【平均年収513万円】アビスト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

【平均年収513万円】アビスト 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年9月期)

アビストは、設計開発アウトソーシング事業を主軸に、美容・健康食品製造販売事業、不動産賃貸事業を展開しています。直近の業績は売上高と経常利益が増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少となりました。


目次

※本記事は、株式会社アビスト の有価証券報告書(2025年9月期、2024年10月1日 ~ 2025年9月30日、2025年12月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


アビストは、設計開発アウトソーシング事業を主軸に、美容・健康食品製造販売事業、不動産賃貸事業を展開しています。特に設計開発アウトソーシング事業では、3D-CADを活用した機械・機械部品の設計開発やソフトウェア開発を、派遣および請負の形態で提供しています。

単体従業員数は1,352名です。同社の事業セグメントは、設計開発アウトソーシング事業、美容・健康商品製造販売事業、不動産賃貸事業の3つです。

国内においてはアビストが設計開発アウトソーシング、美容・健康商品製造販売、不動産賃貸の各事業を担っています。

前事業年度において3Dプリント事業を廃止し、当事業年度から当該報告セグメントを廃止しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アビストは、技術者の育成と働きやすい環境づくりに注力している企業です。社員一人ひとりの成長を支援し、多様な働き方を尊重する方針が示されています。給与水準や福利厚生、各種制度を通じて、社員が長期的に安心して働ける環境を目指していることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、比較的若い年齢層の社員が中心となって活躍しており、平均勤続年数も一定の長さを示しています。これは、若手社員がキャリアを築きながら長く働き続けられる環境が整っている傾向にあることを示唆しています。

項目 数値
平均年間給与 5,129,000円
平均勤続年数 9.28年
平均年齢 34.96歳
単体従業員数 1,352人


同社は確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職一時金制度があり、その概要は有価証券報告書に記載されています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は4.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アビストは、持続的な成長に向けた最重要課題として「人財育成」を推進しています。技術者が夢や希望を持ち、いきいきと働ける環境を整備することを重視しています。人材開発担当を新設し、人材育成と社内環境整備への取り組みを強化しています。

人材育成方針としては、持続的な成長を支える高付加価値人材の育成を中長期的な視点で強化しています。具体的には、独自のコンピテンシーモデル「アビストWay」をベースとした社員のスキル管理とビジネススキル教育を通じて、社員のスキル向上を図っています。また、デジタル技術に関する知識と現場の課題解決スキルを併せ持つデジタルソリューション人材の育成にも力を入れています。

社内環境整備方針では、新卒社員と多様な経験を持つキャリア人材を積極的に採用し、性別、年齢、国籍を問わず様々な人材が活躍できる環境を提供しています。経営理念の一つである「機会平等と評価公平性の確保」に基づき、社員の能力を最大限に発揮できる最適なポジションへの登用を目指しています。社員が安心して働き続けられるよう、仕事と家庭の両立支援、安全衛生・健康への配慮、エンゲージメント向上への取り組みも行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 2.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 75.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 52.0%

採用/登用

指標 実績(当事業年度) 目標
新卒採用(第二新卒含む) 92名 2023年10月~2027年9月で283名採用
キャリア採用 46名 2023年10月~2027年9月で140名採用
女性社員数 173名 181名(2026年3月)
女性管理職比率 2.6% 7%(2027年9月)
男女間賃金格差 75.4% -

育成

指標 実績(当事業年度) 目標
研修受講者数(延べ) 3,004名 3,000名/年(2027年)
研修受講時間(人) 74時間/年 70時間/年

働き方/エンゲージメント

指標 実績(当事業年度) 目標
退職率 6.9% 7.0%以下
男性育児休業取得率 72.0% 75%(2028年9月)
有給休暇取得日数 15.7日 17.0日/年(2028年9月)

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アビストは、設計開発アウトソーシング事業を主軸に、美容・健康商品製造販売事業、不動産賃貸事業を展開しています。多様な事業を通じて収益を上げており、特に技術提供サービスに強みを持っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、主に設計開発アウトソーシング事業で収益を上げています。この事業では、ハイエンド3次元CADを活用した機械・機械部品の設計開発やソフトウェア開発などの技術提供サービスを提供しています。取引先は自動車メーカーやその部品メーカー、家電メーカー、精密機器メーカーなど多岐にわたります。

設計開発アウトソーシング事業

この事業は、労働者派遣法に基づいた派遣業務と、設計・開発を請け負う請負業務(受託型・常駐型)に区分されます。その他、3D-CAD教育業務、3Dプリント試作業務、解析業務も行っています。収益は、技術者の派遣や請負による設計開発サービスの提供から得ています。当事業年度では、単価改善の進捗と請負の要員増加により、売上高および営業利益が増加しました。

