ローツェの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

ローツェの転職研究 2026年2月期決算に見るキャリア機会

ローツェの2026年2月期決算は売上高が過去最高水準を維持。台湾でのAI向け需要が前期比約1.8倍と爆発的に成長しています。米国訴訟による一過性の損失計上はありましたが、ベトナムでの大規模な新工場建設など攻めの投資を継続。「世界一の搬送技術」を目指す同社で、エンジニアが担うべき役割を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

生成AI需要を追い風に台湾向け売上を約2倍へ伸ばす

先端半導体およびアドバンスドパッケージ(より高度な半導体組み立て技術)用の搬送装置が好調で、主力顧客を抱える台湾向け売上高が前期比約1.8倍と急成長を遂げました。生成AIの普及に伴う先端プロセスへの投資拡大が直接的な成長ドライバーとなっており、世界トップクラスの搬送技術を持つ同社への引き合いは極めて強い状況です。

ベトナム新工場建設に74億円を投じ生産能力を倍増させる

将来の需要拡大に対応するため、ベトナム子会社において約23.8万㎡(現有地の約5倍)の土地取得を完了し、総額約3.3億ドルの大規模な設備投資計画を始動させました。2028年春の稼働開始を目指し、生産キャパシティを現工場の約2倍にまで引き上げる計画で、グローバルな製造基盤の強化がエンジニアの活躍機会を広げています。

米国訴訟の引当金計上も次期利益は46%増を計画する

2026年2月期は米国訴訟の陪審評決を受け、暫定的な損害賠償金として74億円の訴訟損失引当金を特別損失に計上したことで減益となりました。しかし、これは一過性の要因であり、本業の収益力は極めて強固です。2027年2月期は半導体市場の回復を背景に、純利益で前期比46.0%増というV字回復を見込んでいます。

1 連結業績ハイライト

売上高は過去最高水準を更新し計画を達成。訴訟関連の引当金計上により一時的に減益となるも、半導体関連の旺盛な需要が成長を支えています。
2026年2月期 業績ハイライトと売上構成

出典:2026年2月期 決算説明資料 P.5

売上高

128,794百万円

前期比 +3.5%

営業利益

31,154百万円

前期比 △2.7%

当期純利益

19,048百万円

前期比 △19.4%

2026年2月期の連結売上高は前期比3.5%増の1,287億円となり、過去最高を更新しました。主力の半導体関連装置に加え、利益率の高い「部品・修理」関連の売上増加が全体を牽引。利益面では、前期に連結子会社化したNanoverse社の関連費用や人件費が増加したほか、米国訴訟に伴う引当金74億円を特別損失として計上したため、最終利益は前年を下回りました。

通期計画に対する達成率は、売上高が100.5%、営業利益が102.7%となっており、業績の進捗は極めて順調です。一過性の法的費用を除けば本業は増益基調にあり、第4四半期だけで単期売上高340億円(半導体部門のみ)の受注を獲得するなど、来期以降の爆発的な成長に向けた十分な受注残高を確保しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

主力の半導体関連が売上の8割超を占め、グローバル全域で需要が拡大。特に台湾と米国の大手顧客向けのエンジニアリング需要が加速しています。
地域別の売上高推移と構成比

出典:2026年2月期 決算説明資料 P.7

半導体・FPD関連装置事業

事業内容:半導体製造用のウェハ搬送ロボットやEFEM(大気用搬送システム)等の開発・製造。台湾TSMCや米国Applied Materials等の世界大手へ製品を供給。

業績推移:売上高1,275億円(前期比+3.5%)。半導体関連が1,063億円と牽引し、特に台湾向けが前期比で約2倍へ急拡大しました。

注目ポイント:生成AI向けのHBM(高帯域幅メモリ)や、アドバンスドパッケージと呼ばれる次世代実装技術への投資が活発です。微細化に伴う高クリーン度要求や構造の複雑化により、同社の精密搬送技術の重要性が増しており、グローバルな開発・サポート体制の強化が急務となっています。

