【平均年収1750万円】地主 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収1750万円】地主 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

地主は、不動産投資、不動産賃貸、資産運用を主軸に、グループ各社とともに不動産金融商品を開発・提供しています。直近の連結会計年度では売上高が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益を更新しました。


目次

※本記事は、地主株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


地主グループは、不動産投資、不動産賃貸、資産運用の3事業を主軸としています。JINUSHIビジネスにより土地のみに投資し、不動産金融商品を開発・売却するほか、自社保有による賃貸やサブリース、一般投資家向け商品の提供も手掛けています。

単体従業員数は71名、連結従業員数は116名です。セグメントは不動産投資事業、不動産賃貸事業、資産運用事業の3つです。

主な国内グループ会社は、地主アセットマネジメント(資産運用事業)、地主フィナンシャルアドバイザーズ(不動産投資事業・不動産賃貸事業)、ニューリアルプロパティ(不動産投資事業)などです。

同社グループは、底地の中長期運用を目的とした「地主ファンド」構想を発表し、地主リート、地主ファンド、地主倶楽部を通じて多様な投資家ニーズに応える体制を構築しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


地主は、独自のJINUSHIビジネスを展開する企業です。同社グループは、人材を重要な経営資源と位置づけ、多様な働き方や従業員の健康促進に力を入れています。給与水準や働き方の特徴について見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、勤続年数も安定した傾向を示しています。これは、同社グループが事業拡大を続ける中で、新たな人材を積極的に受け入れつつ、従業員の定着も図っている状況を表していると言えます。

項目 数値
平均年間給与 17,500,000円
平均勤続年数 4.4年
平均年齢 38.7歳
単体従業員数 71人
連結従業員数 116人
単体のグループ内比率 61.2%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


地主は、JINUSHIビジネスの拡大を担う従業員を重要な経営資源と認識し、人的資本経営に取り組んでいます。経営理念や行動規範の浸透を通じてエンゲージメント強化を図り、資格取得やセミナー参加費、図書費用などを会社が幅広く負担することで、従業員のスキルアップを支援しています。

働きやすさ向上のため、リモートワーク、7時間勤務制、フレックスタイム制、短時間勤務制といった多様な働き方を可能とする体制を整備しています。また、男性の育児休業取得も推進しており、従業員の健康維持・増進にも積極的に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社及び連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。

育児・介護支援


2025年度の提出会社単体のデータです。

指標 数値
男性育児休業取得率 100%
男性育児休業平均取得日数 31日

人材育成・エンゲージメント


2025年12月に実施したエンゲージメントサーベイによる、提出会社グループ(一部子会社を除く)の従業員を対象としたスコアです。

指標 数値
経営理念への共感度 4.30点(5点満点中)

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


地主は不動産投資、不動産賃貸、資産運用の3つの事業を主軸に展開しています。特にJINUSHIビジネスと呼ばれる独自の不動産金融商品を提供し、安定的な収益を追求しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、土地のみに投資を行い、建物を所有しないJINUSHIビジネスを基本戦略としています。自然災害やマーケットボラティリティに強く、長期にわたり安定的に収益を得ることを目指しています。底地に特化した独自のネットワークと豊富な開発実績、そして地主リートを活用しながら、不動産金融商品のメーカーとして事業を推進しています。

不動産投資事業

この事業では、同社グループが土地を取得すると同時にテナントを誘致し、20年から50年程度の定期借地権設定契約をテナントと締結します。この開発した底地を不動産金融商品として、地主リートをはじめとする投資家に売却し、売却収益を得ています。同社グループの売上高の大部分を占める主力事業であり、前期から大きく規模を拡大しています。

不動産賃貸事業

同社グループが開発した不動産金融商品を自ら保有し、賃貸収益を得る長期賃貸事業を行っています。また、土地所有者から土地を借り受けてテナントに転貸するサブリース事業や、一般投資家向け不動産金融商品「地主倶楽部」を提供する不動産特定共同事業も展開しています。この事業は前期から規模を拡大しています。

