※本記事は、株式会社ロココ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、ITアウトソーシング&ビジネスプロセスアウトソーシング(ITO&BPO)事業、クラウドソリューション事業、海外事業の3つの事業を主軸に展開しています。顧客企業のオペレーションを担うアウトソーシングサービスは取引継続性が高く、売上高の約8割を大企業が占めることで安定した経営基盤を築いています。
単体従業員数は633名、連結従業員数は712名です。セグメントはITO&BPO事業、クラウドソリューション事業、海外事業の3つです。
主な国内グループ会社は、Automagica(クラウドソリューション事業)などです。
同社グループは当連結会計年度において、株式会社Automagicaの株式を取得し連結子会社化しました。また、2024年12月にはファンクラブプラットフォーム運営事業を譲り受けています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ロココは、ITアウトソーシングとクラウドソリューションを主軸とする事業を展開しており、専門性の高い人材が活躍する環境です。同社グループは「人(人材)を大切にする」経営理念を掲げ、従業員の成長と働きがいを重視しています。このような方針のもと、給与水準や働き方に関する具体的な取り組みが推進されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ロココでは、従業員の平均勤続年数と平均年齢から、比較的安定した人材定着の傾向が見られます。多様な人材の確保と育成に力を入れており、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,651,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.7年 |
| 平均年齢 | 38.7歳 |
| 単体従業員数 | 633人 |
| 連結従業員数 | 712人 |
| 単体のグループ内比率 | 88.9% |
ロココグループは、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型の両方の退職給付制度を採用しています。ロココは確定拠出制度を採用しており、一部の連結子会社では非積立型の退職一時金制度を採用しています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ロココグループは、経営理念である「人(人材)を大切にする」を念頭に置き、人材を最も重要な財産の一つと位置付けています。お客様へのココロのこもったサービス提供と、社員の成長・満足度向上を両立させるため、「採用」「育成」「環境」の3つの区分で事業戦略上の取り組みを進めています。
採用においては、性別・国籍・職歴等の属性に関わらず、幅広くフラットな採用を基本方針とし、多様な人材の確保と能力のある人材の管理職への登用を性別や国籍に関係なく行っています。育成面では、スキル・経験・特性に応じた職能別人材要件の定義、女性幹部職や外国人登用を含む採用計画策定、経営幹部・管理職・エンジニアなど職能・階層別の体系的な研修制度の充実、ダイバーシティへの対応を具体的な施策としています。
また、社員が安心・安定して働ける環境整備にも注力しており、ワーク・ライフ・バランスに合った働き方ができる環境を提供しています。従業員のエンゲージメント強化に向けた取り組みとして、意識実態や満足度の把握、アセスメント、モチベーション向上、表彰制度による評価、健康促進への取り組みなどが挙げられます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 10.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 80.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 85.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 40.6% |
指標及び目標
提出会社単体の指標と目標を示します。
| 指標 | 目標 | 実績 |
|---|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2026年12月までに18.0% | 10.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 2026年12月までに90.0% | 66.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 2026年12月までに80.0% | 80.3% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ロココグループは、ITアウトソーシングとビジネスプロセスアウトソーシング(ITO&BPO)事業、およびクラウドソリューション事業を主軸に展開しています。顧客企業のIT・業務課題解決を支援するサービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループの事業は、主にITO&BPO事業、クラウドソリューション事業、そしてその他の事業セグメントに区分されます。収益は、主に一定期間にわたって認識されるサービス提供から得られており、顧客との継続的な関係構築を重視しています。外部顧客への売上高の大部分は日本国内であり、特定の主要顧客への売上集中は見られません。
ITO&BPO事業
このセグメントは、ITサービスマネジメント事業、カスタマーコミュニケーション事業、イベントサービス事業、自社製品の顔認証システム「AUTH」シリーズを展開するソリューション事業で構成されています。収益は、顧客企業のオペレーションを担う長期継続的なサービス提供や、機器販売から得ています。
クラウドソリューション事業
このセグメントは、米国ServiceNow社が提供するプラットフォームシステムの導入支援・運用保守を行うServiceNow事業、自社勤怠管理システム「RocoTime」の開発・販売を行うHRソリューション事業、システムの受託開発・エンジニア常駐・保守を行うシステムソリューション事業を展開しています。収益は、クラウドサービスの導入支援や運用保守、自社製品の販売、システム開発業務から得ています。
その他の事業セグメント
