※本記事は、株式会社カプコン の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
カプコンは、家庭用ゲームやモバイルコンテンツの開発・販売を行うデジタルコンテンツ事業を中核とし、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業、その他事業を展開しています。同社グループは、これらの事業を通じて幅広いエンターテインメントを提供しています。
単体従業員数は3,593名、連結従業員数は3,976名です。同社グループの事業セグメントは、デジタルコンテンツ事業、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業、その他事業の4つです。
主な国内グループ会社は、ケーツー(デジタルコンテンツ事業)、エンターライズ(アミューズメント機器事業)、カプコン管財サービス(全社(共通))などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
カプコンは、ゲームエンターテインメントを通じて「遊文化」を創造し、人々に感動を提供する企業です。世界トップレベルのクリエイターをはじめとする優秀な人材の確保と育成に注力し、従業員が能力を最大限に発揮できる環境整備を進めています。報酬制度の改定や多様な人材が活躍できる職場づくりにも積極的に取り組む傾向が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
カプコンでは、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も安定していることから、人材の定着感とバランスの取れた年齢構成がうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,852,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.2年 |
| 平均年齢 | 38.1歳 |
| 単体従業員数 | 3,593人 |
| 連結従業員数 | 3,976人 |
| 単体のグループ内比率 | 90.4% |
カプコンは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度と確定拠出制度を採用しています。確定給付制度は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出制度は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は同社および一部の連結子会社に適用されています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付制度における退職給付債務は42.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
カプコンは、「最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる企業」というビジョンのもと、持続的な成長の根幹を担う人材の確保と育成を最重要課題と位置付けています。グローバルでユーザーを獲得するための高品質なコンテンツ創出に向け、人材投資戦略を推進しています。
報酬決定においては、採用市場の状況、物価の変動率等の外部環境に加え、同社グループの業績の状況、同社における給与の分布・推移等を総合的に勘案して、基本給等の固定報酬の水準を決定しています。また、連結営業利益の増益に連動して金銭報酬総額が増加する賞与制度や、従業員株式報酬制度(ESOP信託)を導入し、優秀人材の獲得や離職防止、エンゲージメント向上を図っています。
具体的な取り組みとしては、毎年100名規模の開発新卒採用と積極的な中途採用を実施し、2026年3月期からは初任給を月額30万円に引き上げました。人材育成では、OJT/Off-JTの充実、管理職候補者研修、キャリア形成支援、自己啓発促進などを行っています。コンテンツ開発の現場では、開発人材ポリシー「CAPCOM-SHIP」を制定し、若手社員がベテランクリエイターから助言を受けつつ企画・開発を推進する体制を構築しています。
従業員が能力を最大限に発揮できる職場環境の再整備にも力を入れており、就業環境や設備の改善・拡充、社内表彰制度、ハラスメント対策研修、多言語カウンセリングサービスの導入、カスタマーハラスメント対応指針の策定、保養所の提供などを行っています。また、経営層と従業員が直接対話する説明会を定期的に開催し、相互理解を深めています。多様な人材が活躍できる環境づくりとして、女性、外国人、中途採用者の確保・活用を推進し、育児・介護に伴う働き方の支援として、事業所内保育所「カプコン塾」の設置やテレワーク制度の充実などを図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。これらの数値は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき算出されています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 79.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 62.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 65.3% |
将来を支える人材の確保と育成
本表の集計は、いずれも正社員を対象としています。年齢分布については具体的な目標値は設定されていませんが、従業員の高齢化の程度に関する指標として注視されています。なお、60代以上については定年再雇用により正社員から嘱託契約の従業員に変更となるため、集計対象外となります。2025年3月期において同社従業員に対して支給された特別一時金は、平均年間給与に含まれています。従業員1人当たり株式報酬付与数は、ESOP信託に基づく年間の制度対象者1人当たりの平均付与ポイント数であり、1ポイントが1株に対応します。市場価格換算は、期末時点の同社の普通株式の終値に基づき当該ポイント数を金銭換算したものです。当該ポイントは、株式として交付され従業員に支給されるまでは、平均年間給与に含まれていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員数(連結) | 3,976名 |