資産運用事業

地主リート等から資産運用業務や運営管理業務を受託し、アセットマネジメント収益やプロパティマネジメント収益を得ています。この事業も前期から規模を拡大しています。

その他の事業セグメント

報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、不動産売買の仲介手数料等を含んでいます。

同社グループの売上高は、地主プライベートリート投資法人への売上高が全体の過半数を占めており、特定の顧客への収益集中が見られます。なお、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えるため、海外比率に関する記載は省略されています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
不動産投資事業 549億円 737億円
不動産賃貸事業 10.7億円 13.8億円
資産運用事業 10.9億円 11.9億円
その他の事業セグメント 7百万円 4百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近の連結会計年度において大きく増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益は5期連続で増益を達成し、過去最高益を更新しています。一方で、営業利益と経常利益は前期から減少する結果となりました。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 562億円 499億円 316億円 571億円 763億円
経常利益 50.0億円 59.4億円 57.2億円 82.7億円 71.9億円
経常利益率 8.9% 11.9% 18.1% 14.5% 9.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 31.2億円 36.4億円 47.1億円 60.9億円 73.7億円
1株当たり当期純利益(円) 170.90 199.16 267.76 334.89 357.07

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大に伴う生産性の向上が見られます。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の増加に対して営業利益の伸びが追いついていない状況を示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 514.1百万円 658.0百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 78.2百万円 74.2百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


地主の財務状況を見ると、積極的な事業展開のための資金の流れが確認できます。
本業での資金創出は一時的にマイナスとなっていますが、将来に向けた投資を活発に行っている段階です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


地主の財務基盤を見ると、自己資本比率は当期で34.1%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)も当期15.6%と、プライム市場平均を上回る水準です。
手元資金である現金及び預金は276億円に増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況がうかがえます。
これらの財務状況は、同社グループの事業継続性や将来の成長投資の余力に影響を与える要素となります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 448億円 519億円
自己資本比率 38.6% 34.1%
ROE(自己資本利益率) 16.0% 15.6%
現金及び預金 237億円 276億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


地主のキャッシュフローを見ると、本業の資金の動きを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に△33.3億円の減少となりました。
これは税金等調整前当期純利益があったものの、販売用不動産の増加や法人税等の支払額により資金が減少したためです。
投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得による支出が主な要因となり、当期は△153.7億円の減少となっています。
この結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△186.9億円となり、事業活動と投資活動で資金が流出している状況です。
財務活動によるキャッシュフローは、新規販売用不動産の仕入れに伴う長期借入金による資金調達が主な要因で、当期は225.1億円の増加となりました。
同社グループは事業拡大のための積極的な投資フェーズにあり、その資金を外部からの調達で賄っている状況がうかがえます。
このような資金の流れは、同社グループが成長戦略を推進していることを示しており、将来の事業拡大とそれに伴う雇用機会の創出に繋がる可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △43.3億円 △33.3億円
投資CF △20.7億円 △153.7億円
財務CF 68.8億円 225.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △64.0億円 △186.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主に東京圏や大都市圏の物件を取り扱っており、大手不動産デベロッパー等との厳しい競合に直面する可能性があります。
また、米国に連結子会社を有しており、米国の経済情勢や政府による規制、JVパートナーやテナントの財務状況の悪化が海外事業の収益性に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、JINUSHIビジネスの拡大を担う優秀な人材の確保を重要な経営資源と認識しています。
しかし、人材の育成・採用が計画通りに進まない場合や、在籍する人材が流出した場合には、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


地主は、独自のJINUSHIビジネスを通じて、安全な不動産金融商品の提供と社会貢献を目指しています。持続可能な社会の実現と企業価値向上を追求する経営姿勢が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループの経営理念は「JINUSHIビジネス(※)を通じて安全な不動産金融商品を創り出し、世界の人々の資産を守る一翼を担う。」です。JINUSHIビジネスとは、土地のみに投資し、テナントが建物を所有する安定的な収益モデルを指します。

同社グループは、このビジネスを基本戦略とし、地主リートの成長とともに日本の大地主を目指しています。独自の不動産金融商品の開発・提供を通じて、様々な投資家のニーズに応え、社会に貢献することを目指しています。

