※本記事は、東京電力ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
東京電力ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は7,157名、グループ連結従業員数は38,341名です。
同社グループは、子会社63社及び関連会社74社で構成され、電気事業を中心とした幅広い事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、東京電力フュエル&パワー、東京電力パワーグリッド、東京電力エナジーパートナー(小売電気事業、ガス事業等)、東京電力リニューアブルパワー(再生可能エネルギー発電事業等)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
東京電力ホールディングスグループは、エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの実現という社会的責務を果たすため、人財を重要な基盤と位置付けています。社員一人ひとりが能力を発揮し、長期にわたり活躍できる環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、社員が長期的にキャリアを築いている傾向がうかがえます。安定した環境で専門性を高めていきたいと考える方にとって、参考となるでしょう。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 8,828,772円 |
| 平均勤続年数 | 22.1年 |
| 平均年齢 | 45.1歳 |
| 単体従業員数 | 7,157人 |
| 連結従業員数 | 38,341人 |
| 単体のグループ内比率 | 18.7% |
なお、直近の主要子会社のデータは以下の通りです。
| 会社名 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 東京電力パワーグリッド株式会社 | 45.7歳 | 24.9年 | 8,239,033円 |
| 東京電力エナジーパートナー株式会社 | 44.6歳 | 21.0年 | 8,384,016円 |
同社グループは、確定給付型の制度として確定給付企業年金制度および退職一時金制度を、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けています。これらの制度は同社および連結子会社に適用されています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度における退職給付債務は5,718億円、年金資産は6,027億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、福島責任の貫徹、GX・DXに対応した安定供給、カーボンニュートラルの実現を事業戦略の中核に据え、これらを支える人財の確保・育成を重視しています。長期間にわたる事業遂行と高度な専門性を要する特性から、現場の技術力、使命感、倫理観を備えた人財の継続的な育成が重要であると認識しています。
グループ全体の事業戦略と整合した人財戦略を策定し、専門人財の育成・配置、技術・知見の確実な継承、多様な人財が中長期的に活躍できる基盤整備を通じて、持続的な価値創造を支える人的基盤の強化に取り組んでいます。給与等の額および内容の決定に関する方針もこの基盤整備に含まれています。執行役の報酬制度には、気候変動への取り組みに関する評価指標が業績連動報酬に組み込まれています。また、同一の役割に対して男女間で賃金差は設けていません。
HR-Visionを掲げ、「リソースマネジメント」「『両利きの経営』を加速する人事戦略」「DEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)」「TEPCO Work Innovation」「基盤強化」の5つの優先領域を設定しています。具体的には、採用手法の多様化や若年層・ミドル層・シニア層の活躍支援、経営リーダーや電力プロフェッショナル、稼ぐ人財の育成に力を入れています。多様な人財が尊重し合い能力を発揮できる組織づくりを目指し、女性活躍推進に優れた企業として「なでしこ銘柄」にも選定されています。社員一人ひとりのワークライフバランスと幸福度向上を目指し、業務改革や働き方改革、1on1ミーティングの促進、管理職へのマネジメント支援も展開しています。育児休業取得者の復職支援として企業主導型保育所の利用制度やキャリア形成支援、リモートワーク・フレックスタイム制度の活用も進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業等取得率は正規雇用のみを対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 7.1% |
| 男性育児休業等取得率 | 92.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 83.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 82.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 82.0% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。育児休業等取得率は正規雇用のみを対象としています。
▼ 東京電力パワーグリッド株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 5.8% |
| 男性労働者の育児休業等取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 69.8% |
▼ 東京電力エナジーパートナー株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.9% |
| 男性労働者の育児休業等取得率 | 97.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 83.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 82.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 80.0% |
