※本記事は、株式会社明電舎 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
明電舎グループは、電力インフラ、社会システム、産業電子モビリティなど多岐にわたる6つの事業セグメントを展開しています。製品の企画・開発から製造、販売、サービスまで一貫して手掛けており、社会インフラを支える重電機器やシステムを提供しています。
単体従業員数は3,975名、連結従業員数は10,082名です。事業セグメントは電力インフラ、社会システム、産業電子モビリティ、フィールドエンジニアリング、不動産、その他の6つです。
主な国内グループ会社は、甲府明電舎(産業電子モビリティ事業)、明電プラントシステムズ(社会システム事業)、明電エンジニアリング(フィールドエンジニアリング事業)などです。
明電アクアビジネスは2026年4月1日付で明電ファシリティサービスに吸収合併されました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
明電舎グループは、社会インフラを支える事業を展開しており、安定した基盤を持つ企業です。人財を重要な経営基盤と位置付け、多様な人財が能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を読み解いていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
明電舎では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。安定して働き続けられる基盤が整っている傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,107,973円 |
| 平均勤続年数 | 18.8年 |
| 平均年齢 | 43.6歳 |
| 単体従業員数 | 3,975人 |
| 連結従業員数 | 10,082人 |
| 単体のグループ内比率 | 39.4% |
明電舎グループは、確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および連結子会社の従業員に適用されます。
退職一時金制度があり、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。確定給付債務は454億円、年金資産は45.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
明電舎グループは、人財を既存事業の成長と新たな価値創造を支える重要な経営基盤と位置付けています。「個を惹きつける組織と多様な人財が、夢・志で重なり、共に成長する環境の実現」を人財戦略の基本方針として掲げています。組織力強化、個の力強化、多様な夢・志を組織の成長につなげる仕組みづくりの3点を戦略の柱としています。
給与その他の給付については、従業員の貢献意欲向上と人財確保の観点から競争力のある処遇を基本方針としています。職種や役割に期待される責任・成果、能力、市場動向を総合的に勘案して決定され、賞与は業績連動の考え方を取り入れています。安心して働き続けられる労働環境の整備、対話を重視し挑戦を後押しする企業風土の醸成、健康経営の推進、多様な人財が活躍できる環境整備(DEIの推進)を重点テーマとしています。
具体的な施策として、インドでの新卒採用開始、明電グループ従業員への電気実習展開、キャリアスイッチ週間の実施、社内アイデアコンテスト「MEIANチャレンジ」などがあります。また、個人のビジョンと会社のビジョンを照らし合わせる「MYビジョン・MYチャレンジ」や、心理的安全性のある組織風土づくりを目指すE-PROJECTも推進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。対象期間は2025年4月1日から2026年3月31日までです。男性育児休業等取得率は、過年度に配偶者が出産した従業員が当連結会計年度に育児休業を取得することがあるため、100%を超えることがあります。男女賃金差異の主な要因は、国内従業員における女性従業員比率の低さ、および女性に比べ男性の管理職比率が高いこととされています。なお、同一労働の賃金に差はなく、提出会社の管理職における男女の賃金の額の差異は94.5%です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 6.3% |
| 男性育児休業等取得率 | 95.7% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 72.6% |
| 男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 72.1% |
| 男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 55.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 明電テクノシステムズ㈱
男性育児休業等取得率は、対象となる男性労働者が無いため「-」と表記されています。男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者)は、対象となる女性労働者が無いため「-」と表記されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 0.0% |
| 男性育児休業等取得率 | - |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 90.0% |
| 男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 85.8% |
| 男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | - |
▼ イームル工業㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.5% |
| 男性育児休業等取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 93.9% |
| 男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 92.4% |
| 男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 35.5% |
▼ 明電システム製造㈱
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 20.0% |
