※本記事は、関西電力株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
関西電力は、電気やガス、ユーティリティサービスなどの多様なソリューションを提供するエネルギー事業を主軸に、電気の安全安定供給を担う送配電事業を展開しています。加えて、情報通信サービスや不動産関連サービスなど、幅広い事業をグループ各社とともに手掛けています。
単体従業員数は8,336名、連結従業員数は32,482名です。セグメントはエネルギー事業、送配電事業、情報通信事業、生活・ビジネスソリューション事業の4つです。
主な国内グループ会社は、関電エネルギーソリューション、福井都市ガス(ガスの製造、供給・販売)、日本ネットワークサポート、関電プラント、相生バイオエナジーなどです。
関西電力グループは2026年4月に経営計画を策定し、事業セグメントを再編しました。次連結会計年度より「エネルギー事業」「送配電事業」「情報通信事業」「不動産事業」の4区分となります。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
関西電力グループは、日本の主要な電力会社として社会インフラを支える重要な役割を担っています。そのため、安定した事業基盤のもと、長期的なキャリア形成が期待できる環境が特徴です。専門性の高い業務を通じて、社会貢献を実感しながら働くことができるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、従業員が長期にわたって安定して働き続ける傾向が見られます。これは、培った知識や経験を活かしながらキャリアを築ける環境があることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,389,646円 |
| 平均勤続年数 | 19.4年 |
| 平均年齢 | 42.4歳 |
| 単体従業員数 | 8,336人 |
| 連結従業員数 | 32,482人 |
| 単体のグループ内比率 | 25.7% |
同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、主として非積立型の退職一時金制度および確定拠出年金制度等を設けています。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
なお、確定給付制度に係る退職給付債務は2,443億円、年金資産は16.3億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
関西電力グループは、2040年の目指す姿として「日本のエネルギーを牽引し、『関西』『電力』の枠を超えて、強靭な社会基盤を提供する企業グループ」を掲げています。その実現に向け、経営の深化と変革を進める上で「事業の持続性を高める人財基盤の強化」を重要な取り組みとして位置づけています。人口減少やDX・AIの進展といった環境変化に対応するため、事業特性に応じた専門性を持つ多様な人財の確保・育成、そして一人ひとりが主体的に学び、挑戦し、成果を事業の進化につなげられる組織・人財基盤の構築を重視しています。
従業員の給与や賞与等の決定においては、従業員一人ひとりの能力、役割、会社業績への貢献を総合的に勘案することを基本としています。2025年度からは、「今の挑戦」をより重視する人事・賃金制度への見直しや、若年層・子育て世帯への支援拡充に取り組むことで、従業員が挑戦と成長意欲を持って活き活きと働ける環境整備を進めています。
同社グループは、多様な人財の熱い思い(Passion)を挑戦する行動力(Action)に変え、その成長の積み重ねを事業の進化へ結びつけるという考え方を「Passion for Action」と位置づけ、人的資本経営の基本方針としています。この方針に基づき、「多様な人財が集う」「成長機会が広がる」「成果が見える」「働きがいが高まる」の4つの重点テーマのもと、人的資本投資を継続しています。
具体的には、サプライチェーンを含めた人財基盤の強化、AI・ロボットとの協働を前提とした人財ポートフォリオへの転換、タレントマネジメントの導入・推進、社内公募制度やリスキリング支援の拡充に取り組んでいます。また、成長を引き出す対話支援、成果の持続的な従業員還元の仕組み整備、安全文化構築や勤務制度・福利厚生制度の充実等も進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および男性労働者の育児休業取得率は医療・運輸職員を除く従業員を対象としています。男性育児休業取得率は、子の出生年度と育児休業取得開始年度のずれにより100%を超える場合があります。労働者の男女の賃金の差異は、基本給、時間外手当、賞与等を含み、医療・運輸職員も対象としています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 109.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 68.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 71.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用者) | 59.7% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。労働者の男女の賃金の差異は、労務構成の差等により生じています。パート・有期雇用者の算定において、労働者の人員数について労働時間を基に換算している連結子会社もあります。
▼ 関西電力送配電
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 113.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 76.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 75.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用者) | 71.3% |
▼ かんでんエンジニアリング
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 0.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 88.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 71.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 73.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用者) | 54.4% |
