【平均年収852万円】理想科学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収852万円】理想科学工業 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

理想科学工業は、印刷機器関連事業を主軸に、インクジェット事業や孔版事業などを展開しています。連結従業員数は約2,800名規模で、直近期は増収減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。


目次

※本記事は、理想科学工業株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


理想科学工業は、印刷機器関連事業を主軸に展開しています。高速インクジェットプリンター「オルフィス」やデジタル印刷機「リソグラフ」を核としたインクジェット事業と孔版事業に加え、インクジェットヘッド事業も手掛けています。また、不動産事業やプリントクリエイト事業、デジタルコミュニケーション事業、アプリケーションソフトウェア事業なども行っています。

単体従業員数は1,529名、連結従業員数は2,865名です。同社グループの事業セグメントは、印刷機器関連事業、不動産事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、印刷機器事業、当社、開発、製造、販売などです。

理想科学工業グループでは、2024年7月にインクジェットヘッド事業の統合を実施しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、独自の製品やサービスを通じてお客様のコミュニケーションを支援する事業を展開しています。社員が長く働き、キャリアを築ける環境が特徴です。多様な人材が活躍できる職場環境の整備にも力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、社員が安定してキャリアを継続している傾向が見られます。平均年齢も比較的高く、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。このような環境は、長期的な視点で専門性を高めたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 8,520,952円
平均勤続年数 22.1年
平均年齢 45.8歳
単体従業員数 1,529人
連結従業員数 2,865人
単体のグループ内比率 53.4%


同社は、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型企業年金と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型企業年金の両方を設けています。国内の提出会社だけでなく、一部の在外子会社においても確定給付型および確定拠出型の制度を設けています。退職一時金制度もあります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は128億円、年金資産は160億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


理想科学工業グループは、お客様のコミュニケーションをより良くする独自の製品・サービス提供を目指し、社員一人ひとりを新たな事業価値を生み出す存在と位置づけています。働きがいのある職場環境の提供と、個の成長、多様な人材が尊重しあえる風土の醸成を人材戦略の基本方針としています。

給与やその他の給付については、社会情勢や業界動向を踏まえ、社員が安定した将来を描ける競争力のある処遇を目指し、能力や役割に応じた公正な評価に基づいて決定しています。人材育成においては、多様なバックグラウンドを持つ社員が主体的にスキルを磨き、能力を発揮できる環境と機会を提供しています。また、性別や国籍を問わず能力を重視した採用を行い、多様な人材が最大限に能力を発揮できる社内環境の整備に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データであり、海外赴任者および休職者を除いて算出されています。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 5.4%
男性労働者の育児休業取得率 68.4%
労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) 76.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) 74.6%
労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) 79.9%

人材育成


提出会社単体のデータです。

指標 実績(2026年3月末) 目標(2027年3月末)
女性管理職比率 5.4% 4.8%以上

社内環境整備


提出会社単体のデータです。

指標 実績(2025年1月~2025年12月実績) 目標(2027年3月末)
年次有給休暇の取得率 73.1% 73%以上

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


理想科学工業は、印刷機器関連事業を主軸に、不動産事業やその他の事業を展開しています。同社グループは、独自の技術を活かした製品とサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に「印刷機器関連事業」を展開しており、高速インクジェットプリンター「オルフィス」を主としたインクジェット事業と、デジタル印刷機「リソグラフ」を主とした孔版事業を行っています。また、インクジェットヘッド事業も手掛けています。

収益は、これらの印刷機器本体の販売に加え、消耗品や保守サービスなどから得ています。海外での売上も大きく、為替の変動が業績に影響を与える傾向があります。

印刷機器関連事業

同社グループの主力事業であり、高速インクジェットプリンター「オルフィス」やデジタル印刷機「リソグラフ」などの印刷機器の製造・販売を行っています。インクジェットヘッド事業もこのセグメントに含まれます。
収益は、製品本体の販売と、それに付随するインクやマスターなどの消耗品、および保守サービスから得ています。

