【平均年収687万円】日本トムソン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収687万円】日本トムソン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

日本トムソンは、針状ころ軸受や直動案内機器、諸機械部品の製造・販売を主軸とする企業グループです。連結従業員数は二千五百名を超え、中国にR&Dセンターを開設するなどグローバルに事業を展開しています。直近の業績は増収増益となりました。


目次

※本記事は、日本トムソン株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本トムソンは、針状ころ軸受および直動案内機器、諸機械部品の製造・販売を主軸とする企業グループです。同社グループは、これらを単一の事業として運営しています。

単体従業員数は1,030名、連結従業員数は2,547名です。

主な国内グループ会社は、日本ディック(軸受等、機・械部品販売)などです。

日本トムソンは、2025年8月に中国にR&Dセンターを開設し、同年10月には本部制を導入して組織体制を再編しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本トムソンは、精密機械部品の製造・販売を手がける企業として、安定した事業基盤を持つ同社グループです。従業員の給与水準や働き方に関する取り組みは、長期的な視点での人材育成と多様性の推進に重点を置いていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向にあります。平均勤続年数や平均年齢から、従業員が長く働き続けることができる職場であることが示されています。

項目 数値
平均年間給与 6,865,606円
平均勤続年数 15.8年
平均年齢 39.6歳
単体従業員数 1,030人
連結従業員数 2,547人
単体のグループ内比率 40.4%


同社および主要な連結子会社は、退職一時金制度、確定給付企業年金制度、および確定拠出制度を併用しています。これらの制度は国内および海外のグループ会社に適用されています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、退職給付債務は68.1億円、年金資産は88.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「社会に貢献する技術開発型企業」という経営理念に基づき、人材を企業価値創造の源泉と位置付けています。人材戦略の三本柱として「人材開発」「適材配置」「多様性」を掲げ、プロフェッショナル集団となるべく人事制度改革に取り組んでいます。

給与その他の給付については、責任や成果に対して適正に報いることを基本方針としています。職能資格制度に基づき、担う責任の程度や保有能力に応じた資格等級ごとに基本給のレンジを設定し、能力開発状況、成果およびプロセスを評価して昇給・昇格を決定しています。

賞与は会社業績を前提に個人の成果を重視した考課により決定され、成果に応じた適正な処遇を実現しています。

人材育成においては、「経験に勝る育成は無し」を理念とし、OJTを柱としています。階層別教育や自己啓発支援にも注力し、公的資格や国家資格の取得を奨励することで、提案力や技術対応力の向上を図っています。

ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)を推進し、性別、年齢、国籍、職歴等に関わらず、能力開発およびキャリアアップの機会を公平に提供しています。特に製造業という性質上、男性社員比率が高い傾向にある中で、女性採用の継続や育児支援の強化を通じて、中核人材への女性登用を促進しています。

社内環境整備では、エンゲージメント向上を重要事項と捉え、福利厚生の充実や自己申告制度、目標管理制度を活用した面談を通じて、従業員の成長意欲の醸成とキャリアプランの実現を支援しています。また、「IKO中期経営計画2026」では、次世代リーダーやDX人材の育成にも取り組んでいます。育児に伴うキャリア断絶の防止にも注力し、育児休業取得者への個別対応を通じて仕事との両立を支援しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


女性管理職比率は2026年3月末時点のデータです。男女賃金差異は、女性労働者の平均年間賃金÷男性労働者の平均年間賃金×100%として算出されています。非正規雇用労働者のうち、パートタイマーは実際に支給した賃金をフルタイム換算して算出されています。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
女性管理職比率 3.6%
男性育児休業取得率 71.0%
男女間賃金差異(全労働者) 57.1%
男女間賃金差異(正規雇用労働者) 81.5%
男女間賃金差異(非正規雇用労働者) 63.3%

多様性の確保を含む人材育成方針に対する指標と目標


この指標は提出会社単体でのデータです。

指標 数値
女性比率 14.8%
女性監督職比率 14.8%
女性管理職比率 3.6%


同社は、正社員の採用者に占める女性比率を安定して20%以上とすること、および管理職以上の女性を2022年3月比で5倍以上(2025年3月比約1.7倍以上)とすることを目標としています(計画期間:2025年4月1日~2030年3月31日)。

