※本記事は、株式会社リコー の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月16日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
リコーグループは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズなど多岐にわたる事業を展開しています。開発から生産、販売、サービスまで一貫して行い、世界約200の国と地域で事業を展開しています。
単体従業員数は4,596名、連結従業員数は75,635名です。同社グループの事業セグメントは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他の5つです。
主な国内グループ会社は、リコーインダストリー、リコーエレメックス、リコージャパン、リコーITソリューションズ、PFUなどです。
同社グループは、東芝テック及び沖電気工業との合弁会社エトリアの設立や、産業用コンピュータ事業の統合によるリコーPFUコンピューティングの設立など、事業再編を進めています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
リコーは、サステナビリティと事業成長を両立させる方針を掲げ、人的資本を経営戦略の重要要素と位置付けています。社員の能力開発や多様な働き方を推進し、グローバルな事業展開を支える人材育成に注力していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均年齢が比較的高く、勤続年数も長めであることから、安定した環境でキャリアを築いている人材が多い傾向が見られます。これは、長期的な視点での人材育成や働きがいを重視する企業文化が背景にあると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 9,061,743円 |
| 平均勤続年数 | 20.0年 |
| 平均年齢 | 45.4歳 |
| 単体従業員数 | 4,596人 |
| 連結従業員数 | 75,635人 |
| 単体のグループ内比率 | 6.1% |
同社グループは確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)の退職給付制度を設けており、国内グループ会社および海外子会社を含む範囲で適用されています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、社員の「“はたらく”に歓びを」と事業成長の同時実現を人的資本の考え方としています。デジタルサービス企業としての競争力確立に向け、人的資本を経営戦略の重要要素と位置付けています。
リコー式ジョブ型人事制度を導入し、事業戦略に対応した組織・ポジション設計に基づき、役割・責任・重要度に応じてジョブグレードと報酬を決定しています。外部労働市場の動向や水準を踏まえ、市場競争力のある賃金水準を確保することを基本方針としています。基本給はジョブグレードと個人の発揮成果に基づく定期昇給、物価水準や世間動向を踏まえた賃金改善を含めて決定されます。賞与はグループの連結業績と個人の業績成果に基づいて決定される仕組みです。報酬水準の妥当性を客観的に確認するため、外部の報酬ベンチマークを活用し、定期的に市場競争力を検証しています。
中期経営戦略’26では、「企業価値向上に寄与する企業文化の醸成」を軸に、「事業成長を支えるケイパビリティの獲得と人材ポートフォリオ最適化」と「個人の能力を最大限に発揮させる人的資本施策」の両輪で取り組みを推進しています。主体性と挑戦を尊重する組織風土への転換を目指すカルチャー変革も進めています。
具体的な人材戦略として、デジタル人材の確保・育成、グローバル最適な確保・配置・育成、日本におけるジョブ型マネジメント推進、カルチャー変革の推進を掲げています。デジタル・AI人材の育成と重点領域への再配置を加速するため、社内認定制度等の学習環境を整備しています。また、インクルーシブな企業文化とワークライフ・マネジメントを推進し、ハイブリッドワークの実施により場所にとらわれない働き方を実現しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点の数値です。男女の賃金格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性比率 | 10.0% |
| 男性の育児休業取得率 | 93.3% |
| 男女の賃金格差(全従業員) | 80.8% |
| 男女の賃金格差(うち正社員) | 78.6% |
| 男女の賃金格差(うちパート・有期雇用者) | 86.6% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ リコージャパン
正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点の数値です。男女の賃金格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。男性の育児休業取得率は、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員に占める女性比率 | 21.2% |
| 管理職に占める女性比率 | 9.8% |
| 男性の育児休業取得率 | 101.6% |
| 男女の賃金格差(全従業員) | 83.6% |
| 男女の賃金格差(うち正社員) | 80.1% |
| 男女の賃金格差(うちパート・有期雇用者) | 95.5% |
▼ エトリア
正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点の数値です。男女の賃金格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。男性の育児休業取得率は、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員に占める女性比率 | 11.3% |
| 管理職に占める女性比率 | 3.2% |
| 男性の育児休業取得率 | 102.2% |
| 男女の賃金格差(全従業員) | 77.2% |
| 男女の賃金格差(うち正社員) | 77.0% |
| 男女の賃金格差(うちパート・有期雇用者) | 69.2% |
▼ PFU
正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点の数値です。男女の賃金格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員に占める女性比率 | 21.0% |
