0編集部が注目した重点ポイント
① フィルム型ペロブスカイト太陽電池の事業化を開始
2026年度より現有生産設備を活用し、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品提供を開始します。環境省の導入支援事業で採択された自治体や事業者への提供を進め、2027年度には100MWの第1生産ラインを立ち上げ供給量を大幅に拡大する計画です。次世代エネルギー領域での新たなキャリア機会が広がります。
② 住宅事業等の高付加価値品シフトが成果を発揮
新築住宅市況の低迷が続く中、集合住宅や高価格帯戸建へのシフトにより棟単価の上昇と利益率の改善を実現しました。リフォーム事業の伸長や環境・ライフライン分野でのスプレッド維持など、稼ぐ力を強化する構造改革が着実な成果を上げています。
③ 4期連続での最高売上高更新と安定した株主還元
2025年度は4期連続となる過去最高の売上高を更新しました。また、1株あたり年間配当金は16期連続増配を達成し、次期も増配を計画しています。安定した財務基盤のもと、長期的な視点での成長投資が行われている点は、転職者にとっても大きな安心材料となります。
1連結業績ハイライト
出典:2025年度(2026年3月期)決算および2026年度経営計画説明会 P.16
売上高
1兆3,093億円 +0.9%
営業利益
1,065億円 -1.4%
経常利益
1,172億円 +5.6%
純利益
752億円 -8.2%
2026年3月期(通期)の連結業績は、売上高1兆3,093億円(前期比+0.9%)、営業利益1,065億円(同-1.4%)となりました。国内外の住宅・非住宅市況の低迷や、メディカル事業における重点感染症検査キットの需要減等の影響により、営業利益は見通し(1月)をやや下回り減益となりました。しかし、半導体や航空機関連の市況が堅調に推移したことで、売上高は4期連続で過去最高を更新しています。
通期予想に対する進捗としては、為替差益の増加により経常利益は見通しを上回り過去最高益を達成するなど、厳しい外部環境の中においても概ね順調な着地と言えます。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度(2026年3月期)決算および2026年度経営計画説明会 P.7
高機能プラスチックスカンパニー
事業内容:エレクトロニクス、モビリティ、インダストリアル分野向けの高機能材料の製造・販売。
業績推移:売上高4,566億円(前期比+2.1%)、営業利益593億円(同-3.1%)。
注目ポイント:EV市場の成長鈍化が見られる中でも、ヘッドアップディスプレイ(HUD)向け高機能中間膜や航空機向け部材が堅調に推移し、売上増を牽引しています。半導体やディスプレイ向け材料の需要も旺盛であり、高度な材料技術を活かした新規用途開発を担える専門技術人材の活躍機会が豊富です。
住宅カンパニー
事業内容:ユニット住宅の製造・販売、リフォーム、不動産・まちづくり等のレジデンシャル事業。
業績推移:売上高5,362億円(前期比+2.3%)、営業利益372億円(同+18.1%)。
注目ポイント:新築住宅の売上棟数は減少したものの、都市部での集合住宅や高価格帯戸建の拡大により棟単価が大幅に上昇し、増益に貢献しました。また、断熱リフォームを中心とした商材メニューの強化や、レジデンシャル事業での賃貸管理・買取再販が成長しており、ストック型ビジネスでの企画・営業人材の需要が高まっています。
環境・ライフラインカンパニー
事業内容:パイプ・システムズ、住・インフラ複合材、インフラ・リニューアル事業。
業績推移:売上高2,404億円(前期比-0.0%)、営業利益232億円(同+1.3%)。
注目ポイント:国内の住宅・非住宅市況の低迷やインド市況の影響を受けたものの、耐火・不燃材料の新規採用拡大や、合成木材(FFU)まくらぎの欧州での採用拡大が業績を下支えしています。老朽化インフラの更新需要を捉える管路更生事業も順調であり、社会インフラを支えるグローバルな事業開発や施工管理の専門性が求められます。
メディカル事業
事業内容:臨床検査薬・機器の製造・販売、医薬品原薬・中間体、創薬支援。
業績推移:売上高937億円(前期比-5.5%)、営業利益111億円(同-13.0%)。
注目ポイント:米国における重点感染症検査キットの需要減や中国の市況低迷により減収減益となりましたが、国内の免疫検査需要や創薬支援事業は堅調に推移しています。今後は米欧中での拠点集約による収益性改善と、新製品拡販によるシェア拡大を図るフェーズであり、グローバル市場での再成長を牽引する人材が期待されています。
その他事業
事業内容:フィルム型リチウムイオン電池など、新規領域における製品製造・販売。
業績推移:売上高127億円(前期比+2.8%)、営業利益78億円(同+4.1%)。
注目ポイント:次世代エネルギーデバイスとして期待されるフィルム型リチウムイオン電池等、グループの未来を担う新規事業がこのセグメントに含まれます。技術の社会実装に向けた実証実験や事業化フェーズにあるため、ゼロからイチを生み出す事業立ち上げ経験を持つ人材が活躍できるフィールドです。
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度(2026年3月期)決算および2026年度経営計画説明会 P.15
2026年度(2027年3月期)の経営計画では、先行き不透明な市場環境が継続することを想定しつつも、高機能・高付加価値品へのシフトをさらに推進し、全セグメントでの増収増益を見込んでいます。全社で過去最高売上高(1兆4,084億円)および営業最高益(1,150億円)の更新を計画しており、非常に前向きなモメンタムにあります。
特に注目すべきは、ペロブスカイト太陽電池の事業化開始や、総額115億円にのぼる人的資本投資(労務費増)など、次世代の成長に向けた仕込みが本格化している点です。中東情勢の悪化による原料高騰などのリスクに対しては、価格転嫁や調達先の分散によって影響を最小化する方針が示されています。積極的な新規事業投資と既存事業の高収益化が並行して進んでおり、変革期をリードできる人材にとって非常に魅力的なタイミングと言えます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
積水化学工業は、社会課題解決と事業成長を両立させる「ESG経営」を中核に据えています。面接では、高付加価値製品の拡販や新規事業(ペロブスカイト太陽電池など)の立ち上げに対する自身の貢献イメージを具体的に語れると高評価に繋がります。また、各カンパニーが推進するグローバル展開や構造改革に対し、前職での課題解決経験をどう活かせるかをアピールしましょう。
面接での逆質問例
「2026年度からのフィルム型ペロブスカイト太陽電池の事業化など、中長期的な事業拡大フェーズにおいて中途採用者に最も期待される役割やマインドセットはどのようなものでしょうか?」
「人的資本投資を積極的に行われていると拝見しましたが、部門を越えた人材の交流や、新規事業創出に向けた社内の支援体制について詳しくお聞かせください。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル
プロパー社員は各地への出向を経て、本社に戻ってくる
中途採用はここ数年増えてきたが、まだまだ少ない。プロパー社員は各地への出向を経て、本社に戻ってくるキャリアパスがほとんど。
(30代前半女性・建築設計・正社員) [キャリコネの口コミを読む]制度面の充実度と活用度は問題ない
本社部門は産休育休を経て復帰している人も複数人おり、ここ数年で増えていると感じる。時短制度や時間休の取得など、制度面の充実度と活用度は問題ないと思う。
(30代前半女性・建築設計・正社員) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年度(2026年3月期)決算および2026年度経営計画説明会
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



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