| うち開発職(連結) | 3,011名 |
| 従業員数(単体) | 3,593名 |
| うち開発職(単体) | 2,842名 |
| 平均年齢(単体) | 38.1歳 |
| うち開発職(単体) | 37.8歳 |
| 開発職年齢分布(単体)29歳以下 | 25.6% |
| 開発職年齢分布(単体)30代 | 35.2% |
| 開発職年齢分布(単体)40代 | 25.7% |
| 開発職年齢分布(単体)50代 | 13.5% |
| 新卒採用数(単体) | 170名 |
| うち開発職(単体) | 125名 |
| 平均年間給与(単体) | 9,852千円 |
| うち開発職(単体) | 9,987千円 |
| 従業員1人当たり株式報酬付与数 | 196ポイント |
| 市場価格換算 | 656千円 |
| 平均年間給与分布(単体)400万円以下 | 0.9% |
| 平均年間給与分布(単体)400~600万円 | 11.3% |
| 平均年間給与分布(単体)600~800万円 | 28.7% |
| 平均年間給与分布(単体)800~1,000万円 | 23.3% |
| 平均年間給与分布(単体)1,000~1,500万円 | 26.2% |
| 平均年間給与分布(単体)1,500~3,000万円 | 8.8% |
| 平均年間給与分布(単体)3,000万円以上 | 0.8% |
| 年代別平均給与(単体)20代 | 6,502千円 |
| 年代別平均給与(単体)30代 | 9,471千円 |
| 年代別平均給与(単体)40代 | 11,857千円 |
| 年代別平均給与(単体)50代 | 12,987千円 |
従業員が能力を最大限に発揮できる職場環境の再整備
エンゲージメント(単体)は、同社従業員(社会保険対象外の短時間労働者を除く)を対象とした外部業者によるアンケート調査の結果における同社の偏差値です。このうち、ワークエンゲージメントは、仕事に対する自発的行動やポジティブな感情についてのアンケート結果に基づく数値であり、エンプロイーエンゲージメントは、会社への愛着等についてのアンケート結果に基づく数値です。離職率(単体)は、各期首の従業員総数に対する期中に退職した従業員数(期中に入社および退職した従業員を除く)の割合であり、集計対象は正社員のみです。従業員1人当たり営業利益(連結)は、同社グループの連結営業利益を連結正社員数で割ったものです。年次有給休暇取得率(単体)は、各期の年次有給休暇の取得日数の合計を付与日数の合計で割ったものであり、集計対象は全従業員(臨時従業員を含む)です。平均残業時間(法定外)(単体)は、残業時間の集計対象である従業員(正社員のみ)の月平均法定時間外労働時間です。なお、労働基準法上の管理監督者となる部長職以上は残業時間の集計対象外となります。また2024年3月期までは、開発職のうち変動賞与を除く基準報酬が7,400千円以上の社員は、裁量労働制の対象のため、残業時間の集計対象外となります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ワークエンゲージメント(単体) | 54.8 |
| エンプロイーエンゲージメント(単体) | 52.8 |
| 離職率(単体) | 2.6% |
| うち自己都合(単体) | 1.9% |
| 従業員1人当たり営業利益(連結) | 18,937千円 |
| 年次有給休暇取得率(単体) | 86.0% |
| 平均残業時間(法定外)(単体) | 11.9時間/月 |
多様な人材が活躍できる環境整備
本表の集計は、いずれも正社員を対象としています。ただし、管理職に関する指標は、管理職である嘱託契約の従業員も集計対象に含んでいます。管理職および専門的な知識や能力を発揮し開発現場等で中心的な役割を担う人材を、同社における中核人材と位置付け集計しています。男女間賃金格差は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出されたものです。育児休業取得率(単体)は、各期に本人または配偶者が出産した従業員数(臨時社員を含む全従業員)に対する、当該期に育児休業を取得した従業員数の割合です。なお、過年度に本人または配偶者が出産した従業員が、翌期に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。男性育児休業平均取得日数(単体)は、各期に育児休業から復職した男性従業員(臨時従業員を含む全従業員)の育児休業日数の平均値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 従業員に占める女性比率(単体) | 22.4% |
| 管理職に占める女性比率(単体) | 11.8% |
| 中核人材に占める女性比率(単体) | 15.7% |
| 平均年間給与(単体)男性 | 10,277千円 |
| 平均年間給与(単体)女性 | 8,357千円 |
| 男女間賃金格差(単体) | 81.3% |
| 平均年齢(単体)男性 | 38.6歳 |
| 平均年齢(単体)女性 | 36.3歳 |
| 従業員に占める外国人比率(単体) | 7.9% |
| 出身国・地域数 | 37 |
| 管理職に占める外国人比率(単体) | 1.4% |
| 管理職に占める中途採用者比率(単体) | 53.7% |
| 育児休業取得率(単体) | 84.4% |
| うち男性(単体) | 79.7% |
| うち女性(単体) | 100.0% |
| 男性育児休業平均取得日数(単体) | 97.8日 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