| 管理職に占める女性比率 | 10.5% |
| 男性の育児休業取得率 | 90.6% |
| 男女の賃金格差(全従業員) | 79.4% |
| 男女の賃金格差(うち正社員) | 77.6% |
| 男女の賃金格差(うちパート・有期雇用者) | 90.7% |
グループ全体(連結)
正社員に占める女性比率は2026年3月末時点、管理職に占める女性比率は2026年4月1日時点の数値です。男女の賃金格差は職務、等級、年齢構成の違いによるものです。男性の育児休業取得率は、海外連結会社のデータ収集を実施していないため記載を省略しています。男性の育児休業取得率は、前連結会計年度以前に子が生まれた社員が当連結会計年度に取得するケースがあるため、100%を超えることがあります。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 正社員に占める女性比率 | 30.1% |
| 管理職に占める女性比率 | 17.9% |
| 男性育児休業取得率 | 111.6% |
| 男女の賃金格差(全従業員) | 86.3% |
| 男女の賃金格差(うち正社員) | 84.9% |
| 男女の賃金格差(うちパート・有期雇用者) | 91.4% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| IDPに基づく異動率 | 74% |
| プロセスDX人材のブロンズ認定完了率 | 98% |
| 社員エンゲージメント | 3.89 |
| デジタルスキルレベル2以上のスキル保有数 | 延べ12,000スキル |
| 共創プロジェクト比率 | 43% |
| テクノロジーアセスメント人材増加率(前年度比) | 30%増 |
| 社会貢献活動への社員参加率(延べ参加人数ベース) | 87% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社リコーは、デジタルサービス、デジタルプロダクツ、グラフィックコミュニケーションズ、インダストリアルソリューションズ、その他といった多岐にわたる事業を展開しています。お客様のワークフロー全体の変革や働き方改革を支援するデジタルサービスの会社への変革を目指し、グローバルな顧客基盤を活かしたサービス提供に注力しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、世界約200の国と地域で事業を展開し、開発、生産、販売、サービスを一体となって行っています。特に「はたらく人の創造力を支え、ワークプレイスを変えるサービスを提供するデジタルサービスの会社」となることを目指し、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスの3つの注力領域で事業を進めています。為替変動が業績に影響を与える傾向があり、特に米ドルやユーロに対する為替レートの変動は売上高に影響を与えています。特定の単一顧客への収益集中は見られません。
デジタルサービス
当事業セグメントは、オフィス向け複合機・プリンター・スキャナー等の画像機器や消耗品の販売・保守サービスに加え、プロセスオートメーション、ワークプレイスエクスペリエンス、ITサービスといったオフィスサービスを提供しています。お客様のワークフロー変革や働き方改革を支援しており、国内ではITサービスやアプリケーションサービスが伸長し、ストック契約の獲得にも注力しています。収益は、画像機器の販売・保守サービスや各種オフィスサービスの提供から得ています。
デジタルプロダクツ
当事業セグメントは、オフィス向け複合機やプリンター、スキャナー等の画像機器、デジタルコミュニケーションを支えるエッジデバイスの開発・生産(OEMを含む)に取り組んでいます。新製品の発売や合弁会社「エトリア株式会社」を通じた開発・生産体制の強化を進めています。収益は、画像機器やエッジデバイスの製造・販売から得ています。
グラフィックコミュニケーションズ
当事業セグメントは、商用印刷事業と産業印刷事業で構成されています。商用印刷事業ではデジタル印刷関連の製品・サービスを、産業印刷事業では産業用インクジェットヘッド・インク・プリンター等を製造・販売しています。アナログからデジタルへの転換期にある印刷業界のニーズに応え、戦略機種の拡販によりノンハード収益の積み上げを図っています。収益は、デジタル印刷関連製品や産業用印刷機器の製造・販売、および関連サービスから得ています。
インダストリアルソリューションズ
当事業セグメントは、サーマル事業と産業プロダクツ事業に分かれています。サーマル事業ではバーコードラベル用の感熱紙や熱転写リボン、機能性包材市場のラベルレスサーマルを製造・販売し、産業プロダクツ事業では製造業向けの自動化設備や検査装置、自動車業界向けの精密部品を製造・販売しています。環境負荷低減に貢献する製品や生産効率向上に寄与する自動化設備に注力しています。収益は、感熱紙や精密部品、自動化設備の製造・販売から得ています。
その他
当事業セグメントには、360度カメラにソフトウェアやクラウドサービスを組み合わせ、不動産・建設・土木等の現場のデジタル化に寄与するSmart Vision事業をはじめ、社会課題に対応する新規事業やカメラ関連事業等が含まれます。RICOH GRシリーズを中心としたカメラ関連事業が好調に推移しています。収益は、デジタルカメラや360度カメラ、新規事業関連の製品・サービス提供から得ています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの連結業績は、過去5年間で売上高が着実に増加傾向にあります。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、増減を伴いながらも直近の当連結会計年度では増加となりました。特に当連結会計年度は、オフィスサービス事業の成長や企業価値向上プロジェクトの効果、為替影響などにより、売上高、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益がいずれも前連結会計年度に比べて増加しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1兆7,586億円 | 2兆1,342億円 | 2兆3,490億円 | 2兆5,279億円 | 2兆6,083億円 |
| 税引前利益 | 444億円 | 813億円 | 682億円 | 701億円 | 923億円 |