▼ 東京電力リニューアブルパワー株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.3% |
| 男性労働者の育児休業等取得率 | 87.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 75.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 76.0% |
グループ全体(連結)
東京電力ホールディングス株式会社および基幹事業会社3社を対象とした集計値です。男性労働者の育児休業等取得率は正規雇用のみを対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 6.8% |
| 男性労働者の育児休業等取得率 | 88.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 82.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 82.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 74.2% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
東京電力ホールディングスは、電気事業を中心とした幅広い事業を展開する持株会社です。同社グループは、電力の安定供給とエネルギーソリューションの提供を通じて社会を支えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、ホールディングス、フュエル&パワー、パワーグリッド、エナジーパートナー、リニューアブルパワーの5つの報告セグメントで事業を展開しています。収益は主に電気事業営業収益として、電灯料・電力料、他社販売電力料、託送収益から得ています。また、ガス供給事業営業収益も収益源の一つです。これらの収益は、基本的に1ヶ月ごとの検針や計量で把握され、一定の期間にわたり認識されるモデルとなっています。
ホールディングス
経営サポート、各基幹事業会社への共通サービスの効率的な提供、原子力発電等を行っています。収益は子会社の売上増加や基幹事業会社からの受取配当金から得ています。運営は、東電不動産、東京パワーテクノロジー、東電設計、テプコシステムズなどが行っています。前期に比べて売上高は増加し、経常利益も大幅に改善しました。
フュエル&パワー
火力発電による電力の販売、燃料の調達、火力電源の開発、燃料事業への投資を行っています。収益は火力発電による電力販売や燃料事業への投資から得ています。運営は、東京電力フュエル&パワー、JERAが行っています。前期に比べて売上高は減少しましたが、経常利益は大きく増加しました。
パワーグリッド
送電・変電・配電による電力の供給、送配電・通信設備の建設・保守、設備土地・建物等の調査・取得・保全を行っています。収益は送配電設備の利用料金や電力量調整に伴う電気の供給料金から得ています。運営は、東京電力パワーグリッド、東京電設サービス、東電タウンプランニングなどが行っています。前期に比べて売上高は減少しましたが、経常利益は増加しました。
エナジーパートナー
お客さまのご要望に沿った最適なトータルソリューションの提案、充実したお客さまサービスの提供、安価な電源調達を行っています。収益は小売電気事業における電灯料・電力料、ガス供給事業のガス料金から得ています。運営は、東京電力エナジーパートナー、テプコカスタマーサービス、ファミリーネット・ジャパンなどが行っています。同社グループの外部顧客への売上高の大部分を占める主力事業ですが、前期に比べて売上高、経常利益ともに減少しました。
リニューアブルパワー
再生可能エネルギー発電による電力の販売、設備の維持管理、国内外における再生可能エネルギー電源の新規開発・投資を行っています。収益は再生可能エネルギー発電による電力販売から得ています。運営は、東京電力リニューアブルパワー、テプコ・リニューアブル・パワー・シンガポールなどが行っています。前期に比べて売上高、経常利益ともに減少しました。
同社グループの事業は国内が中心であり、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の大部分を占めています。特定の顧客への収益集中は見られませんが、エナジーパートナーセグメントが同社グループの外部顧客への売上高の大部分を占める傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| エナジーパートナー | 5兆3,726億円 | 4兆8,350億円 |
| パワーグリッド | 1兆2,101億円 | 1兆2,256億円 |
| ホールディングス | 1,351億円 | 2,127億円 |
| リニューアブルパワー | 888億円 | 515億円 |
| フュエル&パワー | 37.8億円 | 37.0億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は直近5年間で変動が見られます。経常利益は前期から大きく増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は当期に損失を計上しました。これは、福島第一原子力発電所の廃炉に関連する災害特別損失などの計上が主な要因です。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しており、本業による資金創出力は堅調に推移しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5兆3,099億円 | 8兆1,122億円 | 6兆9,184億円 | 6兆8,104億円 | 6兆3,286億円 |
| 経常利益 | 422億円 | △2,854億円 | 4,255億円 | 2,544億円 | 4,173億円 |
