※本記事は、株式会社ボードルア の有価証券報告書(2026年2月期、2025年3月1日 ~ 2026年2月28日、2026年5月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ボードルアは、ITインフラストラクチャ分野に特化した事業を展開しています。ITコンサルティングから設計構築支援、運用保守、クラウド基盤導入支援まで、多岐にわたるサービスを提供しており、SDNやセキュリティ、クラウドなどの専門性の高い領域に注力しています。
単体従業員数は1,315名、連結従業員数は3,704名です。同社グループのセグメントはITインフラストラクチャ事業の1つです。
主な国内グループ会社は、ZOSTEC、FunClock(テスト、検証、品質管理業務等)、SPIN TECHNOLOGY、悟空テクノロジーズ、ONE-TECH(ITサポート業務等)などです。
当連結会計年度において、ボードルアは株式会社SPIN TECHNOLOGY、株式会社悟空テクノロジーズ、株式会社ONE-TECH、株式会社リクソルを子会社化し、連結の範囲に含めました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ボードルアは、ITインフラストラクチャ事業を主軸とする企業であり、その事業特性から専門性の高い人材が求められる環境です。若手社員が多く活躍しており、成長を重視する文化がうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均年齢が若く、勤続年数も比較的短い傾向にあります。これは、IT業界における人材の流動性や、同社グループの事業拡大に伴う積極的な採用活動を反映していると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,132,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.3年 |
| 平均年齢 | 28.0歳 |
| 単体従業員数 | 1,315人 |
| 連結従業員数 | 3,704人 |
| 単体のグループ内比率 | 35.5% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「新たなITサービスの誕生と成長をネットワークインフラの側面から支え、社会の発展へ寄与する」ことをミッションに掲げています。サステナビリティの実現は事業の持続的成長と捉え、その競争力の源泉を人材であると考えています。そのため、人材の採用と育成、そして人的資本への投資を重視した経営に取り組んでいます。
独自の採用基準により、ボードルアDNAと親和性の高い人材を採用しています。入社後の育成制度として「ボードルアカレッジ」「資格取得マラソン」「オレンジアワード(資格取得者表彰式)」などを活用し、社員一人ひとりの成長を支援しています。また、獲得した人材が定着し、より一層活動できるための環境構築にも注力しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。管理職に占める女性労働者の割合は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象ではないため記載を省略しています。男女賃金差異は、創業期入社の社員が男性偏重であったため年次による差が生じていますが、同年次の社員には性別に関係なく同一の基準を適用しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 78.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 92.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 92.6% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社アクティアス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異 | 95.5% |
▼ 株式会社FunClock
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の男女の賃金の差異 | 99.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 育休取得者人数(女性) | 17人 |
| 育休取得者人数(男性) | 20人 |
人材育成・エンゲージメント
IT教育プログラムについては、グループ各社への展開を進めている段階であり、当連結会計年度の実績値は算出基盤が確立されている提出会社単体の受講人数を記載しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| IT教育プログラム受講者数 | 562人 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ボードルアは、ITシステムの中でもITインフラストラクチャ分野に特化した事業を展開しています。ITインフラのコンサルティングから設計構築、運用保守まで一貫したサービスを提供し、顧客のIT基盤を支えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ITインフラストラクチャ事業の単一セグメントで事業を行っています。パソコンやスマートフォン、様々なアプリケーションやシステムを動かすために不可欠なサーバー、ネットワーク、セキュリティといったITインフラストラクチャの構築・運用を専門としています。具体的には、ITコンサルティング、マルチベンダー構築支援、マネージドサービス、オンプレミスおよびクラウド基盤導入支援などの役務提供サービスを提供しています。
DX推進やIoT活用、クラウド利用の増加、生成AIの発展などにより、ITシステムはより複雑化し、高度な専門技術が求められる時代となっています。同社グループは、SDN、セキュリティ、ワイヤレス、ロードバランサー、クラウドといった専門性の高い領域に注力し、競争力を強化しています。未経験者の採用と育成に力を入れ、独自の教育ナレッジと再現性の高い人材育成体制を確立していることが強みです。
顧客はIT通信業、金融業、流通業、医療、官公庁などの事業会社、情報システム関連子会社、通信事業者など多岐にわたります。特に、先端技術分野の案件が多く採算性が高い傾向にあるエンタープライズ顧客との取引拡大に注力しています。なお、同社グループの主要な顧客の一つとして、ソフトバンク株式会社が挙げられます。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去4期間にわたり売上収益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益ともに一貫して増加傾向を示しています。特に直近の当連結会計年度においては、売上収益が前期から大きく伸長し、それに伴い各利益も堅調に増加しています。
| 項目 | 2022年2月期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 2025年2月期 | 2026年2月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | - | 52.4億円 | 73.3億円 | 116億円 | 174億円 |
| 税引前利益 | - | - | 15.7億円 | 24.6億円 | 33.7億円 |
| 税引前利益率 | - | - | 21.5% | 21.1% | 19.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | - | - | 11.6億円 | 18.0億円 | 24.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | 36.71 | 56.69 | 79.09 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上収益は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する傾向が見られます。これは、積極的な新規採用による従業員数の大幅な増加が影響していると考えられます。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 5.2百万円 | 4.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.1百万円 | 0.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ボードルアの経営の安定性について、財務基盤、キャッシュフロー、そして事業リスクの観点から解説します。同社グループは堅実な財務基盤と安定したキャッシュフローを維持しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ボードルアの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性がうかがえます。自己資本比率はプライム市場の非製造業平均を大きく上回っており、強固な財務体質を示しています。ROEも高い水準を維持しており、効率的な資本活用ができています。手元資金も増加傾向にあり、事業運営の安定性につながる要素です。これらの財務指標は、同社グループが安定した事業運営を継続し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 45.7億円 | 77.2億円 |