カプコンは、デジタルコンテンツ事業を中核に、アミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業、そしてキャラクタービジネスなどを展開する総合エンターテイメント企業です。グローバル市場での成長を目指し、デジタル販売の強化やIP(知的財産)を活用した多角的な事業展開を進めています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に4つの事業セグメントで収益を上げています。中核となるデジタルコンテンツ事業では、家庭用ゲームやモバイルコンテンツの開発・販売を通じて、グローバルなユーザーにコンテンツを提供しています。また、アミューズメント施設やアミューズメント機器の運営・開発・販売、さらにはキャラクタービジネスやeスポーツといった周辺事業も展開し、IPのブランド力向上と収益の多角化を図っています。
デジタルコンテンツ事業
当事業では、家庭用ゲームおよびモバイルコンテンツの開発・販売を行っています。主力シリーズの大型新作タイトル投入やリピートタイトルの販売強化、新型ゲーム機向け移植タイトルの発売により、グローバルでの販売本数増加を図っています。収益は、パッケージ販売、デジタルダウンロード販売、モバイルコンテンツの提供から得ています。運営は、カプコン、ケーツー、ソードケインズスタジオ、Minimum Studios Co., Ltd.などが開発を、カプコン、CAPCOM U.S.A.,INC.、CE EUROPE LTD.などが販売を担っています。
アミューズメント施設事業
当事業では、ゲーム機を設置した店舗や物販店舗などの運営を行っています。既存店の堅実な運営に加え、新業態店舗や国内外への出店を推進し、リアル店舗の魅力最大化と他事業とのシナジー効果創出を目指しています。収益は、店舗運営によるサービス提供から得ています。運営は、カプコンが主な関係会社として活動しています。
アミューズメント機器事業
当事業では、店舗運営業者等に販売する遊技機等の開発・製造・販売を行っています。スマートパチスロの継続投入や、同社グループの人気IPを活用した新機種の販売により、収益の向上を図っています。収益は、遊技機等の販売から得ています。運営は、カプコン、エンターライズ、アデリオン、レオスターなどが主な関係会社として活動しています。
その他の事業セグメント
当事業では、キャラクタービジネス、eスポーツ、映像ビジネスなどを行っています。eスポーツビジネスでは、グローバル規模でのユーザー層拡大に向けた大会開催やチームリーグ戦を展開しています。映像ビジネスでは、主力IPの映像化による認知拡大に努め、キャラクタービジネスでは、人気タイトルのキャラクターグッズや各種イベント展開に注力しています。収益は、これらのビジネス活動から得ています。運営は、カプコン、CAPCOM U.S.A.,INC.、CE EUROPE LTD.などが主な関係会社として活動しています。
同社グループは、海外市場にも積極的に展開しており、米国、欧州、その他の地域からも売上を上げています。また、主要な顧客としてValve CorporationやSony Interactive Entertainment LLCへの販売実績があります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| デジタルコンテンツ | 1,251億円 | 1,443億円 |
| アミューズメント施設 | 228億円 | 257億円 |
| アミューズメント機器 | 156億円 | 178億円 |
| その他の事業セグメント | 61.1億円 | 76.5億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり堅調な成長を示しています。売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも継続的に増加しており、特に当期は売上高が前期比で増加し、営業利益は13期連続の増益を達成しました。これは、デジタルコンテンツ事業における主力タイトルの好調な販売や、リピートタイトルの販売強化などが寄与した結果となっています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,101億円 | 1,259億円 | 1,524億円 | 1,696億円 | 1,954億円 |
| 経常利益 | 443億円 | 514億円 | 594億円 | 656億円 | 741億円 |
| 経常利益率 | 40.3% | 40.8% | 39.0% | 38.7% | 37.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 326億円 | 367億円 | 434億円 | 485億円 | 546億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 76.24 | 87.36 | 103.71 | 115.85 | 130.50 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高および営業利益は、前期と比較して増加しています。これは、同社グループ全体の生産性が向上している傾向を示しています。従業員1人あたりの稼ぐ力が高まることは、事業の効率性が向上していることを示唆しており、安定した事業基盤の構築に貢献していると考えられます。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 45.0百万円 | 49.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 17.5百万円 | 18.9百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、財務の安定性を維持しつつ、将来に向けた成長投資を積極的に行っている状況です。本業で得た資金を投資に回し、事業拡大を図っています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を大きく上回る水準で推移しています。ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な経営が行われていることを示しています。手元資金も潤沢に確保されており、安定した事業運営を支える基盤があると言えます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2,263億円 | 2,677億円 |
