0編集部が注目した重点ポイント
① 報告セグメントを5区分へ刷新し成長領域へ集中する
2027年3月期より、従来の4セグメントから「基礎素材」「付加価値素材」「バイオサイエンス」「高機能材料」「水処理エンジニアリング」の5区分へ変更することを決定しました。成長分野の事業価値を明確化し、高付加価値領域の採用機会を拡大させる戦略的再編です。
② 水処理エンジニアリングが好調で営業利益404億円を達成する
エンジニアリング事業において、最先端半導体工場向け水処理プラントやソリューション案件が堅調に推移し、営業利益404億円(前期比20.1%増)と大きく伸長しました。半導体市場の拡大に伴い、水処理技術者や環境エンジニアの需要が急増しています。
③ バイオ医薬品・半導体材料の生産能力増強を加速する
分離精製剤の南陽事業所・四日市事業所での設備新増設をはじめ、スパッタリングターゲットやクロロプレンゴムなど強みを持つスペシャリティ製品への大型投資を連続実行しています。先端分野での技術開発およびグローバル営業人材の参画機会が広がっています。
1連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.5
売上高
1兆199億円
前期比 △4.1%
営業利益
955億円
前期比 △3.4%
経常利益
1,068億円
前期比 +3.6%
親会社株主に帰属する当期純利益
416億円
前期比 △28.3%
当連結会計年度における業績は、ナフサ価格や海外市況の下落に伴う製品価格低下により、売上高が前期比4.1%減の1兆199億円となりました。営業利益は水処理エンジニアリング事業の伸長や交易条件改善があったものの、固定費増加により前期比3.4%減の955億円となった一方、為替差益計上により経常利益は前期比3.6%増の1,068億円を達成しました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、米国子会社トーソー・SMD, Inc.の製造設備に関する減損損失(特別損失195億円)を計上したことから、前期比28.3%減の416億円となりました。
通期目標に対する実績は、基礎素材の市況低迷をスペシャリティ分野とエンジニアリング事業が補う構造により、1,000億円規模の経常利益水準を維持しており、着実な収益基盤の強さを示しています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.7
石油化学事業
事業内容:エチレン・プロピレンなどのオレフィン製品、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、クロロプレンゴム等の製造・販売を手掛けます。
業績推移:ナフサ価格や海外市況の下落を受け、売上高1,697億円(前期比17.1%減)、営業利益97億円(前期比32.0%減)となりました。
注目ポイント:中京地区唯一のナフサクラッカーを有する優位性を活かし、汎用品のコスト競争力強化とポリエチレン高純度薬液容器向けなどの差別化製品への転換を推進しています。2030年春の商業運転を目指すクロロプレンゴム能力増強など、強みを持つ製品のグローバル展開をリードする技術・開発人材が求められます。
注目職種:高分子材料開発エンジニア、プラント技術者、有機化学営業
クロル・アルカリ事業
事業内容:苛性ソーダ、塩化ビニルモノマー、塩化ビニル樹脂、ウレタン原料(MDI、HDI誘導品等)、セメント等の製造・販売を網羅します。
業績推移:アジ城市況の停滞に伴い、売上高3,460億円(前期比7.4%減)、営業利益19億円(前期比79.8%減)となりました。
注目ポイント:ベトナム(トーソー・ベトナム・ポリウレタン Co., Ltd)での粗MDIスプリッター新設(2027年春稼働予定)や、HDI誘導品の能力増強投資を進めています。また南陽事業所でのバイオマス発電所稼働(2026年5月)など、脱炭素・省エネ技術と海外事業推進のプロフェッショナルが必要とされています。
注目職種:ウレタン材料技術開発、海外プラント建設エンジニア、環境・省エネ推進企画
機能商品事業
事業内容:エチレンアミンや臭素等の有機化成品、バイオサイエンス(診断用医薬品・分離精製剤)、高機能材料(ジルコニア、石英ガラス、ターゲット材等)を供給します。
