【平均年収635万円】識学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

【平均年収635万円】識学 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年2月期)

識学は、独自理論「識学」に基づき、組織の生産性向上を支援する組織コンサルティング事業を、グループ各社とともに展開しています。従業員は数百名規模で、直近期は売上高が増加し、経常利益も増益となりました。


目次

※本記事は、株式会社識学 の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


識学は、独自開発した「識学」理論に基づき、組織の生産性向上を支援する組織コンサルティング事業を展開しています。ヒトの意識構造を分析し、行動を阻害する誤解や錯覚の発生原因を研究した理論を、多様な組織に適用可能なサービスとして提供しています。

単体従業員数は266名、連結従業員数は306名です。セグメントは組織コンサルティング事業、スポーツエンタテインメント事業、ファンド事業の3つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)福島スポーツエンタテインメント、(連結子会社)新進気鋭スタートアップ投資事業有限責任組合(ベンチャーキャピタル業務)などです。

同社グループは、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更し、従来の「VCファンド事業」と「ハンズオン支援ファンド事業」を「ファンド事業」に統合しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


識学は組織コンサルティング事業を主軸とし、企業の生産性向上を支援しています。成長フェーズにある同社グループでは、従業員数の増加傾向が見られます。給与水準や働き方については、個々の能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


識学では、従業員の平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。これは、事業の拡大に伴う積極的な採用活動や、従業員の成長機会の多さを示していると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 6,352,000円
平均勤続年数 3.22年
平均年齢 37.3歳
単体従業員数 266人
連結従業員数 306人
単体のグループ内比率 86.9%


退職給付制度に関する記載はありません。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


識学グループは、「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」という企業理念のもと、人材戦略を推進しています。労働人口減少や働き方の多様化といった社会課題に対し、識学メソッドの提供を通じて組織の生産性向上を支援し、人的資本経営の重要性の高まりに対応しています。

全従業員が安心して長く働けるよう、テレワーク制度などの柔軟な勤務制度を導入しています。また、男女育児休暇取得の推進や復職支援、目標達成度合いに基づく人事評価を実施し、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境を目指しています。これらの取り組みを通じて、自律的な成長を促進する組織体制と企業文化の醸成を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データを示します。連結子会社は公表義務の対象外のため、記載を省略しています。各指標は、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 14.3%
男性労働者の育児休業取得率 25.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 66.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 66.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 118.1%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


識学は、独自開発した「識学」理論に基づき、組織の生産性向上を支援する事業を展開しています。組織コンサルティングを主軸に、スポーツエンタテインメント、ファンド事業も手掛けています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


識学は、ヒトの意識構造を分析した独自理論「識学」を基盤に、組織の生産性向上に貢献するサービスを提供しています。顧客は成長企業を中心に、プロスポーツチーム、大学の部活、歯科医院、整骨院などの小規模事業者から大企業まで多岐にわたります。

同社グループのサービスはそれぞれ独立して導入可能ですが、経営者へのマンツーマントレーニングを入り口として、組織幹部、管理者層、新入社員へと複数回のサービス提供が必要となるケースが多く、リピート獲得に繋がっています。評価制度構築サービスやウェブによるプラットフォームサービスも提供し、中長期的な取引関係を構築しています。同社グループの事業は「組織コンサルティング事業」「スポーツエンタテインメント事業」「ファンド事業」の3つのセグメントで構成されています。

組織コンサルティング事業

識学に基づく組織運営の導入・浸透を通じて、組織の生産性を高めるサービスを提供しています。主なサービスとして、経営者向けのマンツーマントレーニングであるマスタートレーニング、管理職や新入社員向けの集合研修、識学の定着を図る浸透パック、評価制度構築サービスがあります。
収益は、これらのマネジメントコンサルティングサービスと、継続的な運用支援を行うプラットフォームサービスから得ています。前連結会計年度と比較して、売上高はわずかに増加しています。

スポーツエンタテインメント事業

プロバスケットボールチーム「福島ファイヤーボンズ」の運営を通じて、地域スポーツ振興に貢献しています。プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE)の試合興行、グッズ・チケット販売を行っています。
収益は、チーム運営、試合興行、スポンサー獲得、企業版ふるさと納税の拡充に向けた活動などから得ています。前連結会計年度と比較して、売上高は増加しています。