| 税引前利益率 | 2.5% | 3.8% | 2.9% | 2.8% | 3.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 304億円 | 544億円 | 442億円 | 457億円 | 557億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 45.35 | 88.13 | 72.58 | 78.11 | 97.80 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前連結会計年度に比べて増加しています。また、従業員1人あたり営業利益も同様に増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。これは、売上高の増加と営業利益の改善が、従業員数に対して効率的に達成されていることを示唆しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 32.1百万円 | 34.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.8百万円 | 1.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
リコーグループは、安定した財務基盤を築き、事業活動で得た資金を効率的に活用しています。将来に向けた投資と株主還元を計画的に進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
リコーの財務基盤は、自己資本比率が45.5%となっており、前期から増加しています。これはプライム市場の製造業平均(46.8%)に近い水準を示しています。ROE(自己資本利益率)は5.1%で、前期から改善していますが、プライム市場平均(9.4%)を下回っています。手元資金である現金及び現金同等物は2,049億円を確保しており、安定した事業運営を支える資金を保持している状況です。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 自己資本 | 1兆301億円 | 1兆1,561億円 |
| 自己資本比率 | 43.7% | 45.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.4% | 5.1% |
| 現金及び現金同等物 | 1,907億円 | 2,049億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
リコーグループの営業活動によるキャッシュ・フローは1,581億円の収入となり、前期に比べて増加しました。これは主に棚卸資産の増加や、前期に発生した仲裁判断に伴う預り金の返還による支出増加の反動などがあったものの、現金収入が増加したためです。投資活動によるキャッシュ・フローは725億円の支出となり、前期に比べて支出が減少しました。これは米国のマネージドITサービス事業の売却や国内での固定資産売却による収入があったためです。
その結果、フリー・キャッシュ・フローは856億円の収入となり、前期から増加しています。本業で安定的に資金を創出し、事業成長のための投資も継続している状況です。財務活動によるキャッシュ・フローは831億円の支出となり、前期に比べて支出が増加しました。これは主に借入債務による調達が減少したことによるものです。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した資金を創出し、将来に向けた投資と財務の健全性を両立させていることがうかがえます。
| 項目 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1,369億円 | 1,581億円 |
| 投資CF | △794億円 | △725億円 |
| 財務CF | △456億円 | △831億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 575億円 | 856億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
リコーグループは、事業環境の変化に対応するため、収益構造の移行を重要なリスクと認識しています。事業ポートフォリオの再構築や成長分野への戦略的投資が計画通りに進まない場合、収益性の改善に遅れが生じる可能性があります。また、オフィスプリンティング市場におけるペーパーレス化の進行や部品調達コストの上昇も、業績に影響を与えるリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、デジタルサービスの会社への変革を成し遂げる上で、人材の確保・育成・管理を重要なリスクと捉えています。特に、将来の経営人材やデジタル・AI等の高度な技術人材の確保・育成が十分に進まない場合、事業ポートフォリオの変革や新たな価値創出が停滞し、業績や中長期的な成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
リコーグループは、構造改革費用引当金を1,769百万円計上しています。この費用は事業再編や固定費削減を目的とした構造改革活動に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
リコーは、創業以来の精神を大切にしながら、デジタルサービス企業への変革を進めています。お客様の「はたらく場」に寄り添い、持続可能な社会の実現を目指す企業文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、創業の精神である「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」からなる「三愛精神」を変わらず大切にしています。この精神のもと、「“はたらく”に歓びを」を「使命と目指す姿」と定めています。
AI技術の普及と発展が進む中で、同社グループは“はたらく”に寄り添い変革を起こし続けることを目指しています。人ならではの創造力の発揮を支え、持続可能な未来の社会をつくることをビジョンとしています。
また、同社グループはデジタルサービスの会社として進化を続け、お客様の「はたらく場(ワークプレイス)」においてインテグレーターとなることを目指しています。自社及び他社の製品・サービス、ソフトウェアを組み合わせることで、お客様の競争優位性及び差別化に貢献していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
リコーは、創業の精神である「三愛精神」を企業文化の根幹に置いています。この精神に基づき、「リコーグループ企業行動規範」を企業カルチャーの基本として、社員への周知・浸透を徹底しています。
