0 編集部が注目した重点ポイント
① 中国子会社の解散で収益構造を刷新する
20年超にわたり供給を担った中国の連結子会社、安速日用化学(蘇州)有限公司を2026年5月に解散・閉鎖することを決定しました。人件費高騰や円安の影響による優位性の低下を受け、他拠点への生産移管を推進します。抜本的な構造改革により、不透明な外部環境下での利益体質強化を図る動きは、経営管理や生産管理のスペシャリストにとって注目すべき変化です。
② 営業利益が計画比で27.3%の大幅上振れを達成する
2026年12月期第1四半期の営業利益は63.3億円となり、期初計画を13.5億円上回る好調なスタートを切りました。高単価製品へのシフトによる売上構成の変化で粗利率が改善したほか、販管費の効率的な運用が寄与しています。収益重視の経営方針が具体的な数字として現れており、マーケティングや営業職における高付加価値戦略の重要性が高まっています。
③ 園芸用品部門が前年比96.4%増と急成長を遂げる
株式会社プロトリーフの新規連結と既存製品の好調により、園芸用品部門が売上高24.6億円規模へ拡大しました。虫ケア用品に次ぐ収益の柱として期待されており、グループ内でのプレゼンスが急上昇しています。新規参入や事業拡大が続く領域であり、商品開発や新規開拓のスキルを持つ人材にとって、挑戦しがいのあるキャリア機会が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.7
売上高
479.1億円
(前年同期比 +7.0%)
営業利益
63.3億円
(前年同期比 +1.1%)
経常利益
63.0億円
(前年同期比 +2.4%)
当期純利益
44.5億円
(前年同期比 -4.7%)
2026年12月期第1四半期は、国内の虫ケア用品市場が好調に立ち上がったことや、総合環境衛生事業の契約件数増加が寄与し、全体で前年を上回る増収を達成しました。営業利益については、プロトリーフの新規連結に伴う経費増や物流費の上昇といった減益要因を、増収による売上総利益の増加が上回った形です。
通期予想(売上高1,880億円、営業利益90億円)に対する第1四半期の進捗率は、売上高が約25.5%、営業利益が約70.4%と非常に高い水準にあります。第1四半期として営業利益の進捗は順調であり、収益構造改革の成果が着実に現れています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.9
虫ケア用品部門
事業内容:殺虫剤や虫よけ剤など、国内シェア約6割を誇るグループの核心事業です。
業績推移:売上高223.8億円(前年同期比 +9.2%)。新商品「アース OH! ノーマット」が好調です。
注目ポイント:市場全体が前年比106.8%に拡大する中、市場シェアを62.7%(+1.1pt)へ拡大させています。気温上昇に伴う好調な立ち上がりを背景に、新世代型製品の投入で高単価化を推進しています。圧倒的シェアを維持しながら、新たな付加価値を市場に問う企画力・販売力が求められています。
日用品部門
事業内容:入浴剤、口腔衛生用品、消臭芳香剤などの生活必需品を展開する部門です。
業績推移:売上高152.2億円(前年同期比 -3.8%)。入浴剤や口腔衛生用品が苦戦しました。
注目ポイント:(注:2026年1月1日付で株式会社バスクリンを吸収合併)。粉剤タイプの入浴剤が減少する一方で、高付加価値商品の「BARTH」などは前年から伸長しています。単なる価格競争ではなく、ブランド価値を再構築し、収益性を改善させるためのブランドマネジメント経験者が強く求められています。
園芸用品部門
事業内容:家庭菜園やガーデニング向けの殺虫剤・肥料などを取り扱う成長領域です。
業績推移:売上高24.6億円(前年同期比 +96.4%)。プロトリーフの連結が大きく寄与しています。
注目ポイント:(注:前連結会計年度より株式会社プロトリーフを新規連結)。グループとしての供給体制最適化により収益性も改善しています。アース製薬の技術力とプロトリーフのブランド力を融合させた新カテゴリー創出が進んでおり、異業種からの参画による知見の活用が期待されています。
総合環境衛生事業
事業内容:アース環境サービスによる、製造業や医療機関向けの衛生管理・品質保証支援サービスです。
業績推移:売上高84.1億円(前年同期比 +8.9%)。契約件数の増加が継続しています。
注目ポイント:食の安全意識の高まりから、高度な衛生管理サービスの需要が増加しています。IoTやAIを活用した次世代サービスの開発や、ライフサイエンス分野への拡充を積極的に進めており、BtoB領域でのエンジニアリング力やコンサルティング力が重要視されています。
海外事業・MA-T事業
事業内容:ASEAN・中国への展開および、日本発の革新的な酸化制御技術「MA-T」の社会実装です。
業績推移:海外全体で増収。タイでは虫ケア用品シェアNo.1を獲得しています。
注目ポイント:マレーシアやフィリピンで定番品の採用増により計画を上回る推移を見せています。MA-T技術を活用したライセンスビジネスの構築など、既存の製造販売モデルを超えた収益基盤の創出に注力しており、グローバルな事業構想力を持つ人材にとって大きなチャンスがあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年12月期 第1四半期 決算説明資料 P.6
アースグループは、2026年までの中期経営計画において「収益構造改革・体制づくり」を最優先課題としています。国内では季節性の影響を最小限に抑えるため、「虫ケアに次ぐ第2の収益の柱づくり」として、洗口液や園芸、ペット用品などの成長カテゴリーへリソースを重点配分しています。
海外ではASEANを成長のドライバーとし、24カ国にフォーカスした展開拡大を進めています。一方で、中東情勢緊迫化に伴う原材料価格高騰や物流混乱などの外部リスクを警戒しており、適正な価格転嫁や物流網の見直しといったリスク管理の強化が急務となっています。変革期にある同社では、既存の枠組みに捉われず、効率化と成長の両立を推進できる実行力のある人材が、採用のターゲットとなっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、主力事業の圧倒的シェアを背景に、「収益構造の抜本的改革」と「非季節性事業の育成」に全力で取り組んでいます。特に園芸用品やペット用品、そして革新的な「MA-T技術」による新市場開拓など、変化のスピードが速い領域での経験は高く評価されます。自らの専門性が、同社の「Act For Life」という使命の中で、どのように新たな収益の柱を築くことに貢献できるかを整理することが有効です。
面接での逆質問例
- 「中国子会社の解散に伴う生産体制の再編において、サプライチェーンの強靭化に向けた最大の課題は何だとお考えですか?」
- 「虫ケア用品に次ぐ収益の柱として、園芸や口腔衛生分野を成長させるための、マーケティングリソースの配分方針を教えてください。」
- 「MA-T技術の社会実装において、BtoBパートナーシップの構築をどのように加速させていく計画ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
部署によってはきちんと管理されていない
部署によってはきちんと管理されていないのが現状です。部署に大きく左右されます。企業体質もあると思いますが。
(20代後半・法人営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]仕事内容も楽しく不満はない
地元の給与価格の平均や就業時間、毎月支払われる手当、休日等を考えると、私は満足しています。夏と冬の賞与、決算賞与もあり、ありがたかったです。ノルマなどのストレスもなく、仕事内容も楽しかったので不満はありませんでした。
(30代後半・販売促進・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- アース製薬株式会社 2026年12月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- アース製薬株式会社 2026年12月期 第1四半期 決算説明資料



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