※本記事は、株式会社アルファシステムズ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
アルファシステムズは、ソフトウェア開発を主軸とする情報サービス企業です。通信システム、オープンシステム、組み込みシステムの3つの主要分野で事業を展開しています。
単体従業員数は2,987名です。事業セグメントはソフトウェア開発関連事業とその他の2つです。
同社は、通信システム、オープンシステム、組み込みシステムの各分野でソフトウェア開発を手がけるほか、自社製品の販売、システムインテグレーション、システムの保守・運用も行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
アルファシステムズは、ソフトウェア開発を中核事業とする企業として、社員の成長を支援し、多様な働き方を推進する環境づくりに注力しています。従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出し、働きがいと働きやすさを両立できる職場を目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高いことから、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。安定して働き続けられる職場を求める方にとって、魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,799,927円 |
| 平均勤続年数 | 15.7年 |
| 平均年齢 | 38.9歳 |
| 単体従業員数 | 2,987人 |
| 連結従業員数 | - |
退職給付制度として、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型を採用しています。これらの制度は国内の従業員に適用されています。
退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は77.7億円、年金資産は91.6億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
アルファシステムズは、ソフトウェア開発を中核事業とする企業として、人材を最も重要な経営資源の一つと位置づけています。経営戦略の実現には、高度な専門性と自律性を備えた人材の確保・育成が不可欠であると認識し、人材戦略を推進しています。
従業員一人ひとりの能力、役割、成果に応じた適正かつ公正な処遇の実現を基本方針としており、給与は職務内容や職位等を総合的に勘案して決定されます。賞与については、会社業績と個人評価を踏まえて決定される仕組みです。
同社は、社員の成長を支援する「働きがいのある会社」と多様な働き方を支援する「働きやすい会社」を目指し、社内制度や環境の整備に取り組んでいます。従業員が主体的に能力開発に取り組む風土を醸成し、実務を通じて多くの学びや経験を積む機会を提供することで、成長を支援しています。具体的には、階層別の集合研修を積極的に開催し、継続的な学びの機会を創出・支援しています。また、業務分野や開発技術、開発工程の異なるプロジェクトへのアサインメントを通じて、個々の可能性を引き出す機会も提供しています。管理職に対しては、マネジメント能力を強化する研修や重要ポジションへのアサインメントによる能力開発の機会を提供し、タレントマネジメントシステムを導入して従業員のエンゲージメント向上に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性のパート・有期労働者の対象者はおりません。労働者の男女の賃金の額の差異の理由としては、管理職の男女比率の差異、育休取得率及び取得期間の差によるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 | 5.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 95.2% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(全労働者) | 82.0% |
| 労働者の男女の賃金の額の差異(うち正規雇用労働者) | 81.9% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員の比率(目標:2024年4月1日~2029年3月31日までの5年間で13.5%) | 12.9% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性社員の育児休業取得率(目標:2024年4月1日~2029年3月31日までの5年以内に70%以上) | 100.0% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員一人当たりの階層別研修参加日数 | 2.73日 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
アルファシステムズは、情報サービス業界において、企業のIT投資を支援するソフトウェア開発を主軸とする会社です。AI技術の活用にも積極的に取り組み、幅広い分野でソリューションを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社の収益モデルは、ソフトウェア開発の受託が中心です。IT人材への高い需要と開発単価の上昇が、同社の収益に寄与しています。また、AI技術を前提とした開発プロセスの検討や企業内プロセスへの適用を進めることで、新たなビジネス創出にも力を入れています。
同社は、主にソフトウェア開発関連事業とその他の事業を展開しています。ソフトウェア開発関連事業が同社の収益の大部分を占めており、その他事業は比較的小規模です。同社の売上高は本邦の外部顧客への依存度が高く、海外比率は低い傾向にあります。また、特定の取引先への販売実績の割合が高いことも特徴です。
