0編集部が注目した重点ポイント
① 合弁会社エトリアに沖電気が参画し生産体制を強化
2024年7月に組成された東芝テックとの合弁会社「エトリア」に、2025年10月から新たに沖電気工業(OKI)が参画しました。これにより、複合機等の共通エンジン開発や生産体制の最適化、購買の効率化などシナジー創出に向けた取り組みが前倒しで進展しています。開発・生産部門におけるキャリア機会が拡大する可能性があります。
② 米国のIT事業を売却しワークプレイス支援へ集中
事業ポートフォリオの見直しの一環として、米国のマネージドITサービス事業を売却しました。一方で、AVインテグレーターである海外企業の買収を通じ、ワークプレイスエクスペリエンスの成長に向けた体制強化を進めており、注力領域における専門人材のニーズがグローバルで高まっています。
③ 次期よりセグメントを再編しデジタル化を加速
次期(2027年3月期)より「デジタルサービスの会社」への変革をさらに加速させるため、報告セグメントの見直しを実施します。新設される「ワークプレイスサービス」を中心に、ストック型収益の拡大を目指す方針であり、ソフトウェアやITインフラ領域への経営資源の集中が明確化されています。
1連結業績ハイライト
オフィスサービスの成長と徹底した経費コントロールにより、大幅な増益を達成しています。
出典:FY2025通期決算説明資料 P.3
売上高
2兆6,083億円
前期比 +3.2%
営業利益
907億円
前期比 +42.1%
税引前利益
922億円
前期比 +31.7%
当期利益
556億円
前期比 +21.8%
2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比+3.2%の2兆6,083億円、営業利益が同+42.1%の907億円となり、増収および大幅な増益を達成しました。当期利益も同+21.8%の556億円と力強い成長を見せています。
オフィスプリンティング事業において米国の新たな関税政策による影響や海外でのハードウェア需要の弱含みがあったものの、国内を中心としたオフィスサービス事業の成長や、合弁会社エトリアを通じた製品販売の貢献によりカバーしました。企業価値向上プロジェクトによる経費コントロールの効果も期初見通しを上回って発現しており、通期業績として順調な着地を果たしたと評価できます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
主力事業から新規事業まで、各報告セグメントおよび地域別の状況と、そこで求められる専門性について解説します。
出典:FY2025通期決算説明資料 P.12
デジタルサービス
事業内容:複合機等の販売、ITサービス、ドキュメント関連ソリューションなどをグローバルに提供。
業績推移:売上高は1兆9,885億円(前期比+3.0%)、営業利益は279億円を計上。
注目ポイント:国内でPCリプレイスに伴うITサービスやアプリケーションサービスが伸長し2桁成長を記録しました。欧州でも買収企業とのシナジー効果が発現し始めています。顧客のワークプレイスをデジタル化へ導くため、ITソリューション営業やコンサルティングの専門知識を持つ人材が強く求められる中核領域です。
【注目職種】 ITソリューション営業、ITコンサルタント、クラウドインテグレーションエンジニア
デジタルプロダクツ
事業内容:複合機・プリンター等の製造・OEM、スキャナ等の製造・販売。
業績推移:売上高は1,863億円(前期比+18.7%)、営業利益は315億円(前期比+9.9%)。
注目ポイント:東芝テックやOKIが参画する合弁会社「エトリア」への製品販売が寄与し利益が上振れしました。共通エンジン開発やレジリエント(回復力のある)な生産体制の構築を進めており、製造プロセス最適化やハードウェアの共同開発プロジェクトを牽引するエンジニアの活躍が期待されます。
【注目職種】 ハードウェア開発エンジニア、生産管理、購買・サプライチェーン管理
グラフィックコミュニケーションズ
事業内容:商用印刷機、産業プリンター、インクジェットヘッド等の製造・販売。
業績推移:売上高は2,840億円(前期比-2.9%)、営業利益は186億円。
注目ポイント:主力市場の米国における関税政策等の影響でハードウェア投資の手控えが生じましたが、第4四半期には回復の兆しが見られます。ノンハード(消耗品等)は堅調であり、プロフェッショナル向け印刷ソリューションの技術開発や海外市場での販売網強化を担える人材が不可欠です。
【注目職種】 プリンティング技術開発、海外法人営業、ソリューションセールス
インダストリアルソリューションズ
