※本記事は、オリックス株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月22日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 米国会計基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
オリックスは、連結子会社1,369社および持分法適用関連会社128社から構成される同社グループとして、金融・リースを基盤に、不動産、環境エネルギー、保険、銀行・クレジット、輸送機器、海外事業など、多岐にわたる事業を展開しています。
単体従業員数は3,016名、連結従業員数は37,286名です。同社グループの事業セグメントは、法人営業・メンテナンスリース、不動産、事業投資・コンセッション、環境エネルギー、保険、銀行・クレジット、輸送機器、ORIX USA、ORIX Europe、アジア・豪州の10個です。
主な国内グループ会社は、オリックス自動車、オリックス・レンテック、淀川変圧器、オリックス不動産、オリックス不動産投資顧問などです。
同社グループは、2026年4月1日より経営資源の配分や業績評価に使用するセグメントを変更しており、2027年3月期より新たな区分に基づくセグメント情報を開示する予定です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
オリックスは多角的な事業を展開しており、その給与水準や働き方には、事業特性に応じた多様な側面が見られます。同社グループは、持続的な成長を支える人材の育成と、多様な社員が活躍できる環境づくりを重視しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員の長期的なキャリア形成を支援する方針がうかがえ、平均勤続年数も比較的長く、安定した環境で働く社員が多い傾向にあります。平均年齢も日本の企業全体と比較して高めであり、経験豊富な人材が多数在籍していることが考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 10,396,546円 |
| 平均勤続年数 | 15.8年 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 単体従業員数 | 3,016人 |
| 連結従業員数 | 37,286人 |
| 単体のグループ内比率 | 8.1% |
退職給付制度に関する記載はありません。
連結ベースの従業員給付費用は4,175億円(従業員1人あたり112万円)です。単体の平均年間給与と比較すると、連結ベースの1人あたり給付費用は低い水準となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、金融事業を軸に多角的な事業ポートフォリオを構築しており、今後も持続的な事業成長を実現するためには、多様な人材が経験やスキルを持ち寄り、イノベーションの創出につながる「知の融合」を加速させる必要があると考えています。この考えに基づき、「コアバリューの浸透」「コアケイパビリティの強化」「多様な人材が活躍できる職場づくり」を3つの柱とする人的資本経営を推進しています。
報酬制度においては、「職務内容と成果に応じた評価・処遇」を基本方針としています。個人ごとに求められる役割および職務内容に基づき固定給を決定し、その成果に応じて変動給(賞与)を決定する構成です。一部の幹部社員には、経営への参画意識の醸成と中長期的な企業価値向上を目的として、譲渡制限付株式を用いたインセンティブプランを導入しています。
評価制度は、社員が生み出した成果を評価する「目標貢献度評価」と、職種・等級ごとに期待される役割に基づく行動の発揮状況を評価する「役割行動評価」で構成されています。上司と部下の定期的な面談・対話を重視し、評価者である上司への研修も実施することで、公平・公正な評価制度の運用に努めています。また、昨今の物価上昇や成長戦略を支える人材への継続的な投資の観点から、初任給を含む基本給の引き上げを実施し、外部労働市場の報酬水準も参考に競争力のある報酬水準の維持に努めています。
具体的な取り組みとして、DE&I(多様性、公平性、包括性)の推進に力を入れています。キャリア採用や海外での新卒採用に注力するほか、在宅勤務制度、スーパーフレックスタイム制度、時間単位の年次有給休暇制度、フリーアドレス、サテライトオフィスおよびモバイル環境の整備などにより、時間と場所に柔軟な働き方を推進しています。女性活躍推進においては、1982年から大卒女性の総合職採用を開始するなど、早期から取り組んでおり、将来の女性リーダー育成に向けたメンタリングや異業種勉強会、選抜研修を実施しています。夫婦参加型の両立セミナーや男性育児休業の推進など、共働き・共育てを支える環境整備も進めています。人材育成では、事業活動を通じた経験から得る知見や成長を重視し、研修制度や自己研鑽支援制度を設けています。社員一人当たりの平均研修時間は37.5時間/年、研修費用は127,825円/年です。社内インターンシップ制度やキャリアチャレンジ制度、キャリア相談窓口、自己申告制度など、自律的なキャリア形成を支援する機会も提供しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性社員の育児休業等取得率は、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定に基づき、育児休業等および育児目的休暇の取得数を合わせた取得率を算出しており、過年度に配偶者が出産した社員が当期に育児休業等を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。労働者の男女の賃金の額の差異にかかる主たる要因は、男女間における職種構成が大きく異なることが挙げられます。