ソフトウェア開発関連事業
この事業では、通信システム、オープンシステム、組み込みシステムの開発を手掛けています。通信システムではネットワークマネジメント関連の売り上げが増加しましたが、ノードやモバイルネットワーク関連は減少しました。オープンシステムでは金融や情報通信関連の売り上げが伸びており、公共や流通・サービス、その他分野でも事業を展開しています。組み込みシステムでは車載や計測・制御機器関連の売り上げが増加しています。収益は、これらのシステム開発やソリューション提供から得ています。
その他
この事業では、文教ソリューション関連の売り上げが減少しています。収益は、主に文教分野向けのソリューション提供から得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
アルファシステムズの直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期に比べて増加しています。これは、良好な市場環境と積極的な営業活動が奏功した結果と考えられます。
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている段階にあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は85.2%となっており、プライム市場の平均と比較して非常に高い水準を示しています。これは、財務基盤が強固であることを意味しています。
現金及び預金等は200.7億円を確保しており、不測の事態に対する耐性も高いと言えます。これらの状況から、同社は安定した経営を継続できる財務体質であると判断できます。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | 85.2% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 220.0億円 | 200.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の営業活動によるキャッシュフローは30.3億円のプラスとなっており、前年同期から増加しています。これは、本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。
投資活動によるキャッシュフローは△30.5億円のマイナスで、社債の購入や有形固定資産の取得に資金を投じています。これは、将来に向けた積極的な投資が行われている状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは△18.9億円のマイナスで、配当金の支払いが増加していることが主な要因となっています。これらのキャッシュフローの状況から、同社は本業で得た資金を成長投資に充てつつ、株主還元も継続していることがわかります。これは、事業の持続的な成長と安定した雇用環境を維持する方針を示していると言えます。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 15.7億円 | 30.3億円 |
| 投資CF | △30.2億円 | △30.5億円 |
| 財務CF | △16.1億円 | △18.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △14.5億円 | △0.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社の主力事業であるソフトウェア開発は、顧客である通信事業者やメーカー、サービス企業の設備投資動向や経営成績の影響を受ける可能性があります。また、AI技術の本格的適用により、ソフトウェア開発プロセスや顧客ニーズが変化し、事業環境に影響を及ぼす可能性も示されています。
大規模化・複雑化、短納期化するソフトウェア開発においては、仕様の追加や変更、顧客との認識不一致により開発費が増大したり、納入後の不具合による修復費用が発生するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
IT人材への高い需要が続き、需給ギャップの拡大や賃金の上昇等から、ソフトウェア開発単価の上昇が続いていることが事業環境に関するリスクとして挙げられています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
アルファシステムズは、社会インフラを支える企業として、技術と信頼を基盤に持続的な成長を目指しています。社員の成長と社会貢献を重視する企業文化が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社の社是は「和、信頼、技術」であり、豊かな人間性と高い技術の融和を目指しています。企業理念として「常に発展する技術者集団」と「発展の成果を社会に常に還元する企業」を掲げています。
ソフトウェア開発及びプロダクト・サービスの提供を通じて社会的課題の解決に取り組み、企業価値の継続的向上を図ることで社会とすべてのステークホルダーに貢献することを経営の基本としています。中長期的な成長の方向性としては、「社会インフラを支える企業」として成長を追求していくことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
事業執行にあたっての基本方針として、「上質なサービスの提供」「お客様第一主義」「ソフトウェア生産技術でトップ」を掲げています。目指す企業像は、「社員がイキイキと働き、業界・お客様に一目置かれ、業績をきちんと上げ続ける企業」です。