| 男性育児休業等取得率 | 100.0% |
| 男女の賃金の額の差異(全労働者) | 78.8% |
| 男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 83.4% |
| 男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 80.8% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性役員クラス(プロパー) | 1名 |
| 外国人 現地法人社長 | 4名 |
人材育成・エンゲージメント
eNPSは提出会社および提出会社と同じ従業員意識調査を実施している国内連結子会社を対象としています。心身のいきいき度は、病気やけががないときに発揮できる仕事のできを100%としたときの、直近1か月の仕事出来度合いを従業員へのアンケート調査をもとに算出しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用計画達成率(新卒+キャリア採用) | 88% |
| 従業員意識調査におけるキャリア形成に関する設問(望むキャリアを実現できる会社か)の肯定回答率 | 38.2% |
| MEIANチャレンジ応募件数 | 48件 |
| eNPS(従業員向けNPS®) | -69.6% |
| 従業員意識調査における挑戦・達成志向に関する設問の肯定回答率 | 33.0% |
| 従業員意識調査におけるオープンな風土に関する設問の肯定回答率 | 50.7% |
| 従業員意識調査における労働環境に関する設問の肯定回答率 | 55.0% |
| 心身のいきいき度 | 66.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
明電舎グループは、電気を作り、送り、そして利用するまでの幅広い領域で、社会と産業を支える重電機器やシステムを提供しています。電力インフラから社会システム、産業電子モビリティ、フィールドエンジニアリング、不動産まで多岐にわたる事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
明電舎グループは、社会インフラを支える重電機器やシステムを中核事業としています。製品の企画・開発から製造、販売、サービスまで一貫して手掛けており、電力会社や官公庁、鉄道事業者、民間企業など幅広い顧客にソリューションを提供しています。保守・メンテナンスといったストック型ビジネスの収益拡大にも注力しており、収益構造の安定化を図っています。
電力インフラ事業
電気の生成から送電までを支える重電機器やシステムを電力会社などに提供しています。主な製品・サービスには、発電機、変電製品、発電・変電・配電システム、監視制御設備、水力発電設備、エネルギーシステムなどがあります。収益は、これらの製品・サービスの提供から得ています。運営は、エムウインズ、イームル工業、MEIDEN SINGAPORE PTE. LTD.、MEIDEN ZHENGZHOU ELECTRIC CO., LTD.、TRIDELTA MEIDENSHA GmbH、MEIDEN T&D (INDIA) LIMITEDなどが行っています。当期は海外での需要拡大や収益性改善、国内電力会社向け案件の増加により、売上高・営業利益ともに過去最高を更新しました。
社会システム事業
官公庁、鉄道事業者、民間企業といった電気の需要家に対し、重電機器やシステムを提供しています。発電・変電・配電システム、監視制御設備、無停電電源装置、電鉄システム、水インフラシステム、上下水道維持管理、セラミック平膜などが主な製品・サービスです。収益は、これらのシステムや機器の提供、維持管理サービスから得ています。運営は、明電プラントシステムズ、明電システム製造、明電システムソリューション、MEIDEN ASIA PTE. LTD.、THAI MEIDENSHA CO., LTD.などが行っています。当期は工事進行案件の進捗や電鉄事業での前倒し需要、水インフラ事業での高収益性案件の拡大により、増収増益となりました。
産業電子モビリティ事業
半導体分野、一般産業分野、EV向けコンポーネント製品、自動車産業向け研究開発用システムを提供しています。モーター、インバーター、EV駆動システム、真空コンデンサ、産業用PC、パルス電源、自動車産業向け試験装置、エレベーター用巻上機、無人搬送車などが主な製品・サービスです。収益は、これらのコンポーネント製品やシステムの販売から得ています。運営は、甲府明電舎、明電機電工業、MEIDEN HANGZHOU DRIVE SYSTEMS CO., LTD.、MEIDEN AMERICA, INC.、MEIDEN (HANGZHOU) DRIVE TECHNOLOGY CO., LTD.などが行っています。当期はモビリティT&S事業で増収増益となりましたが、EV事業の販売台数落ち込みや電動力ソリューション事業、電子機器事業での利益率低下により、売上高は減少し、営業利益は悪化しました。
フィールドエンジニアリング事業
電気設備の保守、点検、維持管理といった保守メンテナンスサービスを提供しています。保守、点検、保全コンサルティング、予防保全、改良保全、維持管理及び運用管理、事後保全、総合診断、延命措置、更新計画などが主なサービスです。収益は、これらの保守サービス提供から得ています。運営は、明電エンジニアリング、明電ファシリティサービスなどが行っています。当期は保守サービス需要の堅調な継続と案件増加により、売上高・営業利益ともに3年連続で過去最高を更新し、増収増益を実現しました。
不動産事業
東京都品川区大崎にある業務・商業ビルThinkPark Towerを中心とした保有不動産の賃貸事業を行っています。収益は、不動産の賃貸収入から得ています。当期は売上高がわずかに減少し、営業利益も悪化しました。
その他の事業セグメント
電気化学計測機器や電気絶縁材料の製造・販売、従業員の福利厚生サービスなど、報告セグメントに含まれない事業が含まれています。収益は、これらの製品販売やサービス提供から得ています。運営は、明電興産、明電北斗などが行っています。当期は売上高が増加した一方で、営業利益は悪化しました。
同社グループの売上高は、当期において日本が最大の市場となっており、アジアやその他の地域も一定の規模を占めています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 電力インフラ事業 | 854億円 | 1,003億円 |
| 社会システム事業 | 906億円 | 966億円 |
| 産業電子モビリティ事業 | 705億円 | 678億円 |