| 自己資本比率 | 53.1% | 55.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 40.8% | 40.0% |
| 現金及び現金同等物 | 34.9億円 | 43.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ボードルアのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが前期から増加し、28.7億円のプラスとなっています。これは主に税引前利益の計上によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、前期の収入から当期は13.7億円の支出に転じました。これは主に子会社の取得による支出があったためであり、積極的な事業拡大に向けた投資が行われていることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済や自己株式の取得による支出があり、6.2億円の支出となりました。結果として、営業活動で得た資金が投資活動を上回り、フリーキャッシュフローは15.0億円のプラスを確保しています。このキャッシュフローの状況は、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、成長投資も行いつつ、健全な資金管理ができていることを示しており、長期的な雇用安定性や給与水準の維持に貢献する基盤があると言えます。
| 項目 | 2025年2月期(前期) | 2026年2月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 19.1億円 | 28.7億円 |
| 投資CF | 3.5億円 | △13.7億円 |
| 財務CF | △30.2億円 | △6.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 22.6億円 | 15.0億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
ボードルアは、日々進化するIT技術への対応が不十分な場合や、景気低迷により顧客企業のIT投資が減少した場合に、受注が減少し業績に影響を及ぼす可能性があります。また、競合他社のサービス力向上や価格競争の激化により、同社グループの競争力が相対的に低下し、収益性が低下するリスクも挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大のために優秀な人材の確保と育成が不可欠であると認識しています。しかし、人材採用や育成が計画通りに進まない場合や、大量離職が発生した場合には、必要な人材の確保が困難となり、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ボードルアは、ネットワークインフラ技術分野のフロントランナーとして、IT社会の発展に貢献することを目指しています。人材育成と技術革新を重視し、持続的な成長を通じて社会貢献を果たすことを経営の基本方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ボードルアは、「ネットワークインフラ技術分野におけるフロントランナーとして、弛まぬ技術革新を推し進め、急速に進化している情報化社会の発展に貢献する」という経営理念を掲げています。ミッションとして、「新たなITサービスの誕生と成長をネットワークインフラの側面から支え、社会の発展へ寄与する」ことを目指しています。
同社グループは、顧客の企業価値向上に努めるとともに、株主・債権者・顧客・ビジネスパートナー・従業員等の全てのステークホルダーへの社会的責任を果たし、広く社会に貢献していくことを経営の基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人材を競争力の源泉と捉え、人的資本への投資を重視した経営に取り組んでいます。独自の採用基準により、ボードルアDNAと親和性の高い人材を採用し、社員一人ひとりが成長を実感できる取り組みを実施しています。
具体的には、「ボードルアカレッジ」「資格取得マラソン」「オレンジアワード(資格取得者表彰式)」などの社内育成制度を活用しています。また、獲得した人材が定着し、より一層活動できるための環境構築にも注力しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、永続的な事業展開と企業価値向上のため、強固な内部管理体制の構築を重要な課題と認識しています。内部統制の実効性向上に向けた環境・体制を整備し、監査法人や顧問弁護士といった外部専門機関と連携を図りながら、コーポレート・ガバナンスの充実に努めています。
また、優秀な人材の育成と採用も重点テーマの一つです。これまでの技術ナレッジを活かし、専門人材や高度専門人材の効率的な育成を行い、専門人材・高度専門人材比率の拡大を通じた競争力強化を進めています。当グループの連結子会社へ先端技術におけるナレッジを共有し、連結子会社の人材の育成にも注力することにより、中長期的な成長の継続を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ボードルアは、取締役会と監査等委員会を設置する監査等委員会設置会社です。経営の意思決定と業務執行の監督を適切に行うための体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ボードルアの株主構成を見ると、創業者が筆頭株主として経営に深く関与していることがうかがえます。複数の創業メンバーが上位株主として名を連ねており、安定した資本基盤を形成していると考えられます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 冨 永 重 寛 | 39.03% |
| 藤 井 和 也 | 14.55% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.57% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長は冨永重寛氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 冨永重寛 | 代表取締役社長 | 2006年9月 ㈱ニキティス代表取締役就任。2007年4月 同社入社。2007年11月 代表取締役社長就任。2023年10月 ウリドキ株式会社社外取締役就任より現職。 |
| 藤井和也 | 代表取締役 | 2006年9月 ㈱ニキティス取締役就任。2007年4月 同社入社。2018年2月 代表取締役就任。2025年9月 同社代表取締役経営管理本部長就任より現職。 |
| 程島義明 | 取締役営業統括本部長 | 2006年9月 ㈱ニキティス取締役就任。2007年4月 同社入社。2019年2月 取締役就任。2022年11月 同社取締役第一営業統括本部長就任より現職。 |
社外取締役は、岡本俊夫氏(元エムシー・ファーティコム監査役・常勤監査等委員)、矢上浄子氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所パートナー・監査等委員)、瀬尾安奈氏(公認会計士瀬尾安奈事務所設立者・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は業務執行取締役3名と監査等委員である社外取締役3名で構成されています。これにより、経営の意思決定と業務執行の監督機能が強化されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、代表取締役が大株主であることから、中長期的な企業価値向上と株主利益の一致を重視し、固定報酬のみで構成されています。当事業年度においては、業績連動報酬や株式報酬などの非金銭報酬は導入されていません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 72百万円 | 24.1百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 15百万円 | 4.9百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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