| 自己資本比率 | 72.3% | 78.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 23.0% | 22.1% |
| 現金及び預金 | 1,668億円 | 1,480億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当期のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは313億80百万円の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは558億62百万円の支出超過となっています。定期預金の預入や投資有価証券、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。
この結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業で得た資金を積極的に成長投資に回している状況を示しています。財務活動によるキャッシュフローは260億69百万円の支出超過で、配当金の支払いや借入金の返済が行われています。これらの資金の流れは、同社グループが事業の成長に向けた投資を継続しており、将来的な事業拡大を目指していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 676億円 | 313.8億円 |
| 投資CF | △72.7億円 | △558.6億円 |
| 財務CF | △187.4億円 | △260.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 603.5億円 | △244.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、連結売上高の約70%を海外売上高が占めており、海外の市場動向や競合、政治経済、法律、文化、為替レートの変動などが事業戦略や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、多数のゲームソフトを投入している中で、一部のタイトルに人気が集中する傾向があり、市場環境の変化や不具合が生じた場合にユーザー離れが起きる恐れがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
ゲーム業界は従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社に流出したりするリスクがあります。これにより、同社グループの事業活動に支障を来たす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
カプコンは、ゲームというエンターテインメントを通じて人々に感動を届けることを目指し、最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる企業を目指しています。中長期的な安定成長と企業価値向上を追求しながら、ステークホルダーとの信頼関係構築と共存共栄を大切にする企業風土があります。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「ゲームというエンターテインメントを通じて『遊文化』をクリエイトし、人々に感動を与える『感性開発企業』」を経営理念としています。
この理念に基づき、「最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる企業」というビジョンを掲げています。
事業活動を通じて中長期にわたる安定成長と企業価値向上を実現し、経営の透明性・公正性・迅速性を確保しながら、ステークホルダーとの信頼関係構築と共存共栄に努めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取り組みを最優先課題の一つと位置づけ、人材投資戦略を推進しています。
開発人員の共有すべき価値観と行動基準を明文化した開発人材ポリシー「CAPCOM-SHIP」を制定し、人材育成や組織マネジメント、チームビルディングに活用しています。
人権を尊重する会社風土の醸成と働きやすい環境の整備に努め、多様な背景を持つ人材が能力を最大限に発揮できる環境づくりが必要であると考えています。
性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行うなど、多様性のある人材の確保・育成に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、持続的な成長の原動力となる人材投資戦略を推し進めることを重点課題としています。
具体的には、将来を支える人材の確保と育成、従業員が能力を最大限に発揮できる職場環境の再整備、多様な人材が活躍できる環境整備に取り組んでいます。
また、知的財産の継続的な創出とグローバルにおけるブランド認知の拡大・浸透も重要な課題です。
情報セキュリティの強化や、再生可能エネルギーの導入をはじめとする環境への配慮も推進しています。
さらに、経営の透明性、健全性を高め、環境の変化に対応できる体制を構築するため、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでいます。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