同社は「サステナビリティ基本方針」に基づき、人権方針、安全衛生基本方針、環境方針、サプライチェーンサステナビリティ推進ガイドラインなどを定めています。従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できるよう、キャリア形成支援や貢献度に応じた処遇の仕組みづくりに取り組んでいます。管理職への登用は、性別や国籍などにかかわらず個人の適性・能力に基づいて公平・公正に行うものとしています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、持続的な成長のために新たな事業領域への挑戦を重要な課題と位置付けています。システム開発事業では、お客様の事業課題を深く理解し解決策を提案するサービスの提供が求められています。
プロダクト・サービスビジネスの拡大も重点テーマであり、研究開発活動を積極的に進め、外部機関との共同研究や提携を推進しています。AI技術を基盤とした事業成長にも取り組み、技術の習得と活用を進めています。
人材面では、プロパー主義の開発体制を強みとしつつ、人的資本マネジメントの強化やAI時代に求められる人材像の設計に取り組んでいます。具体的には、タレントマネジメントシステムの導入やAIを「共創パートナー」と捉えたスキル・教育体系の整備を進めています。
ガバナンス面では、AI利用に伴うリスクへの対応として倫理的行動指針や安全な利用ガイドラインを策定し、サイバーセキュリティ対策の徹底も図っています。社会・環境面では、サプライチェーン全体での持続可能な社会の実現に取り組み、『サプライチェーンサステナビリティ推進ガイドライン』を策定しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
アルファシステムズは監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役を配置することで、業務執行の公正性確保と経営監視機能の強化を図っています。外部からの客観的かつ中立的な視点を取り入れた経営体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
アルファシステムズの株主構成を見ると、筆頭株主は個人である石川義昭氏です。従業員持株会も上位株主として名を連ねており、同社の資本構成は特定の個人と従業員によって支えられている特徴があります。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 石川 義昭 | 34.20% |
| NOMURA CUSTODY NOMINEES LIMITED OMNIBUS-FULLY PAID(CASHPB) | 9.92% |
| アルファシステムズ従業員持株会 | 9.29% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は竹原政義氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 竹原 政義 | 代表取締役社長 | 1984年日本電信電話公社入社後、エヌ・ティ・ティ・データ通信(現NTTデータ)でキャリアを積む。エヌ・ティ・ティ・データ東北代表取締役社長、日本電子計算取締役常務執行役員を歴任。2017年同社顧問として入社し、2025年代表取締役社長より現職。 |
| 石川 有子 | 代表取締役会長 | 1961年日立電子サービス入社後、1972年同社に入社。取締役総務経理担当、取締役副社長管理本部本部長などを経て、2011年代表取締役会長より現職。 |
| 石川 英智 | 代表取締役副会長 | 1996年オルビック取締役就任。2003年同社入社後、取締役管理本部総務部長、代表取締役副社長秘書室・管理本部担当などを経て、2011年代表取締役副会長より現職。 |
社外取締役は、山口裕之氏(アールワイ保険サービス代表取締役会長)、布施木孝叔氏(公認会計士・早稲田アカデミー社外取締役)、定塚淳一氏(野村プロパティーズ元代表取締役社長)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役3名と社外監査役2名を配置しています。社外取締役は業務執行の公正性を監督し、社外監査役は取締役会に対し経営監視を行うことで、外部からの客観的かつ中立的な経営監視機能を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
アルファシステムズの役員報酬は、基本報酬と業績連動報酬(役員賞与)で構成されています。基本報酬は役位や職責、在任年数などを考慮した月例の固定報酬です。業績連動報酬は、事業年度ごとの売上高や営業利益の達成度合いに応じて決定され、業績向上への意識付けを図っています。社外取締役には基本報酬のみが支払われます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 7名 | 2.8億円 | 40.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 14.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 51百万円 | 8.5百万円 |
同社の役員報酬等の総額は3.46億円であり、報酬の支給対象となった役員の合計は14名です。
個人別報酬が開示されている役員は、石川有子氏(1.13億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
💬キャリコネで会社の実態を確認する
決算資料で業績や財務の状況を把握することは、転職の準備として非常に有効です。数字は会社の今の実力と方向性を正直に示しています。
ただ、数字だけでは見えてこないこともあります。職場の雰囲気、上司との関係、実際の残業の実態、昇給のリアル——こうした情報は、現役社員やOB・OGの声から得られます。
企業口コミサイト「キャリコネ」では、社員のリアルな口コミや給与明細、求人情報をまとめて確認できます。決算データと合わせてチェックすることで、応募判断の精度が上がります。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。