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 34.1% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 98.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全社員) | 64.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用社員) | 63.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち有期雇用社員・アルバイト) | 78.6% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ オリックス自動車株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 21.5% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全社員) | 70.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用社員) | 68.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち有期雇用社員・アルバイト) | 97.4% |
▼ オリックス・レンテック株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 40.8% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 107.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全社員) | 68.9% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用社員) | 72.5% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち有期雇用社員・アルバイト) | 68.0% |
▼ オリックス不動産株式会社
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 21.7% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全社員) | 70.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用社員) | 70.1% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち有期雇用社員・アルバイト) | - |
グループ全体(連結)
国内グループ8社(オリックス、オリックス自動車、オリックス・レンテック、オリックス不動産、オリックス環境、オリックス生命保険、オリックス銀行、オリックス・システム)の集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 29.8% |
| 男性社員の育児休業等取得率 | 92.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全社員) | 65.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用社員) | 65.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち有期雇用社員・アルバイト) | 62.2% |
人材育成・エンゲージメント
ORIX Value Score(OVS)は「ORIX Group Purpose & Culture」に基づく行動様式の実践度合、エンゲージメントスコアは社員の働きがいや働きやすさを総合的に測るスコアです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ORIX Value Score(オリックスグループ全体) | 64% |
| ORIX Value Score(オリックス株式会社) | 67% |
| ORIX Value Score(国内外グループ会社) | 64% |
| 後継者候補準備率 | 2.5人 |
| エンゲージメントスコア(オリックスグループ全体) | 67% |
| エンゲージメントスコア(オリックス株式会社) | 78% |
| エンゲージメントスコア(国内外グループ会社) | 66% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
オリックスは、多岐にわたる事業を国内外で展開する企業グループです。連結子会社1,369社と持分法適用関連会社128社から構成されており、様々な分野で収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、金融サービスを基盤に、リース、不動産、事業投資、環境エネルギー、保険、銀行、輸送機器、海外事業など、幅広い領域でビジネスを展開しています。各事業は、主要な商品・サービスの性格、顧客属性、規制、営業地域などに基づいて区分されています。
同社グループの収益モデルは、リースや貸付といった金融収益、生命保険料収入および運用益、商品や不動産の売上高、そしてアセットマネジメントや施設運営などのサービス収入といった多様な源泉から成り立っています。特定の顧客への収益集中は見られず、多角的な事業展開により安定的な収益基盤を構築しています。
保険
生命保険事業を展開しており、代理店、銀行などの金融機関、自社コンサルティング、通信販売を通じて生命保険商品を販売しています。多様な顧客ニーズに応える商品開発と、オルタナティブ資産への投資拡大や機動的なポートフォリオの入れ替えを通じて運用資産の利回り向上を目指しています。
