※本記事は、株式会社ジェーソン の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ジェーソンは、消耗頻度の高い生活必需品の総合小売を主な事業内容としています。同社グループは、オリジナル商品の製造や食品スーパーの運営も手掛け、フランチャイズ展開も行っています。
単体従業員数は147名、連結従業員数は181名です。同社グループの事業セグメントは小売事業の単一セグメントとなっています。
主な国内グループ会社は、スパイラル(卸売業)、尚仁沢ビバレッジ(飲料水製造事業)、サンモール(食品スーパーマーケット事業)などです。
直近では、2025年3月31日に株式会社サンモールを子会社化し、群馬県を中心に6店舗の食品スーパーの運営を引き継ぎました。これにより、共同店舗化や新規店舗の開店を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ジェーソンは、人々の生活を支えるインフラとなることを企業理念に掲げ、多様な人材が活躍できる環境整備に力を入れています。従業員の定着を促し、それぞれの立場で能力を発揮できるような働き方を支援する傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も安定していることから、人材が定着しやすい環境にあると考えられます。多様な人材が長期的にキャリアを築けるような職場環境の整備に注力していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,776,287円 |
| 平均勤続年数 | 12.2年 |
| 平均年齢 | 41.7歳 |
| 単体従業員数 | 147人 |
| 連結従業員数 | 181人 |
| 単体のグループ内比率 | 81.2% |
退職給付制度
同社は、退職金規定に基づく退職一時金制度を採用しています。これは給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型の一種です。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ジェーソンは、「人々の生活を支えるインフラ」という企業理念のもと、サステナブルな社会の実現に向けて人材育成と社内環境整備に取り組んでいます。多様な人材が活躍できる環境を整備し、性別や国籍を問わず柔軟な就業を実現することを目指しています。
具体的には、育児休業制度や育児短時間勤務制度を通じて、従業員が仕事と家庭を両立しやすい環境を整えています。また、特に女性の活躍推進や、職務に応じたパートタイム従業員の処遇改善、等級審査を通じた昇給など、それぞれの立場で能力を発揮できる体制構築に力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 21.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 50.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 83.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 85.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 97.9% |
連結子会社の法定開示データ
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ㈱サンモール
育児休業事由に該当する労働者はおりません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 12.5% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 65.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 66.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 85.4% |
多様性・登用
上記の指標は提出会社のものであり、連結子会社は含まれておりません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職への登用割合 | 21.4% |
| 女性の採用者割合 | 52.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ジェーソンは、生活必需品の総合小売を主な事業とする同社グループの中核企業です。フランチャイズ展開も一部で行っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ジェーソン、連結子会社の株式会社スパイラル、株式会社尚仁沢ビバレッジ、株式会社サンモールの計4社で構成されています。主力は消耗頻度の高い生活必需商品の総合小売であり、地域における生活便利店としてチェーンストア経営に注力しています。
株式会社スパイラルは同社業務を補完する商品調達を、株式会社尚仁沢ビバレッジはオリジナル商品「尚仁沢の天然水」の製造を担っており、両社の主要得意先はジェーソンです。株式会社サンモールは、群馬県沼田市を中心に6店舗の食品スーパーを展開しています。
同社グループは小売事業の単一セグメントで事業を展開しており、食料品部門が売上高の大部分を占めています。オリジナル商品である「尚仁沢の天然水」や「はじける強炭酸水(天然水の炭酸水)」の販売も好調に推移し、同社グループ全体の業績を支えています。
同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高はなく、特定の顧客への収益集中もありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5期間で増加傾向にあります。しかし、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期において大幅な減少となり、親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上しました。
