グローバルウェイ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

グローバルウェイ 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証グロース上場のグローバルウェイは、法人向けクラウド導入支援や企業口コミサイト「キャリコネ」、人材紹介、時間販売「タイムチケット」等を展開しています。第21期は売上高31億円と前期比25%の増収を果たしたものの、大型案件の契約解除や投資損失等の影響で経常損失2.8億円、最終赤字3.2億円となりました。


※本記事は、株式会社グローバルウェイ の有価証券報告書(第21期、自 2024年4月1日 至 2025年3月31日、2025年6月20日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. グローバルウェイってどんな会社?


同社は、DX支援やSalesforce導入を行う技術領域と、口コミサイト「キャリコネ」や人材紹介、スキルシェア「タイムチケット」を展開する人材領域を柱とする企業です。

(1) 会社概要


2004年に設立され、2006年に現社名へ変更しました。2009年に企業口コミサイト「キャリコネ」を開始し、2016年に東証マザーズへ上場しました。その後、2019年にシェアリング事業を行うタイムチケットを子会社として設立するなど事業を拡大しています。

現在の従業員数は連結146名、単体125名です。筆頭株主は創業者で会長兼社長CEOの各務正人氏(41.84%)であり、第2位はネット証券会社、第3位もネット証券会社となっています。

氏名 持株比率
各務 正人 41.84%
楽天証券 2.87%
SBI証券 1.88%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長CEOは各務正人氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
各務 正人 代表取締役会長兼社長CEO ドイツ証券、ウェブメソッド等を経て2004年に同社設立。2025年6月より現職。
梁  行秀 取締役CTOビジネスアプリケーション事業本部長 NTTソフトウェアを経て2015年同社入社。デロイトトーマツコンサルティングを経て2020年より現職。
中村 紘彦 取締役CSOメディアプロデュース事業本部長セールス&マーケティング本部長 エン・ジャパン、アイドマ・ホールディングスを経て2022年同社入社。同年10月より現職。
伊藤 享弘 取締役CFO兼CISOコーポレートサービス本部長 プライスウォーターハウスコンサルティング、デリバリーコンサルティング取締役等を経て2024年より現職。
赤堀 政彦 取締役(監査等委員) シーエー・モバイル、セレンディップ・コンサルティング取締役等を経て2020年同社取締役就任。


社外取締役は、黒田真行(ルーセントドアーズ代表取締役)、佐藤岳(ブイキューブ)、清水知彦(弁護士法人鶯花)です。

2. 事業内容


同社グループは、「プラットフォーム事業」「セールスフォース事業」「メディア事業」「リクルーティング事業」「シェアリング事業」を展開しています。

(1) プラットフォーム事業


法人向けに、基幹業務システムを活かしつつ最適なクラウドソリューションを組み合わせ、新たなデジタルプラットフォーム(ELT、API、IoT等)を構築するサービスを提供しています。

収益は、顧客企業からの「プラットフォーム構築支援サービス」および「運用サポートサービス」の対価として得ています。運営は主に同社が行っています。

(2) セールスフォース事業


Salesforce.com社のソリューションを用い、顧客接点強化や業務効率化を支援しています。要件定義から設計、開発、運用・保守、定着化支援までを一貫して提供しています。

収益は、導入支援や開発、運用保守にかかるサービス料を顧客企業から受け取っています。運営は主に同社が行っています。

(3) メディア事業


企業の年収・評判・面接などの口コミ情報やニュース記事、求人情報等を掲載する情報プラットフォーム「キャリコネ」などのメディアサービスを展開しています。

収益は、同社が運営するメディアを通じた他社プラットフォームへの送客数に応じた成果報酬等を顧客から受け取っています。運営は主に同社が行っています。

(4) リクルーティング事業


外資系、コンサルティング、IT業界を中心としたハイクラス人材をターゲットに、求人企業および求職者の直接依頼に基づく有料職業紹介サービスを行っています。

収益は、紹介した求職者が求人企業に入社した際に発生する紹介手数料を受け取っています。運営は主に同社が行っています。

(5) シェアリング事業


個人の時間を売買できる「TimeTicket(タイムチケット)」や法人・個人間の「TimeTicket Pro」の運営、TikTok Live代理店、コンサルティングサービス等を展開しています。

収益は、プラットフォーム上の売買成立時の手数料や動画配信中の課金収益、コンサルティング料等を受け取っています。運営は主にグループ会社のタイムチケットが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の推移を見ると、売上高は第17期の12億円から第21期の31億円へと拡大傾向にあります。一方、利益面では第18期に黒字化を達成しましたが、第19期以降は経常赤字が続いています。特に直近は売上が伸長しているものの、投資損失や事業コストの影響等により最終赤字が継続しており、売上成長と利益確保の両立が課題となっています。

項目 2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期
売上高 12.2億円 18.2億円 17.5億円 24.6億円 30.7億円
経常利益 -3.4億円 4.5億円 -4.5億円 -3.4億円 -2.8億円
利益率(%) -27.9% 24.6% -25.7% -13.7% -9.0%
当期利益(親会社所有者帰属) -1.9億円 4.2億円 -2.2億円 -2.0億円 -3.2億円

