0編集部が注目した重点ポイント
①ロボット・FA好調で売上高8,578億円と過去最高を更新
2026年3月期(2025年度)は、中国でのFA需要や米州・中国でのロボット需要が堅調に推移し、工場の稼働向上も寄与しました。これにより売上高は前年比+7.6%の8,578億円となり、過去最高であった2022年を超え、過去最高を達成しました。
②米国でのロボット生産能力拡大へ約143億円の設備投資を決定
米国子会社であるファナックアメリカコーポレーションにおいて、米国内でのロボット生産能力拡大に向け、9,000万ドル(約143億円)を投じて新たな施設を建設します。2027年末の完成予定で、AIを活用した自動化ソリューション需要に対応し、事業拡大が見込まれます。
③インドでの新サービス棟建設で顧客満足度向上を推進
2026年3月にファナックインディアが、コールセンタや保守部品倉庫を持つ延床面積5千㎡の新サービス棟を建設しました。「サービスファースト」の精神で、インド市場での需要拡大を見据えたサービス能力の増強を推し進め、顧客満足度をより一層高めていきます。
1連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明会 資料 P.4
売上高
8,578億円 (+7.6%)
営業利益
1,838億円 (+15.7%)
純利益
1,665億円 (+12.9%)
2026年3月期(2025年度)の連結業績は、売上高8,578億円(前年比+7.6%)、営業利益1,838億円(前年比+15.7%)の増収増益となりました。FA部門の中国における需要拡大や、ロボット部門の米州・中国での好調が寄与し、工場の稼働が向上したことで営業利益率は21.4%に改善しました。
当期は通期実績の発表となりますが、通期計画に対する進捗評価としては、売上高が過去最高であった2022年を上回り、過去最高を達成するなど極めて順調な結果となりました。また、来期(2026年度)についても各部門で堅調な需要が継続することから、売上高9,096億円を見込んでおり、事業は着実に成長軌道を描いています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明会 資料 P.9
FA部門
事業内容:工作機械の制御を担うCNC(コンピュータ数値制御)システム等の開発・製造・販売。
業績推移:売上高2,085億円(前年比+7.0%)。欧州で低調も、国内・中国・インドでの需要増により増収。
注目ポイント:国内工作機械メーカの好調な外需や、中国における設備投資に積極的な産業からの需要が旺盛です。AIによる熱変位補正機能など、充実したCNC機能による高精度化が求められており、高度な制御・デジタル技術を強みとする技術者の活躍の場が世界市場へ広がっています。
ロボット部門
事業内容:多様な産業分野に向けた産業用ロボットの開発・製造・販売。
業績推移:売上高3,786億円(前年比+14.9%)。国内の自動車向けは減少したが、米州や中国が好調。
注目ポイント:全社の売上の44.1%を占める主力事業です。海外の展示会では、オープンプラットフォームによるフィジカルAIや、生成AIにより言葉の指示で動くロボットに高い関心が寄せられています。次世代のオートメーションを実現するAIソリューション人材の採用機会が大幅に増加しています。
ロボマシン部門
事業内容:小型切削加工機(ロボドリル)、電動射出成形機(ロボショット)、ワイヤ放電加工機(ロボカット)の提供。
業績推移:売上高1,296億円(前年比-5.8%)。米州で一部堅調も、中国・台湾などの需要減で減収。
注目ポイント:減収要因はありますが、自動車用充電プラグ成形の自動化システムや多品種・少量部品のための自動化システムは顧客から好評を得ています。「ファナック ロボショット SCシリーズ」は日刊工業新聞社の「十大新製品賞」本賞を受賞しており、商品力を活かした拡販戦略を担う人材が重要視されています。
サービス部門
事業内容:ファナック製品の保守・メンテナンスおよび技術サポートの提供。
業績推移:売上高1,411億円(前年比+4.4%)。ITを活用した体制強化で堅調に成長。
注目ポイント:「サービスファースト」を掲げ、インドでの新サービス棟建設などグローバルでのサポート基盤を強化しています。「壊れない」「壊れる前に知らせる」というIoTやデータ活用を通じたCX(顧客体験)向上がテーマであり、最新技術で顧客を支える技術サービス人材の活躍フィールドが一層広がっています。
地域別:国内
事業内容:国内市場向けのFA、ロボット、ロボマシン等の販売とサービス。
業績推移:売上高1,108億円(前年比+1.5%)。FA部門が外需牽引により好調も、ロボットの一部需要減で微増。
注目ポイント:国内では本社地区の「中央テクニカルセンタ」が新たに竣工し、顧客への商品実演や導入支援の環境が大幅に向上しました。国内の生産性向上や自動化ニーズに直結する重要な拠点として、顧客の課題を解決する提案型の人材が高く評価されます。
地域別:米州