注目職種:機械設計、電気・制御設計、海外フィールドエンジニア、生産技術

ライフサイエンス事業

事業内容:創薬や再生医療における細胞培養装置の開発。全自動培地交換システム「CellFarm」等を展開。

業績推移:売上高1,201百万円(前期比+11.8%)。新規開発やサポート体制の充実に向けた投資が継続しています。

注目ポイント:半導体搬送で培った自動化技術をバイオ領域に応用した、同社の戦略的成長領域です。モバイルロボットによる自動化など、人手に頼っていたラボのDX化(デジタル変革)を推進。将来的に第2の収益の柱となる可能性を秘めた、チャレンジングな環境です。

注目職種:装置開発エンジニア、バイオ・分析関連の技術開発

地域別動向:中国・米国・台湾

概要:中国(28%)、米国(26%)、台湾(25%)の3拠点が主要市場。台湾はAI需要で売上構成比を急速に高めています。

戦略的背景:中国では国産メーカーとの競争が激化する一方、先端プロセス開発での歩留まり課題から、高品質な海外製品への回帰が見られ始めています。米国および台湾では、大手装置メーカーからの継続的なリピート注文が続いており、グローバルに跨るプロジェクト管理スキルを持つ人材の価値が高まっています。

3 今後の見通しと採用の注目点

次世代パッケージング技術への対応と、ベトナム新工場の立ち上げを加速。2027年2月期は売上高1,590億円への到達を狙います。
ベトナム新工場建設と将来の生産キャパシティ

出典:2026年2月期 決算説明資料 P.21

同社は2027年2月期の業績予想として、売上高1,590億円(前期比23.5%増)、営業利益381億円(同22.3%増)と、一段高い成長フェーズへの移行を宣言しています。生成AIの普及に伴い、先端ロジックやHBM、先端パッケージ分野への集中投資が継続。この旺盛な需要に対応するため、開発組織の見直しやPDM(製品情報管理)等の最新ツールの導入による「製品開発のスピードアップ」を掲げています。

特筆すべきは人的投資の継続です。連結従業員数はすでに4,500名を超えていますが、ベトナムでの工場拡張や新社屋建設に伴い、さらなる増員が予定されています。既存の搬送装置を「思考する端末」へと進化させるNanoverse社の技術融合や、AIを駆使した自律型搬送装置の開発など、「技術のローツェ」としての独自進化を支える技術者採用が、今後の競争力の中核となります。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

ローツェは、生成AIブームに代表される「半導体の進化」を搬送技術で支える黒子企業です。志望動機では、単なるものづくりへの興味に留まらず、「アドバンスドパッケージ」や「先端ロジック」といった最先端分野での技術的挑戦に惹かれていることを強調しましょう。また、ベトナム新工場建設等のグローバルな事業基盤の拡大に自らのスキルで貢献したいという意欲は、積極的な投資を続ける同社の経営方針と合致し、高く評価されるはずです。

Q&A 面接での逆質問例
  • 「先端パッケージ市場の拡大に伴い、開発現場で新たに求められている専門スキルやエンジニアとしての役割の変化について教えてください。」
  • 「ベトナム新工場の立ち上げを控え、日本本社のエンジニアが海外拠点とどのように連携し、技術伝承や品質管理を行っていく予定でしょうか。」
  • 「ライフサイエンス事業でのモバイルロボット活用など、半導体以外の領域での自動化技術の転用について、現在どのような将来構想を描かれていますか。」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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性別に関係なく頑張ればチャンスはある

過去に管理職になった女性が実在していました。会社の評価は、実力次第・いかに会社に利益を残す仕事をしているか?が評価ポイントですので、性別に関係なく頑張ればどなたでもチャンスはあります。

(40代後半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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業績の波が激しい

ひどい年になると、賞与が出ない年もありますので、家のローンとかでボーナス月に上乗せ返済等のプランを組んだりしていると最悪のパターンに陥る可能性があります。

(40代後半・その他・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • ローツェ株式会社「2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」
  • ローツェ株式会社「2026年2月期 決算説明資料」

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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