同社グループは、世界中のあらゆる多様性や価値観を互いに受け入れ、グローバルで一体となって働くことを重視しています。多様な人材がそれぞれの強みを活かして協働することで、新たなイノベーションを創出できると考えています。
そのため、誰もが能力を最大限発揮できる「インクルーシブな企業文化」と「ワークライフ・マネジメント」を経営戦略の一つとして推進しています。社員一人ひとりが自律的に役割と成果に向き合い、成長と挑戦を実感できる人事・報酬制度の実現を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、中期経営戦略’26において、事業成長を支える基盤として「人材の活性化」を基本方針の一つに掲げています。事業成長を支える能力の獲得と人材ポートフォリオの最適化、そして個人が能力を最大限に発揮できる環境・制度の整備を主要な人的資本施策として推進しています。
具体的には、グローバル人材の活用や顧客接点人材の技術系資格取得の推進、リスキリングの継続・強化に取り組んでいます。また、デジタル・AIを活用した業務改革により生産性を高め、創出された人的リソースを成長領域へ再配置することで、事業ポートフォリオの進化に即した人材ポートフォリオの最適化を進めています。
さらに、ESGの取り組みを「将来財務」と位置づけ、「ESGグローバルトップ企業」を目指しています。持続可能な社会「Three Ps Balance」(Prosperity(経済)、People(社会)、Planet(地球環境))への貢献と企業価値向上を目標として、特定したマテリアリティとESG目標に対する取り組みを進めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
リコーは監査役会設置会社であり、取締役会の過半数を社外取締役が占める体制で経営監督を強化しています。指名委員会と報酬委員会が設置され、役員の指名や報酬決定の客観性と透明性を確保しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
リコーの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主となっています。その他、ゴールドマン・サックス・インターナショナルや株式会社日本カストディ銀行といった機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねています。特定の株主が突出して高い比率を占める状況ではなく、幅広い投資家によって支えられている資本構成です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 15.00% |
| GOLDMAN SACHS INTERNATIONAL(常任代理人 ゴールドマン・サックス証券株式会社) | 7.85% |
| 株式会社日本カストディ銀行(信託口) | 5.77% |
注記には、エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーが2026年3月2日現在で24.77%の株式を所有している旨が記載されていますが、同社として2026年3月31日時点における実質所有株式数の確認ができないため、大株主の状況には含められていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性12名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.7%です。代表取締役CEOは大山晃氏が務めています。社外取締役比率は62.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 大山 晃 | 代表取締役CEO | 1986年同社入社、RICOH EUROPE PLC社長兼COO、同社CFO、CMO、ワークプレイスソリューション事業本部長などを経て、2023年より同社代表取締役社長執行役員CEO。 |
| 山下 良則 | 取締役 会長指名委員 | 1980年同社入社、RICOH UK PRODUCTS LTD.管理部長、RICOH ELECTRONICS, INC.社長、同社社長執行役員CEOなどを経て、2023年より同社代表取締役会長。 |
| 川口 俊 | 取締役CFO | 1986年同社入社、INFOPRINT SOLUTIONS LLC CFO、リコーリース株式会社取締役専務執行役員などを経て、2022年より同社CFO、2023年より同社取締役。 |
社外取締役は、横尾敬介氏(元みずほ証券取締役社長・取締役会議長・指名委員・報酬委員)、谷定文氏(元時事通信社常務取締役・指名委員・報酬委員長)、石村和彦氏(元AGC代表取締役会長・筆頭社外取締役・指名委員・報酬委員)、石黒成直氏(元TDK代表取締役会長・指名委員長・報酬委員)、武田洋子氏(株式会社三菱総合研究所常務研究理事・指名委員・報酬委員)です。
同社は監査役会設置会社を採用しています。取締役会の過半数を独立社外取締役が占め、取締役会議長も社外取締役が務めることで、経営の透明性と公正な意思決定の向上を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
リコーの役員報酬は、役割に応じて固定報酬、業績連動型賞与、株式報酬の3つの要素で構成されています。執行役員を兼務する社内取締役はこれら全てが対象となり、中長期的な株主価値向上へのインセンティブを強化しています。社外取締役と監査役は、公正な監督・監査に専念できるよう基本報酬のみで構成されています。社長執行役員の場合、業績目標の達成度合いに応じて固定報酬と変動報酬の比率が変動する仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 3.6億円 | 1.20億円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 62百万円 | 31.0百万円 |
| 社外役員 | 8名 | 1.2億円 | 15.5百万円 |
| 社外取締役 | 5名 | 81百万円 | 16.2百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 43百万円 | 14.3百万円 |
報酬等の額には、従業員兼務取締役の従業員分給与は含まれていません。
個人別報酬が開示されている役員は、大山晃氏(1.81億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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