| フィールドエンジニアリング事業 | 477億円 | 545億円 |
| その他の事業セグメント | 37.2億円 | 37.7億円 |
| 不動産事業 | 32.0億円 | 31.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
明電舎グループの過去5期間の業績は、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に直近の当期においては、売上高が前期から8.3%増加し、経常利益は31.6%増加、親会社株主に帰属する当期純利益も27.8%増加と、大幅な伸びを記録しました。これは、電力インフラ事業を中心とした需要の増加や、価格適正化、コスト削減の取り組みが奏功したことによるものです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,550億円 | 2,726億円 | 2,879億円 | 3,011億円 | 3,262億円 |
| 経常利益 | 102億円 | 88.2億円 | 134億円 | 212億円 | 279億円 |
| 経常利益率 | 4.0% | 3.2% | 4.6% | 7.0% | 8.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 67.3億円 | 71.3億円 | 112億円 | 185億円 | 236億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 148.43 | 157.13 | 247.00 | 407.51 | 520.78 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
明電舎グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期の30.5百万円から当期は32.4百万円へと増加しました。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期の2.2百万円から当期は2.7百万円へと増加しています。これらの指標の改善は、同社グループが事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの生産性向上にも取り組んでいることを示しています。これは、組織全体の効率化が進み、収益体質が強化されている傾向にあることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 30.5百万円 | 32.4百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.2百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
財務の安定性の観点から、同社グループの現在地を示します。本業で得た資金で投資を賄い、余剰資金を生み出している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループは、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と同水準にあり、安定した財務基盤を維持しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用ができていることを示しています。手元資金も確保されており、事業継続性や将来の成長投資を支える上で重要な要素となっています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1,422億円 | 1,785億円 |
| 自己資本比率 | 40.7% | 46.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 13.9% | 15.1% |
| 現金及び預金 | 307億円 | 318億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費が主な収入となり、175億円の資金を獲得しました。前期と比較すると減少していますが、売上債権の増加額や法人税等の支払額が主な支出となっています。
投資活動によるキャッシュフローは、有形及び無形固定資産の取得による支出が主な要因となり、171億円の資金を使用しました。これは前期と比較して使用額が増加しており、積極的な投資が行われていることを示しています。
財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な支出である一方、長期借入れによる収入もあり、77.9億円の資金を使用しました。フリーキャッシュフローは3.6億円のプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄えている状況です。
本業で安定的に資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。これにより、中長期的な事業成長とそれに伴う雇用・給与の安定性が期待できる経営状態を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 355億円 | 175億円 |
| 投資CF | △90.7億円 | △171億円 |
| 財務CF | △145億円 | △77.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 264億円 | 3.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、市場環境の変化への認識や対応が不足した場合、需要の減少や案件の進捗遅延により業績や財政状態に影響を及ぼすリスクを認識しています。また、経営方針や事業戦略が市場環境や顧客動向の変化を適切に捉えられない場合、不採算事業の継続や特定顧客への過度な依存による収益力低下のリスクがあることを示しています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人財の獲得や育成の停滞、人財流出により必要な人員を確保できない場合、技術・技能の継承が滞り、競争優位性の低下を通じて成長や業績に影響を及ぼすリスクがあることを示しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
