※本記事は、株式会社イトクロ の有価証券報告書(2025年10月期、2024年11月1日 ~ 2025年10月31日、2026年1月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
イトクロはメディアサービスを展開しており、「塾ナビ」「コドモブースター」「みんなの学校情報」といった領域特化型ポータルサイトを運営しています。幼児教育から学習塾、予備校、家庭教師派遣、通信教育まで幅広い教育市場をカバーし、ユーザーとクライアント双方に価値を提供しています。
単体従業員数は96名です。同社はインターネット・メディア事業の単一セグメントで事業を展開しています。
イトクロは、幼児教育、学習塾、予備校、家庭教師派遣、通信教育等の市場で、領域特化型ポータルサイトを運営しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
イトクロは「すべての人に、人生を豊かにする教育を」というミッションを掲げ、教育メディア事業を展開しています。同社は「長く一緒に働ける会社」をスローガンに、従業員が能力を最大限に発揮できるような環境づくりに力を入れています。
小規模な組織でありながら、従業員一人ひとりに幅広い裁量を与え、経営陣との距離が近い環境で、自ら考えて行動できる人材の育成を重視していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
イトクロでは、平均年齢が30代半ばであり、平均勤続年数は6年を超えています。このことから、比較的若い年齢層の従業員が中心となりながらも、一定の定着傾向が見られる組織であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,264,000円 |
| 平均勤続年数 | 6.2年 |
| 平均年齢 | 34.6歳 |
| 単体従業員数 | 96人 |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
イトクロは、事業を通じた社会課題の解決と企業価値の最大化を目指し、企業経営のプロセスにおいてESGの視点を重視しています。同社は、短期、中期及び長期にわたり経営方針・経営戦略に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスク及び機会に対処するため、5つのマテリアリティに基づいた取り組みを継続して実施しています。
特に「長く一緒に働ける会社」をスローガンに、2015年より充実した福利厚生制度を構築しています。これにより、子育て世代をはじめとする多様な職員が、性別や人種の区別なく働きやすい職場環境づくりに努めています。
また、従業員がパフォーマンスを最大限に発揮できるよう、適宜外部ツール等の活用も交え、能力開発・環境づくりに非常に力を入れています。小規模組織、幅広い裁量、経営陣との距離の近さ、自身で考えて行動できるようになる育成風土が同社の特徴です。外部の組織診断ツールや、他社が提供する研修機会(ハラスメント研修、メンタルヘルス研修)を積極的に活用し、従業員のストレスマネジメントやモチベーション管理にも積極的に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」「労働者の男女の賃金の差異」については、女性活躍推進法及び育児介護休業法の規定による公表義務に基づく公表項目として選択しておらず、公表されていないため、提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
「労働者」は、正社員のほか、契約社員、臨時雇用者(アルバイト)を含みます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者に占める女性労働者の割合の維持 | 59.0% |
| 係長級以上に占める女性労働者の割合 | 46.0% |
人材育成・エンゲージメント
「無期雇用社員」は、正社員のみを含み、契約社員、臨時雇用者は含まないものとします。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 無期雇用社員における男女双方の平均勤続年数の維持・向上(男性) | 6.4年 |
| 無期雇用社員における男女双方の平均勤続年数の維持・向上(女性) | 6.1年 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イトクロは、インターネット・メディア事業を単一セグメントとして展開しています。幼児教育、学習塾、予備校、家庭教師派遣、通信教育といった教育市場において、領域特化型のポータルサイトを横断的に運営しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「塾ナビ」「コドモブースター」「みんなの学校情報」などのメディアサービスを提供しています。これらのサービスは、幅広いユーザーとクライアントの基盤を持ち、学習塾予備校領域、学校教育領域、民間教育領域でポータルサイトを運営しています。
同社のメディアサービスは、主に3つの特徴を持っています。一つ目は「口コミストックモデル」で、ユーザーからの口コミを継続的に収集し、審査を経て中立的なコンテンツとして掲載することで、他のサイトとの差別化を図っています。二つ目は「大量の送客ボリューム」であり、全国のクライアント企業のデータベースや口コミを基に多くのユーザーを集客し、企画から運営までを自社内で完結させることで、効率的に見込み顧客を送客しています。
