20代社員「商社マンは一度に数億動かせる仕事」
なぜここまで給与が高くなるのか。それは取り扱っているビジネスの規模が大きく、社員ひとりあたりの裁量が大きいことに尽きるでしょう。
企業口コミサイト「キャリコネ」には現役社員・OGOBの生の声が寄せられています。20代の男性コンサルタントは「商社マンのように一度に数億といった莫大なお金を動かせる仕事はそう多くありません」と満足げです。
自分の手で仕事を動かし、事業を進めている感覚は非常に面白いです。大きな金額を動かすという緊張感はあるが、達成感もとてつもなく大きいです。そこにやりがいを感じます。(2016.5.8)
三菱商事といえば、国内最大級の総合商社。旧財閥の三菱グループの中核的存在を担うグローバル企業です。代理店営業の20代男性は「仕事を通じて得られる成長性や能力はたくさんある」と、そのやりがいを語ります。
英語力必須、ビジネススキルは格段とアップするでしょう。転職の際にも、この会社にいることがブランドとなることは多々感じる。キャリア志向であれば文句のない会社である。(2014.1.30)
商社の仕事はビジネスを企画し、社内外の関係者と協力しながら進めていきます。50代後半の男性は、この仕事でなければ得られなかった財産の貴重さを振り返っています。
会社の内外、海外の取引先との貴重な人脈や達成感、共有感を持ち挑戦し続けられたことは、私にとって最高の勲章であるし、後続の皆が同様の経験を積んで欲しいと切望します。(2017.2.2)
途上国への出向で「帰国後にマンション買える」
それだけ大きな仕事をしていれば、高い給料がもらえても当然。海外営業を担当する30代の男性は「30歳でおおむね1000万円ほど」の年収が得られると言っています。
課長、部長クラスの役職がつけば、さらに500~800万円ほど増える。海外駐在の補助が大きく、もしハードシップがそれなりに高い途上国へ4~5年間出向した場合、帰国後にマンションが買えるレベル。(2018.6.7)
ハードシップとは、国や都市別の危険度や生活の不便さに応じて会社がランクを決め、それに応じて支払われる「ハードシップ手当」のこと。厳しい環境の中で仕事をすれば、それだけの報酬が得られるというわけです。
そんなハードな仕事の合間には、リラックスした懇親会が開かれることもあるそうです。20代の派遣社員は、社外から伺えないイベントの様子をこう明かします。
夏になると「夏場所」といって、学生時代の文化祭のような催しものがあります。全社員、老若男女問わず盛り上がります。新卒の社員はダンスを披露するなどして、仲の良さが伺えました。派遣も正社員も仲良く見物します。夏場所後は各部署で飲みに行くなど親睦が深まります。(2018.7.20)
驚くほど手厚い「早期退職制度」
ただし、すべての社員が同じように充実した日々を送っているかどうかは分かりません。海外営業を担当する30代男性によると「1事業グループ、1会社」という雰囲気だとか。事業グループごとの独立性が高いことの弊害をこう指摘します。
社内報で意外と近くの違う事業部が(自分と同じような)ビジネスをしていることを知ることがしばしばある。もっと社内で活用できる関係や資源があるのに、知らないことが多いのはもったいない気がする。同じエージェントに二重依頼していたりなど。(2018.6.7)
とはいえ、このような中でも「他事業部と積極的に関係を作る」ことは可能で、それによって知見を蓄えることができるようです。
驚くのは、在籍中にこれだけ充実した環境で仕事ができるだけでなく、年齢を重ねて「早期退職制度」を利用すると、さまざまな特典があることです。年収1800万円を得ていた50代のセールエンジニアは、早期退職制度を利用して50歳過ぎに転職しました。
(早期退職時には)60歳退職と同等の退職金・年金が保証され、セカンドライフとしての転職チャンスが50代で与えてもらえる制度です。60歳に比べて転職の選択肢も多い時期に転職出来、感謝しています。退職後65歳の年金支給開始までの補助も出ますので、非常に充実した制度かと思います。(2017.3.23)
最近は難関大学の卒業生の就職人気ランキングで、外資系コンサルタント会社に押されることもある総合商社ですが、仕事のやりがいと収入、生活保障などの面で、やはりまだまだ魅力のある職場であることは間違いないようです。