社内環境整備方針に対する指標と目標


この指標は提出会社単体でのデータです。

指標 数値
男性育児休業取得率 71.0%


同社は、男性・女性それぞれの育児休業取得率を85%以上とすることを目標としています(計画期間:2025年4月1日~2030年3月31日)。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本トムソンは、針状ころ軸受や直動案内機器、および諸機械部品の製造・販売を主な事業としています。これらの製品は、半導体製造装置や実装機などのエレクトロニクス関連機器、工作機械、ロボット、各種医療機器といった幅広い産業分野で活用されています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、軸受等ならびに諸機械部品の製造・販売を単一の事業セグメントとして運営しています。主力製品である軸受等は、高い負荷容量やロングストローク、軽量化といった顧客ニーズに応える高付加価値製品の開発に注力しており、精密な動きを支える基幹部品として収益を上げています。諸機械部品も、エレクトロニクス関連機器向けを中心に需要を獲得しています。

販売面では、国内外の展示会への出展に加え、顧客事業所でのセミナーやミニ展示会を積極的に開催し、既存顧客との取引を深めるとともに新規市場や顧客の開拓に取り組んでいます。生産面では、グローバル生産体制の整備や工程の自動化を進め、生産効率の向上を図っています。海外売上高の比率が高く、前期に比べてその比率は上昇傾向にあります。特定の顧客への売上集中は見られず、幅広い顧客基盤を構築しています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で変動が見られます。直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から大きく増加し、大幅な回復を示しています。これは、国内外における半導体製造装置やエレクトロニクス関連機器、工作機械、一般産業機械向けなど、幅広い分野での需要回復が寄与しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 623億円 683億円 550億円 544億円 630億円
経常利益 81.0億円 107億円 46.9億円 14.2億円 51.6億円
経常利益率 13.0% 15.7% 8.5% 2.6% 8.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 46.2億円 76.5億円 30.5億円 5.6億円 40.7億円
1株当たり当期純利益(円) 65.08 107.50 43.12 8.11 58.51

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から増加しており、事業規模の拡大とともに従業員一人ひとりの貢献度が高まっていることがうかがえます。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から大きく向上しており、収益性の改善と組織全体の効率化が進んでいることを示しています。これらの指標の改善は、同社グループが堅調な事業活動を通じて、従業員がより大きな価値を生み出す体制を強化している状況を反映しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 23.0百万円 24.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.5百万円 1.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、安定した事業活動と資金の流れを示しています。本業で得た資金を投資に充てつつ、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率と手元資金の厚みから安定した状態を示しています。当期の自己資本比率は66.2%であり、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準となっています。ROE(自己資本利益率)は5.1%で、前期から改善が見られます。手元資金である現金及び預金も250億円を確保しており、事業活動を支える十分な流動性があることがうかがえます。これらの財務状況は、事業の継続性や雇用・給与の安定性につながる要素です。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 761億円 832億円
自己資本比率 62.7% 66.2%
ROE(自己資本利益率) 0.7% 5.1%
現金及び預金 244億円 250億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを投資に回している状況を示しています。当期の営業活動によるキャッシュフローは94.8億円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費、棚卸資産の減少額によるものです。投資活動によるキャッシュフローは△37.3億円の支出となり、有形固定資産の取得による支出などが主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは△62.0億円の支出で、長期借入金の返済や配当金の支払いが影響しています。結果として、フリーキャッシュフローは57.5億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回り、事業の成長と安定を両立していることがうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 64.5億円 94.8億円
投資CF △34.4億円 △37.3億円
財務CF 9.1億円 △62.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 30.1億円 57.5億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、国内外のエレクトロニクス関連機器や工作機械向けなど、特定産業分野への売上比率が相対的に高くなっています。これらの分野における急激な需要の縮小は、経営成績および財政状態に悪影響をおよぼす可能性があります。また、海外市場での事業比率が高まっているため、海外諸国の法律や規制の変更、政治・経済の混乱などが事業活動に影響をおよぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本トムソンは、軸受等の重要機械要素の製造販売を通じて、お客様に信頼され、必要とされるグローバルカンパニーへの発展を目指しています。同社グループは、持続的な成長と社会の持続可能性の両立を追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「社会に貢献する技術開発型企業」という経営理念を掲げています。お客様に信頼され、必要とされるグローバルカンパニーへの発展を目指しているのがビジョンです。

2024年4月からは3年間の「IKO中期経営計画2026 Connect for Growth ~I・K・Oでつなぐ、革新の未来~」を始動しました。この計画を通じて、長期ビジョン「IKO VISION 2030」の実現に繋げていく方針です。環境、社会、ガバナンス(ESG)の面での責任を果たし、SDGsの達成にも積極的に貢献していくことが同社グループの重要な使命となっています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本トムソンは「社会に貢献する技術開発型企業」という経営理念に基づき、誠実で真面目な社風を大切にしています。同社グループの全役職員が価値観を共有し、行動するための指針として「行動憲章」を定めています。

