サンバイオ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

サンバイオ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年1月期)

サンバイオは、再生医療の開発を通じて、日米で細胞治療薬の研究、開発、製造、販売を手掛ける再生医療事業を展開しています。直近の業績は、製品化に向けた先行投資段階にあり、損失が継続し、前期から拡大となりました。


目次

※本記事は、サンバイオ株式会社 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月20日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


サンバイオグループは、再生医療の開発を通じて患者へ価値を提供することをミッションとし、日米で細胞治療薬の研究、開発、製造、販売を手掛ける再生医療事業を展開しています。主に中枢神経系のアンメットメディカルニーズが高い疾患を対象とした治療薬の販売を目指しています。

サンバイオの単体従業員数は33名、連結従業員数は33名です。同社グループのセグメントは他家幹細胞を用いた細胞治療薬事業の1つです。

サンバイオグループは、大学等の研究機関から導入した技術を基盤に、再生医療等製品の研究、開発、製造、販売を行っています。医薬品の販売網を持つパートナー製薬会社へのライセンスアウト型モデルを基本としつつ、今後は自社販売型モデルも併存させる方針です。特に、条件及び期限付き製造販売承認を取得したアクーゴ®については、同社グループによる自社販売を想定しています。

同社グループは、2024年7月に日本で「アクーゴ®脳内移植用注」の条件及び期限付き製造販売承認を取得し、2025年12月には製造販売承認事項一部変更承認を得て出荷制限が解除されました。米国市場では、SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムの臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


サンバイオは、細胞治療薬の研究・開発・製造・販売を手掛ける専門性の高い事業を展開しています。少数精鋭の体制で、高度な専門知識を持つ人材が活躍できる環境が特徴です。同社グループの給与水準や働き方の傾向について、詳しく見ていきましょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


サンバイオでは、平均年齢が比較的高く、経験豊富な人材が中心となって事業を推進している傾向が見られます。平均勤続年数は短めですが、これは専門性の高い分野における人材の流動性や、事業フェーズによる組織の変化を反映している可能性があります。

項目 数値
平均年間給与 20,229,000円
平均勤続年数 3.3年
平均年齢 47.8歳
単体従業員数 33人
連結従業員数 33人
単体のグループ内比率 100.0%


サンバイオは、従業員の退職給付に充てるため、確定拠出制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)。この制度は国内の従業員に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


サンバイオは、「再生医療の開発を通して、患者さんをはじめとしたステークホルダーの皆さまへ価値を提供する」ことをコーポレート・ミッションに掲げ、その実現には人材マネジメントが鍵であると考えています。高度な専門知識・技能・経験を持つ人材が積極的に活躍できる人事制度と労働環境の整備に注力しています。

人材採用・登用においては、性別や年齢にとらわれず、有能な人材の採用と適所適材の登用を通じてダイバーシティを推進する方針です。社内環境整備では、年齢差別やジェンダー・ギャップが生じない制度として、最長65歳までの継続勤務が可能な再雇用社員規程や、60歳以上の専門知識・経験を持つ人材を活用する特別専門職採用制度を整備しています。

また、従業員自身が目標を設定し、その達成を通じて会社目標に貢献する人事評価制度を導入しています。多様な背景を持つ社員が一体感を持って業務に取り組むことでエンゲージメントを高め、長期的な人材定着を図るための組織風土改革にも力を入れています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


サンバイオは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。

人材採用・登用及び社内環境整備に関する指標及び目標


基準日は2026年1月31日です。

指標 数値
男女比率(女性) 21.2%
男女比率(男性) 78.8%
女性内管理職比率 57.1%
男性内管理職比率 92.3%
女性内離職率 11.1%
男性内離職率 11.5%
平均年齢(女性) 46.6歳
平均年齢(男性) 48.1歳
最年少管理職(女性) 40歳
最年少管理職(男性) 38歳

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


サンバイオは、再生医療の開発を通じて、患者をはじめとしたステークホルダーへ価値を提供することをミッションに掲げています。日米において細胞治療薬の研究、開発、製造、販売を手掛ける再生医療事業を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に中枢神経系の疾患におけるアンメットメディカルニーズの高い疾患を対象とした治療薬の販売を目指しています。細胞治療薬は、病気や事故で失われた身体機能の自然な再生プロセスを誘引または促進させ、運動機能、感覚機能、認知機能を再生させる効能が期待される医薬品です。

同社グループの事業モデルは、医薬品の販売網や商業化能力を有するパートナー製薬会社に対して、同社グループが保有する開発権および販売権をライセンス許諾することにより収益を獲得するライセンスアウト型モデルを基本としています。開発段階では、契約一時金、マイルストン収入、開発協力金が主な収入形態となります。製品上市後は、売上マイルストンに係るマイルストン収入に加え、ロイヤルティ収入および製品供給収入が主な収入形態となります。