業績推移:高機能材料の伸長や交易条件の改善により、売上高2,729億円(前期比0.9%増)、営業利益399億円(前期比3.4%増)と増収増益を達成しました。
注目ポイント:バイオ医薬品向け分離精製剤の南陽・四日市事業所での生産能力増強や、スパッタリングターゲットの設備増強を実行しています。先端半導体およびライフサイエンスという高成長市場に対し、高付加価値な製品を投入する研究開発者や技術営業職の重要性が一層高まっています。
注目職種:バイオ分離精製研究員、電子材料(スパッタリングターゲット・石英)開発、スペシャリティ営業
エンジニアリング事業
事業内容:連結子会社オルガノ株式会社を中心に、各種プラント水処理装置の製造・販売および建設・メンテナンス事業を展開します。
業績推移:最先端半導体工場の需要拡大を受け、売上高1,864億円(前期比10.1%増)、営業利益404億円(前期比20.1%増)と大幅な増収増益を達成しました。
注目ポイント:AI関連などの半導体プロジェクトにおいて、超純水供給やメンテナンスなどソリューション型ビジネスが非常に好調です。国内外で大型案件を獲得しており、グローバル展開を支える水処理エンジニアやフィールドエンジニアの積極採用が行われています。
注目職種:水処理プラント設計エンジニア、施工管理技士、フィールドサービスエンジニア
その他事業
事業内容:運送・倉庫、検査・分析、情報処理など、グループを基轄する各種サポートサービス事業を行っています。
業績推移:売上高449億円(前期比1.0%減)、営業利益36億円(前期比24.1%増)と着実な増益を確保しました。
注目ポイント:グループ全体の製造・物流・データ基盤のデジタル化やオペレーション効率化を推進しています。高度な環境分析技術やロジスティクス戦略を担う基盤職種において専門人材が活躍しています。
注目職種:環境分析化学スペシャリスト、物流企画・SCMスペシャリスト、ITシステムエンジニア
3今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.18
次期(2027年3月期)の連結業績見通しについては、中東情勢の悪化に伴う原燃料コストや海上輸送の混乱など不確実要素が多いため「未定」として発表されていますが、合理的な算出が可能となり次第速やかに開示される予定です。経営面では、「成長」と「脱炭素」の両立を掲げ、2027年3月期より新セグメント5区分(「基礎素材」「付加価値素材」「バイオサイエンス」「高機能材料」「水処理エンジニアリング」)へと刷新されます。さらに、総還元性向50%を基本とする株主還元方針のもと、3年間で500億円規模の自己株式取得を計画するなど明確な還元姿勢を示しています。先端成長領域への経営資源集中が進む中で、新規事業立ち上げや海外展開を牽引する中核人材の採用が一段と期待されています。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「基礎素材」の強固な基盤に加え、バイオ医薬品向け分離精製剤や半導体材料、水処理エンジニアリングなど高付加価値領域での能力増強投資を強力に推進しています。「自身の技術や専門性を強みとするプロダクトの成長にどう寄与できるか」を具体的に示すことが、説得力ある志望動機形成のポイントとなります。
面接での逆質問例
- 2027年3月期からの新セグメント5区分への再編により、「バイオサイエンス」や「高機能材料」における開発・営業体制はどのように強化されますか。
- 半導体・バイオ医薬品分野向け製品の増産投資が続いていますが、海外での販売拡大やグローバル新規顧客開拓において中途採用者に最も期待される役割は何ですか。
- 「成長」と「脱炭素」の両立を掲げる中で、南陽事業所バイオマス発電所の稼働など環境対応施策が各事業部門の製品差別化にどう活かされていますか。
5転職者が知っておきたい現場のリアル
一部の人間に仕事が集中し
1人あたりの業務量が減っているわけではなく、そもそも工数の管理がきちんとされていないため、一部の人間に仕事が集中し、サービス残業や仕事の家への持ち帰りをしている人間も見られる。
(30代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算説明資料



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