IKOブランドの理念には、革新的で(Innovation)、高度な技術に立脚し(Know-how)、創造性に富む(Originality)企業活動の推進が込められています。人材(人的資本)を価値創造の源泉と位置付け、人事戦略の三本柱として「人材開発」「適材配置」「多様性」を掲げています。人材育成の理念は『経験に勝る育成は無し』であり、OJTを育成の柱としています。

同社グループは、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への積極的な取り組みを推進し、人材の多様性確保を重要課題としています。また、『国籍・性別・年齢を問わず、価値を認め合う企業風土を醸成し、全社員がやりがいを感じ、変革を求める人材集団』となることを目指し、エンゲージメント向上に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本トムソンは、販売活動において「お客様から真っ先に相談していただける会社」を目指し、ソリューション製品と技術サービスを提供しています。グローバル市場での認知度向上と販売拡大できる体制の構築に努めています。

製品開発では、オープンイノベーションを推進し、新しい価値を社会に提供していく方針です。新成長領域への製品開発や新ビジネスの企画開発、知財戦略の強化にも取り組んでいます。生産活動においては、生産供給力の実現に向けた工程改善・自動化・新工法の確立を推進しています。

ESGの面では、法令遵守や社会課題解決への取り組みを重要な経営課題と捉えています。環境負荷低減製品の開発や温室効果ガス排出量削減目標の達成、カーボンニュートラルの実現に貢献していく方針です。人的資本の高度化に向けては、働きやすい環境づくりやダイバーシティ&インクルージョンを推進し、強固なガバナンス体制による公平で透明性の高い経営を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本トムソンは、2025年6月27日の定時株主総会後に監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行しました。これにより、経営の意思決定と業務執行の迅速化・効率化を図るとともに、取締役の職務執行の監督機能の強化を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本トムソンの株主構成を見ると、信託銀行や生命保険会社といった機関投資家が上位に名を連ねています。また、取引先や従業員の持株会も大株主として上位に位置しており、幅広いステークホルダーに支えられている資本構成となっています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 10.96%
日本トムソン取引先持株会 8.35%
日本生命保険相互会社 5.98%
MM Investments 4.85%
日本カストディ銀行(信託口) 4.73%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.1%です。代表取締役社長CEOは細野幹人氏が務めています。社外取締役比率は63.6%です。

氏名 役職 主な経歴
細野 幹人 代表取締役社長CEO 1990年11月同社入社、2019年4月同社執行役員人事総務部長、2025年4月同社代表取締役社長、2026年4月同社代表取締役社長CEOより現職。
宮地 茂樹 取締役会長 1979年4月株式会社東海銀行(現株式会社三菱UFJ銀行)入行、2008年10月同社入社、2012年6月同社代表取締役社長、2026年4月同社取締役会長より現職。
秀島 信也 取締役副会長 生産本部・営業本部担当 1978年4月ヤマハ発動機株式会社入社、2011年3月同社取締役上席執行役員、2019年6月同社社外取締役、2025年6月同社取締役副会長より現職。
西村 修 取締役CFO 経営企画部・人事総務部・経理部・法務室・秘書室担当 2000年11月同社入社、2024年4月同社執行役員経営企画部長、2025年6月同社取締役経営企画部・人事総務部・経理部・秘書室担当、2026年4月同社取締役CFO経営企画部・人事総務部・経理部・法務室・秘書室担当より現職。


社外取締役は、武井洋一氏(明哲綜合法律事務所パートナー)、齊藤聡氏(学校法人産業能率大学経営学部教授)、野田篤子氏(グロッセ・ジャパン代表取締役CEO)、松本展広氏(常勤監査等委員)、那須健人氏(ブレークモア法律事務所パートナー・監査等委員)、林田和久氏(税理士法人三尾会計事務所代表社員・監査等委員)、佐伯里香氏(ユーシステム代表取締役・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は11名の取締役で構成され、そのうち7名が社外取締役です。監査等委員である取締役が取締役会の議決権を有することで、取締役会の監督機能が強化されています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本トムソンの業務執行取締役の報酬は、基本報酬、賞与、株式報酬で構成されています。社外取締役には基本報酬が支払われる仕組みです。業務執行取締役の報酬割合は、基本報酬65%、賞与20%、株式報酬15%を目安として定期的に見直されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 6名 2.5億円 42.5百万円
監査役(社外除く) 1名 6百万円 6.0百万円
社外役員 8名 94百万円 11.8百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。

連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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