三つ目は「成果報酬型の課金システム」で、ユーザーがポータルサイトを経由してクライアント企業へ問い合わせや資料請求を行った成果に応じて報酬を得るモデルを採用しています。これにより、クライアント企業は明確な効果と高い費用対効果を実現しています。
主なメディアサービスとして、「塾ナビ」は全国の学習塾や予備校を検索比較できるポータルサイトで、掲載教室数は110,000教室以上、年間訪問者数は1,387万人以上となっています。「コドモブースター」は乳幼児から小学生向けの習い事教室を比較検索・体験申し込みできるサイトです。「みんなの学校情報」は、全国の学校選びに役立つ情報を総合的に提供しており、特に専門学校領域で堅調に成長しています。
同社は、現事業の深掘りや教育業界内の未参入領域への横展開、新規事業開発への挑戦を通じて、さらなる成長を目指しています。なお、同社の売上高は本邦の外部顧客へのものが90%を超えており、特定の相手先である株式会社トライグループへの販売実績が、直近の事業年度において11.1%を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は減少傾向にあるものの、営業利益、経常利益、当期純利益は前期の損失から黒字に転換し、好調に推移しています。前期は営業損失および経常損失を計上していましたが、当期は広告宣伝費の減少などにより販売費及び一般管理費が減少し、利益が大きく改善しました。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
イトクロの単体従業員数は96名です。従業員の平均年齢は34.6歳、平均勤続年数は6.2年となっています。平均年間給与は5,264,000円です。これらの数値は、同社の組織構成や従業員への還元状況を示すものとして注目されます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、本業で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている状況です。これにより、事業の拡大とそれに伴う雇用機会の創出が期待できる経営状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は93.3%と非常に高い水準にあり、財務基盤が盤石であることを示しています。これは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営している状況です。手元資金である現金及び現金同等物は63.4億円を確保しており、不測の事態にも対応できる流動性があると言えます。このような財務状況は、雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 88.7億円 | 92.2億円 |
| 自己資本比率 | 95.5% | 93.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 68.6億円 | 63.4億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当期のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが8.0億円の増加となりました。これは主に税引前当期純利益の計上や株式報酬費用の計上、法人税等の還付額によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは定期預金の預入や投資有価証券の取得により13.2億円の減少となりました。その結果、フリーキャッシュフローは5.2億円の減少となっています。財務活動によるキャッシュフローはリース債務の返済により3百万円の減少です。この状況は、本業で安定的に資金を生み出しつつも、将来の成長に向けた積極的な投資を行っていることを示しています。これにより、同社の事業拡大とそれに伴う雇用機会の創出が期待できる経営状況です。
| 項目 | 2024年10月期(前期) | 2025年10月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △4.6億円 | 8.0億円 |
| 投資CF | 32.6億円 | △13.2億円 |
| 財務CF | △1百万円 | △3百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 28.0億円 | △5.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、教育市場における売上高が事業の大半を占めており、同市場の著しい縮小や変動は、事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、インターネット・メディアをビジネスドメインとしており、大手企業を含む多くの企業が事業展開しているため、新たな競合が現れるリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、競争力のあるサービスを提供していくために、社風に合った優秀な人員の確保と育成が不可欠と考えています。求める人材を計画に合わせて確保できない場合、事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イトクロは、「すべての人に、人生を豊かにする教育を」というミッションを掲げ、教育メディア事業を通じて社会に貢献することを目指しています。事業活動と企業価値の向上を両立させながら、持続的な成長を追求する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
