける環境整備を推進する方針です。
「さがし-育て-活かす」というサイクルを事業展開にリンクさせながら、多様な働き方や価値観に対応しています。具体的には、社員が自ら希望するキャリアプランを直接アピールできる「キャリアヒアリングシート制度」を年2回設けています。この制度により、業種や職種を横断した柔軟なキャリア形成を支援しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得率の「-」は、配偶者が出産した男性労働者がいないことを示しています。労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 47.8% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 48% |
| 男女の平均継続勤続年数の差異 | 75% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
スターツ出版は、親会社であるスターツコーポレーション株式会社を親会社とするスターツグループのメディア部門として、出版事業とインターネット事業を営んでいます。同社は、書籍やコミックの発行、小説サイトの運営、女性向けウェブサイトでの情報発信や施設予約サービスの提供などを通じて、文化と笑顔の需要創造を目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は主に「書籍コンテンツ事業」と「メディアソリューション事業」の二つのセグメントで事業を展開しています。それぞれの事業が独自の強みを持ち、多様な顧客層にサービスを提供しています。
書籍コンテンツ事業
この事業では、自社で運営する小説サイト「野いちご」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」を起点に、独自のマーケティングを通じて幅広いジャンルの作品を書籍やコミックとして発刊しています。映像化などのIP展開やSNSを活用した販促施策にも注力しています。
収益は、書籍やコミックの販売から得ています。当事業年度の売上高は、前期と比較して減少しました。
メディアソリューション事業
この事業では、独自のマーケティングモデルに基づき、「オズのプレミアム予約」として厳選されたレストラン、ビューティサロン、宿泊施設の施設予約サービスを提供しています。また、「オズモール」「オズマガジン」「メトロミニッツ」といった東京地域密着の自社メディアとSNS、リアルイベントを組み合わせたPR・販促ソリューションを展開しています。
収益は、施設予約サービスや商業施設・自治体向けの集客支援、販促支援サービスの提供から得ています。当事業年度の売上高は、前期と比較して増加しました。
同社は、メディアソリューション事業とのシナジー効果を期待し、観光DXアプリなどを運営する株式会社Relyon Tripを子会社化しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 書籍コンテンツ事業 | 52.8億円 | 48.0億円 |
| メディアソリューション事業 | 33.0億円 | 33.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前期と比較して減少する結果となりました。特に書籍コンテンツ事業におけるヒット作品の増収効果の反動や、物価高による製造原価の上昇、新レーベル創刊への先行投資などが利益減少の要因となっています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
スターツ出版は、堅実な財務基盤とキャッシュフローの状況を示しています。本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来に向けた投資も行っていることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
スターツ出版の財務基盤は、自己資本比率の高さが特徴です。当期の自己資本比率は83.5%となっており、前期の81.5%から増加しています。これはプライム市場平均と比較しても非常に高い水準を示しており、強固な財務体質であることがうかがえます。
ROE(自己資本利益率)は当期12.8%で、前期の18.7%からは減少していますが、プライム市場平均を上回る水準を維持しています。手元資金を示す現金及び預金等は、当期末で55.7億円となっており、前期から減少しています。これらの状況は、同社の安定した経営基盤と、事業活動を通じて利益を生み出す能力を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 97.7億円 | 107.7億円 |
| 自己資本比率 | 81.5% | 83.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.7% | 12.8% |
| 現金及び預金等 | 62.2億円 | 55.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
スターツ出版の当期の営業活動によるキャッシュ・フローは8.0億円の資金獲得となりましたが、前期の16.9億円と比較すると減少しています。これは主に税引前当期純利益の獲得があった一方で、法人税等の支払額や売上債権の増加等による資金の使用があったためです。
投資活動によるキャッシュ・フローは△9.9億円の資金使用となり、前期の0.3億円の資金獲得から大きく転じています。これは投資有価証券の取得やシステム開発等の無形固定資産の取得に資金を投じたことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは△4.6億円の資金使用で、配当金の支払等が行われています。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期△1.9億円となり、前期の17.2億円からマイナスに転じました。同社は本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている成長投資フェーズにあることが示されています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 16.9億円 | 8.0億円 |
| 投資CF | 0.3億円 | △9.9億円 |