美容・健康商品製造販売事業

H&F熊本工場において、飲料用水素水「浸みわたる水素水」の製造と一般消費者向け通販事業、OEMによる飲料の受託製造を行っています。収益は、これらの美容・健康商品の製造販売から得ています。当事業年度では、配送形態の効率化に伴う発送費の削減がセグメント利益に寄与しました。

不動産賃貸事業

同社が所有する賃貸ビル(三鷹市1フロア)を顧客企業に賃貸しています。収益は、賃貸物件からの賃料収入から得ています。当事業年度では、賃貸物件は高稼働を維持しているものの、入退去に伴う業務委託契約料の支払い等によりセグメント利益が減少しました。

セグメント 売上高(2024年9月期) 売上高(2025年9月期)
設計開発アウトソーシング事業 98.5億円 105億円
不動産賃貸事業 61百万円 60百万円
美容・健康商品製造販売事業 58百万円 50百万円


同社の売上高は、設計開発アウトソーシング事業に大きく集中しています。当事業年度の販売実績では、トヨタ自動車株式会社への販売高が総販売実績の約4分の1を占めています。本邦以外の外部顧客への売上高はないため、海外比率や為替変動による直接的な影響は限定的です。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の連結業績は、過去2期間のデータによると、売上高は増加傾向にあります。経常利益も増加傾向を示していますが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少傾向となっています。

項目 2021年9月期 2022年9月期 2023年9月期 2024年9月期 2025年9月期
売上高 90.2億円 93.6億円 - - -
経常利益 4.5億円 7.4億円 - - -
経常利益率 5.0% 7.9% - - -
親会社株主に帰属する当期純利益 5.5億円 3.0億円 - - -
1株当たり当期純利益(円) 138.89 74.23 - - -

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社の提出会社(単体)の従業員の状況を見ると、2025年9月30日現在の従業員数は1,352名です。平均年齢は34.96歳、平均勤続年数は9.28年となっています。平均年間給与は5,129,000円です。

従業員1人あたりの売上高および当期純利益については、連結財務諸表の作成が第18期以降行われていないため、直近の推移を示すデータはありません。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社の財務状況は、本業で安定した資金を生み出し、投資活動も行いつつ、手元資金を確保している状態を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の総資産は当事業年度末に97億69百万円となり、前事業年度末から3億88百万円増加しました。これは主に投資有価証券の増加によるものです。

負債合計は23億63百万円で、前事業年度末から1億57百万円減少しました。主に未払金の減少が要因となっています。

純資産合計は74億5百万円となり、前事業年度末から5億45百万円増加しました。これはその他有価証券評価差額金と利益剰余金の増加によるものです。これらの状況は、同社の財務基盤が安定していることを示しています。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローを見ると、本業の営業活動では資金を生み出しており、投資活動では資金を使用しています。財務活動でも資金を使用している状況です。

フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金を投資に回しつつも、自由に使える資金を確保している状態です。この状況は、同社が事業活動を通じて安定的に資金を創出し、将来に向けた投資も行っていることを示しており、雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となっています。

項目 2024年9月期(前期) 2025年9月期(当期)
営業CF 5.7億円 4.5億円
投資CF 12百万円 △3.4億円
財務CF 4.1億円 △4.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 5.8億円 1.0億円


※フリーCF(フリーキャッシュ・フロー)とは、会社が事業活動と投資活動を通じて自由に使える余剰資金のこと。

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社は設計開発アウトソーシング事業において、労働者派遣業界内での競合激化による業績悪化のリスクを認識しています。

また、自動車関連分野への依存度が高く、設計開発アウトソーシング事業に占める自動車関連の売上高構成比率が60%に達しています。特定取引先であるトヨタ自動車株式会社への売上高も、同社の全売上高の24.8%を占めており、これらの企業の業績変動が同社の財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社は設計開発アウトソーシング事業において、技術者の確保が重要な経営資源であると認識しています。優秀な技術者の確保が不十分であった場合や、技術者の退職数が予想を大きく超えた場合には、取引先からの要望に対応できず、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アビストは、顧客、社員、成果を重視する経営理念のもと、デジタルソリューション企業への変革を目指しています。社員一人ひとりの成長と働きがいを大切にし、持続可能な社会への貢献を追求する企業文化を築いています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アビストは、経営理念として「顧客主義(取引先との共生によるパートナーシップの確保)」、「社員主義(社員の自主自律による価値創造の確保)」、「成果主義(機会平等と評価公平性の確保)」を掲げています。