カプコンは、取締役会の監査・監督機能の強化と、迅速な意思決定および機動的な業務執行を目指し、監査等委員会設置会社制度を採用しています。経営の透明性と健全性を高め、環境変化に対応できる体制を構築することで、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
カプコンの株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、複数の機関投資家が上位に名を連ねています。また、創業家やその関連会社と見られる株主も上位に複数名を連ねており、安定した資本構成を形成していることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 13.30% |
| クロスロード | 10.26% |
| ジェーピー モルガン チェース バンク 380752 | 8.26% |
| ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイ ロンドン スペシャル アカウント ナンバー ワン | 7.39% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.80% |
なお、クロスロードおよびその共同保有者1名は、2026年5月1日現在でカプコン株式を保有している旨が記載されています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は14名(男性11名・女性3名)で構成され、女性役員比率は21.4%です。代表取締役会長は辻本憲三氏が、代表取締役社長は辻本春弘氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 辻 本 憲 三 | 代表取締役会長最高経営責任者(CEO) | 1983年6月同社代表取締役社長、2001年4月同社最高経営責任者(CEO)、2007年7月同社代表取締役会長より現職。 |
| 辻 本 春 弘 | 代表取締役社長社長執行役員最高執行責任者(COO) 兼エンターテインメントエクスペリエンス事業、PS事業管掌 | 1987年4月同社入社、2007年7月同社代表取締役社長、社長執行役員 兼 最高執行責任者(COO)より現職。 |
| 宮 崎 智 史 | 代表取締役 副社長執行役員最高人事責任者(CHO)、最高財務責任者(CFO) 兼 コーポレート経営管掌 | 1983年4月株式会社日本興業銀行(現 株式会社みずほ銀行)入行、2021年5月同社副社長執行役員、2024年4月同社代表取締役、2025年4月同社代表取締役最高人事責任者(CHO)、最高財務責任者(CFO)より現職。 |
| 石 田 義 則 | 取締役専務執行役員グローバル事業管掌 | 1992年4月同社入社、2022年4月同社専務執行役員、2022年6月同社取締役グローバル事業管掌より現職。 |
| 辻 本 良 三 | 取締役専務執行役員最高製品責任者(CPO) 兼開発部門管掌 | 1996年4月同社入社、2022年4月同社専務執行役員、2025年4月同社取締役最高製品責任者(CPO)兼開発部門管掌より現職。 |
| 笹 原 芳 信 | 取締役専務執行役員コーポレート経営副管掌 | 2008年8月同社入社、2025年4月同社専務執行役員コーポレート経営副管掌、2025年6月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、水越豊氏(ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー・エメリタス・指名・報酬委員会委員長)、武藤敏郎氏(株式会社大和総研名誉理事)、廣瀬由美氏(廣瀬由美税理士事務所所長)、幸田真音氏(作家・指名・報酬委員会委員長)、メットキャフ康子氏(元KPMG LLP 米国中西部日系企業向けサービス統括パートナー)、上良睦彦氏(元国税庁徴収部長・常勤監査等委員)、小谷渉氏(公益財団法人日本人事試験研究センター理事・監査等委員会委員長・リスク・コンプライアンス委員会委員長)です。
カプコンは監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役会の監査・監督機能の強化と迅速な意思決定・機動的な業務執行を図っています。社外取締役は、独立した立場から経営全般にわたる客観的な提言や助言を行い、監督機能の強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
カプコンの取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬は、役位や職責に応じた基本報酬(固定報酬)に加え、業績連動性を高めた金銭賞与(短期インセンティブ)と業績連動型株式報酬(中長期インセンティブ)で構成されています。一方、社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、独立性の確保の観点から基本報酬(固定報酬)のみとなっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 8名 | 16.8億円 | 2.10億円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 24百万円 | 24.0百万円 |
| 社外取締役 | 6名 | 61百万円 | 10.2百万円 |
| 社外取締役(監査等委員) | 2名 | 36百万円 | 18.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
個人別報酬が開示されている役員は、辻本憲三氏(4.60億円)、辻本春弘氏(3.45億円)、宮崎智史氏(2.84億円)、辻本良三氏(1.80億円)、石田義則氏(1.38億円)、笹原芳信氏(1.16億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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