今後は、同社グループ自らが製造販売承認を取得し、販売体制を構築した上で製品を販売する自社販売型モデルも、収益機会の一つとして併存させる方針です。同社グループが開発を進める細胞治療薬はSB623、SB618、SB308、MSC1、MSC2の5種類があり、主たる製品候補である細胞治療薬SB623における各種対象疾患での開発を最優先に進めています。

SB623慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、日本において「アクーゴ®脳内移植用注」として条件および期限付き製造販売承認を取得しました。その後、2025年12月には製造販売承認事項一部変更承認を取得し、出荷制限の条件が解除されています。販売に向けて国内の製造・物流・販売体制の構築を進めており、初出荷は翌連結会計年度の下半期を見込んでいます。

最大市場となる米国市場においては、米国規制当局と臨床試験フェーズ3の試験デザインについて合意を得ており、翌連結会計年度から臨床試験に向けた準備を行う予定です。同社グループの細胞治療薬は、健康なドナーから採取した細胞を加工・培養して均質な細胞を大量製造する他家由来の医薬品であり、量産化技術が確立されていることが特徴です。また、対象となる患者数が多く、販売に必要な知的財産を全て自社で取得することを基本方針としています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績は、事業収益の記載がなく、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続している状況を示しています。当連結会計年度の営業損失は前期から拡大し、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失も前期より拡大する結果となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは継続して資金を使用していますが、財務活動によるキャッシュ・フローは大幅な資金獲得を示しています。これは、新株式発行や転換社債の発行による資金調達が主な要因です。損失は主に研究開発費の計上や為替差損によるものであり、製品化に向けた先行投資の段階にあることがうかがえます。

項目 2022年1月期 2023年1月期 2024年1月期 2025年1月期 2026年1月期
経常利益 △45.8億円 △47.0億円 △28.2億円 △30.2億円 △42.9億円
親会社株主に帰属する当期純利益 △46.8億円 △55.6億円 △26.4億円 △28.8億円 △38.4億円
1株当たり当期純利益(円) △90.33 △95.99 △40.48 △41.86 △52.55

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


当連結会計年度における従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から損失額が減少しています。また、従業員1人あたり当期純利益(連結)は前期から損失額が拡大しています。これらの指標は、同社グループが製品化に向けた研究開発投資を継続する中で、従業員一人あたりの効率性向上に取り組んでいる状況と、事業の成長段階における投資の状況を示唆しています。

指標 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
従業員1人あたり当期純利益(連結) △99.4百万円 △116.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、現在、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている段階にあります。そのため、財務面では先行投資に伴う資金の動きが見られます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は前期から大幅に増加し、高い水準を示しています。これは、新株式の発行などによる純資産の増加が主な要因です。手元資金である現金及び預金も大幅に増加しており、財務基盤の強化が進んでいることがうかがえます。

指標 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
純資産 17.6億円 136億円
自己資本比率 45.1% 85.4%
ROE(自己資本利益率) - △50.0%
現金及び預金 29.2億円 151億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは、当期もマイナスとなっています。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上や為替差損によるものです。投資活動によるキャッシュフローもマイナスであり、定期預金の預入や有形固定資産の取得による支出が見られます。

その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローはマイナスで推移しています。一方で、財務活動によるキャッシュフローは大幅なプラスとなりました。これは、株式の発行や転換社債型新株予約権付社債の発行による資金調達が主な要因です。

同社グループは研究開発型企業として先行投資を続けており、外部からの資金調達によって事業を推進している状況です。このような資金の流れは、将来の成長に向けた投資を継続していることを示しており、今後の事業展開と収益化が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2025年1月期(前期) 2026年1月期(当期)
営業CF △36.0億円 △37.6億円
投資CF △4百万円 △2.3億円
財務CF 20.9億円 159.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △36.1億円 △39.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、医薬品の研究開発を主軸とするベンチャー企業であり、新薬開発には多額の投資と長い時間を要します。臨床試験での有効性や安全性の確認が困難な場合、開発の延長や中止の可能性があります。

また、収益モデルは共同開発や販売権ライセンスアウト、マイルストン収益に依存しており、これらの計上時期や金額が不安定に推移する傾向があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、取締役や従業員33名の小規模組織であり、事業活動が現在の経営陣や少数の研究開発人員に強く依存しています。そのため、優秀な人材の確保と育成が順調に進まない場合や人材の流出が生じた場合には、事業活動に支障が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