▼ 関電エネルギーソリューション
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 112.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 72.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 72.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用者) | 53.0% |
グループ全体(連結)
関西電力グループ主要会社とは、提出会社である関西電力および常時雇用の労働者数101名以上の主要連結子会社23社が対象です。男性労働者の育児休業取得率は、子の出生年度と育児休業取得開始年度のずれにより100%を超える場合があります。労働者の男女の賃金の差異は、労務構成の差により生じています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.3% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 102.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 58.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 68.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用者) | 55.0% |
多様な人財が集う
当社および関西電力送配電株式会社を対象とする。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 新卒・キャリア採用充足率 | 112.2% |
| 女性役職者比率 | 4.5% |
| 女性管理職比率 | 4.1% |
| 多様性実感指数 | 72% |
成長機会が広がる
当社および関西電力送配電株式会社を対象とする。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| e-チャレンジ制度応募者数 | 67人 |
| e-チャレンジ制度合格者数 | 41人 |
| 研修総受講者数 | 38,880人 |
| 成長志向指数 | 75% |
| 成長実感指数 | 65% |
成果が見える
当社および関西電力送配電株式会社を対象とする。上司とのコミュニケーションを通じて、自分のキャリア形成につながる気づきを得られている者の比率。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 上司との対話を通じたキャリア形成支援実感率 | 77% |
働きがいが高まる
当社および関西電力送配電株式会社を対象とする。災害度数率は、延べ100万労働時間あたりの労働災害による休業1日以上の死傷者数のことで、災害の発生頻度を表す。働く環境の満足度①は、職場において、いかなるハラスメントも許さないという意識が定着していると感じている者の比率。働く環境の満足度②は、働き方について、時間・場所ともに満足している者の比率。従業員エンゲージメントは、社内アンケートにおける、以下3設問に対して「(かなり+わりと)あてはまる」と回答した者の比率:①「あなたは、自分の仕事にやりがいや誇りを感じている。」②「あなたは、将来において、会社での仕事のやりがいが高まっていると思う。」③「あなたは関西電力・関西電力送配電が好きですか。」
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 一人当たり所定外労働時間 | 248.6時間(年) |
| 災害度数率 | 0.24 |
| 働く環境の満足度① | 94% |
| 働く環境の満足度② | 77% |
| 従業員エンゲージメント① | 84.2% |
| 従業員エンゲージメント② | 57.6% |
| 従業員エンゲージメント③ | 87.5% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
関西電力グループは、電気やガス、ユーティリティサービスなどの多様なソリューションを提供するエネルギー事業を主軸に、送配電事業、情報通信事業、生活・ビジネスソリューション事業の4つの事業を展開しています。これらの事業を通じて、社会に新たな価値を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、多岐にわたる事業を展開し、それぞれの領域で収益を上げています。主要な収益源はエネルギー事業であり、これに送配電事業、情報通信事業、生活・ビジネスソリューション事業が続きます。
エネルギー事業
電気やガス、ユーティリティサービスなどの多様なソリューションを通じて新たな価値を提供しています。収益は、販売電力料収入やガス販売収入、ソリューションサービスの提供から得ています。運営は、中核会社の株式会社関電エネルギーソリューションなどが担っています。当連結会計年度においては、販売電力料収入の減少などにより、売上高は前期に比べて減少しました。
送配電事業
中立・公平な立場で電気の安全安定供給を行うことを目的としています。収益は、電力系統の運用や送電、変電、配電設備の計画・工事などから得ています。運営は、関西電力送配電株式会社が行っています。当連結会計年度では、需給調整取引に伴う地帯間・他社販売電力料の減少により売上高は減少しましたが、セグメント利益は増加しました。
情報通信事業
FTTHを利用した光インターネット、光電話、光テレビの「eo光」ブランドや、モバイル事業「mineo」、法人ソリューション事業などを展開しています。収益は、個人向けおよび法人向けの情報通信サービスの提供から得ています。運営は、中核会社の株式会社オプテージや株式会社関電システムズ、関西電力サイラスワン株式会社などが行っています。当連結会計年度では、法人サービス等の増加があったものの、連結子会社の連結範囲除外により外部顧客への売上高は減少しました。
生活・ビジネスソリューション事業
不動産賃貸・分譲・管理、レジャーなどの総合不動産事業に加え、コールセンター運営、メディカル・ヘルスケアなど、顧客の安心・快適・便利な生活やビジネスを実現するサービスを展開しています。収益は、不動産賃貸収入や分譲収入、各種ソリューションサービスの提供から得ています。運営は、中核会社の関電不動産開発株式会社などが行っています。当連結会計年度では、賃貸事業の収入増加などにより、売上高およびセグメント利益ともに増加しました。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の90%を超えており、収益の大部分は国内から得ています。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| エネルギー事業 | 3兆5,408億円 | 3兆2,614億円 |