事業内容:サーマルペーパー(感熱紙)、サーマルメディア、精密機器部品等の製造・販売。
業績推移:売上高は1,062億円(前期比-5.3%)、営業利益は24億円。
注目ポイント:前年度の事業譲渡影響を除けば実質的に前年並みの売上を維持しており、国内での剥離紙レスラベル需要が好調に推移しました。コストダウンやプライシング戦略により収益性が大幅に改善しており、環境対応型素材の用途開発やBtoBマーケティング人材が求められる領域です。
【注目職種】 素材研究開発、BtoBマーケティング、プロセスエンジニア
その他
事業内容:デジタルカメラ、360度カメラ、環境・ヘルスケア事業等の新規領域。
業績推移:売上高は431億円(前期比+20.3%)。営業損益は改善傾向。
注目ポイント:RICOH GRシリーズを中心にデジタルカメラの販売が好調を維持し、増収を達成しました。新規事業創出に向けた先行投資が継続されており、既存事業の枠組みを超えたビジネスディベロップメントやアライアンス推進を担う人材にとって挑戦しがいのある環境です。
【注目職種】 新規事業開発(BizDev)、アライアンス推進、プロダクトマネージャー
地域別売上動向(グローバル事業基盤)
事業内容:国内、米州、欧州・中東・アフリカ、その他の4地域での展開。
業績推移:国内は1兆516億円(前期比+9.2%)、米州は6,546億円、欧州・中東・アフリカは6,726億円、その他は2,293億円。
注目ポイント:国内はオフィスサービスが牽引し大幅な増収となりました。海外では米州でのマネージドIT事業売却等による減収要因があるものの、グローバル規模での資産・体制の見直しと強化が進行中です。グローバル経営戦略や海外子会社管理の視点を持つ人材が各部門で重宝されます。
【注目職種】 グローバル経営企画、海外事業管理、クロスボーダーM&A担当
3今後の見通しと採用の注目点
次期の中期経営戦略を見据え、収益構造の変革がさらに加速するフェーズに入ります。
出典:FY2025通期決算説明資料 P.18
次期(2027年3月期)の通期見通しとして、売上高2兆7,000億円、営業利益950億円とさらなる増収増益を見込んでいます。次期より「デジタルサービスの会社」への進化を体現するため報告セグメントの見直しを実施し、新設の「ワークプレイスサービス」を中心に、AIやソフトウェアを組み合わせたストック型収益の拡大を最優先課題としています。
半導体メモリ等の部材価格上昇やインフレに伴う人件費増加のリスクは想定されるものの、価格対応やコスト構造の改革を継続することで着実に吸収する方針です。採用市場においては、ハードウェア中心からソフトウェア・サービス主導の事業モデルへと構造転換を牽引できるITエンジニアや事業開発担当者のニーズが非常に高く、長期的なキャリア形成を図る上で絶好の参画タイミングと言えます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、ハードウェア売り切り型から「ワークプレイス」を総合的に支援するストック型収益モデルへの転換と、グローバルでの事業再編を急速に進めています。面接では、これまでのキャリアをどのように活かして、デジタルサービス領域での付加価値向上や顧客の業務プロセスの効率化に貢献できるかを、具体的なエピソードを交えてアピールすることが有効です。
面接での逆質問例
- 「次期よりセグメントが再編され『ワークプレイスサービス』が新設されますが、当該領域において中途採用者に最も期待される役割やミッションは何でしょうか?」
- 「合弁会社『エトリア』へのOKI参画など、生産・開発体制の最適化が進んでいますが、現場の技術者やスタッフにはどのような新しいスキルやマインドセットが求められていますか?」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
同業他社と比べると、給与水準は高い
年収・給与について、特に不満はない。同業他社と比べると、給与水準は高いと思われる。ただ、年功序列のところがあるので、昇給率はそこまで高くない。
(30代前半男性・研究開発・契約社員) [キャリコネの口コミを読む]研究所などは比較的のんびりだった
これは部署によると思うが、設計開発だとそれなりに忙しいと思われる。のんびりやりたい場合はそれ以外の部署が良いかもしれない。研究所などは比較的のんびりだったのでおすすめはできると思う。
(30代前半男性・機械設計・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- FY2025 通期決算概要



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