イトクロは、「すべての人に、人生を豊かにする教育を」をミッションとしたメディアサービスを展開しています。このミッションのもと、同社は領域特化型ポータルサイトの継続的なコンテンツ拡充とユーザビリティの向上を実施しています。
認知度の向上と顧客基盤の拡大を目指すことで、対象領域での深掘りを実現する方針です。中長期的には、学習塾予備校領域、学校教育領域、民間教育領域におけるポータルサイトで『教育メディアNo.1』となることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
イトクロは、事業を通じた社会課題の解決と企業価値の最大化を両立させることを重視しています。企業経営のプロセスにおいてはESGの視点を重視し、リスクの適切な管理と最小化を図る姿勢です。
同社は2015年より「長く一緒に働ける会社」をスローガンに掲げ、充実した福利厚生制度を構築しています。子育て世代をはじめとする多様な職員が、性別や人種の区別なく働きやすい職場環境づくりに努めています。
小規模組織ならではの幅広い裁量や経営陣との距離の近さ、自身で考えて行動できるようになる育成風土が特徴です。個々人の能力や可能性に合わせて組織の形を変える体制をとり、従業員のパフォーマンスを最大限に引き出す環境づくりに力を入れています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
イトクロが対処すべき課題として、主に以下のテーマを挙げています。インターネット・メディア事業の認知度向上に向けて、インターネット上での広告や他社媒体との提携強化に積極的に取り組んでいます。
ウェブサイトに係るシステムのセキュリティ管理体制の維持、構築、整備を継続的に進めることも重要な課題です。また、継続的な成長と安定したサービス提供のため、経営管理体制の充実・強化に取り組んでいます。
具体的には、法令遵守やコンプライアンスの強化、経営の透明性向上、財務報告等の開示体制の強化に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、監査・監督機能の強化と迅速な意思決定による経営の透明性・効率性向上を図る体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
イトクロの筆頭株主は代表取締役CEOである山木学氏であり、同社の資本構成において重要な位置を占めています。上位には個人株主が複数名を占める構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山木 学 | 61.13% |
| SBI証券 | 6.72% |
| 阪田 和弘 | 4.51% |
| 水元 公仁 | 3.06% |
| くふうカンパニーホールディングス | 1.90% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは山木学氏、代表取締役COOは領下崇氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山木 学 | 代表取締役CEO | 2002年4月株式会社リクルート入社、2004年4月株式会社カカクコム入社、2006年12月同社取締役、2009年4月同社代表取締役、2015年11月同社代表取締役CEOより現職。 |
| 領下 崇 | 代表取締役COO | 2002年4月株式会社トライグループ入社、2008年2月同社入社、2014年1月同社取締役事業本部長、2015年11月同社代表取締役COOより現職。 |
| 佐藤 大輔 | 取締役CFO | 2002年4月株式会社ジェイティービー入社、2006年12月株式会社大原出版入社、2008年10月新日本監査法人入所、2015年8月同社入社、2017年11月同社執行役員、2019年3月THECOO株式会社社外監査役、2020年11月同社執行役員CFO経営管理本部長、2023年1月同社取締役CFO経営管理本部長より現職。 |
| 鈴木 真諭 | 取締役CTO | 2002年4月株式会社カカクコム入社、2017年7月同社入社、2017年11月同社執行役員、2020年11月同社執行役員CTO開発本部長、2023年1月同社取締役CTO開発本部長より現職。 |
| 棚橋 新七 | 取締役CMO | 2009年4月同社入社、2017年11月同社執行役員、2020年11月同社執行役員CMO第二メディア事業本部長、2023年1月同社取締役CMO第二メディア事業本部長より現職。 |
社外取締役は、杉田玲夢氏(クリンタル代表取締役社長・JMDC執行役員兼COO)、西本俊介氏(弁護士・Photosynth社外監査役)、東俊介氏(元ハンドボール日本代表キャプテン・琉球アスティーダスポーツクラブ社外取締役)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役3名全員が社外取締役で構成されています。これにより、監査・監督機能の強化と迅速な意思決定による経営の透明性・効率性向上を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
イトクロの取締役の報酬は、固定報酬、賞与、社宅提供に係る非金銭報酬で構成されています。明確な業績連動報酬は採用していませんが、固定報酬の個人配分や賞与の支給の可否およびその額は、同社の業績や貢献度を考慮して決定される方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 5名 | 94百万円 | 18.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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