| 送配電事業 | 3,891億円 | 3,862億円 |
| 情報通信事業 | 2,236億円 | 2,222億円 |
| 生活・ビジネスソリューション事業 | 1,836億円 | 1,868億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期の業績推移を見ると、売上高は2023年3月期から2025年3月期にかけて増加傾向にありましたが、当連結会計年度は減少に転じました。経常利益は2023年3月期に一時的に損失を計上したものの、その後は大幅に回復し、高水準で推移しています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様の傾向を示しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2兆8,519億円 | 3兆9,519億円 | 4兆594億円 | 4兆3,371億円 | 4兆566億円 |
| 経常利益 | 1,360億円 | △66.7億円 | 7,660億円 | 5,317億円 | 5,185億円 |
| 経常利益率 | 4.8% | △0.2% | 18.9% | 12.3% | 12.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 858億円 | 177億円 | 4,419億円 | 4,204億円 | 3,801億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 96.14 | 19.81 | 495.09 | 436.09 | 341.14 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて減少しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から当期にかけて減少しています。これらの数値は、同社グループの生産性や収益体質を示す指標となります。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 138.0百万円 | 124.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 14.9百万円 | 13.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、安定した経営基盤と将来への投資余力を示しています。本業で着実に資金を創出し、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金も確保している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から上昇し、非製造業のプライム市場平均(24.2%)を上回る水準となっています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均(9.4%)を上回っており、効率的な資本活用を示しています。手元資金である現金及び預金は前期から減少していますが、依然として潤沢な水準を維持しています。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営基盤を持ち、事業運営における資金的な余裕があることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 3兆1,075億円 | 3兆5,027億円 |
| 自己資本比率 | 31.8% | 35.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 15.7% | 11.7% |
| 現金及び預金 | 9,424億円 | 7,374億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少などにより前期から増加し、6,524億円の収入となりました。これは本業で安定的に資金を創出していることを示しています。投資活動によるキャッシュ・フローは、投融資の回収収入の減少や固定資産の取得による支出の増加などにより、前期から支出が増加し、5,719億円の支出となりました。これは将来に向けた積極的な投資が行われている状況を示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは、株式の発行および自己株式の売却による収入の減少などにより、前期の収入から支出に転じ、2,902億円の支出となりました。その結果、フリーキャッシュ・フローは805億円のプラスとなり、本業で得た資金で投資を賄い、なお余剰資金がある状態です。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが堅実な事業運営と将来への投資を両立しており、安定した経営基盤を維持していることを示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5,753億円 | 6,524億円 |
| 投資CF | △3,424億円 | △5,719億円 |
| 財務CF | 1,377億円 | △2,902億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2,329億円 | 805億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、電力システム改革の検証や各種制度の見直し、他事業者との競争状況の変化により、収支変動が発生する可能性があります。また、国のエネルギー政策や規制動向の転換、カーボンプライシング構想の導入による費用負担増加も事業構造・収益性に影響を及ぼすリスクとして認識されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人口減少による労働力不足やサプライチェーンの脆弱化が進行する中で、多様な人材の安定的・継続的な確保が困難となるリスクを認識しています。従業員の意欲低下などにより人材基盤の強化が進まない場合、持続的な成長が妨げられる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
