東京精密の転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

東京精密の転職研究 2026年3月期通期決算に見るキャリア機会

東京精密の2026年3月期通期決算は、売上高1,668億円で最高更新。HPC向け半導体装置が牽引。「なぜ今東京精密なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

① HPC需要が牽引し売上高1,668億円で最高更新

2026年3月期は、生成AIやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向け需要が強固に推移し、連結売上高が前期比+10.8%の1,668億円と既往ピークを更新しました。付加価値の高いプローバ出荷が増加しており、先端半導体分野での技術優位性が業績の拡大を力強く牽引しています。

② 名古屋工場竣工と八王子新拠点開設で生産能力を拡充する

加工装置需要の増加に対応するため、名古屋工場が竣工して生産キャパシティが拡大しました。さらに飯能工場近隣での新建屋建設や東京都八王子市での新生産拠点設立準備など、大型の生産インフラ投資を進めています。生産能力の向上に伴い、生産技術や製造オペレーション人材のキャリア機会が拡充しています。

③ 航空・防衛分野を開拓し計測機器も売上最高を達成する

計測機器部門では自動車向けの安定需要に加え、航空・宇宙・防衛分野での新規案件獲得やハイブリッド車向け設備投資を捉え、売上高が前期比+5.1%の389億円と既往ピークを更新しました。オートメーション化や半導体装置との技術シナジー推進により、多角的な領域で専門人材の需要が高まっています。

1 連結業績ハイライト

2026年3月期通期決算は、生成AIやHPC向け半導体製造装置の強い需要に支えられ、売上高・営業利益・経常利益ともに前期を上回り最高益水準を更新しました。
2025年度 連結業績

出典:BR_2026_4q_J_rev.pdf P.3

売上高

1,668億円 (+10.8%)

営業利益

337億円 (+13.6%)

経常利益

348億円 (+16.3%)

当期純利益 (親会社株主帰属)

247億円 (△3.5%)

2026年3月期の連結業績は、生成AIやHPC向けの旺盛な需要を背景に、売上高が前期比+10.8%の1,668億円、営業利益が同+13.6%の337億円と大幅な増収増益を達成しました。部材費や人件費の上昇圧力や、一部製品の不具合対策費用の計上(特別損失18億円)があったものの、高付加価値製品の出荷比率向上により営業利益・経常利益ともに過去最高水準を達成しています。



公表された通期業績予想に対しても、2月公表の修正予想(売上高1,650億円、営業利益320億円)を上回って着地しており、進捗評価は「順調」と評価できます。AI関連投資の追い風を確実に捕らえ、極めて健全な収益力を維持しています。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

社内カンパニー制を採る「半導体製造装置部門」と「計測機器部門」の2セグメントにおける動向と採用機会を解説します。
半導体製造装置セグメント 業績推移

出典:BR_2026_4q_J_rev.pdf P.5

半導体製造装置部門

事業内容:半導体製造工程で使用される加工装置(グラインダ・ダイサ等)および検査装置(プローバ等)の開発・製造・販売を展開しています。

業績推移:売上高は1,278億円(前期比+12.7%)、営業利益は284億円(前期比+16.8%)となり、売上高は過去最高を更新しました。

注目ポイント:生成AIやHPC向けにHBM用プローバやグラインダの需要が急増しています。さらに名古屋工場の竣工に加え、飯能工場近隣での新建屋建設や八王子市での新生産拠点設立を進めており、生産キャパシティを急速に拡大中です。最先端プロセスの技術開発やグローバルOSAT対応、自動化生産ライン構築を担うエンジニアや生産技術者の重要性が一層高まっています。

注目職種:半導体検査・加工装置の開発エンジニア、制御ソフトウェア技術者、生産技術

計測機器部門

事業内容:三次元座標測定機や表面粗さ測定機などの精密測定機器、充放電試験システム等の製造・販売を行っています。

業績推移:売上高は389億円(前期比+5.1%)、営業利益は53億円(前期比△1.1%)となり、売上高・受注高ともに過去最高を更新しました。

注目ポイント:国内自動車メーカーのハイブリッド車向け追加投資や、航空・宇宙・防衛領域での新規案件獲得が成長を牽引しています。汎用計測機器とロボットを組み合わせた自動化ソリューションや、半導体装置との技術シナジー(計測ビルトイン装置)の開発に注力しており、要素技術開発やシステム提案型ソリューション営業の経験者が求められています。

注目職種:精密計測機器の機構・制御設計、ロボット連携ソリューションエンジニア、フィールドエンジニア

3 今後の見通しと採用の注目点

次期(2027年3月期)は売上高1,815億円、営業利益400億円を見込み、生成AI需要やインフラ投資を追い風に成長スピードを維持します。
2026年度通期業績予想

出典:BR_2026_4q_J_rev.pdf P.18

次期(2027年3月期)の連結業績予想は、売上高1,815億円(前期比+8.8%)、営業利益400億円(同+18.6%)と、引き続き二桁成長と営業利益率22%への向上を見込んでいます。生成AIを含むHPC関連の強い需要継続に加え、汎用メモリやロジック半導体の生産拡大が成長を強力に後押しする見通しです。



中期経営計画(2025〜2027年度)の2年目として、高付加価値プローバ等の戦略製品の成長促進や、飯能新建屋・八王子新工場等のインフラ投資を着実に推進します。海外デモセンターの強化やリカーリングビジネスの拡大に伴い、最先端開発を担うR&D人材やグローバルエンジニアの採用活動が一段と活性化する見込みです。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

東京精密は「計測で未来を測り、半導体で未来を創る」というパーパスのもと、世界トップクラスの技術力を誇ります。志望動機では、生成AIやHPC市場を支える最先端半導体製造装置の開発や、航空・防衛・自動化へと広がる精密計測技術の進化に対し、ご自身の専門領域(機械、電気、制御ソフト、生産技術など)からどのように貢献できるかを具体的に示すことが有効です。特に「長期成長に向けた生産基盤の拡張」や「2分野の技術シナジー」に共感し、自ら挑戦する姿勢を打ち出すと高い評価に繋がります。

Q&A

面接での逆質問例

  • 「HPCやHBM向け高精度温度制御プローバなどの最先端装置開発において、半導体社と計測社の技術シナジーは具体的にどのように活かされているでしょうか?」
  • 「名古屋工場の竣工や八王子新拠点の設立準備など生産キャパシティの拡張が進む中で、生産技術や開発現場で中途採用者に期待される役割や早期活躍の支援体制を教えてください。」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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評価方法については特に不満はありません

個人的には評価方法については特に不満はありませんでした。

(20代後半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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時差の関係で夜に対応すること

ただ海外との仕事がある場合どうしても時差の関係で夜に対応することがありましたが。

(30代前半・研究開発・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 2025年度 (2026年3月期) 決算説明会資料

この記事の執筆者

上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。


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半導体製造装置と精密計測機器の開発・製造・販売を手がける東京精密への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。