(2) 損益計算書


売上高は前期の25億円から当期31億円へと増加し、売上総利益も12億円から16億円へ伸長しました。しかし、販売費及び一般管理費が18億円と売上総利益を上回ったため、営業損失は前期の3.8億円から2.6億円へと縮小したものの赤字が続いています。売上総利益率は50%前後を維持しています。

項目 2024年3月期 2025年3月期
売上高 24.6億円 30.7億円
売上総利益 12.4億円 15.7億円
売上総利益率(%) 50.3% 51.1%
営業利益 -3.8億円 -2.6億円
営業利益率(%) -15.5% -8.5%


販売費及び一般管理費のうち、給与手当が5.5億円(構成比30%)、業務委託料が3.4億円(同19%)を占めています。

(3) セグメント収益


シェアリング事業が売上高を大きく伸ばし黒字転換しました。プラットフォーム事業とリクルーティング事業も黒字を維持しています。一方、セールスフォース事業は大型案件の契約解除等の影響で赤字に転落し、メディア事業はGoogleアップデートの影響で減収減益となりました。

区分 売上(2024年3月期) 売上(2025年3月期) 利益(2024年3月期) 利益(2025年3月期) 利益率
プラットフォーム事業 10.4億円 10.4億円 2.0億円 1.9億円 18.4%
セールスフォース事業 4.2億円 4.3億円 0.3億円 -1.5億円 -34.8%
メディア事業 4.0億円 3.1億円 1.3億円 0.2億円 7.0%
リクルーティング事業 3.1億円 2.8億円 0.0億円 0.3億円 9.0%
シェアリング事業 2.8億円 10.5億円 -2.7億円 1.0億円 9.4%
連結(合計) 24.6億円 30.7億円 -3.8億円 -2.6億円 -8.5%

(4) キャッシュ・フローと財務指標

項目 2024年3月期 2025年3月期
営業CF -5.1億円 -5.4億円
投資CF 0.5億円 0.2億円
財務CF 4.9億円 1.9億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は-36.4%で市場平均を下回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は40.4%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は「“人”と“技術”を新しい時代のために」を経営理念とし、「人々や企業から最も信頼される存在を目指して」をビジョンとして掲げています。人々の幸せや企業の成長をあらゆる技術の追求により最大限実現し、新しい時代において最も信頼される存在となることを目指して経営を行っています。

(2) 企業文化


同社は、人材こそが最大の資本であるとの考えのもと、従業員の資質向上と能力開発に取り組んでいます。従業員一人ひとりのキャリアアップ支援や、柔軟な働き方の活用、多様性と働きやすさの尊重を重視し、長時間労働の抑制や健康経営にも取り組むことで、企業としての成長と社会貢献を推進する文化を持っています。

(3) 経営計画・目標


同社は中期経営計画「GW-VISION 2026」を発表し、2026年3月期までの5年間を第2創業期と位置づけています。各事業の安定的成長と注力領域の急拡大、グループ全体の収益最大化を基本方針とし、以下の経営目標を掲げています。

* 2026年3月期 連結売上高:47億円
* 2026年3月期 営業利益率:17%

(4) 成長戦略と重点施策


DX市場の拡大や人材不足を背景に、技術領域と人材領域のシナジーを追求しています。プラットフォーム事業やセールスフォース事業では開発受託の拡大と新規受注増を図り、リクルーティング事業ではDX人材紹介を強化します。シェアリング事業では新規サービスの立ち上がりと黒字化定着を目指し、事業基盤の確立を進めます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


持続的成長のために人材確保を最重要課題とし、技術領域ではエンジニア、人材領域ではコンサルタントの採用に注力しています。同時に、エンゲージメントを高めて定着を促し、ケイパビリティを拡大することを目指しています。また、個人のスキルアップ支援やマネージャー層の育成を通じ、組織力の強化を図っています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均をやや上回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年3月期 39.5歳 3.7年 6,580,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
管理職に占める女性労働者の割合 22.6%
男性労働者の育児休業取得率 50.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 65.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用) 66.0%
労働者の男女の賃金の差異(非正規) -

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) インターネット関連市場の動向


メディア事業やシェアリング事業が属するインターネット市場は変化が速く、顧客ニーズの変化に対応できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、検索エンジンのアルゴリズム変更により「キャリコネ」等への集客が減少した場合、経営成績に悪影響を与える可能性があります。

(2) DX市場とシステム投資の動向


DX市場を中心にサービスを展開していますが、経済情勢の変化等によりクライアント企業のシステム投資が抑制された場合、事業活動に支障をきたす可能性があります。また、受託開発において仕様変更や不具合発生により想定以上のコストが発生した場合、採算が悪化するリスクがあります。

(3) 法的規制への対応


人材紹介を行うリクルーティング事業は職業安定法、メディア事業は個人情報保護法等の法的規制を受けています。法令違反による許可取り消しや、新たな規制の導入、個人情報の漏洩等が発生した場合、社会的信用の低下や事業活動の制限により、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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僕がリクルートからグローバルウェイに転職を決めた理由

ソーシャル・ウェブメディア事業部の事業責任者である私、根本がリクルートを辞めてまでこの会社に転職を決めた理由や入社して初めてわかった弊社のいいところを素直にお話しします。 カジュアル面談に来てくださった方や人材紹介会社の方に予め説明する内容(=よく聞かれる内容)でもあります。弊社に少しでも興味を持っていただけ幸いです。