| 財務CF | △3.4億円 | △4.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 17.2億円 | △1.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの出版事業では、デジタルデバイスの多様化や少子高齢化を背景に出版不況が続いており、紙の書籍・雑誌販売額が減少傾向にあります。書店数の減少、返品率の高止まり、物流費や印刷コストの上昇等も続き、業界全体の低迷が経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、同社グループの小説・コミック事業では、同様のビジネスモデルや同ジャンルのコンテンツを展開する競合との競争が激しくなっており、異業種の大手資本参入により業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
スターツ出版は「感動プロデュース企業へ」というビジョンを掲げ、コンテンツを通じて感動体験と需要創造を目指しています。社員一人ひとりの成長とチームワークを重視する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社の経営ビジョンは「感動プロデュース企業へ」です。メッセージやストーリーの詰まったコンテンツを創造し、感動の輪を広げることを通じて、コンシューマーやクライアントに感動体験と需要創造を提供することが、同社の最大の価値であると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は、企業の成長には「穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土」が大変重要であると認識しています。そのため、社内チームワークの醸成や社員の成長を後押しする取り組みに注力しています。
同社が所属するスターツグループの企業理念は「人が、心が、すべて。」であり、「個を活かしながら、全体の調和を重んじる」人事戦略を重視しています。「さがし-育て-活かす」というサイクルを事業展開にリンクさせながら、多様な働き方や価値観が求められる中で、社員一人ひとりの個性を尊重し、働きがいを感じながら自分らしく働ける環境整備を推進しています。具体的には、「キャリアヒアリングシート制度」(年2回、自ら希望するキャリアプランを直接管理部へアピールできる機会)を設け、業種と職種を横断した柔軟なキャリア形成を実施しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、会社の成長の土台として「穏やかで、伸び伸びとした、社員の成長が持続できる企業風土」が大変重要であると認識しており、社内チームワークの醸成や社員の成長を後押しする取り組みに注力しています。
組織体制においては、知見の蓄積と共有、リスク管理体制、コンプライアンス遵守体制といった内部管理体制の強化が重要な課題です。情報漏洩等に対するセキュリティ対策の徹底も課題として認識しており、継続的に社内教育・研修実施やシステム整備などを行っていく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は、取締役会および監査役会を設置する体制を採用しており、客観的な視点を取り入れた経営体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主はスターツコーポレーションであり、スターツアメニティーも上位株主として名を連ねています。このように、関連会社が上位に並ぶ資本構成となっており、特定の株主グループが同社の経営に影響力を持つ状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| スターツコーポレーション | 48.59% |
| スターツアメニティー | 20.99% |
| 村石 久二 | 2.71% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性9名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は菊地修一氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 菊地 修一 | 取締役社長 (代表取締役) | 1984年4月株式会社リクルート入社、2001年4月同社住宅情報編集長に就任、2004年3月同社代表取締役社長より現職。 |
| 金子 弘 | 常務取締役管理部長 | 1989年4月スターツ入社、2000年11月同社入社、2015年3月同社取締役(管理部門担当役員)に就任、2023年4月同社常務取締役管理部長より現職。 |
| 今泉 俊一 | 常務取締役 書籍コンテンツ部門 担当役員 | 2001年4月同社入社、2019年8月同社書籍コンテンツ事業部統括部長に就任、2022年3月同社取締役(書籍コンテンツ部門担当役員)に就任、2024年6月同社常務取締役(書籍コンテンツ部門担当役員)より現職。 |
| 関根 赴治 | 常務取締役 メディアソリューション部門 担当役員 | 2000年4月同社入社、2014年4月同社オズモールレストラン事業推進部長に就任、2020年3月同社取締役(オズモール部門担当役員)に就任、2025年6月同社常務取締役(メディアソリューション部門担当役員)より現職。 |
社外取締役は、福田峰夫氏(株式会社オフィスM 代表取締役・元ジュピターテレコム専務取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は取締役5名(社外取締役1名含む)で構成されています。社外取締役は客観的な立場から経営全般に対する助言・監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本方針としており、固定報酬としての基本報酬を支払う体系です。当事業年度において、同社の役員が受けている報酬等は固定報酬のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 65百万円 | 16.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 10百万円 | 3.3百万円 |
報酬等の総額は74.5百万円であり、対象となる役員の員数は7名です。なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、無報酬の監査役2名を除いています。また、上記の退職慰労金は、当事業年度における役員退職慰労引当金繰入額です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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