事業内容:北米・南米地域における全事業部門の販売とサポート。
業績推移:売上高2,322億円(前年比+8.3%)。ロボット部門が前年同期を上回り順調に成長。
注目ポイント:関税リスクが懸念される中でも実績を伸ばし、ミシガン州での大規模なロボット生産工場・物流センタへの投資(約143億円)も決定しています。北米でのAIを活用した自動化ソリューション需要を取り込むため、現地での生産・エンジニアリングに携わるプロフェッショナルの採用機会が拡大しています。
地域別:欧州
事業内容:欧州市場における全事業部門の販売とサポート。
業績推移:売上高1,524億円(前年比+6.8%)。FA部門の工作機械需要は低調も、全体では堅調。
注目ポイント:市場ごとの好不調の波を吸収し、安定的な売上を維持しています。欧州市場では特に環境対応や脱炭素化の要求が強いため、省エネルギー性能を向上させた新機能や製品の提案力が強みとなります。環境対応技術への理解が深い人材は重宝される傾向にあります。
地域別:中国
事業内容:中国市場におけるFA、ロボット、ロボマシンの販売・サポート。
業績推移:売上高2,284億円(前年比+22.4%)。FA・ロボットともに需要が旺盛で大幅増収。
注目ポイント:設備投資に積極的な産業やEV関連市場の拡大が強力な成長ドライバーとなり、全社業績を牽引しています。競争が激しい中国市場において高いシェアを獲得・維持するためには、現地の変化スピードに対応できる事業推進力が不可欠であり、中国ビジネスに精通した人材が強く求められています。
地域別:アジア(中国以外)
事業内容:台湾、韓国、インド、ASEAN等における事業展開。
業績推移:売上高1,242億円(前年比-8.1%)。インドでのFA需要は好調も、台湾等でのロボマシン需要減が影響。
注目ポイント:台湾での展示会「TMTS 2026」、韓国での「SIMTOS 2026」においてAI機能搭載製品が高評価を獲得し、インドでは新サービス棟を建設するなど、成長市場への布石を確実に打っています。アジア地域の多様なニーズに応えるため、各国の商慣習や市場動向を的確に把握できるグローバル人材の活躍が期待されます。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明会 資料 P.16
2026年度(2027年3月期)については、各部門で堅調な需要が継続することから、売上高9,096億円、営業利益2,122億円と、過去最高であった当期をさらに上回る業績予想を公表しています。中東地域における地政学的リスクや為替変動、米国政府による関税の影響など、先行きが不透明な状況が継続することも課題として認識されていますが、それらを乗り越えるための競争力の高い商品開発と、生産拠点・サービス拠点の複数化によるサプライチェーン強化が推進されています。
採用市場においては、フィジカルAIやデジタルツイン技術といった最新のデジタル領域の人材に加え、環境対応・省エネ性能を追求する研究開発エンジニア、そして米国・インドを含むグローバル拠点で活躍できる事業推進人材へのニーズがかつてないほど高まっています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
ファナックは基本理念である「厳密と透明」のもと、産業のオートメーションに資源を集中しています。単に最新技術を追求するだけでなく、「壊れない」「壊れる前に知らせる」「壊れてもすぐ直せる」というダウンタイム最小化への強いこだわりに共感し、自身の専門性をどう貢献できるかをアピールすることが重要です。また、「サービスファースト」の精神で顧客に寄り添う姿勢を示すと良いでしょう。
面接での逆質問例
- 米国ミシガン州での新たなロボット生産工場への投資に伴い、本社側からどのような技術的・人的なサポートが期待されていますか。
- 台湾や韓国の展示会でAI機能搭載製品が好評を得ていますが、AI技術のビジネス実装において現場が直面している最大の課題は何でしょうか。
- 新たに竣工した中央テクニカルセンタを活用し、今後どのような形でお客様との共創を進めていく計画ですか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル
仕事は比較的やりたいようにできる
仕事は比較的やりたいようにできる。研究に必要であれば、予算もふんだんにある。施設、設備も必要十分にあるので、必要なもので手に入らないものは通常無い。
(40代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]研究所に女性はあまり見かけない
事務方にはいる。事務方の女性が産休で休み、復帰しましたというのを見かけるので、普通に休みは取れると思われる。
(40代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算説明会 資料



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。