※本記事は、株式会社ホギメディカル の有価証券報告書(2025年3月期、2024年4月1日 ~ 2025年3月31日、2025年6月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ホギメディカルグループは、医療用消耗品、医療機器、医療用不織布製品などの製造・販売を手掛けています。医療安全と業務効率化に貢献する付加価値の高い製品を積極的に展開しており、特に「プレミアムキット」は売上を大きく伸ばしています。
単体従業員数は748名、連結従業員数は1,409名です。
ホギメディカルは、医療用不織布製品や医療用消耗品の一部をP.T.ホギインドネシアに製造委託しています。また、ホギメディカルアジアパシフィックPTE.LTD.など海外3社の連結子会社を通じて、ASEAN各国で医療用消耗品や医療機器などの販売活動を展開しています。
当連結会計年度では、構造改革の一環として保有遊休資産や非コア事業の見直しを進め、投資有価証券の評価損などを計上しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ホギメディカルは、医療用消耗品等の製造・販売を主力とする企業です。同社グループでは、従業員の長期的なキャリア形成を支援し、多様な働き方を推進する環境づくりに注力しています。安定した事業基盤のもと、人材の育成と働きがいのある職場環境の整備に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ホギメディカルでは、従業員の定着を重視する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、長期にわたってキャリアを築くことができる環境がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,645,701円 |
| 平均勤続年数 | 17.9年 |
| 平均年齢 | 44.4歳 |
| 単体従業員数 | 748人 |
| 連結従業員数 | 1,409人 |
| 単体のグループ内比率 | 53.1% |
退職給付制度について、同社は確定給付型と確定拠出型の制度を採用しています。提出会社では確定拠出年金制度を、在外連結子会社2社では現地国の法令に基づく退職一時金制度を採用しています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度の退職給付債務は5.5億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ホギメディカルは、国内の労働人口減少を背景に、事業成長を支える人材の確保と育成を重要課題と位置付けています。2030年までの方針として「D&Iの実践」と「人的資本への投資強化」を掲げています。
ダイバーシティの推進では、新卒および中途採用女性比率の向上や女性管理職比率の向上に取り組んでいます。ライフワークバランスの向上に向けては、時差勤務や在宅勤務、男性育児休業取得の推奨、ノートPC支給による直行直帰の多用などを実施しています。
健康管理では、ストレスチェックの実施と高ストレス者フォロー、心身の健康に関する外部相談窓口の設置、ハラスメント対策など、心身ともに健やかな労働環境の整備に努めています。キャリアデザインでは、新人事制度導入による主体的なキャリアパスの明示やポスティング制度を実施し、社内交流も促進しています。
人材育成においては、今後のグローバル展開を見据え、異文化における価値観の多様性を学び、マネジメント力を強化する方針です。性別や年齢に関わらず、国際競争環境下で活躍できる人材の育成や管理職登用に向けた階層別研修を段階的・継続的に実施し、必要な研修を受けられる体制を構築しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 53.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 79.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 51.3% |
多様性・登用
提出会社単体の任意開示データです。男女の賃金差異については、等級別人数構成の差によるものだと説明されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.8% |
| 新卒採用女性比率 | 40.0% |
| 男女の賃金差(年度内平均賃金・全労働者) | 79.7% |
育児・介護支援
提出会社単体の任意開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の育児休業取得率 | 150.0% |
| 男性の育児休業取得率 | 53.3% |
| 男性育休の平均取得日数 | 164.3日 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社ホギメディカルは、医療用消耗品、医療機器、医療用不織布製品の製造・販売を主軸とする企業です。医療現場のニーズに応える製品提供を通じて、社会に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、株式会社ホギメディカル、子会社(P.T.ホギインドネシア、ホギメディカルアジアパシフィックPTE.LTD.他1社)、および孫会社(P.T.ホギメディカルセールスインドネシア)で構成されています。事業は医療用消耗品、医療機器、医療用不織布製品等の製造・販売です。P.T.ホギインドネシアに医療用不織布製品および医療用消耗品の一部製造を委託しています。ホギメディカルアジアパシフィックPTE.LTD.およびP.T.ホギメディカルセールスインドネシアは、ASEAN各国で医療用消耗品、医療機器、医療用不織布製品等の販売活動を行っています。
当連結会計年度の売上高は391.4億円で、前期比0.1%増となりました。特に最重要戦略製品である「プレミアムキット」は、発売以降売上高が伸長しており、当連結会計年度においても当該製品の売上高は大きく拡大しています。一方で、不織布製品は売上高の減少が続いています。売上原価は、継続する円安による為替影響や原材料等の上昇が影響しています。
