0 編集部が注目した重点ポイント
① 新事業「電力倉庫事業」への参入を決定
次期より電力倉庫事業部への改編を行い、事業の準備を本格化させます。大型蓄電池を電力系統に接続し電力の売買を行うインフラ事業であり、再生エネルギー拡大を支える新たなフィールドでのビジネス創出が期待されています。
② アセットマネジメント子会社の設立を計画
次期中にアセットマネジメント子会社を設立し、資産回転型ビジネスへの投資を拡大します。不動産ファンドの組成に向けた準備が進んでおり、物流不動産や海外の賃貸集合住宅など新たなアセットクラスへの展開を担う専門人材の需要が高まっています。
③ インド現地法人の設立など海外事業を拡大
当期においてインド三菱倉庫を設立し営業を開始したほか、マレーシアでの富士物流による新倉庫建設などを推進しています。海外事業の基盤整備が進められており、グローバルアカウントを担当するポジションで活躍できる機会が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 決算説明資料 P.4
営業収益
2,734億円 (前年比3.7%減)
営業利益
159億円 (前年比21.6%減)
事業利益
185億円 (前年比14.9%増)
当期純利益
547億円 (前年比71.9%増)
※事業利益 = 営業利益 + 持分法投資損益 + 資産回転型ビジネス損益(経営計画の新たな成長戦略を反映した利益指標)
2026年3月期(通期)の連結業績は、営業収益が2,734億円(前年比3.7%減)、営業利益が159億円(同21.6%減)となりました。不動産事業において、前期にあった分譲マンション販売や物件売却の反動減があったことや、米国・中国子会社の業績が不調だったことが影響しています。
一方で、経営計画で新たに設定された「事業利益」は、ベトナムの持分法適用会社における業績改善などを背景に、185億円(前年比14.9%増)と増益を達成しました。また、政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券の売却益が大きく寄与し、当期純利益は547億円と前年から大幅な増益となっています。通期予想に対する進捗も、事業利益で102%、当期純利益で110%と堅調に着地しており、グループ経営基盤の強化に向けた施策が着実に成果を上げていると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 決算説明資料 P.6
物流事業
事業内容: 倉庫事業を中核とし、陸上運送、国際運送取扱、港湾運送などをグローバルに展開しています。
業績推移: 営業収益は2,386億円(前年比0.4%増)、セグメント利益(事業利益)は151億円(同84.4%増)となりました。
注目ポイント: 医薬品物流データプラットフォーム「ML Chain」の利用拡大や、自動仕分けロボット「t-Sort」の導入など、先端技術・ロボティクスの活用を通じたサービスの高度化を推進しています。社会課題を解決し得るデジタルトランスフォーメーション(DX)の知見を持つ人材や、グローバルな事業開発をリードできる専門人材の獲得が急務となっています。
💡 注目職種: DX投資・IT推進担当、グローバルアカウント営業
不動産事業
事業内容: 所有地の立地を活かしたオフィスビルや商業施設の不動産賃貸事業、不動産販売などを行っています。
業績推移: 営業収益は362億円(前年比24.1%減)、セグメント利益(事業利益)は119億円(同21.7%減)となりました。
注目ポイント: 既存の賃貸事業に加え、米国での賃貸集合住宅運営事業やタイでの物流施設開発など、海外不動産ビジネスへの参画を積極的に進めています。また、今後は資産回転型ビジネス案件の投資を拡大する方針であり、ファンド組成やアセットマネジメント業務において高い専門性を持つ人材が不可欠な状況です。
💡 注目職種: アセットマネジメント業務担当、海外不動産開発担当
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 決算説明資料 P.21
次期(2027年3月期)の連結業績予想は、営業収益2,800億円(前年比2.4%増)、事業利益204億円(同9.8%増)と、成長基調への回帰を見込んでいます。三菱倉庫は現在、経営計画[2025-2030]に基づき、電力倉庫事業への参入やアセットマネジメント事業への進出など、既存事業の枠組みを超えた非連続な成長を目指すフェーズにあります。これを支える基盤として人的資本経営を強力に推進しており、企業内大学「MLCアカデミー」のグループ展開やタレントマネジメントシステムの刷新を通じて、社員の持続的なキャリア形成を支援する環境が整いつつあります。変革の推進力となる専門人材を外部から積極的に迎え入れている今こそ、同社の新たなステージへ参画する絶好のタイミングと言えます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
三菱倉庫の強みは、物流と不動産という二つの社会インフラ事業を有機的に結びつけるシナジー効果にあります。今後はDX投資やロボティクスの導入を通じた業務プロセスの改善、あるいは電力倉庫事業を通じた脱炭素化の推進など、先端技術を用いてビジネスを高度化する姿勢が鮮明です。自身のこれまでの経験が、同社のイノベーションや社会課題の解決にどう直結するかを言語化することが重要です。
面接での逆質問例
- 新たに計画されているアセットマネジメント子会社において、不動産ファンドの組成を進めていく上で現在最も注力されているアセットクラスの開拓について、どのような方針をお持ちでしょうか?
- 経営計画において専門人材のキャリア採用を強化されていますが、中途入社者が「MLCアカデミー」等の研修制度を活用して、さらに専門性を高めていくための具体的な支援体制について教えてください。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 決算説明資料



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