※本記事は、川崎汽船株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月18日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、ドライバルク、エネルギー資源、製品物流の3つの報告セグメントを中心に、グローバルな海上輸送および物流事業を展開しています。液化天然ガス輸送船事業や自動車船事業なども手掛けています。
単体従業員数は962名、連結従業員数は5,262名です。報告セグメントはドライバルク、エネルギー資源、製品物流の3つです。
主な国内グループ会社は、国外、川崎汽船、川崎汽船、、ケイライン・ウインド・サービス、川崎汽船、川崎近海汽船、などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
川崎汽船は、海運業を主軸とするグローバルな物流企業として、専門性の高い人材が活躍できる環境を提供しています。同社グループは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、多様な働き方を支援する取り組みを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
川崎汽船では、平均年齢が30代後半であり、平均勤続年数も10年を超えていることから、比較的若手から中堅層が中心となり、長期的にキャリアを築いている従業員が多い傾向が見られます。これは、安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 14,504,365円 |
| 平均勤続年数 | 13.4年 |
| 平均年齢 | 38.0歳 |
| 単体従業員数 | 962人 |
| 連結従業員数 | 5,262人 |
| 単体のグループ内比率 | 18.3% |
川崎汽船は、従業員の退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度であり、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社及び連結子会社に適用されています。
また、退職一時金制度があり、退職給付として、給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。直近の退職給付債務は300億円、年金資産は329億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
川崎汽船は、事業の持続的成長と環境変化への適応力強化のため、成長や変革をリードし、変化に柔軟に対応できる人材の確保・育成を基本方針としています。安全で最適なサービスを提供するため、従業員の心身の健康維持と多様な価値観を持つ社員が能力を最大限に発揮できる労働環境の整備に努めています。
人材の確保においては、新卒採用に加え通年でのキャリア採用を実施し、国籍、学歴、性別等にかかわらず多様な価値観を有する人材を求めています。育成面では、モラル及びコンプライアンス重視の風土を大切にし、階層別研修、海運実務研修、乗船研修、会計・財務研修、マネジメント研修、DX研修など多様なプログラムを提供しています。全世界のグループ従業員を対象とした“K” LINE UNIVERSITYを通じて、海外現地法人スタッフとの一体感醸成にも取り組んでいます。
給与その他の給付の額と内容の決定については、事業の持続的成長と環境変化への適応力強化という経営戦略のもと、その実現を担う人材の安定的な確保・育成を目的としています。報酬水準は、外部労働市場水準、物価・経済動向、同社の経営状況等を総合的に勘案して決定されます。役割と成果に応じた処遇を基本とし、賞与は同社業績を主要な基礎としつつ、個人の業績評価も反映する仕組みとなっています。
労働環境の整備では、法令を上回る育児・介護休業制度や独自の休暇制度を設け、性別にかかわらず育児参加を支援し、介護に直面する従業員が安心して働ける環境を整備しています。過重労働防止や休暇取得推進、社内外のハラスメント相談窓口設置、ハラスメント防止セミナーの継続実施など、心身の健康維持と働きやすい職場環境づくりに力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率と男女賃金差異は女性活躍推進法に基づき、男性育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。男女賃金差異は、平均勤続年数の差異が主な要因として挙げられています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 82.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 65.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 67.4% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 61.5% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ ケイラインロジスティックス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 21.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 33.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 74.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 71.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 72.7% |
▼ ダイトーコーポレーション
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 15.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 94.7% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 80.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 82.3% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 74.9% |
▼ 日東物流
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 9.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 79.8% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 82.6% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うちパート・有期労働者) | 89.8% |
健康・安全
2026年3月末時点の進捗状況です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 一人当たりの月平均法定残業時間 | 6.9時間 |