ファンド事業

「組織力」や「成長する組織への転換」に着目した投資を行い、投資先企業への「識学」導入による組織改善を通じて成長を支援しています。ベンチャーキャピタルファンドやハンズオン支援ファンドの運営を行っています。
収益は、ファンドを通じた投資活動や投資回収などから得ています。前連結会計年度と比較して、売上高は大幅に増加しています。

セグメント 売上高(2025年2月期) 売上高(2026年2月期)
組織コンサルティング事業 47.0億円 47.8億円
ファンド事業 55百万円 10.3億円
スポーツエンタテインメント事業 6.1億円 7.2億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益は、一時的に損失を計上した時期もありましたが、直近の2期では増加に転じています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に変動が見られましたが、直近の前期では大幅な増加、当期では減損損失の計上などにより減少となりました。

項目 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期 2026年2月期
売上高 38.2億円 44.6億円 48.3億円 53.7億円 65.4億円
経常利益 3.5億円 △73百万円 △1.1億円 3.6億円 5.0億円
経常利益率 9.1% △1.6% △2.3% 6.6% 7.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.2億円 △2.5億円 △98百万円 4.3億円 2.9億円
1株当たり当期純利益(円) 29.06 △31.18 △11.13 50.06 34.96

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、2025年2月期から2026年2月期にかけて増加しています。従業員1人あたり営業利益も、同様に増加しており、組織全体の効率性が向上している傾向を示しています。これらの指標の改善は、同社グループが事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの生産性向上にも取り組んでいることを示唆しています。

指標 2025年2月期 2026年2月期
従業員1人あたり売上高(連結) 20.9百万円 21.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.3百万円 1.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


識学グループは、安定した財務基盤と健全なキャッシュフローを維持しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


識学の財務基盤は、自己資本比率が当期57.4%と前期から増加しており、プライム市場平均と比較しても高い水準にあります。これは、同社グループの財務の安定性を示しています。ROE(自己資本利益率)は当期11.3%で、プライム市場平均を上回っています。手元資金である現金及び預金は当期21.0億円となっており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。これらの財務指標は、同社グループが安定した経営基盤を維持していることを示しており、長期的な雇用や給与の安定性にもつながる要素です。

指標 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
純資産 34.4億円 36.6億円
自己資本比率 50.2% 57.4%
ROE(自己資本利益率) 18.2% 11.3%
現金及び預金 23.1億円 21.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが当期1.1億円のプラスとなっています。これは前期の1.7億円から減少しています。主な要因は、法人税等の支払額による資金減少です。投資活動によるキャッシュフローは当期△0.5億円のマイナスとなり、前期の1.1億円のプラスから減少しています。これは主に有形固定資産の取得による支出によるものです。財務活動によるキャッシュフローは当期△2.7億円のマイナスで、前期の△3.2億円からマイナス幅が縮小しています。これは主に長期借入金の返済による支出によるものです。

結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは当期0.6億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄えている状況です。このキャッシュフローの状況は、同社グループが事業運営に必要な資金を自力で生み出し、健全な資金循環を維持していることを示しており、今後の事業展開や雇用・給与の安定性につながる基盤があると言えます。

項目 2025年2月期(前期) 2026年2月期(当期)
営業CF 1.7億円 1.1億円
投資CF 1.1億円 △0.5億円
財務CF △3.2億円 △2.7億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2.8億円 0.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、企業を対象とした組織コンサルティング事業において、多数の企業が参入しており、今後一層競争が激化するリスクを認識しています。また、現在の売上構成はマネジメントコンサルティングサービスが中核ですが、識学クラウド等のプラットフォームサービスが新たな中核事業として想定通りに育たなかった場合、中長期的な業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、代表取締役社長安藤広大氏及び取締役副社長梶山啓介氏への依存リスクを認識し、人員体制の整備や人材の採用・育成を重要な経営課題として位置付けています。事業展開に見合った十分な人材の確保・育成が困難となった場合や、専門的な知識・経験を持つ職員が退任・退職し後任者の採用が困難となった場合、事業展開や業績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