不動産
不動産開発、賃貸、管理、施設運営、不動産のアセットマネジメントを手掛けています。堅調な市場環境を捉えた資産ポートフォリオの入れ替えや、収益性・リスクを慎重に見極めた不動産投資に取り組んでいます。アセットマネジメント、分譲マンションを中心とした住宅関連事業、ホテル・旅館等の施設運営も展開しています。
法人営業・メンテナンスリース
金融・各種手数料ビジネス、自動車および電子計測器・ICT関連機器などのリースおよびレンタルを提供しています。収益性を重視したファイナンス事業や、国内の中小企業向けに生命保険や不動産仲介などの手数料ビジネス、事業承継支援やM&A仲介に注力しています。自動車関連事業は業界トップクラスの車両管理台数を誇り、オリックス・レンテック株式会社が電子測定器やICT関連機器、ロボット、3Dプリンターなどのレンタル事業を拡大しています。
事業投資・コンセッション
企業投資とコンセッション事業を行っています。投資先の企業価値向上とポートフォリオの入れ替えによる継続的なキャピタルゲイン獲得を目指し、注力業種への投資拡大や事業承継支援、事業再編を投資機会と捉えています。コンセッションでは、関西3空港の運営体制強化に加え、空港以外の公共インフラ運営にも積極的に取り組んでいます。
ORIX Europe
グローバル株式・債券のアセットマネジメント事業を展開しています。顧客から受託した資金を株式や債券等に投資し、サステナブル投資の知見を活かした既存事業の伸長を図っています。アクティブETFのラインナップ拡充やホワイトレーベル商品の提供を通じて、運用資産の伸長と収益性向上を目指しています。
ORIX USA
金融、投資、アセットマネジメント、アドバイザリーサービスなど多様なビジネスラインを展開しています。法人向けファイナンス、債券投資、不動産ファイナンス、プライベートエクイティ投資などを行っています。バランスシートを使用しない第三者資産の運用を通じて、資産規模の適切なコントロールと安定的な手数料収入の確保、資本効率の向上と持続的な利益成長を目指しています。
アジア・豪州
アジア各国および豪州において、リースや貸付などの金融サービス事業、中華圏を中心としたアジア各国向けの企業投資を行っています。現地法人の機能拡充と注力市場への投資により、収益性を重視した事業拡大を推進しています。
環境エネルギー
国内外の再生可能エネルギー、電力小売、省エネルギーサービス、ソーラーパネル販売、廃棄物処理、資源リサイクル事業を展開しています。総合エネルギー事業者として再生可能エネルギー事業や電力小売事業を推進し、太陽光発電では国内最大級の合計出力規模の発電所を保有・運営しています。
輸送機器
航空機投資・管理、船舶関連投融資・管理・仲介事業を行っています。航空機関連事業では、自社保有機のオペレーティング・リース、投資家への機体売却、アセットマネジメントサービスなど幅広い収益機会を獲得しています。船舶関連事業では、マーケット環境を見極めた資産の入れ替えや国内法人投資家向けの投資アレンジ、船舶のアセットマネジメント事業、船舶仲介による手数料収入拡大を進めています。
銀行・クレジット
銀行事業と消費性ローン事業を展開しています。銀行事業では、投資用不動産ローンに加え、マーチャントバンク事業の領域拡大により収益性向上を図っています。消費性ローン事業では、強固な顧客基盤および事業基盤を有する企業との共同事業化により、個人向け金融サービスの拡充を目指しています。
同社グループの事業は海外にも広く展開されており、当連結会計年度の営業収益では日本が最も大きな割合を占めていますが、米州地域やその他海外地域からも収益を得ています。リース純投資残高の約半分は海外の顧客との取引であり、海外ではマレーシア、韓国、中国、オーストラリアに集中しています。信用リスクに関しても、日本国内の顧客が最も大きな割合を占め、海外では米州地域に集中しています。
| セグメント | 営業収益(2025年3月期) | 営業収益(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 前連結会計年度末 | 3兆1,740億円 | 1兆1,240億円 |
| 当連結会計年度末 | - | 123億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績は、営業収益、税引前利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも増加傾向を示しています。特に当連結会計年度は、営業収益、税引前利益、親会社株主に帰属する当期純利益が前期から大きく増加しました。税引前利益率は過去5期間で最も高い水準となりました。
セグメント別に見ると、環境エネルギーセグメントは前期に損失を計上していましたが、当期は大幅な増益となりました。一方、ORIX USAセグメントは当期に利益が大幅に減少しました。これは主に営業権および無形資産の減損によるものです。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業収益 | 2兆5,080億円 | 2兆6,637億円 | 2兆8,144億円 | 2兆8,748億円 | 3兆3,308億円 |
| 税引前利益 | 5,094億円 | 3,922億円 | 4,700億円 | 4,805億円 | 6,914億円 |