| 年次有給休暇と企業独自の法定外休暇を合わせた取得日数 | 15.4日 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
川崎汽船は、海運業を中核とする企業グループであり、「ドライバルク」「エネルギー資源」「製品物流」の3つの報告セグメントを中心に事業を展開しています。世界経済の変動要因や海運市況の動向に影響を受けながらも、多様な輸送サービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、海運業を基盤とし、ドライバルク、エネルギー資源、製品物流の各分野で輸送サービスを提供しています。顧客との契約に基づき、航海の経過日数に応じた運賃や、提供したサービスの時間に応じた貸船料を収益として認識するモデルです。世界的な貨物需要や海運市況の動向が、同社グループの業績に大きく影響します。
ドライバルク
ドライバルク事業を担うセグメントです。
収益は、主に鉄鉱石や石炭、穀物などのばら積み貨物の輸送運賃から得ています。
エネルギー資源
液化天然ガス輸送船事業、液化ガス事業、電力事業、原油・製品事業、エネルギー事業戦略を含むセグメントです。
収益は、液化天然ガスや原油などのエネルギー資源輸送に関連する運賃や貸船料から得ています。
製品物流
自動車船事業、物流事業、近海・内航事業、コンテナ船事業を含むセグメントです。
収益は、自動車やコンテナ貨物などの製品輸送、および関連する物流サービスから得ています。コンテナ船事業は持分法適用関連会社であるONE社を通じて行われています。
その他の事業セグメント
報告セグメントに含まれない船舶管理業、旅行代理店業、不動産賃貸・管理業などが含まれます。
同社グループの売上高は日本が大部分を占めていますが、米国、欧州、アジアなど海外地域からの売上高も計上しており、国際的な事業展開を行っています。海運市況や為替レートの変動が業績に影響を与える傾向があります。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 製品物流 | 6,129億円 | 6,165億円 |
| ドライバルク | 3,224億円 | 2,928億円 |
| エネルギー資源 | 1,019億円 | 1,007億円 |
| その他の事業セグメント | 108億円 | 84.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結売上高は、過去5年間で増加傾向にありましたが、直近の会計年度ではわずかに減少しました。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、海運市況や事業環境の変化により、変動が大きい傾向を示しています。
直近の会計年度においては、ドライバルクセグメントや自動車船事業での減益、コンテナ船事業における運賃低下や船費増加などが影響しました。一方で、エネルギー資源セグメントでは増益を確保しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7,570億円 | 9,426億円 | 9,579億円 | 1兆479億円 | 1兆184億円 |
| 経常利益 | 6,575億円 | 6,908億円 | 1,327億円 | 3,081億円 | 1,091億円 |
| 経常利益率 | 86.9% | 73.3% | 13.9% | 29.4% | 10.7% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 6,424億円 | 6,949億円 | 1,020億円 | 3,054億円 | 1,330億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 765.28 | 857.01 | 141.37 | 460.11 | 210.42 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少する結果となりました。
これらの指標は、同社グループの事業環境の変化や、それに伴う収益性の変動が影響していることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 202.5百万円 | 193.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 19.9百万円 | 16.0百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
川崎汽船は、強固な財務基盤を維持し、事業活動を通じて安定的に資金を生み出しています。これにより、将来に向けた投資余力も確保されている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場平均を大きく上回る水準で推移しており、強固な安定性を示しています。手元資金である現金及び預金も潤沢に確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っています。これらの財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 1兆6,774億円 | 1兆8,420億円 |
| 自己資本比率 | 74.6% | 76.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.9% | 7.7% |
| 現金及び預金 | 2,047億円 | 3,225億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業キャッシュフローが当期もプラスを維持しており、安定した事業運営が継続されています。前期と比較すると営業キャッシュフローは減少していますが、投資キャッシュフローの支出も減少しました。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは増加しており、潤沢な資金を創出している状況です。
財務キャッシュフローは、前期に比べて支出が減少しています。これは、株主還元を積極的に実施したことによるものです。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した収益基盤を持ち、将来に向けた投資と株主還元を両立できる財務体質であることを示しており、従業員の雇用安定性や給与水準の維持に貢献する要素であると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2,732億円 | 2,648億円 |
| 投資CF | △1,261億円 | △351億円 |
| 財務CF | △2,116億円 | △1,248億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1,470億円 | 2,297億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、世界経済の動向と密接に結びついており、経済的要因の変化による影響を受ける可能性があります。特に、米ドル建て収入の比率が大きく、円高の進行は円建て収益の減少につながるリスクがあります。また、国際的な海運市場における競争激化や市況の悪化、技術革新による陳腐化は、収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業に必要な人材が不足することにより、業界内での競争力低下や事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。グローバルに事業を展開する企業グループとして、人権問題への不適切な対応が事業活動に影響を与える可能性も認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