事業目的は「取引先の信頼と安心の確保に基づくサービスの提供」、「社員の生活向上と安定の確保」、「コンプライアンス、CSRの遵守と社会貢献」です。

同社は、より付加価値が高いソリューション提案型企業「デジタルソリューション企業」を目指しています。ビジョンとして『デジタルソリューション企業』を掲げ、デジタル技術を活用し、顧客の潜在ニーズに応えるソリューション提案型企業となることを目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アビストは、経営理念である「顧客主義(取引先との共生によるパートナーシップの確保)」、「社員主義(社員の自主自律による価値創造の確保)」、「成果主義(機会平等と評価公平性の確保)」を経営の基本的な考え方として社員への浸透を図っています。

同社は、事業目的と経営理念に基づき、全てのステークホルダーとの信頼の和づくりに取り組むことをサステナビリティに関する考え方としています。社員が安心して働ける環境を整備し、持続的な成長と企業価値の向上、サステナブルな社会の実現に貢献するとしています。

創業の精神である「設計技術者が自らのために、ともに働き合う設計技術者集団の確立」に基づき、技術者が夢や希望を持ち、いきいきと働ける環境を整備しています。

社内環境整備方針では、性別、年齢、国籍を問わず多様な人材が活躍できる環境を提供し、経営理念の一つである「機会平等と評価公平性の確保」に基づき、社員の能力を最大限に発揮できる最適なポジションに登用するとしています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社は、企業価値の永続的発展を目指すことを最大の経営目標としています。

中核事業である設計開発アウトソーシング事業では、「設計技術集団」としての事業基盤を拡大発展させるため、技術者の採用と育成、高付加価値なソリューション提案が重要であるとしています。

将来の中核事業となる新規事業の育成も必要不可欠であり、設計開発アウトソーシング事業で培った技術力を基に、デジタル技術やAR技術を組み合わせたソリューション開発を推進し、デジタルソリューション企業を目指すとしています。

また、コンプライアンス体制の強化・確立を重視し、技術者がいきいきと働ける環境を提供することで、サステナブルな社会の実現に貢献するとしています。

そのための具体的な取り組みには、経営理念の社員への浸透、技術者の採用強化と育成体制の強化、設計DX及びAI・AR技術を応用した業務効率化とソリューションの提供、長く安心して働ける会社づくり、サステナビリティへの取り組み強化などが挙げられます。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アビストは、監査等委員会設置会社としてコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会による意思決定の迅速化と監査等委員会による監督機能の強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


アビストの筆頭株主は事業会社であるプロシードです。また、ABIST社員持株会が上位株主として名を連ねており、従業員による株式保有も進んでいます。その他、複数の個人株主が上位に位置する資本構成となっています。

株主名 持株比率
プロシード 18.21%
ABIST社員持株会 6.40%
大宅 清文 2.51%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性4名・女性2名)で構成され、女性役員比率は33.3%です。代表取締役社長は進顕氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
進 顕 代表取締役社長 1993年明治屋入社後、明治屋商事、三菱食品を経て、2012年7月同社入社。株式会社アビストH&F代表取締役社長などを歴任し、2022年より同社代表取締役社長。
丸山 範和 常務取締役 1992年神鋼電機(現シンフォニアテクノロジー)入社。2006年JBSエンジニアリング(現同社)入社後、2013年10月同社総務部長、取締役執行役員総務部長などを経て、2022年より同社常務取締役。


社外取締役は、高尾真紀子氏(法政大学大学院政策創造研究科教授)、山本守氏(日本橋アカウンティングサービス代表取締役社長・監査等委員会委員長)、江幡奈歩氏(阿部・井窪・片山法律事務所パートナー・監査等委員会委員)です。

同社は2022年12月23日付で監査等委員会設置会社へ移行しています。これにより、取締役会の意思決定の迅速化と監査等委員会による監督機能の強化を図っています。3名の社外取締役は全員が独立役員として指定されており、経営の独立性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


アビストの役員報酬は、業務執行取締役に対しては固定報酬と業績連動報酬で構成され、非業務執行取締役には基本報酬のみが支給されます。また、長期的な業績向上と企業価値増大を目的とした役員長期インセンティブ報酬制度が導入されています。報酬決定プロセスには、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会が関与し、透明性と客観性を確保しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 1.0億円 33.4百万円
社外取締役(監査等委員を除く) 2名 5百万円 2.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。