同社グループは医療用消耗品等の製造・販売の単一事業を営んでいますが、用途・品目別では「滅菌用品類」「手術用品類」「治療用品類」「その他」に区分されます。当連結会計年度の販売実績を見ると、「手術用品類」が同社グループの収益の大部分を占める主要な事業となっています。特定の顧客への売上集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年3月期) | 売上高(2025年3月期) |
|---|---|---|
| 手術用品類 | 347億円 | 348億円 |
| 滅菌用品類 | 34.4億円 | 34.1億円 |
| その他 | 7.6億円 | 7.8億円 |
| 治療用品類 | 1.7億円 | 1.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で緩やかな増加傾向にあります。一方で、経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2年間で減少傾向を示しています。特に当連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純利益が前期から大きく減少しました。これは、構造改革の一環として保有遊休資産や非コア事業の見直しを進めた結果、投資有価証券の評価損や関係会社株式の評価損、追加的な貸倒引当金繰入額などを計上したことが影響しています。
| 項目 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 365億円 | 368億円 | 390億円 | 391億円 | 391億円 |
| 経常利益 | 59.9億円 | 62.9億円 | 66.5億円 | 42.5億円 | 36.5億円 |
| 経常利益率 | 16.4% | 17.1% | 17.1% | 10.9% | 9.3% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 49.6億円 | 43.7億円 | 43.2億円 | 28.0億円 | 15.2億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 164.03 | 153.00 | 177.95 | 115.57 | 67.98 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から横ばいとなっています。一方、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しています。これは、売上高が微増にとどまる中で、営業利益が減少したことが影響していると考えられます。
| 指標 | 2024年3月期 | 2025年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 27.8百万円 | 27.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.0百万円 | 2.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社ホギメディカルは、本業で安定した資金を稼ぎ出し、その資金を事業活動や投資活動に充てています。財務基盤は強固であり、手元資金も厚い状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、安定した状態を示しています。手元資金も増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備わっていると言えます。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性につながる可能性があります。
| 指標 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 861億円 | 743億円 |
| 自己資本比率 | 86.1% | 75.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 3.3% | 1.9% |
| 現金及び預金 | 194億円 | 220億円 |
自己資本比率は当期で75.9%となっており、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は当期で1.9%となり、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。現金及び預金は前期の194億円から当期は220億円に増加しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上、売上債権の減少などにより、当期は116億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、当期は△39.2億円の支出となっています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があったものの、自己株式の取得による支出や配当金の支払などにより、当期は△54.6億円の支出となりました。これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期で76.4億円のプラスとなっており、本業で稼いだ資金で投資を賄えている優良な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループの安定した事業運営と将来への投資余力があることを示しており、雇用や給与の安定性、そして今後の成長性にもつながる可能性があります。
| 項目 | 2024年3月期(前期) | 2025年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 71.2億円 | 116億円 |
| 投資CF | △32.6億円 | △39.2億円 |