川崎汽船は、海運業を主軸とする物流企業として、グローバル社会のインフラを支え、人々の豊かな暮らしに貢献することを目指しています。同社グループは、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、持続的成長と企業価値向上を追求する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
川崎汽船は「グローバルに信頼される海運業を主軸とする物流企業として、人々の豊かな暮らしに貢献します」を企業理念に掲げています。ビジョンとしては、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとして、グローバル社会のインフラを支えることで持続的成長と企業価値向上を目指しています。
同社グループは、海運業を主軸とする物流において、自社と社会の低炭素・脱炭素化の推進を通じて企業価値向上を図り、その実現のための新たな成長機会を追求していくことを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
川崎汽船は「大事にする価値観」として、お客様を第一に考えた安全で最適なサービスの提供、たゆまない課題解決への姿勢、専門性を追求した同社ならではの価値の提供を掲げています。また、変革への飽くなきチャレンジ、地球環境と持続可能な社会への貢献、多様な価値観の受容による人間性の尊重と公正な事業活動も大切にしています。
同社グループは、多様性を「競争力の源泉」と位置付け、国籍や性別、職種を問わない採用を実施し、多様な価値観を尊重するカルチャーがあります。従業員の人格や個性を尊重し、安全で働きやすい職場環境の整備にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
川崎汽船は、海運業を主軸とした強みを生かしたポートフォリオ戦略に基づき、事業ごとの役割を明確化し、収益性強化と企業価値向上に努めています。特に「成長を牽引する役割の事業」へ経営資源を集中的に配分し、新規事業領域の拡張も目指しています。
同社グループは、強みである「環境・技術」「安全・船舶品質管理」「DX」の3機能を強化し、成長戦略を推進しています。また、提供価値の源泉である人材・組織の事業基盤強化も重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
川崎汽船は、指名委員会等設置会社として、取締役会の中に指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置しています。これにより、経営の監督機能を強化し、機動的な職務執行を可能とする体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
川崎汽船の株主構成を見ると、上位には海外の機関投資家や日本の信託銀行が名を連ねています。筆頭株主は英国領ケイマン諸島に拠点を置くイーシーエム エムエフであり、複数の機関投資家が同社の株式を保有している状況です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| イーシーエム エムエフ(常任代理人 立花証券) | 12.68% |
| エムエルアイ フオー セグリゲーテイツド ピービー クライアント(常任代理人 BOFA証券) | 9.85% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.55% |
なお、エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーは、2026年3月2日付で246,200,300株(38.52%)を保有している旨の大量保有報告書を提出しています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
川崎汽船の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.1%です。代表執行役社長は五十嵐武宣氏が務めています。社外取締役比率は70.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 五十嵐 武 宣 | 取締役 代表執行役社長 | 1991年同社入社。経営企画グループ長、執行役員、常務執行役員、専務執行役員を経て、2025年3月より同社取締役、代表執行役社長に現職。 |
| 明珍 幸 一 | 取締役会長 | 1984年同社入社。コンテナ船事業グループ長、執行役員、常務執行役員、代表取締役社長などを歴任し、2025年3月より同社取締役会長に現職。 |
| 荒井 邦彦 | 取締役 | 1982年同社入社。K" LINE PTE LTD Trade Management Division General Manager、KLINE (CHINA) LTD.社長などを歴任し、2025年3月より同社取締役に現職。 |
社外取締役は、山田啓二氏(京都産業大学理事長)、内田龍平氏(Effissimo Capital Management Pte Ltd ディレクター)、小高功嗣氏(小高功嗣法律事務所代表弁護士・監査委員)、牧寛之氏(メルコグループ代表取締役・監査委員)、政井貴子氏(SBI金融経済研究所代表理事)、原澤敦美氏(五十嵐・渡辺・江坂法律事務所弁護士・監査委員)、久保伸介氏(久保伸介公認会計士事務所所長・監査委員)です。
同社は指名委員会等設置会社であり、取締役会は経営の基本方針決定と執行役の職務執行監督を担っています。独立社外取締役が過半数を占める体制により、経営の透明性と監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
川崎汽船の役員報酬は、取締役と執行役で異なる体系を採用しています。取締役(執行役を兼務しない者)には月例報酬と株式による固定報酬が支給され、業績連動要素は含まれません。一方、執行役には月例報酬に加え、単年度の連結業績に連動する短期業績連動報酬(金銭)と、TSR(株主総利回り)やROE、ESG指標に連動する中長期業績連動報酬(株式)が支給される仕組みです。これは、短期的な業績と中長期的な企業価値向上、そしてサステナビリティへの取り組みをバランス良く推進するためのインセンティブ設計となっています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 1.2億円 | 62.5百万円 |
| 社外取締役 | 6名 | 1.2億円 | 19.8百万円 |
| 執行役 | 2名 | 4.2億円 | 2.09億円 |
なお、取締役を兼務する代表執行役社長に支給された報酬等は、執行役の欄に記載されています。
個人別報酬が開示されている役員は、五十嵐武宣氏(2.95億円)、芥川裕氏(1.22億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。