※本記事は、株式会社マネジメントソリューションズ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
マネジメントソリューションズは、企業のプロジェクトマネジメント支援サービスを提供するコンサルティング企業です。東証プライム市場上場企業を中心に、プロジェクトマネジメントの実行支援、デジタル変革の支援、マネジメントコンサルティングなどを展開しています。
単体従業員数は1,369名、連結従業員数は1,621名です。同社グループの事業セグメントはコンサルティング事業の単一です。
主な国内グループ会社は、MSOL Digital(デジタル変革の支援事業)、テトラ・コミュニケーションズ(コンサルティング事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
マネジメントソリューションズは、コンサルティング事業を基軸とするプロフェッショナルサービス企業です。同社グループは「人財」を最も重要な経営資源と位置づけ、人的資本への投資を重視した経営に取り組んでいます。従業員の給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を把握できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は事業拡大のための積極的な人員採用を進めており、従業員の平均勤続年数は比較的短く、平均年齢も若めの傾向にあります。これは、成長フェーズにある企業で新たな人材が多数加わっている状況を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,023,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.7年 |
| 平均年齢 | 37.4歳 |
| 単体従業員数 | 1,369人 |
| 連結従業員数 | 1,621人 |
| 単体のグループ内比率 | 84.5% |
同社は、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは「Managementの力で、社会のHappinessに貢献する」をミッションに掲げ、持続的な社会への貢献と持続的な企業価値向上を目指しています。その実現のため、最も重要な経営資源である「人財」を最大限に活かすべく、人的資本の拡充を実践しています。人財の採用・確保および育成が不可欠であるとし、人的資本への投資を重視した経営に取り組む方針です。
マテリアリティとして「Well-being」と「キャリアの多様性」を特定し、生涯育成エコシステムの構築を通じて持続可能な人的資本経営を実現します。Well-beingの実現に向けては、DEI(外国籍人財、多様な性への対応、人財評価制度、MSOL農園の運営)や法令順守・人権への配慮(産休・育休ほか各種制度の充実)、心理的安全性の確保(健康経営、心理的安全性基礎研修)、個性が尊重される社会の実現(障がい者サッカー支援)といった取り組みを進めています。キャリアの多様性については、自律的キャリアの実現を目指し、キャリア研修やキャリアドック、社内公募・認定制度などを実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 21.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 85.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 75.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 119.2% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱MSOL Digital
㈱MSOL Digitalのデータです。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 96.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 96.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | - |
Well-being
これらの指標は、連結グループ全体ではなく、提出会社を対象とした集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 21.0% |
| 女性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男性育児休業取得率 | 85.2% |
| 育児休業復帰率 | 96.8% |
| 男女間賃金格差(全労働者) | 75.0% |
| 男女間賃金格差(正規雇用労働者) | 75.2% |
| 男女間賃金格差(パート有期労働者) | 119.2% |
キャリアの多様性
これらの指標は、連結グループ全体ではなく、提出会社を対象とした集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 研修講座開催数 | 240回 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社マネジメントソリューションズは、企業が抱える様々なプロジェクトに対して、プロジェクトマネジメント支援サービスを提供する会社です。中立独立の立場から顧客企業のプロジェクトを成功に導くことを目指し、東証プライム市場上場企業を中心に事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、コンサルティング事業の単一セグメントで事業を展開しています。主なサービス内容は、プロジェクトマネジメントの実行支援、デジタル変革の支援、マネジメントコンサルティング、そしてプロジェクト管理ソフトウェア「PROEVER」の提供です。
主力であるプロジェクトマネジメント実行支援では、PMO(Project Management Office)の役割を担い、プロジェクトの進捗や課題管理を通じて顧客企業のプロジェクト成功率を高めています。株式会社MSOL Digitalはデジタル変革の支援を専門とし、AIやIoTなどの技術を活用したソリューション提案やデジタルサービス構築を行っています。また、プロジェクトマネジメントのノウハウを体系化したソフトウェア「PROEVER」は、次世代の成長戦略として位置付けられています。
収益は主にコンサルティングサービスから得ており、その他サービスも提供しています。同社グループの売上高は、特定の顧客に集中することなく、幅広い顧客基盤から得られています。また、売上高の大部分は日本国内の外部顧客によるものであり、海外比率は小さい傾向にあります。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに成長傾向にありました。直近の当連結会計年度では、売上高は前期からわずかに減少しましたが、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益も前期から減少しています。
なお、前期は決算期変更に伴い14ヶ月間の変則決算となっており、前年同期との単純な比較は行われていません。当連結会計年度においては、特別調査費用等引当金繰入額として特別損失を計上しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 73.6億円 | 120億円 | 169億円 | 233億円 | 231億円 |
| 経常利益 | 9.3億円 | 7.5億円 | 22.5億円 | 28.1億円 | 27.4億円 |
| 経常利益率 | 12.7% | 6.2% | 13.3% | 12.1% | 11.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6.8億円 | 5.2億円 | 16.2億円 | 20.7億円 | 18.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 40.85 | 31.09 | 97.74 | 125.30 | 111.86 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、前期と比較して減少しています。これは、事業拡大のための積極的な人員採用により、連結従業員数が前期から増加したことが影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 16.6百万円 | 14.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.0百万円 | 1.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
マネジメントソリューションズグループは、安定した財務基盤を構築しており、本業で得た資金を将来の成長投資に充てながら、手元資金も確保している状況です。このような財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる傾向を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、強固な財務基盤を築いていることがうかがえます。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を大きく上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備えていると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 56.1億円 | 60.5億円 |