このセグメントは海外事業として、中国・フィリピンでのオフショア開発やポーランドでの研究開発を行っています。収益は、グループ向けの開発保守案件や研究開発受託から得ています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| ITO&BPO事業 | 51.2億円 | 61.7億円 |
| クラウドソリューション事業 | 25.4億円 | 29.0億円 |
| その他の事業セグメント | 1.4億円 | 1.3億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5年間で売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに増加傾向にあります。特に当連結会計年度は、売上高が大きく伸び、それに伴い利益も増加しました。情報サービス業界におけるDX推進投資の高まりを背景に、新規顧客獲得や既存取引の拡大が進んだことが要因です。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 63.0億円 | 69.3億円 | 71.8億円 | 78.0億円 | 91.9億円 |
| 経常利益 | 4.1億円 | 7.0億円 | 4.5億円 | 4.4億円 | 5.1億円 |
| 経常利益率 | 6.5% | 10.1% | 6.3% | 5.7% | 5.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.2億円 | 4.5億円 | 2.9億円 | 2.8億円 | 3.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 124.13 | 174.28 | 109.80 | 75.06 | 85.29 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。従業員1人あたりの営業利益も同様に増加傾向を示しています。これは、同社グループが効率的な事業運営を通じて、従業員一人ひとりの貢献度を高めていることを示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 11.5百万円 | 12.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 0.7百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ロココは、本業で安定した資金を稼ぎ出し、将来に向けた投資も行いつつ、手元資金を確保している状況です。財務基盤は堅固であり、事業活動に必要な資金を自力で生み出す力があります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)から安定していることがうかがえます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回る水準であり、ROEもプライム市場平均を上回っています。手元資金も十分に確保されており、事業運営の安定性につながる要素です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 27.5億円 | 29.6億円 |
| 自己資本比率 | 63.3% | 59.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.0% | 11.1% |
| 現金及び預金 | 19.3億円 | 19.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の減少などにより、前期から大きく増加し、資金を獲得しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の取得や投資有価証証券の取得などにより、前期に比べて支出が増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払などにより、資金を使用しています。
これらの結果、本業で得た資金が投資活動による支出を上回り、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっています。これは、事業活動で安定的に資金を生み出し、将来に向けた投資も行いながら、手元に資金を残せている状態を示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.4億円 | 6.7億円 |
| 投資CF | △0.8億円 | △6.2億円 |
| 財務CF | △5.2億円 | △0.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.6億円 | 0.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループが提供するサービスは、BPO業界やクラウドソリューション市場の拡大が見込まれる一方で、競合他社の増加や新たなビジネスモデルの出現によるサービス価格の下落や陳腐化のリスクがあります。また、景気変動による受託業務量の変更や、顧客企業がアウトソーシングからインソーシングへ転換する動きが生じた場合、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループにとって、優秀な人材の確保及び育成は重要な経営課題です。計画通りに人材の採用や教育が進まない場合、または退職等により事業戦略に重大な支障をきたす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ロココは、人を大切にする心を込めたサービスと最先端技術の提供を基本方針とし、信頼を礎とする企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ロココは1994年の創業以来、「人を大切にするココロのこもったサービスを提供すること」「最先端技術による創造的なソリューションサービスを提供すること」「事業の安定化に向けた基盤構築を提供すること」の3つを基本方針としています。同社グループは「情報と通信と人材」を合理的かつ効果的にマネジメントし、取引先企業に新しい価値を提供することで信頼されるビジネスパートナーとなることを信条としています。