※本記事は、Terra Drone株式会社 の有価証券報告書(2026年1月期、2025年2月1日 ~ 2026年1月31日、2026年4月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
Terra Droneは、産業用ドローンソリューションと運航管理システム(UTM)を提供し、低空域経済圏のグローバルプラットフォーマーを目指しています。同社グループは2024年にドローンサービス企業として世界1位を獲得しており、グローバルに事業を展開しています。
単体従業員数は134名、連結従業員数は551名です。セグメントはドローンソリューションセグメント、運航管理セグメントの2つです。
主な国内グループ会社は、Terra Global(中間持株目的)、Terra DX Solutions(建設事業)などです。
同社グループは、2026年2月にTerra Global株式会社を吸収合併し、Aloft Technologies, Inc.の全保有株式を譲渡しました。また、海外子会社の買収を通じて事業領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
Terra Droneは、ドローンや空飛ぶクルマといった新しい産業領域で、世界をリードする存在を目指しています。グローバル市場での競争を勝ち抜き、持続可能で豊かな未来の実現に向けて事業を展開しています。このような挑戦的な環境で、どのような給与水準や働き方が提供されているのか、具体的なデータから見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は比較的若く、新しい環境でキャリアを築くことを重視する人材が多い傾向にあることがうかがえます。平均勤続年数や平均年齢から、活発な組織であることが示唆されます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,972,000円 |
| 平均勤続年数 | 2.4年 |
| 平均年齢 | 33.0歳 |
| 単体従業員数 | 134人 |
| 連結従業員数 | 551人 |
| 単体のグループ内比率 | 24.3% |
同社グループでは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度の両方を採用しています。これらの制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は15百万円、確定拠出制度への当連結会計年度の要拠出額は9百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は、日本発のベンチャー企業が世界で通用することを証明し、世界市場で勝てる会社になることを前提に創業されました。グローバルな競争を勝ち抜き、経営目標・事業成長を達成するために、多様な人財基盤の構築を人財戦略の要諦としています。
賃金制度については、等級別のミッション遂行度とコアバリューである「Terra Way」の体現度合いに紐づく基本給の増額と、成果を反映する賞与により、活躍する人財に報いる設計となっています。等級制度では、Terra Wayと世界を変える人財の育成に向けた等級別のミッション定義やプロコースの導入を進めています。評価制度では、Terra Wayに基づく行動評価やフィードバックを通じて社員の成長を支援し、期待人財要件に基づく表彰制度も設けています。
人財育成に関する取り組みとして「テラの寺子屋」の提供を目指しており、具体的な制度方針を整備しています。採用においては国籍を問わない採用やリファラルを通じた専門人財の採用を推進し、育成では将来の経営層・幹部・グローバル人財候補者の育成計画策定、国内海外共通のTerra Wayベース研修、マネジメント研修、オンボーディング研修、測量士の資格取得支援制度などを実施しています。また、HRBP機能の整備やカルチャーの浸透、社員のエンゲージメントを高める施策を通じて、組織力の向上を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社および国内連結子会社の一部を対象とした法定開示データです。海外子会社は対象外のため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 24.1% |
| 男性の育児休業等取得率 | 91.7% |
| 男女の賃金の格差(全労働者) | 80.9% |
| 男女の賃金の格差(うち正規雇用労働者) | 83.7% |
| 男女の賃金の格差(うちパート・有期労働者) | 27.2% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 目標(2028年1月期) | 実績(当事業年度) |
|---|---|---|
| 次世代経営人財 | +8名 | +3名 |
| PMIに関わる専門人財 | +7名 | +4名 |
| エンジニア | +10名 | +5名 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
Terra Droneは、産業用ドローンや空飛ぶクルマなどのエアモビリティが飛行する低空域経済圏において、グローバルプラットフォーマーの実現を目指しています。ドローン関連のハードウェア、ソフトウェア、サービスを組み合わせたソリューションと、ドローンの運航管理システム(UTM)を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「ドローンソリューションセグメント」と「運航管理セグメント」の2つのセグメントで事業を展開しています。グローバルな事業展開を行っており、2024年にはドローンサービス企業として世界1位を獲得しました。
ドローンソリューションセグメント
このセグメントでは、測量、点検、農業といった分野で産業用ドローンを活用したソリューションを提供しています。顧客のニーズを深く理解し、現場の課題を解決するためのハードウェアやソフトウェアを開発し、サービスとして提供しています。
収益は、UAVレーザスキャナ「Terra Lidarシリーズ」などのハードウェア販売、クラウド解析サービス「Terra Cloud」のSaaS形式での提供、ソフトウェアライセンス販売、および測量・点検・農業サービス提供から得ています。運営は、PT. Terra Drone Indonesia、Terra Inspectioneering B.V.、Terra Drone Agri SDN. BHD.、Terra Drone Arabia for Dronesなどが行っています。
運航管理セグメント
このセグメントは、ドローンの普及や空飛ぶクルマの実用化を見据え、安全で効率的な運航を実現する「空のインフラ」構築を進めています。無人航空機運航管理システム(UTM)の開発・構築を通じて、ドローンの運航管理を行っています。