「識学」という独自の理論を基盤に、組織の生産性向上と人々の可能性最大化を目指す識学。同社グループは、そのユニークなメソッドを通じて、日本の働き方そのものを変革しようとしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


識学グループは、「識学を広める事で人々の持つ可能性を最大化する」という企業理念を掲げています。中長期ビジョンとして、“識学”という独自のマーケットを確立し、その考えに基づく働き方を日本のスタンダードにすることを目指しています。また、コア事業で培ったノウハウをM&A戦略に展開し、投資とバリューアップの「自己増殖型サイクル」を確立することで、持続的な企業価値向上を図る方針です。経営の基本方針は、「識学」の有用性を証明することを通じて、これらのビジョンと理念の達成を実現することにあります。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


識学グループは、組織運営そのものを「識学」に基づいて行い、役割と権限の明確化により、権限内で挑戦できる環境を整えています。成果が報酬に反映される明確な評価制度を構築し、優秀な人材が成長感を求めて入社する環境を目指しています。サステナビリティ推進においては、「従業員を結果で管理する」ことや「ルールに基づく組織運営により働く場所に関係なく結果を出す」ことを重視し、組織の生産性向上を図る方針です。また、全従業員が安心して長く働けるよう、テレワーク制度や男女育児休暇取得の推進、復職支援など、柔軟な勤務制度や人事施策を実施しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


識学グループは、識学の認知度向上と普及を重要な課題としています。具体的には、優秀なコンサルタント人材の確保と育成の仕組み化、そしてスポーツチームや学校、家庭など多様な集団への識学提供を通じて、社会性の獲得に取り組んでいます。また、提供するサービス品質の維持・向上にも注力し、コンサルタントの品質確認テストや再学習、マナー・行動規範のチェックを強化しています。さらに、経営管理体制の強化も課題であり、優秀な人材の採用・育成、内部統制システムの運用、法令遵守、グループ・ガバナンスの強化を推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


識学は、取締役会と監査役制度を基軸としたコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。監査役会設置会社として、経営の効率性と健全性の確保に努めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


識学の株主構成を見ると、代表取締役社長である安藤広大氏が筆頭株主となっています。また、同氏の資産管理会社であるARSも上位株主に名を連ねており、創業家が経営に強い影響力を持つ資本構成であることが特徴です。

株主名 持株比率
安藤 広大 22.51%
ARS 13.31%
福冨 謙二 10.33%
ティーケーピ- 10.22%
NOMURA PB NOMINEES LIMITED OMNIBUS-MARGIN (CASHPB) 3.00%


なお、ARSは代表取締役社長安藤広大氏の資産管理会社です。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は安藤広大氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
安藤 広大 代表取締役社長 NTTドコモ、ジェイコム(現ライク)等を経て、2013年合同会社KDI設立、代表社員。2015年3月同社設立、代表取締役社長より現職。
梶山 啓介 取締役上級執行役員 副社長事業戦略本部長 シティバンク銀行、エッジコネクションを経て、2015年3月同社取締役営業部長。2026年3月より取締役副社長兼事業戦略本部長より現職。
池浦 良祐 取締役上級執行役員 事業推進部長 NTTドコモ、ジェイコム、ジャパネットたかたを経て、2015年6月同社入社。2026年5月より取締役上級執行役員事業推進部長より現職。


社外取締役は、大野一美氏(ペチュラAK代表取締役)、泉雄介氏(エーピーシーアンドサンズ代表取締役)、長尾宗尚氏(ティーケーピー取締役COO)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役3名を含む6名で構成されています。また、独立社外取締役が過半を占める任意の指名報酬委員会を設置し、客観性・透明性の高い経営体制を目指しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


識学の役員報酬は、業務執行取締役に対しては基本報酬に加え、企業価値向上へのインセンティブとして譲渡制限付株式やストック・オプションといった非金銭報酬を付与する体系です。一方、監督機能を担う社外取締役や監査役には、経営に対する独立性を重視し、基本報酬のみを支給しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 1.0億円 51.2百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 6.3百万円
社外取締役 3名 8百万円 2.7百万円
社外監査役 3名 11百万円 3.5百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。