※本記事は、株式会社西松屋チェーン の有価証券報告書(2026年2月期、2025年2月21日 ~ 2026年2月20日、2026年5月13日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
西松屋チェーンは、ベビー・子供の生活関連用品の販売をチェーンストア展開により行っています。お子さまを持つ家庭の豊かな暮らしの実現を目指し、ドミナントエリアづくりを通じて全国的な店舗網の拡充を進めています。
単体従業員数は729名、連結従業員数は733名です。同社グループの事業セグメントはベビー・子供の生活関連用品の販売事業の単一セグメントです。
西松屋チェーンは、ベビー・子供の生活関連用品の販売をチェーンストア展開で行っており、各店舗およびインターネット販売を通じて主に直接一般顧客に商品を販売しています。また、台湾におけるチェーン店舗展開を目的とする子会社「台灣西松屋股份有限公司」を設立し、2026年度から出店を開始しています。
同社グループは、海外事業のさらなる拡大に向けて、2025年6月に台湾におけるチェーン店舗展開を目的とする子会社「台灣西松屋股份有限公司」を設立し、2026年度から出店を開始しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
西松屋チェーンは、ベビー・子供用品の販売事業を展開しており、従業員の平均勤続年数が長く、安定した環境でキャリアを築ける傾向が見られます。人材の多様性を重視し、性別や国籍を問わない採用、中途採用の実施を通じて、多様な人材が活躍できる職場環境の整備に力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も40歳を超えていることから、従業員が長期的にキャリアを形成しやすい環境にあることがうかがえます。幅広い年齢層の従業員が在籍しており、安定した人材構成の傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,809,784円 |
| 平均勤続年数 | 14.83年 |
| 平均年齢 | 41.16歳 |
| 単体従業員数 | 729人 |
| 連結従業員数 | 733人 |
| 単体のグループ内比率 | 99.5% |
同社は、退職金支給細則に基づく退職一時金制度、株式給付規程に基づく株式給付制度、および確定拠出年金制度を採用しています。確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を併用しているのが特徴です。
退職給付債務は677百万円となっています。ただし、従業員ごとの詳細な支給条件や金額の算定方法は、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、サステナビリティを重要な経営課題と位置づけ、経営理念に基づいた事業活動を通じて、中長期的な企業価値向上を目指しています。人材の多様性確保と育成、社内環境整備を重点方針として掲げています。
具体的には、性別や国籍を問わない採用、他業種出身者の中途採用を積極的に実施し、多様な人材の確保に取り組んでいます。教育配転計画に基づくジョブローテーションや、社内外の研修・セミナーを通じて、従業員一人ひとりの知識・スキル・能力強化を支援しています。
また、女性が活躍できる就業環境の整備にも力を入れており、管理・指導的な立場への女性従業員の登用を進めています。男女ともに育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい雇用環境の整備にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 76.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 42.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 78.4% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 54.2% |
多様性・登用
採用した従業員に占める女性従業員の割合は、正社員を対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用した従業員に占める女性従業員の割合 | 38.9% |
育児・介護支援
男女別の育児休業取得率は、正社員を対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業取得率 | 76.9% |
| 女性育児休業取得率 | 97.7% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社西松屋チェーンは、ベビー・子供の生活関連用品の販売をチェーンストア形式で展開し、お子さまを持つ家庭の豊かな暮らしをサポートしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ベビー・子供の生活関連用品の販売事業を単一セグメントとしています。国内では、北海道から沖縄までの全国47都道府県に店舗網を拡充しており、特に首都圏などの人口集中地域への出店に重点的に取り組んでいます。インターネット販売にも力を入れており、自社で運営する公式オンラインストアの売上が大きく伸長しています。
海外事業においては、プライベートブランド商品の卸売り先の開拓を進めるとともに、台湾に子会社を設立し、チェーン店舗展開を開始しています。商品面では、衣料品の「ELFINDOLL(エルフィンドール)」や育児用品の「SmartAngel(スマートエンジェル)」といったプライベートブランド商品の開発に注力しており、これらの売上が好調に推移しています。
収益は、主に各店舗およびインターネット販売を通じて一般顧客へ直接商品を販売することから得ています。商品別に見ると、育児・服飾雑貨が最も大きな割合を占め、次いで子供衣料、ベビー衣料・マタニティ用品が続いています。地域別では、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の大部分を占める状況です。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループは、当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、それ以前の期間との比較は行われていません。直近の当連結会計年度においては、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がそれぞれ計上されています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 1,934億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 106億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 5.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 68.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 114.17 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は263.8百万円、従業員1人あたり営業利益(連結)は13.6百万円となっています。これらの数値は当連結会計年度のものであり、前期のデータは開示されていません。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 263.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 13.6百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社西松屋チェーンは、堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。これにより、事業の継続性と将来への投資余力が確保されていることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることが示されています。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して高い水準にあり、強固な経営基盤を構築しています。これにより、外部環境の変化にも対応できる安定性が期待されます。
一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準となっています。手元資金が豊富であることは、不測の事態への耐性や将来の成長投資に向けた余力があることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 913億円 | 987億円 |