関西電力グループは、社会基盤を支える企業として、持続可能な社会の実現と人財の成長を重視する企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を最上位概念として掲げています。お客さまと社会にとっての「『あたりまえ』を守り、創る」ことを存在意義とし、持続可能な社会の実現を目指しています。また、「ゼロカーボンビジョン2050」を策定し、2050年までに事業活動に伴うCO2排出を全体としてゼロとすることを宣言しています。2040年には「日本のエネルギーを牽引し、『関西』『電力』を超えて、強靭な社会基盤を提供する」ことを目指す姿としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、経営理念において「『公正』『誠実』『共感』『挑戦』」という価値観を大切にしています。この理念のもと、全ての役員、従業員が行動すべき指針として「関西電力グループ行動憲章」を定めています。コンプライアンスの実践・徹底、公正な事業活動、人権の尊重とダイバーシティの推進、安全の確保など、10項目を掲げています。また、人的資本経営の基本方針として「Passion for Action」を掲げ、多様な人財の熱い思いを行動力に変え、事業の進化につなげることを目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、ガバナンスとコンプライアンスを大前提とし、安全を最優先に経営を深化・変革し、お客さま価値を創造することを重点テーマとしています。また、「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向け、再生可能エネルギーや原子力の活用、電化ソリューションの提案を通じて社会全体のCO2排出量削減に取り組んでいます。人的資本においては、「Passion for Action」を基本方針とし、「多様な人財が集う」「成長機会が広がる」「成果が見える」「働きがいが高まる」の4つの重点テーマのもと、人財基盤の強化やタレントマネジメントの推進、働きがい向上に向けた制度充実を進めています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
関西電力は、執行と監督を明確に分離した指名委員会等設置会社の機関設計を採用しています。取締役会を中心に外部の客観的かつ多様な視点を重視し、経営の透明性・客観性の向上を図る体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
関西電力の株主構成を見ると、筆頭株主は信託銀行であり、複数の機関投資家や地方自治体が上位に名を連ねています。特定の事業会社や創業家が突出して多くの株式を保有しているわけではなく、幅広い主体によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 13.10% |
| 大阪市 | 6.13% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 4.89% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 3.33% |
| ELLIOTT INTERNATIONAL LP | 2.99% |
なお、ブラックロック・ジャパン株式会社および共同保有者は、2025年4月30日現在で6.09%の株式を所有している旨が記載されていますが、2026年3月31日時点の実質所有株式数は確認できないため、上記大株主の状況には含められていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は26名(男性21名・女性5名)で構成され、女性役員比率は19.2%です。代表執行役社長は森望氏が務めています。社外取締役比率は61.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 森 望 | 代表執行役社長 | 1988年4月同社入社。2022年6月同社取締役代表執行役社長より現職。2026年2月電気事業連合会会長(現在)。 |
| 荒 木 誠 | 代表執行役副社長 | 1987年4月同社入社。2023年6月同社取締役代表執行役副社長より現職。 |
| 小 川 博 志 | 代表執行役副社長 | 1988年4月同社入社。2024年6月同社取締役代表執行役副社長より現職。 |
社外取締役は、榊原定征氏(元東レ代表取締役社長・日本経済団体連合会名誉会長・指名委員会委員長・報酬委員会委員)、友野宏氏(元住友金属工業代表取締役社長・監査委員会委員長)、髙松和子氏(元ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ代表取締役・指名委員会委員・報酬委員会委員長)、内藤文雄氏(神戸大学名誉教授・監査委員会委員)、真鍋精志氏(元西日本旅客鉄道代表取締役社長・指名委員会委員・報酬委員会委員)、園潔氏(元三菱UFJフィナンシャル・グループ取締役会長・指名委員会委員・監査委員会委員)、矢萩典代氏(万博サクヤヒメ会議理事・報酬委員会委員)、原悦子氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業パートナー・監査委員会委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、執行と監督を明確に分離した機関設計を採用しています。取締役会は独立社外取締役が議長を務め、取締役13名のうち8名が独立社外取締役で構成されており、監督機能の強化が図られています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
関西電力の役員報酬は、業務執行を担わない取締役には基本報酬のみを支給する一方、業務執行を担う執行役には基本報酬に加えて業績連動報酬と株式報酬を組み合わせた体系を採用しています。これにより、企業業績と企業価値の持続的な向上へのインセンティブを高める設計となっています。報酬の決定は、社外取締役のみで構成される報酬委員会が方針を定め、個別の報酬を決議しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 73百万円 | 36.5百万円 |
| 社外取締役 | 9名 | 1.6億円 | 17.4百万円 |
| 執行役 | 18名 | 8.5億円 | 47.2百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。「取締役(社外取締役を除く)」の人数には、執行役を兼務する取締役の人数は含まれていません。「社外取締役」の人数には、期中に退任した取締役1名が含まれています。「執行役」の人数には、取締役を兼務する執行役の人数と、期中に退任した執行役2名が含まれています。
個人別報酬が開示されている役員は、森望氏(0.97億円)、荒木誠氏(0.70億円)、小川博志氏(0.70億円)、島本恭次氏(0.36億円)、西澤伸浩氏(0.36億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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