| 経常利益率 | 0.8% | △3.5% | 6.2% | 3.7% | 6.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 29.2億円 | △1,236億円 | 2,678億円 | 1,613億円 | △4,543億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 1.82 | △77.17 | 167.18 | 100.67 | △283.51 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しましたが、従業員1人あたり営業利益は増加しました。これは、売上高が減少する一方で、営業利益が改善したことによるものです。従業員1人あたりの営業利益が増加していることは、組織全体の効率化が進んでいる傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 178.9百万円 | 165.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.2百万円 | 8.8百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で資金を生み出しつつも、将来に向けた投資を積極的に行っているフェーズにあります。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較して低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は当期にマイナスとなりました。手元資金は前期からほぼ横ばいで推移しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3兆7,861億円 | 3兆4,184億円 |
| 自己資本比率 | 25.1% | 21.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.4% | -12.7% |
| 現金及び預金 | 9,363億円 | 9,372億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、災害損失引当金の増加などにより、前期に比べて増加し、5,603億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、投融資の回収による収入が増加したことなどから、前期に比べて支出が減少し、△6,636億円の支出となっています。この結果、フリーキャッシュ・フローは△1,033億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入が減少したことなどから、前期に比べて減少しており、1,104億円の収入となっています。本業で資金を生み出しながらも、事業拡大のための投資を積極的に行っている状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3,612億円 | 5,603億円 |
| 投資CF | △8,592億円 | △6,636億円 |
| 財務CF | 1,942億円 | 1,104億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △4,980億円 | △1,033億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、販売価格の変動や販売電力量の減少リスクを抱えています。小売市場の競争激化や節電・省エネルギー、カーボンニュートラル社会の実現に向けた政策面の影響を受ける可能性があります。
また、福島第一原子力発電所の廃炉の貫徹に向けた改革や、GX・DX等による電力需要増への安定供給責任の全うと事業成長に向けた取り組みが計画通りに進まない場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
企業倫理に反した行為が発生した場合、同社グループへの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に影響を及ぼす可能性があります。特に人権については、社員やグループ会社社員の理解不足に起因する人権侵害が発生した場合、批判等により事業運営に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
東京電力ホールディングスは、福島への責任を果たすことを大前提に、エネルギーの安定供給と脱炭素社会の実現を目指し、グループ全体の変革と成長を推進している会社です。サステナビリティを経営の重要課題と位置づけ、多様な人財が活躍できる企業文化の醸成にも力を入れています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、福島第一原子力発電所の廃炉の貫徹と、福島への責任を果たすことを経営の根幹に置いています。その上で、GX・DXの進展に伴う電力需要の増加に対応した安定供給責任を全うし、事業成長を実現することを目指しています。中長期的には、廃炉の推進と企業価値向上の両立を図り、資金・技術・能力を補完するアライアンスを追求し、大胆な改革に取り組む方針です。
また、電力供給のレジリエンス強化やカーボンニュートラルの実現、エネルギー安全保障の観点から、原子力発電の重要性を認識しています。福島第一原子力発電所事故の反省と教訓を活かし、安全を最優先とした発電所の運営と、地域社会からの信頼醸成に継続して取り組んでいます。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、「福島最優先」の経営判断を掲げ、廃炉事業遂行能力の向上と体制構築を三本柱として改革を進めています。また、「復興と廃炉の両立」に向けた取り組みを推進し、地域との関係性を深化させることを重視しています。経済事業においては、「迅速かつプッシュ型の電力供給」「脱炭素電源の確保・カーボンニュートラルの実現」「安定化等の多様なニーズに応じた料金メニューの提供」の三つの社会的価値提供を目指しています。
サステナビリティ課題を経営上の重要な戦略事項と位置づけ、ESGを含む専門的知見の確保やリスク管理を徹底するガバナンス体制を構築しています。人的資本においては、現場の安全文化醸成、技術・知見の継承、多様な価値観を尊重した組織運営を重視し、HR-Visionのもと「一人ひとりがTEPCO」をスローガンにDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)を推進しています。社員の「働きがい」「成長実感」「ワークライフバランス」を重視し、「社員幸福度」を総合KPIとして設定しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、福島への責任を果たすため、「3つの誓い」に基づく迅速かつ適切な賠償と復興に向けた取り組みを継続しています。福島第一原子力発電所の廃炉作業においては、燃料デブリの本格的な取り出し等、最難関の局面を迎える中で、安全確保を最優先とした廃炉の貫徹を重点課題としています。