サンバイオは、再生医療分野でのグローバルリーダーを目指し、細胞治療薬の研究開発を通じて患者さんのQOL向上と豊かな社会の実現に貢献することを使命としています。健全で透明性の高い経営体制のもと、多様な人材が活躍できる企業風土を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「再生医療の開発を通して、患者さんをはじめとしたステークホルダーの皆さまへ価値を提供する」ことをコーポレート・ミッションに掲げています。再生医療分野でのグローバルリーダーを目指し、細胞治療薬の研究開発に取り組んでいます。アンメットメディカルニーズを抱える患者さんの治療生活に希望をもたらし、QOL(Quality of Life)向上に寄与することで、豊かで幸せな社会の実現に貢献していくことを目指しています。

サステナビリティに関する同社グループの考え方は、「誰もが、生涯に亘る健康を手にし、豊かで幸せな人生を送ることができる社会」の実現に同社がその一助となりうることです。細胞治療薬の上市及び普及を一日も早く実現し、外傷性脳損傷や脳梗塞によって運動機能麻痺を患う患者さんがより充実した生活をおくることに貢献することを「目指す姿」としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、事業活動が健全で、効率的かつ透明性を持った経営のもとで行われるべく、内部統制システムを整備しています。取締役及び監査役の3分の2が社外役員で構成されており、経営の透明性と公平性の向上に努めています。

高度な専門知識・技能・経験を有した人材が積極的に活躍できることを目指し、人事制度作りと労働環境の整備に取り組んでいます。性別や年齢などにとらわれず、有能な人材を迎え入れ、適所適材の登用を行い、ダイバーシティを推進していくことを方針としています。

年齢差別やジェンダー・ギャップが生じない制度として、最長65歳までの継続勤務が可能となる再雇用社員規程や、専門知識・高度な経験を持った60歳以上の人材の活用を可能とする特別専門職採用を制定しています。従業員自身が目標を設定し、自己の目標の達成を通して部署や会社の経営目標の達成に貢献する人事評価制度を導入しています。多様な背景をもつ社員が一体感を持って業務に取り組むことで会社へのエンゲージメントを高められるよう、組織風土改革を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは現在、小規模組織で運営していますが、今後の成長に向けて人員の確保が重要な課題としています。必要な人材を適切かつ十分に確保し、持続的成長を維持することに注力していく方針です。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


サンバイオは、取締役3名(うち社外取締役1名)で構成される取締役会と、社外監査役3名で構成される監査役会を設置しています。業務執行機能の強化のため、執行役員制度も導入されています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


サンバイオの株主構成を見ると、代表取締役会長である川西徹氏が筆頭株主であり、代表取締役社長である森敬太氏も上位株主に名を連ねています。このように創業者が上位を占める資本構成となっており、同社グループの経営に強い影響力を持つことがうかがえます。

株主名 持株比率
川西 徹 15.66%
森 敬太 7.68%
SBI証券 1.65%
野村證券 1.47%
大高 功 0.64%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は森敬太氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。

氏名 役職 主な経歴
川西 徹 代表取締役会長 執行役員 1993年4月株式会社ボストン・コンサルティング・グループ入社。1996年7月株式会社ケアネット設立、副社長就任。2001年2月SanBio,Inc.設立、Chairman就任。2013年2月同社設立に伴い、代表取締役会長就任より現職。
森 敬太 代表取締役社長 執行役員 1993年4月麒麟麦酒株式会社入社。2001年2月SanBio,Inc.設立、CEO就任。2005年4月SanBio,Inc. Chairman&Co-CEO就任。2013年2月同社設立に伴い、代表取締役社長就任より現職。


社外取締役は、古谷昇氏(ドリームインキュベータ代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社であり、監査役会は社外監査役3名で構成されています。社外取締役および社外監査役は、専門的な知見に基づく客観的かつ適切な監督または監査といった機能と役割が期待され、一般株主と利益相反が生じるおそれがないことを基本的な考え方として選任されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の取締役の報酬は、企業価値の持続的な向上を図るため株主利益との連動を意識した報酬体系を基本方針としています。取締役会長、取締役社長および社外取締役については固定報酬としての基本報酬のみを支払い、その他の取締役の報酬は基本報酬とストックオプションで構成されます。業務執行取締役に対しては、同社グループの業績等を勘案し、特に支給することが相当と認められる場合に限り、賞与を支給する方針です。当事業年度においては、ストックオプション報酬の対象となる取締役がいないため、取締役の報酬は金銭報酬のみとなっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 49百万円 24.5百万円
社外役員 5名 26百万円 5.1百万円


なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。