中長期的には、既存事業の強化、新サービスの開発、事業成長と人材育成の両立を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、すべての従業員の行動指針となる心構えを「社心(しゃしん)」と呼び、「信頼はすべての礎(いしずえ)なり」をその内容としています。高度情報化が進むグローバル社会において、多様な課題に対し一人ひとりの個性を尊重し、絆を作り上げて大きなパフォーマンスを発揮することで強い信頼を築くことを重視しています。また、サステナビリティ活動を経営の重要項目と位置付け、「人(人材)を大切にする」経営を維持し、人材を資本・投資と捉えその価値を最大限に引き上げることを考えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後の事業拡大に向け、優秀な人材の確保及び育成を重要な課題と認識しています。また、競合が激化するITアウトソーシング業界において、他社との差別化を図るため、技術力とサービス力の向上に注力しています。具体的には、研究開発拠点の設立やAI技術を手がける企業のM&A、人材教育の強化を進めています。さらに、「DX推進はロココ」を統一メッセージに、企業認知とブランドイメージの向上にも継続的に取り組んでいます。コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化も重要な課題としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ロココの取締役会は、意思決定の迅速化と業務執行の監督に努める体制となっています。監査役会設置会社として、社外取締役や社外監査役が経営の透明性と公正性の確保に貢献しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ロココの筆頭株主は、代表取締役社長である長谷川一彦氏およびその親族が100%保有する資産管理会社であるイッシンです。代表取締役社長の長谷川一彦氏個人も上位株主であり、創業家が関連会社を通じて上位に名を連ねる資本構成となっています。ロココ社員持株会も上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イッシン | 28.84% |
| 長谷川 一彦 | 11.13% |
| ロココ社員持株会 | 3.97% |
| 長谷川 裕美 | 2.68% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.11% |
(注)株式会社イッシンは、同社代表取締役社長長谷川一彦及びその親族が100%保有する資産管理会社であります。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は15名(男性14名・女性1名)で構成され、女性役員比率は6.7%です。代表取締役社長は長谷川一彦氏が務めています。社外取締役比率は18.2%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 長谷川 一彦 | 代表取締役社長 | 1971年11月コンピュータサービス株式会社(現:SCSK株式会社)入社、1994年6月同社設立、1994年6月同社代表取締役社長より現職。 |
| 吉原 美智代 | 専務取締役管理本部長 | 1985年11月西尾レントオール株式会社入社、1995年2月同社入社、2015年3月同社専務取締役より現職。 |
| 長谷川 正人 | 専務取締役事業統括本部長 | 2001年4月三井物産株式会社入社、2013年1月同社入社、2020年1月同社専務取締役より現職。 |
| 水野 賢仁 | 常務取締役管理副本部長 | 1994年4月エム・アイ・ディ観光株式会社入社、2015年7月同社入社、2024年3月同社常務取締役より現職。 |
| 関口 晃 | 取締役事業統括本部 第2事業本部長 | 1988年4月群馬総合電算株式会社入社、2013年7月株式会社エス・エス・イー(現同社)転籍、2020年1月同社取締役より現職。 |
| 河村 博文 | 取締役新製品開発本部長兼ポーランド担当 | 1996年10月同社入社、2009年5月シーアイアンドティー・パシフィック株式会社入社、2015年10月同社入社、2022年3月同社取締役より現職。 |
| 諏訪 貴之 | 取締役事業統括本部 第1事業本部長 | 2007年3月華龍東光科技有限公司入社、2011年1月同社入社、2025年3月同社取締役より現職。 |
| 福田 勝志 | 取締役営業統括本部 副本部長 | 1996年4月小浦石油入社、2002年11月同社入社、2025年3月同社取締役より現職。 |
| 浅野 眞吾 | 取締役営業統括本部長 | 1985年4月株式会社富士銀行(現株式会社みずほ銀行)入社、2023年4月同社入社、2025年3月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、中前公志氏(元関西みらい銀行代表取締役兼専務執行役員・指名・報酬委員会委員長)、野村新平氏(弁護士法人野村総合法律事務所代表)です。
同社は監査役会設置会社制度を採用しています。常勤監査役2名と社外監査役2名が取締役会や経営会議に出席し、取締役の業務執行状況を監督する体制が整っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ロココでは、取締役の報酬について取締役会で報酬規程を定め、個人別の報酬内容に係る決定方針を定めています。報酬案は、取締役会の諮問機関である指名・報酬委員会の諮問を経て決定されます。監査役の報酬は、株主総会の決議で定められた上限額の範囲内で、監査役の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 9名 | 3.6億円 | 39.9百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 23百万円 | 11.7百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 28百万円 | 7.0百万円 |
(注)退職慰労金は、当事業年度に計上した役員退職慰労引当金繰入額であります。
同社の役員報酬の総額は411百万円であり、対象となる役員の合計人数は15名です。役員報酬の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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