不動産事業

ビルの賃貸などを手掛ける事業です。
収益は、主に賃貸収入から得ています。

その他の事業セグメント

プリントクリエイト事業、デジタルコミュニケーション事業、アプリケーションソフトウェア事業など、多岐にわたる事業を行っています。
収益は、それぞれの事業におけるサービス提供や製品販売から得ています。

印刷機器関連事業が同社グループの売上高の大部分を占めており、事業統合の効果や為替の円安影響が売上増加に寄与する一方で、日本の孔版事業や海外のインクジェット事業での本体製品販売の減少が見られます。

セグメント 売上高(2025年3月期) 売上高(2026年3月期)
印刷機器関連事業 770億円 773億円
不動産事業 10.2億円 10.6億円
その他の事業セグメント 6.6億円 6.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向にあります。経常利益は変動が見られ、直近の当期は前期から減少しました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当期は前期から増加しています。これは、営業外損益における為替差益の計上や、特別利益として投資有価証券売却益を計上したことなどが影響しています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 693億円 747億円 746億円 787億円 790億円
経常利益 46.4億円 62.0億円 62.0億円 63.6億円 58.7億円
経常利益率 6.7% 8.3% 8.3% 8.1% 7.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 35.8億円 46.2億円 48.3億円 40.9億円 43.8億円
1株当たり当期純利益(円) 105.18 137.72 72.74 62.80 68.71

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期からわずかに増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少する結果となりました。

これらの数値は、同社グループの事業規模が拡大する中で、生産性や収益性の維持・向上が継続的な課題であることを示唆しています。

指標 2025年3月期 2026年3月期
従業員1人あたり売上高(連結) 27.5百万円 27.6百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.2百万円 1.8百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


理想科学工業は、本業で安定した資金を生み出し、財務基盤を強化している状況です。前期は投資活動に資金を多く使っていましたが、当期は本業で得た資金が投資を上回っており、資金の余裕が生まれています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率が高く、手元資金も増加傾向にあります。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較しても高い水準を維持しており、安定した経営基盤を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回っていますが、着実に改善傾向にあります。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 665億円 688億円
自己資本比率 74.8% 72.3%
ROE(自己資本利益率) 6.1% 6.5%
現金及び預金 136億円 155億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローは増加しており、本業で安定的に資金を獲得している状況です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出がありましたが、前期と比べて支出額は減少しました。その結果、フリーキャッシュフローは前期のマイナスから当期はプラスに転じており、本業で得た資金が投資を上回る状態となっています。この資金の余裕は、今後の事業展開や雇用安定性にも良い影響を与える可能性があります。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 33.5億円 75.1億円
投資CF △83.0億円 △32.5億円
財務CF △14.7億円 △32.0億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △49.6億円 42.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、主力である事務用印刷機器関連製品において、競合の激化や技術革新への対応がリスクとして挙げられています。また、売上高の半分程度が海外向けであるため、為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、継続的な事業発展のために専門技術に精通した人材や経営戦略・組織運営に優れた人材の確保を必要としています。日本国内における少子高齢化や労働人口の減少により、人材の確保が計画通りに進まない場合、長期的な事業展開や成長見通しに影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

前期に構造改革費用4億9千万円を計上しています。この費用は事業再編・拠点統廃合・人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


理想科学工業は、独自の製品とサービスを通じてお客様のコミュニケーションを豊かにすることを目指し、社会や環境の変化に柔軟に対応しながら持続的な成長と企業価値の向上を追求しています。社員一人ひとりの成長と多様性を尊重する企業風土を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


理想科学工業は、お客様の役に立つ独自の製品やサービスを提供することで、お客様のコミュニケーションをより良いものにするよう努めています。社会や環境の変化に柔軟に対応し、サステナビリティに関する課題に取り組むことで、持続的な成長とさらなる企業価値の向上を目指しています。