その結果として、高い成長と企業価値の向上を実現し、あらゆるステークホルダーの信頼を得られるよう努める方針です。中長期的には、新たな中期経営計画(2026-2028)の達成とESG方針に沿った事業推進を通じて、持続可能な社会の実現と企業価値向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、経営理念の実現と日本の大地主を目指す原動力として、従業員一人ひとりを重要な経営資源と認識しています。「大人」であることをマテリアリティ(重点課題)として定め、人的資本経営に取り組んでいます。

行動規範では、「大人」であること、自らの頭で考えること、常識を疑うこと、市場を知り冷静に向き合うこと、利益を出すこと、変化を受け入れることなどを重視しています。また、社内での建設的な議論や批判、嘘をつかない誠実な対応、結論への従順さも求められます。

苦しいときこそ笑顔でいること、ビジネスチャンスのスペースを潰さないようにすることも大切にされています。ESG方針も策定されており、JINUSHIビジネスを通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、新たな中期経営計画(2026-2028)の達成とESG方針に沿った事業推進を優先的に対処すべき課題としています。

経営戦略の達成に向けては、JINUSHIビジネスの更なる拡大として「テナント業種の多様化」「事業エリアの拡大」「JINUSHIリースバック(土地のセール&リースバック)提案」を積極的に推進しています。

ESGの取り組みとしては、2022年2月にESG方針を策定し、2024年3月にはマテリアリティ(重点課題)を特定の上、各種施策を推し進めています。持続可能な社会の実現に貢献することを目指し、ESGに配慮した取り組みを継続することが中長期的な株主価値の向上に不可欠であると認識しています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


地主は監査等委員会設置会社であり、意思決定の透明性と公平性を確保する体制を構築しています。取締役会が経営の基本方針を決定し、業務執行を監督する役割を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


地主の株主構成を見ると、筆頭株主は取締役である松岡哲也氏が務めています。また、代表取締役社長の西羅弘文氏も上位株主の一人です。創業家や経営陣が上位株主として名を連ねており、経営への影響力がうかがえる構成となっています。複数の信託銀行や機関投資家も上位に名を連ねています。

株主名 持株比率
松岡 哲也 13.96%
日本マスタートラスト信託銀行(その他信託口) 6.58%
日本カストディ銀行(投資信託口) 4.87%
合同会社松岡 4.42%
日本マスタートラスト信託銀行(投資信託口) 4.20%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


地主の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.3%です。代表取締役社長は西羅弘文氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
西羅 弘文 代表取締役社長 1998年4月兼松都市開発株式会社入社。2000年10月同社入社。2016年4月地主アセットマネジメント株式会社代表取締役社長。2023年3月同社代表取締役社長より現職。
松岡 哲也 取締役 1986年4月兼松都市開発株式会社入社。2000年4月同社設立、代表取締役社長。2018年5月JINUSHI USA INC.代表取締役社長。2023年3月同社取締役より現職。
北川 雄哉 取締役 2002年4月三井住友銀行入行。2019年1月同社入社。2023年4月同社財務本部長兼経理本部長。2025年3月同社取締役より現職。


社外取締役は、西村浩之氏(元韓国外換銀行日本地域統括コンプライアンス・オフィサー)、志和謙祐氏(志和・髙橋綜合法律事務所所長)、小笹文氏(日本工業大学専門職大学院技術経営研究科准教授)、石渡朋徳氏(東京共同会計事務所入所)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役全員を社外取締役とすることで、経営に対する実効的かつ独立性の高い監督体制を構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


地主の役員報酬は、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)に対しては、確定報酬の年俸と譲渡制限付株式報酬で構成されています。会社の業績と個人の業績を考慮し、企業価値の持続的な向上を目指すインセンティブを付与する設計となっています。監査等委員である取締役の報酬は、職務執行の監督役割に応じた一定水準の確定報酬の年俸のみで構成されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 2.8億円 92.0百万円
社外役員 4名 38百万円 9.5百万円


個人別報酬が開示されている役員は、西羅弘文氏(1.59億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。