収益は、UTMの初期導入料、年間ライセンス料、飛行回数に応じた従量課金などのリカーリング収益が主となっています。運営は、Unifly NV、Unifly Inc.、Unifly Rotech S.R.L.、EuroUSC Italia S.r.l.などが行っています。
同社グループの売上高は、ドローンソリューションセグメントが運航管理セグメントを大きく上回っています。ドローンソリューションセグメントは前期から売上を伸ばしている一方、運航管理セグメントは前期から微減となりました。海外での事業展開も積極的に行っており、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2025年1月期) | 売上高(2026年1月期) |
|---|---|---|
| ドローンソリューションセグメント | 38.1億円 | 41.6億円 |
| 運航管理セグメント | 6.3億円 | 6.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で着実に増加傾向にあります。しかし、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、この期間を通じて損失が続いています。特に当期は、前期と比較して損失額が大きく拡大しました。
この損失の主な要因としては、人財投資による販売費及び一般管理費の増加、のれんの減損による特別損失の計上、事業譲渡関連損などが挙げられています。営業活動によるキャッシュ・フローも直近の数期は減少またはマイナスとなっており、会計上の損失だけでなく、本業でのキャッシュ創出力にも課題がある状況を示しています。
| 項目 | 2022年1月期 | 2023年1月期 | 2024年1月期 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | 19.5億円 | 29.6億円 | 44.4億円 | 47.8億円 |
| 経常利益 | - | △8.6億円 | △1.1億円 | △6.1億円 | △12.8億円 |
| 経常利益率 | - | △43.9% | △3.7% | △13.7% | △26.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | △11.1億円 | △3.5億円 | △4.7億円 | △25.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | △148.42 | △46.60 | △56.73 | △260.22 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期の7.2百万円から当期は8.7百万円へと増加しました。これは、従業員一人あたりの売上創出能力が向上していることを示しています。
一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は、前期の△1.0百万円から当期は△2.1百万円へと損失が拡大しています。売上高の増加にもかかわらず、一人あたりの営業利益が減少していることは、売上原価や販売費及び一般管理費の増加が影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年1月期 | 2026年1月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 7.2百万円 | 8.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △1.0百万円 | △2.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
Terra Droneグループは、現在、事業拡大に向けた成長投資フェーズにあります。本業での資金創出が投資を賄いきれていない状況であり、今後の事業展開と資金繰りの動向が注目されます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
Terra Droneグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROEはマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金は前期から減少傾向にあり、今後の資金調達や効率的な資金運用が重要となる状況です。
| 指標 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 71.4億円 | 50.1億円 |
| 自己資本比率 | 75.4% | 69.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △41.1% |
| 現金及び預金 | 41.5億円 | 20.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度におけるTerra Droneグループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失、売上債権の増加、棚卸資産の増加を主な要因として、△7.2億円の減少となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出、有形固定資産の取得による支出、エスクロー口座への振替による支出が主な要因となり、△17.2億円の減少となっています。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュ・フローは△24.3億円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行による収入があったものの、長期借入金や短期借入金の返済による支出があり、4百万円の増加にとどまっています。
同社グループは、本業での資金創出が投資活動による支出を下回っており、事業拡大のための投資が先行している状況です。今後の事業成長と収益性の改善が、雇用や給与の安定性、そして持続的な成長に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2025年1月期(前期) | 2026年1月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △9.3億円 | △7.2億円 |
| 投資CF | △21.3億円 | △17.2億円 |