中長期的な成長を実現するため、製品・サービスの特長をいかした販売活動を全世界で展開しています。また、新規事業の創出に向けた活動も行っています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、社員一人ひとりが健康で、チャレンジと成長ができる風土の醸成に取り組んでいます。すべてのステークホルダーの人権を尊重した企業活動を行うことを大切にしています。

社員一人ひとりが新たな事業価値を生み出す存在であると捉え、働きがいのある職場環境を提供しています。個の成長と多様な人材が互いに尊重しあえる職場風土の醸成に努めています。

また、地球規模での環境保全に貢献するため、環境負荷を低減しつつお客様に安心してお使いいただける製品を提供しています。美しい健全な環境を次世代に引き継ぐために、環境活動の推進に努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループの中長期的な課題は、経営環境の変化に適応し、効率的で強い企業体質に変えることだと認識しています。印刷機器関連事業においては、インクジェット事業の収益力強化が課題となっています。

2027年3月期は、印刷機器関連事業の収益体質の強化をはかることを経営方針に掲げています。理想科学らしい企画・開発を推進し、コーポレート本部の企画力を充実させることも重点テーマです。

事業環境の変化に迅速に対応することや、持続的な成長に資するガバナンス体制を構築することも重要な取り組みとなっています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


理想科学工業は監査役会設置会社として、取締役会が経営上の意思決定を行い、監査役会が公正・客観的な立場から監査を実施する体制をとっています。経営の意思決定と業務執行を分離するため、執行役員制度を導入しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


理想科学工業の株主構成を見ると、創業家やその関連会社が上位に名を連ねていることが特徴です。筆頭株主は有限会社理想社であり、公益財団法人理想教育財団やあかつき興産も主要な株主となっています。複数の創業家関係者が上位株主として存在し、同社の経営を支える基盤となっています。

株主名 持株比率
有限会社理想社 15.71%
公益財団法人理想教育財団 8.46%
あかつき興産 6.22%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 5.99%
みずほ信託銀行退職給付信託きらぼし銀行口再信託受託者日本カストディ銀行 4.98%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長社長執行役員は羽山明氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
羽山 明 代表取締役社長 社長執行役員 兼 プリントクリエイト事業部担当 1987年旭化成工業株式会社入社、1990年同社入社。1995年同社取締役、1999年代表取締役社長、2019年社長執行役員より現職。
川津 俊彦 取締役 執行役員 営業統括本部長 兼 日本営業部長 兼 デジタルコミュニケーション事業部担当 1989年同社入社。2016年執行役員、2021年同社取締役。2024年デジタルコミュニケーション事業部担当、2025年営業統括本部日本営業部長より現職。
成宮 慶臣 取締役 執行役員 コーポレート本部長 兼 内部統制部、環境活動推進部、品質保証部担当 兼 リスク・コンプライアンス担当 兼 不動産事業部担当 1985年同社入社。2019年執行役員、2025年コーポレート本部長、リスク・コンプライアンス担当。2025年同社取締役より現職。


社外取締役は、権藤嘉江子氏(元グラフィック・パッケージング・インターナショナル代表取締役社長)、渡部秀敏氏(元ワタベウェディング代表取締役会長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名が独立役員として経営の監視と意思決定の透明性向上に貢献しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


理想科学工業の役員報酬は、役位や職務、管掌に応じた適正な水準を基本方針としています。業務執行を担う取締役には基本報酬と賞与が支給され、社外取締役には基本報酬のみが支払われます。賞与は当期純利益の一定割合を目安に株主総会で決定され、業績連動のインセンティブが組み込まれています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 1.5億円 38.5百万円
社外取締役 2名 21百万円 10.5百万円
監査役(社外除く) 3名 37百万円 12.3百万円
社外監査役 4名 22百万円 5.5百万円


同社の役員報酬等の総額は2億34百万円であり、報酬の支給対象となった役員の総数は13名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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