経済事業では、電力需要の大幅な増加が見込まれる状況下で、安定供給の責務を果たし、カーボンニュートラルの実現に貢献するため原子力事業を推進しています。柏崎刈羽原子力発電所の安全かつ安定的な運転継続や、福島第二原子力発電所の廃止措置、東通原子力発電所の建設再開、原子燃料サイクル事業の推進にも取り組んでいます。また、GX・DXの進展に伴うデータセンター需要の高まりに対応し、電力バリューチェーンの総合力を発揮した収益力拡大も重点テーマです。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
東京電力ホールディングスは、指名委員会等設置会社として、経営の客観性と透明性の向上に取り組んでいます。取締役会は社外取締役を含む多様なメンバーで構成され、業務執行の監督を強化する体制が整えられています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
東京電力ホールディングスの株主構成は、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が筆頭株主として過半数の株式を保有している点が特徴です。この構成は、同社グループの経営に特定の機関が強い影響力を持つことを示しています。その他、信託銀行などが上位株主として名を連ねています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 原子力損害賠償・廃炉等支援機構 | 54.75% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 5.56% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 1.51% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は25名(男性23名・女性2名)で構成され、女性役員比率は8.0%です。代表執行役社長は小早川智明氏が務めています。社外取締役比率は46.2%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 小早川 智明 | 代表執行役社長原子力改革特別タスクフォース長 | 1988年同社入社。2016年東京電力エナジーパートナー代表取締役社長を経て、2017年より同社代表執行役社長原子力改革特別タスクフォース長に現職。 |
| 山口 裕之 | 代表執行役副社長最高財務責任者兼ESG担当 | 1991年同社入社。2021年同社常務執行役、2022年同社代表執行役副社長最高財務責任者を経て、2023年より現職。 |
| 酒井 大輔 | 代表執行役副社長アライアンスCEO兼経営企画担当(共同) | 1994年同社入社。2022年同社常務執行役経営企画担当(共同)兼事業再構築・アライアンス担当を経て、2026年より現職。 |
| 長﨑 桃子 | 執行役副社長 最高マーケティング責任者兼チーフ・スポークスマン | 1992年同社入社。2020年同社常務執行役最高マーケティング責任者兼ESG担当を経て、2025年より現職。 |
| 福田 俊彦 | 執行役副社長 原子力・立地本部長兼原子力改革特別タスクフォース長代理兼同事務局長 | 1983年同社入社。2022年同社常務執行役原子力・立地本部長兼原子力改革特別タスクフォース長代理兼同事務局長を経て、2023年より現職。 |
| 吉野 栄洋 | 執行役 会長補佐兼社長補佐兼経営企画担当(共同) | 1992年通商産業省入省。2020年原子力損害賠償・廃炉等支援機構連絡調整室長を経て、2021年より同社執行役会長補佐兼社長補佐兼経営企画担当(共同)に現職。 |
社外取締役は、小林喜光氏(同社取締役会長・指名委員会委員長・監査委員会委員)、大八木成男氏(元帝人代表取締役社長CEO・指名委員会委員・報酬委員会委員長)、大西正一郎氏(フロンティア・マネジメント代表取締役会長兼社長・指名委員会委員・監査委員会委員)、大川順子氏(元日本航空取締役副会長・監査委員会委員・報酬委員会委員)、永田高士氏(元デロイトトーマツグループCEO・監査委員会委員・報酬委員会委員)、内田貴和氏(元三井物産代表取締役副社長執行役員CFO・監査委員会委員・報酬委員会委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、社外取締役が取締役会の約46.2%を占めることで、業務執行に対する監督機能を強化しています。社外取締役は、それぞれの専門分野における経験と見識を活かし、重要な経営戦略の策定と業務執行の監督を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
東京電力ホールディングスでは、経営の監督を担う取締役と業務執行を担う執行役で報酬体系を分けています。取締役には基本報酬のみが支給され、執行役には基本報酬に加えて業績連動報酬が設定されています。業績連動報酬は、会社業績や個人の業績目標達成度に応じて変動する仕組みとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 1名 | 27百万円 | 27.0百万円 |
| 執行役 | 18名 | 6.5億円 | 36.2百万円 |
| 社外取締役 | 7名 | 95百万円 | 13.6百万円 |
なお、取締役(社外取締役を除く)の人数には執行役を兼務する取締役を含んでいません。また、執行役の業績連動報酬の額には、2024年度に在籍していた執行役16名に対して2025年度に支給した業績連動報酬の額と、2024年度の事業報告で開示した報酬等に含まれる業績連動報酬の額との差額10百万円が含まれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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