| 財務CF | 21.3億円 | 4百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △30.6億円 | △24.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、産業用ドローン市場の成長を事業領域としていますが、日本国政府の方針転換や海外子会社拠点国の法令改正、他業種からの参入による競争激化が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外での事業活動を成長戦略の軸としていますが、国際情勢や各国特有の政治経済、売掛金の回収リスク、カントリーリスク等の問題発生によって、事業運営や財政状態に影響が出る可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後のさらなる事業拡大に向けて、人財の採用を積極的に進める方針です。しかし、国内の人的リソース不足が見込まれる中、運航管理事業の拡大に必要な人財採用が計画通りに進まなかった場合、事業拡大の遅延等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
Terra Droneは、ドローンや空飛ぶクルマといった新しい産業領域で「空の産業革命」を目指す企業です。世界をリードする存在として、高い目標に挑戦し続ける企業文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、ドローンや空飛ぶクルマといった新しい産業領域で空の産業革命を起こし、世界をリードできる存在になることを目指しています。ミッションとして「Unlock “X” Dimensions」(異なる次元を融合し、豊かな未来を創造する)を掲げています。特に若者をインスパイアし、世界でドローン社会を実現するためのプラットフォームの構築を目指している会社です。明治から昭和時代の精神を宿した日本社会を取り戻したいという目標も持っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、新産業で世界に勝てる人財の育成支援を進めるため、社員の行動指針として「Terra Way」を掲げています。具体的には、「Center Pin & Speed (センターピンとスピード)」「Ownership & Grit (経営者意識とやりきる力)」「Inspire & Inspired (インスパイア)」「Challenge as Global NO.1 (志高く世界へ挑め)」の4つです。企業ミッションである「Unlock X Dimension」の具現化と経営戦略の実現に向けて、このコアバリューであるTerra Wayを体現できる人財を求めています。役職員全員が感謝の気持ちを忘れず、謙虚で常に学び続ける素養があるかなど、人間性を重視した人財採用を行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中長期的な経営戦略として、売上・利益の拡大を実現するためにいくつかの重要課題に取り組んでいます。その一つに、M&Aを活用した積極的な事業推進を掲げており、「テラ群戦略」を展開しています。また、事業領域の拡大と成長を目指す上で、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人財の確保・育成を不可欠な課題としています。内部管理体制の強化も重要課題であり、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、経営の公正性・透明性の確保や内部統制の強化に継続的に取り組んでいます。グローバルプラットフォーマーとしての地政学リスクや為替リスクなど、様々な潜在的リスクへのヘッジ手段も講じています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役や社外監査役を選任することでコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。また、執行役員制度を導入し、意思決定と業務遂行のスピードアップを目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は代表取締役社長である德重徹氏の資産管理会社であるテラです。また、德重徹氏個人も上位株主として名を連ねており、創業家が同社グループの経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。その他、海外のベンチャーキャピタルや投資事業有限責任組合も上位株主として同社グループを支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| テラ | 39.67% |
| 德重徹 | 13.57% |
| SAUDI ARAMCO ENTREPRENEURSHIP VENTURES COMPANY LIMITED | 4.69% |
| SBI4&5投資事業有限責任組合 | 2.30% |
| VLI-SAベンチャーファンド2号投資事業責任組合 | 1.57% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は德重徹氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 德重 徹 | 代表取締役社長 | 1994年4月住友海上火災保険株式会社入社。2010年4月Terra Motors株式会社設立、代表取締役社長就任。2016年2月同社設立、代表取締役社長就任より現職。 |
| 関 鉄平 | 取締役 | 2012年4月Terra Motors株式会社入社。2017年5月同社入社。2021年2月同社取締役就任より現職。 |
| 神取 弘太 | 取締役 | 2011年4月Terra Motors株式会社入社。2019年7月同社入社。2023年4月同社取締役就任より現職。 |
社外取締役は、深田啓介氏(エンジェルナビ・キャピタル代表取締役)、前田信敏氏(NV Ventures代表取締役・指名・報酬委員会委員長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役2名を含む5名で構成されています。社外取締役は、独立した立場から経営全般への助言と監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、月額の固定報酬のみで構成されています。取締役の報酬は、役位ごとの役割、責任、貢献度などを勘案して決定されます。社外取締役および監査役に対しては、独立性を確保する観点から固定報酬のみが支給される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 17百万円 | 5.6百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 9百万円 | 1.3百万円 |
同社役員全体の報酬総額は25.6百万円であり、報酬支給対象となった役員は合計10名です。
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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