| 財務CF | △38.9億円 | △54.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 38.6億円 | 76.4億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、医療用キット製品や医療用不織布製品などを医療機関に販売しており、診療報酬の改定や手術手技の進化が購買方針や使用製品の変更につながり、業績に影響を与える可能性があります。また、インドネシアに製造子会社を有し、国内外から原材料を調達しているため、原油・原材料の価格や為替の大幅な変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ホギメディカルは、医療現場の安全と効率化に貢献し、人々の健やかな生命と幸福に尽くすことを目指す企業です。顧客視点に立ち、社会の繁栄に寄与する価値創造を重視する文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ホギメディカルグループは、「社業を通じて医療進歩の一翼を担い、人々の健やかな生命と幸福に尽くし、もって社会の繁栄に寄与する」ことを社是としています。患者や医療従事者の安全、そして医療機関の経営改善に貢献できる製品とシステムを提供しています。
同社グループは「顧客視点に立脚した価値創造経営の実践」を掲げています。お客様の環境変化を敏感に察知し、課題に対してソリューションを提供できるオンリーワンの企業となることを目指しています。
医療現場で使用される製品の安全かつ安定的な供給は、同社グループの存在意義であり、社会的責任であると考えています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ホギメディカルグループは、企業行動憲章において「社員の安全と健康確保」「社員のゆとりと豊かさの実現」「社員の人格・人権の尊重」を掲げています。これらの価値観を組織的に実践するため、定期的な確認と教育を実施しています。
「顧客視点に立脚した価値創造経営の実践」を重視し、お客様に寄り添いながら課題解決に貢献する企業活動を展開しています。サステナビリティに関する考え方として、環境問題とD&I(ダイバーシティアンドインクルージョン)などの社会課題を中心に、中長期的な影響とその対策を議論する場を設けています。
国内の労働人口減少を背景に、事業成長を支える人材の確保と育成を重要課題とし、「D&Iの実践」と「人的資本への投資強化」を2030年までの方針としています。全社員が納得感をもってダイバーシティを推進し、各々のライフワークバランスが向上することを目指す企業風土です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ホギメディカルグループは、企業理念と企業価値向上を求心力とするガバナンス体制への変革を重点テーマとしています。迅速な意思決定と機動的な業務執行に向け、執行と監督の分離を進めています。
情報管理の徹底、社員教育の充実、リスクマネジメント体制のさらなる強化、監査監督機能の強化にも取り組んでいます。これらの施策を通じて、組織としての基盤を強化し、持続的な成長を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ホギメディカルは、独立社外取締役が過半数を占める取締役会を構成し、監査等委員会設置会社として経営監督機能の強化を図っています。迅速な意思決定と機動的な業務執行を実現する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、複数の信託銀行や海外の機関投資家が上位株主として名を連ねています。特定の事業会社や創業家が突出して高い比率を占める構成ではありません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 16.17% |
| NIPPON ACTIVE VALUE FUND PLC | 8.73% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505025 | 7.29% |
なお、2025年2月7日付で公衆の縦覧に供されている変更報告書において、ニッポン・アクティブ・バリュー・ファンドが2025年1月31日現在で1,849.2千株(8.57%)を所有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性6名・女性1名)で構成され、女性役員比率は14.2%です。代表取締役社長最高経営責任者(CEO)は川久保秀樹氏が務めています。社外取締役比率は71.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 川久保 秀樹 | 代表取締役社長 最高経営責任者 (CEO) | 1996年4月山之内製薬株式会社(現アステラス製薬株式会社)入社。2018年4月同社入社経営企画部部長。2024年4月同社代表取締役社長より現職。 |
| 藤田 泰介 | 取締役 最高財務責任者 (CFO) | 1991年10月監査法人トーマツ入所。2006年3月Taiyo Pacific Partners LP入社。2024年6月同社取締役。2024年8月同社取締役経営管理本部長より現職。 |
社外取締役は、上杉潔氏(メディバンクス取締役副社長)、木野瀨祐太氏(コンチネンタル・インベストメント・グループ代表取締役社長)、高田祐史氏(島田法律事務所パートナー・フリークアウト・ホールディングス社外取締役(監査等委員)・監査等委員)、江上美芽氏(米国ユタ大学薬学部分子薬学科併任教授・一般社団法人細胞シート再生医療推進機構設立業務執行理事・オービック社外取締役・監査等委員)、樋口活介氏(樋口活介公認会計士事務所代表・数字はミカタ代表取締役・監査等委員)です。
同社は2024年6月20日開催の定時株主総会決議により、監査等委員会設置会社へ移行しています。取締役会は独立社外取締役が過半数を占める体制であり、経営監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を促すインセンティブとして、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。報酬は基本報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬により構成され、社外取締役の報酬は固定の基本報酬のみです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.8億円 | 44.5百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.0百万円 |
| 社外役員 | 9名 | 46百万円 | 5.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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