この損失は、主に子会社化した株式会社サンモールにおける収益計画の乖離に伴うのれん及び一部有形固定資産の減損損失の計上が影響しています。営業活動によるキャッシュ・フローは収入を確保しており、本業でのキャッシュ創出力は維持されている状況です。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 263億円 | 272億円 | 287億円 | 283億円 | 286億円 |
| 経常利益 | 9.2億円 | 8.4億円 | 9.1億円 | 5.7億円 | 2.5億円 |
| 経常利益率 | 3.5% | 3.1% | 3.2% | 2.0% | 0.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5.7億円 | 6.0億円 | 6.0億円 | 3.5億円 | △2.0億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 44.49 | 46.82 | 47.06 | 26.97 | △15.75 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しており、生産性指標は低下傾向を示しています。
これは、M&A関連費用や減価償却費の増加、子会社サンモールの経費負担増、および減損損失の計上といった一時的な要因が影響していると考えられます。これらの指標は、同社グループが現在、事業再編と投資の時期にあることを示唆しています。
| 指標 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 171.5百万円 | 158.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.3百万円 | 1.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業の営業活動では資金を生み出しているものの、将来に向けた投資活動による支出が上回り、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは、成長に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は54.5%となっており、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を示しています。これは、同社グループの財務基盤が比較的安定していることを示しています。
一方で、ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなっており、収益性には課題が見られます。
手元資金である現金及び預金は38.1億円あり、事業運営に必要な流動性を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループの事業運営の健全性を示す指標となります。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 63.0億円 | 59.3億円 |
| 自己資本比率 | 58.0% | 54.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 5.6% | -3.3% |
| 現金及び預金 | 41.1億円 | 38.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは2.7億円の収入となりました。これは前期の5.9億円の収入から減少しています。主な収入要因は減損損失の計上と減価償却費の計上であり、支出要因は法人税等の支払額と税金等調整前当期純損失の計上となっています。
投資活動によるキャッシュフローは△6.9億円の支出となり、前期の△4.5億円の支出から増加しています。これは主に定期預金の預入や有形固定資産の取得、子会社株式の取得による支出が影響しています。
財務活動によるキャッシュフローは△3.5億円の支出となり、前期の△2.7億円の支出から増加しています。長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や配当金の支払額、リース債務の返済による支出が主な要因です。
これらの結果、フリーキャッシュフローは前期の1.4億円の収入から当期は△4.2億円の支出へと転じています。本業で資金を生み出しつつも、積極的な投資活動により資金が流出している状況であり、今後の成長に向けた投資フェーズにあることが示されています。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.9億円 | 2.7億円 |
| 投資CF | △4.5億円 | △6.9億円 |
| 財務CF | △2.7億円 | △3.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1.4億円 | △4.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、主に「EDLP(エブリディ・ロープライス)」及び「ショートタイムショッピング」をコンセプトとするバラエティ・ストア「ジェーソン」店舗を運営しており、コンビニエンスストア、ドラッグストア、100円ショップ、スーパーマーケット、EC市場等の異なる業態と常に競合するリスクが顕在化しています。販売価格競争で優位性を失うような場合には、売上高の減少に伴う収益の悪化により、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、メーカーサイドにおけるフードロス等の抑制に伴う流通量の減少や物価高等の影響で、低価格でのスポット仕入の機会が減少するリスクが顕在化しています。仕入価格の高騰に伴う販売価格の上昇により、ロープライス戦略が変更を余儀なくされ、経営成績等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、今後の事業拡大を図るため、パート社員を含めた優秀な人材の確保と育成が必要不可欠であると認識しており、雇用環境の変化等に伴い、小売業界においても優秀な人材の確保が困難となる可能性も想定されています。採用計画の未達や商品仕入等に係る優秀な従業員の退職等が発生した場合には、募集費用の増加や商品仕入の停滞等によって経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ジェーソンは、「人々の生活を支えるインフラ(社会基盤)となる」ことを企業理念に掲げ、地域に根ざしたバラエティ・ストアを展開しています。徹底したローコスト経営とIT活用を推進し、お客様の暮らしを支えることを目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「人々の生活を支えるインフラ(社会基盤)となる」ことを企業理念としています。日常の暮らしに必要な実用品を、徹底した安さで提供するバラエティ・ストアを中核事業として展開しています。