| 税引前利益率 | 20.3% | 14.7% | 16.7% | 16.7% | 20.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,174億円 | 2,903億円 | 3,461億円 | 3,516億円 | 4,473億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 263.72 | 245.98 | 298.55 | 307.74 | 400.27 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり営業収益は前期から増加しており、従業員1人あたり税引前利益も前期から増加しています。これらの指標の推移は、同社グループの収益体質が強化され、組織全体の生産性が向上している傾向を示しています。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり営業収益(連結) | 84.6百万円 | 89.3百万円 |
| 従業員1人あたり税引前利益(連結) | 14.1百万円 | 18.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、強固な財務基盤と安定した資金の流れを維持しており、将来に向けた成長投資も継続しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本は前期から増加し、自己資本比率も上昇しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回る水準で推移しており、効率的な経営がうかがえます。手元資金も潤沢に確保されており、安定した事業運営を支える財務基盤が整っている状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 4兆898億円 | 4兆4,825億円 |
| 自己資本比率 | 24.2% | 24.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.8% | 10.4% |
| 現金及び現金同等物 | 1兆3,220億円 | 1兆4,511億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは前期から増加し、1兆3,696億円の資金流入となりました。これは主に当期純利益の増加や保険契約債務および保険契約者勘定の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローは、営業貸付金の元本回収の増加や売却可能負債証券の購入減少により、資金流出が前期から減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは、前期の資金流入から当期は資金流出に転じました。これは満期日が3ヶ月以内の借入債務の減少が増加に転じた一方で、満期日が3ヶ月超の借入債務の返済が調達を上回ったことなどが要因です。フリーキャッシュフローは前期のマイナスから当期はプラスに転じており、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金を確保している状況を示しています。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1兆3,002億円 | 1兆3,696億円 |
| 投資CF | △1兆3,097億円 | △1兆1,147億円 |
| 財務CF | 1,493億円 | △1,605億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △95億円 | 2,549億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、日本のみならず米州、欧州、アジア、豪州などで事業活動を展開しており、これらの国や地域における政治情勢および経済状況の悪化は、事業に影響を及ぼす可能性があります。また、価格設定、取引条件、取引の仕組み、サービスの品質等において、他社との競争にさらされています。マーケットシェアの低下や利益の減少につながる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業では、国内外の市場で他社と競争し成功するため、多様な人的資源を安定的に確保する必要があります。必要な人材を育成または雇用できない場合や、雇用している人材が退職した場合、事業活動や財政状態、経営成績に不利な影響が及ぶ可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オリックスは、変化を恐れず、柔軟な発想と知の融合を通じて未来を切り開くことを存在意義とする企業グループです。多様な価値観を尊重し、挑戦を楽しみながら成長を追求する文化を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「ORIX Group Purpose & Culture」を定め、「Purpose(存在意義)」を「変化に挑み、柔軟な発想と知の融合で、未来をひらくインパクトを。」としています。このPurposeを実現するため、中長期的な事業戦略「ORIX Group Growth Strategy 2035」を掲げています。同社グループは、社会にインパクトをもたらし、持続可能な社会の実現に貢献する価値提供と企業価値の向上を両立させ、中長期的に社会から信頼される存在となることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは「ORIX Group Purpose & Culture」において、「Culture(価値観)」として3つの項目を定めています。具体的には、「多様性を力に変える」「挑戦をおもしろがる」「変化にチャンスを見出す」という価値観を大切にしています。また、グループ全役職員を対象とした「行動指針」を改定し、4つのCompliance Valuesを定めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