明電舎は、「より豊かな未来をひらく」という企業理念のもと、社会と共に発展してきた企業です。2030年のビジョンとして「サステナビリティ・パートナー」を掲げ、人財と技術を企業価値創造の中核に据えています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「より豊かな未来をひらく」という企業理念を掲げています。人財と技術を企業価値創造の中心に据え、社会と共に発展していくことを目指しています。
2030年のビジョンとしては「サステナビリティ・パートナー」を掲げています。このビジョンからバックキャストする形で、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、4つの注力領域(リニューアブルエナジー、サステナブルインフラ、グリーンモビリティ、スマートインダストリー)で課題解決に取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人財を既存事業の成長と新たな価値創造を支える重要な経営基盤と位置付けています。人財一人ひとりの能力が最大限に発揮されるよう、人的資本への継続的な投資を行っています。
多様な人財が誇りと意欲を持ち、安心して働ける企業風土の醸成に重点的に取り組んでいます。人財戦略の柱は、労働環境の整備、対話を重視した企業風土の醸成、健康経営の推進、多様な人財が活躍できる環境整備(DEIの推進)です。
サステナビリティ推進体制を強化し、取締役報酬の評価基準に従業員エンゲージメント指標を組み込むことで、ガバナンス強化を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長を実現するためにいくつかの課題を認識しています。第一の課題は「生産性向上の加速」であり、労働需給の逼迫に対応するため、DX推進による業務プロセス効率化と生産能力の向上を図っています。
第二の課題は「持続的な成長と従業員エンゲージメント向上の両立」です。従業員がやりがいと誇りを持って働ける環境整備が重要であり、業績成果の適切な還元に加え、多様な働き方の尊重、キャリア形成支援、企業風土改革といった「人的資本の強化」に注力しています。
これらの課題解決と成長を支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」「人的資本の強化」「社内DXの加速」を着実に進展させる方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
明電舎は、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能と業務執行機能の分離を推進しています。独立社外取締役が取締役会の過半数を占める体制により、客観的かつ独立的な視点から経営への意見が取り入れられています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
明電舎の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が主要な株主として名を連ねています。上位の株主には、国内外の信託銀行や金融機関、事業会社が複数見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 12.15% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 5.16% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.90% |
| 住友電気工業 | 4.80% |
| 三井住友銀行 | 3.97% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性8名・女性2名)で構成され、女性役員比率は20.0%です。代表取締役執行役員社長は井上晃夫氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 三井田 健 | 代表取締役執行役員会長 | 1978年4月同社入社、2015年4月代表取締役取締役副社長、2023年6月より現職。 |
| 井上 晃夫 | 代表取締役執行役員社長 | 1987年4月同社入社、2023年6月より現職。指名・報酬委員会委員も務めています。 |
| 鈴木 雅彦 | 代表取締役執行役員副社長 | 1985年4月同社入社、2024年6月代表取締役執行役員副社長、2026年4月より現職。 |
社外取締役は、安達博治氏(元ENEOSホールディングス株式会社 理事・指名・報酬委員会委員)、木下学氏(元日本電気 シニアオフィサー・指名・報酬委員会委員)、白井久美子氏(ユニアデックス 常務執行役員 CISO CPO)、林敬子氏(林敬子公認会計士事務所 所長・指名・報酬委員会委員長)、黑田隆氏(元MS&ADインシュアランスグループホールディングス 取締役)、西野敏哉氏(元三井住友トラスト・パナソニックファイナンス チーフ・エグゼクティブ・アドバイザー)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会における議決権を持つことで、取締役会の監督機能の強化を図っています。独立社外取締役が取締役会の過半数を占める体制により、客観的かつ独立的な立場から経営に意見が取り入れられています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
明電舎の取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬は、業績連動型の年俸制報酬であり、基本報酬とインセンティブ報酬で構成されています。インセンティブ報酬には、短期的な業績向上を目的とした業績連動型報酬に加え、企業価値の持続的な向上と株主との利害共有を促進する株式取得目的報酬、TSR(株主総利回り)連動報酬、そして従業員エンゲージメント指標であるeNPS連動報酬が導入されています。監査等委員である取締役及び社外取締役の報酬は基本報酬のみの年俸制です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 4名 | 2.6億円 | 66.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 28百万円 | 28.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。当連結会計年度において、同社及び主要な連結子会社から受けた役員報酬額が100百万円以上の役員は存在しないことから、役員ごとの報酬等の額は開示されていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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