将来的には、地域密着型のバラエティ・ストアを日本における新たな業態類型として発信し、日本全国でのチェーン展開を目指しています。社員一丸となって企業努力を重ね、着実な成長を追求していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「科学的、合理的な視点でビジネスを進めること」と「ビジネスをサイエンスし、未来へと進化し続けること」を基本戦略としています。これにより、「ムリ・ムラ・ムダ」を省いたローコスト経営を徹底しています。
常に「使う立場」「買う立場」に立ち、お客様が本当に欲しいものを手軽に安心して購入できる売り場づくりを心がけています。デジタルテクノロジーや自社構築の業務システムをベースに、ITデジタルテクノロジーとともに成長していくことを重視しています。
また、多様な人材が活躍できる環境整備にも力を入れています。育児休業制度や育児短時間勤務を通じて柔軟な就業を実現し、性別や国籍を問わず活躍できる体制を構築しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、企業理念である「人々の生活を支えるインフラ(社会基盤)となる」の下、持続可能な事業成長と企業価値拡大を目指しています。そのために、徹底したローコスト経営を推進しています。
具体的には、オリジナル商品やJV商品(ジェーソン・バリュー商品)を中心にロープライスを訴求し、飲料分野のラインナップ拡大に着手しています。特にオリジナル商品「尚仁沢の天然水」の増産体制強化や、株式会社サンモールとのシナジー創出に注力しています。
また、効率の良い居抜き物件を中心としたローコスト出店戦略を進め、収益管理を徹底しています。AIをはじめとするIT活用によるマネジメント体制の高度化を追求し、人的リソースの最適な再配置と経営効率の向上に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社ジェーソンでは、代表取締役社長兼会長である太田万三彦氏を議長とする取締役会が経営の重要事項を審議・決定しています。また、監査等委員会設置会社として、監査等委員である取締役が取締役会の監査・監督機能を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社は、筆頭株主である太田興産をはじめ、太田万三彦氏、太田磨草子氏といった創業家およびその関連会社が上位株主として名を連ねています。これにより、創業家が同社の経営に強い影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 太田興産 | 33.40% |
| 太田 万三彦 | 25.46% |
| 太田 磨草子 | 6.24% |
| 太田 圭太郎 | 2.98% |
| 太田 晃太郎 | 2.95% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は5名(男性5名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長兼会長兼営業本部長は太田万三彦氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 太田 万三彦 | 取締役社長兼会長兼営業本部長(代表取締役) | 1985年5月 同社代表取締役専務。1988年3月 太田興産代表取締役。1989年5月 同社代表取締役社長。2023年4月 同社代表取締役社長兼会長兼営業本部長より現職。 |
| 山田 仁夫 | 専務取締役管理本部長 | 1985年4月 富士銀行(現みずほ銀行)入行。2016年9月 同社入社。2017年5月 取締役企画本部長。2025年5月 専務取締役管理本部長より現職。 |
社外取締役は、宮本啓一郎氏(宮本公認会計士事務所所長・監査等委員長)、勢能志彦氏(セノー代表取締役・監査等委員)、岡本直也氏(弁護士法人岡本代表弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで、監査・監督機能の強化を図っています。社外取締役は、公認会計士や弁護士としての専門知識、および小売業界での豊富な経験に基づき、経営に対する助言と監督・監査の役割を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬としての基本報酬(金銭報酬)のみで構成されており、業績連動報酬および非金銭報酬は採用していません。報酬額は、各役位、職責、在位年数、前事業年度の報酬実績、従業員の給与水準を総合的に勘案して算出されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 1.1億円 | 35.8百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 2百万円 | 1.7百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 9百万円 | 3.1百万円 |
社外役員の1名については、上記報酬等の総額に含まれていない連結子会社からの役員報酬として600千円を支給しています。同社役員のうち、連結報酬等の総額が1億円以上となる者はいません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。