| 自己資本比率 | - | 61.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 7.2% |
| 現金及び預金 | 675億円 | 725億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を創出している状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっており、税金等調整前当期純利益や仕入債務の増加などが主な要因です。これは、事業活動を通じて着実に資金を稼ぎ出していることを意味します。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、主に固定資産の取得による支出が影響しています。これは、事業拡大や効率化のための投資を継続していることを示しています。財務活動によるキャッシュフローもマイナスであり、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が主な要因となっています。
これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回っている優良な状態です。この資金状況は、同社グループが安定した経営基盤を持ち、将来の成長に向けた投資余力も確保していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 106億円 |
| 投資CF | - | △24.7億円 |
| 財務CF | - | △26.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | 80.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ベビー・子供用品市場における競争激化のリスクを認識しています。専門店だけでなく、多様な業態との競争が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、わが国における新生児の出生率の長期的な低下傾向も、将来的な事業環境に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、必要な人材の育成が計画通りに進まない場合、将来的な規模拡大に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
西松屋チェーンは、お客様の日常の暮らしを支える商品を、低価格で便利に提供することを使命とする企業です。経営理念に基づき、社会生活の向上に貢献することを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「日常のくらし用品を、気軽に、自由に、そしてお客様に満足される品質の商品を、どこよりも低価格で最も便利に提供することによって、社会生活の向上に寄与する」ことを経営の基本方針としています。そのために、「お客様の暮らしを守る」テクノクラート集団であることを目指しています。経営指標としては、売上高と経常利益を重視し、国内外への標準化された店舗の積極的な出店と効率的な経営による収益性の向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念に基づいた事業活動を通じ、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むことを重視しています。人材の多様性を確保するため、性別や国籍を問わない採用や他業種出身者の中途採用を実施しています。社内環境の整備としては、女性が活躍できる就業環境や、男女共に育児休業を取得しやすく職場復帰しやすい雇用環境の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、景気の先行きが不透明な状況下で、業態を超えたシェア獲得競争が続く業界環境に対応するため、複数の課題に取り組んでいます。店舗運営においては、最適な人員配置や物流の改善に取り組むとともに、IT等の利用により店舗業務の見直しを行うことで、ローコストオペレーションを推進しています。これらの取り組みを通じて、お客様の利便性向上と地域の寡占化に努め、社会生活の向上に寄与することを目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
西松屋チェーンは、監査等委員会設置会社として、経営の健全化、迅速化、透明性の向上を図るコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は、監査等委員でない取締役と監査等委員である社外取締役で構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
西松屋チェーンの株主構成を見ると、筆頭株主は友好エステート株式会社です。また、代表取締役会長の大村禎史氏や代表取締役社長の大村浩一氏といった同社の経営陣も上位株主として名を連ねています。これにより、創業家や関連会社が同社の資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 友好エステート | 16.07% |
| 大 村 禎 史 | 8.15% |
| GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL | 7.32% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役会長は大村禎史氏、代表取締役社長は大村浩一氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大 村 禎 史 | 代表取締役会長 | 1979年京都大学大学院工学研究科修士課程修了後、山陽特殊製鋼株式会社に入社。1985年に同社に入社し、専務取締役、代表取締役副社長を経て、2000年5月より代表取締役社長に就任。2020年8月より代表取締役会長を務めています。 |
| 大 村 浩 一 | 代表取締役社長 | 2010年東京大学法学部卒業後、株式会社みずほ銀行に入行。2014年に同社に入社し、経営企画室長などを経て、2019年5月より取締役執行役員社長補佐室長兼商品監査部長に就任。2020年8月より代表取締役社長を務めています。 |
| 坂 本 和 德 | 取締役副社長執行役員店舗運営本部長兼IT推進本部長 | 1983年広島大学大学院工学研究科修士課程修了後、松下電器産業株式会社に入社。2014年に同社に入社し、店舗運営本部長などを歴任。2018年5月より取締役執行役員店舗運営本部長に就任し、2023年9月より取締役副社長執行役員店舗運営本部長兼IT推進本部長を務めています。 |
| 石 井 義 人 | 取締役常務執行役員 店舗開発本部長兼東日本事務所長 | 1984年神戸商科大学商経学部卒業後、同社に入社。商品開発本部第三商品開発部長などを経て、2018年2月より執行役員西日本店舗開発事業部長に就任。2021年5月より取締役執行役員を務め、2024年3月より取締役常務執行役員店舗開発本部長兼東日本事務所長を務めています。 |
| 尼 子 文 章 | 取締役 執行役員 経理本部長 兼財務室長 | 2001年甲南大学経営学部卒業後、新日本監査法人に入所。2013年に同社に入社し、経理部長などを歴任。2019年6月より執行役員経理部長兼財務室長に就任し、2025年5月より取締役執行役員経理本部長兼財務室長を務めています。 |
社外取締役は、菅尾英文氏(菅尾・岩見法律事務所所長・監査等委員)、濱田聡氏(ハマダ税理士法人代表社員・WDBホールディングス社外取締役・監査等委員)、森かおる氏(サン税理士法人代表社員・福伸電機社外監査役・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役全員が社外取締役です。社外取締役は弁護士、公認会計士、税理士としての専門的な知見に基づき、経営の透明性と公正性の向上に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
西松屋チェーンの役員報酬は、基本報酬と非金銭報酬であるストックオプションで構成されています。基本報酬は役位や管掌部署、全社の業績を考慮して年額が決定され、毎月支給されます。ストックオプションは、役員への就任時や役位の昇格時に、役位に応じて付与される仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 6名 | 2.0億円 | 32.8百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 22百万円 | 7.3百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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