| 自己資本比率 | 70.4% | 67.7% |
| ROE(自己資本利益率) | 42.6% | 31.5% |
| 現金及び預金 | 28.1億円 | 31.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは増加しており、本業で安定的に資金を獲得している状況です。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費、のれん償却額の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入や有形固定資産の取得、営業譲受による支出により資金を使用しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の純減少や自己株式の取得、配当金の支払いにより資金を使用している状況です。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回っていることを示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続しつつ、将来に向けた投資も行える余力があることを示しており、雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にも期待が持てる傾向にあります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 13.3億円 | 22.6億円 |
| 投資CF | △2.9億円 | △4.0億円 |
| 財務CF | △9.6億円 | △16.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.4億円 | 18.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、プロジェクトマネジメント実行支援サービスにおいて、多くのコンサルティング企業との競合リスクを認識しています。競合激化により、価格下落や案件獲得の機会損失が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、米国や中華人民共和国に子会社を設置しており、海外市場での事業展開において、予期せぬ法律・規則の変更や政治的・経済的リスク、自然災害などによる社会的混乱が業績に影響を及ぼす可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の事業展開において、専門性の高い人材の継続的な確保と育成が不可欠であると認識しています。人材の採用・育成が計画通りに進まない場合や、人材の社外流出が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
マネジメントソリューションズは、プロジェクトマネジメントの専門性を核に、企業と社会の発展に貢献することを目指しています。人財を最も重要な経営資源と捉え、多様な働き方を尊重する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「Managementを通じ、社会のHappinessに貢献する」をミッションに掲げています。これは、企業が抱える重要な経営課題としてのプロジェクトマネジメントの成否に寄与し、企業ひいては社会に貢献したいという考えに基づいています。
ビジョンとしては、「人とTechnologyを融合したManagement における社会のPlatformとなり、組織の変革・価値創造、および自律的な個人の成長を促す」ことを目指しています。プロジェクトマネジメント実行支援サービスを通じて、企業と社会の発展に貢献していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「持続的な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の二つのサステナビリティを追求しています。最も重要な経営資源である「人財」を最大限に活かすべく、人的資本への投資を重視した経営に取り組んでいます。
Well-beingとキャリアの多様性をマテリアリティ(重要課題)として特定し、DEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の実現や心理的安全性の確保、自律的キャリアの実現に向けた取り組みを進めています。性別や国籍を問わず、豊富な知識・経験・能力を持つ人物を管理職として選任する方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、継続的な業容拡大のため、人材の確保と育成の強化を課題としています。具体的には、堅実な新規採用を進めるとともに、中途退職の防止や社内研修の充実を図り、人材育成に積極的に取り組んでいます。
海外事業の推進も重点テーマの一つであり、グローバル人材の確保・育成や海外拠点の拡充、ビジネスアライアンスの推進などを通じ、積極的なビジネス展開を進めています。ダイバーシティへの対応として、女性管理職の割合向上や多様性の確保にも努めています。
連結経営の強化も課題であり、国内外のグループ会社間での連携強化やグループガバナンス体制の強化を図ります。外部ビジネスパートナー管理体制の強化も進め、サプライチェーン全体の信頼性向上に取り組む方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
マネジメントソリューションズは、取締役会設置会社であり、監査役会設置会社です。取締役会は社外取締役を含む5名で構成され、監査役会は社外監査役3名で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
マネジメントソリューションズは、株式会社ユナイテッドトラストが筆頭株主として名を連ねています。代表取締役会長兼社長である髙橋信也氏も上位株主の一人です。複数の株主が上位に位置しており、経営陣や関連会社が資本構成において一定の影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ユナイテッドトラスト | 23.86% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 10.75% |
| 髙橋 信也 | 8.61% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.59% |
| 野村證券 | 3.43% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
マネジメントソリューションズの役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は髙橋信也氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 髙橋 信也 | 代表取締役会長兼社長 | 1996年アンダーセン・コンサルティング入社後、アーンスト&ヤングコンサルティング等を経て、2005年7月に同社を設立し代表取締役に就任。2012年11月より代表取締役社長を務め、2026年2月より現職。 |
| 玉井 邦昌 | 専務取締役 | 1990年住友銀行入行後、コナミコンピュータエンタテインメント東京、共同ピーアール等を経て、2004年ゴルフダイジェスト・オンライン取締役CFO、2013年コマースニジュウイチ代表取締役社長を歴任。2023年1月より同社専務取締役。 |
| 金子 啓 | 取締役 | 2000年FFCシステムズ入社。2007年9月同社入社後、2014年11月執行役員に就任。2023年1月より同社取締役を務め、2024年1月より代表取締役社長に就任。 |
社外取締役は、赤羽具永氏(ケイン代表取締役)、田矢徹司氏(ホワイトウッド代表取締役)です。社外監査役は、渡邉徹氏(元ソニービジュアルプロダクツ常勤監査役)、木村稔氏(木村稔会計事務所代表)、稲垣隆一氏(稲垣隆一法律事務所代表)です。
同社は、本書提出日現在、取締役会設置会社であり、監査役会設置会社です。社外取締役は取締役会において内部統制評価結果や監査結果の報告を受け、監査役会は社外監査役3名で構成され、内部監査室と連携して監査の実効性を高めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
マネジメントソリューションズの役員報酬は、固定報酬である基本報酬と、業績連動報酬、非金銭報酬等で構成されています。業務執行取締役には基本報酬と非金銭報酬等が支給され、社外取締役には基本報酬のみが支払われます。業績連動報酬と非金銭報酬は、企業価値の持続的な向上と株主との価値共有を目的としており、非金銭報酬は譲渡制限付株式として中長期的な連動性を強化しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 1.2億円 | 58.8百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 39百万円 | 7.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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