経営課題として、同社グループは「ビジネスモデルの変革」に取り組んでいます。限られた資本から効率的に収益を生み出す事業への転換を促進し、資本収益性の高いビジネスモデルへの変革を推進しています。また、「ポートフォリオの最適化」として、既存の資産・事業および新規投資案件ごとに資本効率性や成長性を精査し、適切に資本を配分し直すことを重要視しています。さらに、「新規事業の創出」も重点テーマであり、「ORIX Group Growth Strategy 2035」で定める戦略的投資領域において新たな価値創造を実現し、収益源の多様化を進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
オリックスは、指名委員会等設置会社制度を採用し、執行と監督の分離を明確にしています。指名、監査、報酬の三委員会はすべて社外取締役で構成されており、経営の公正性と透明性を確保する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
オリックスの筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行(信託口)であり、機関投資家が上位株主を占める資本構成となっています。特定の創業家や事業会社が経営に強い影響力を持つような資本構成ではありません。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 18.78% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 7.98% |
| STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 | 3.16% |
| CITIBANK, N.A. -NY, AS DEPOSITARY BANK FOR DEPOSITARY SHARE HOLDERS | 3.01% |
| JP MORGAN CHASE BANK 385642 | 1.70% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
オリックスの役員は32名(男性27名・女性5名)で構成され、女性役員比率は15.6%です。代表執行役会長は井上亮氏、代表執行役社長グループCEOは髙橋英丈氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 井上 亮 | 代表執行役会長 | 1975年同社入社。投資銀行本部部長、執行役、常務執行役、専務執行役を経て、2011年同社取締役兼代表執行役社長グループCOOに就任。2014年グループCEO、2025年同社取締役兼代表執行役会長より現職。 |
| 髙橋 英丈 | 代表執行役社長 グループCEO デジタル戦略部門管掌 | 1993年同社入社。投資銀行本部事業投資第一グループ長、環境エネルギー本部事業開発部長などを経て、2020年同社執行役就任。2025年同社取締役兼代表執行役社長グループCOO、2026年グループCEOより現職。 |
| 松﨑 悟 | 執行役副社長 APAC事業部門COO | 1997年同社入社。社長室長、経営企画部長などを経て、2013年同社執行役就任。2019年同社取締役兼常務執行役、2025年同社取締役兼執行役副社長より現職。 |
| スタン・コヤナギ | 専務執行役 グローバル ジェネラルカウンセル リーガル・コンプライアンス部門管掌 | 1997年ORIX USA Corporationヴァイスプレジデント。2013年同社入社、グローバル事業本部グローバルジェネラルカウンセル。2017年同社取締役兼常務執行役、2023年同社取締役兼専務執行役より現職。 |
社外取締役は、渡辺博史氏(元財務官・指名委員会議長・報酬委員会委員)、関根愛子氏(日本公認会計士協会相談役・監査委員会議長)、程近智氏(元アクセンチュア代表取締役社長・報酬委員会議長・指名委員会委員)、柳川範之氏(東京大学大学院経済学研究科教授・指名委員会委員)、柚木真美氏(公認会計士柚木真美事務所所長・監査委員会委員)、関美和氏(MPower Partners Fund L.P.ゼネラル・パートナー・監査委員会委員・報酬委員会委員)です。
同社は指名委員会等設置会社制度を採用しており、取締役会は経営方針の決定と執行役の職務執行の監督を行います。社外取締役が過半数を占める指名、監査、報酬の三委員会が、独立した立場から実効的なガバナンスを担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
オリックスの役員報酬は、中長期的な株主価値の増大と継続的な成長を重視し、インセンティブとして機能することを基本方針としています。取締役(執行役を兼務しない者)の報酬は固定報酬と株式報酬で構成され、執行役(取締役を兼務する者を含む)の報酬は固定報酬、業績連動型報酬(年次賞与)、株式報酬で構成され、その構成比率は1:1:1を基本方針としています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役 | - | 1.5億円 | - |
| 執行役 | - | 31.5億円 | - |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。同社は、執行役を兼務する取締役に対しては取締役としての報酬は支給していないため、取締役と執行役の兼務者5名の報酬は、執行役の欄に総額を記載しています。
個人別報酬が開示されている役員は、井上亮氏(5.52億円)、髙橋英丈氏(4.63億円)、松﨑悟氏(2.91億円)、スタン・コヤナギ氏(3.17億円)、三上康章氏(1.18億円)、有田英司氏(1.15億円)、三宅誠一氏(1.41億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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