SHIFTに転職したい人のための企業研究【残業少なめ&研修充実】

SHIFTに転職したい人のための企業研究【残業少なめ&研修充実】

口コミと公開データを元に転職者目線で企業研究。業績と待遇の2つの面で志望企業を掘り下げます。今回取り上げるのはソフトウェア品質保証専業企業のSHIFTです。


成長著しい国内IT業界の中で、約1/3を占有すると言われているのは、ソフトウェアの品質を保証するテストウェア市場。しかし、この市場を専門に扱う会社は、数えるほどしか存在しません。

それをブルーオーシャンと捉えて品質保証専門のプロフェッショナル集団を作り上げたのが、今回取り上げる株式会社SHIFT(以下(株)SHIFT)です。2005年の設立から独自分野で成長を続け、2014年には東証マザーズに上場。今後も高成長が期待できる企業です。

(株)SHIFTの事業内容や業績、気になる「年収」「会社の待遇」「面接対策」にも着目してみましょう。

SHIFTの事業概要~どんな事業をしているのか

SHIFTの事業はソフトウェアテストサービスが中心

(株)SHIFTは、ソフトウェアテストサービスを中心に、エンタープライズ領域とエンターテインメント領域の2つのセグメントでビジネスを展開をしています。ソフトウェアをリリースするまでの工程において、要件定義フェーズと開発フェーズでのアウトソーシングは一般的になっているでしょう。しかし、テストフェーズは社内エンジニアを中心に作業が進められることが多く、日本ではアウトソーシングが進んでいません。

その中で同社は、エンタープライズ系と呼ばれる金融業や流通業などの高度な業務・開発知識が要求される参入が難しい分野に参入し、ソフトウェア品質に関するサービスを提供。開発上流工程でのコンサルティングサービスからテスト実行業務を行うソリューションサービス、さらにはソフトウェア開発プロジェクトのマネジメント支援サービスまで幅広くカバーし、品質や費用対効果の高さを強みとしています。

エンターテインメント領域では、モバイルゲームやソーシャルゲームの開発会社などを対象に、品質管理工程のアウトソーシングに加え、カスタマーサポート業務のアウトソーシングサービスなども提供しています。

SHIFTの業績・財務状況~業績はどうか

全体の業績と財務状況

下のグラフが示す通り、(株)SHIFTの2018年度の売上高は127億9200万円。前年度の81億7400万円と比較すると、1.6倍の急成長を遂げています。

さらに注目したいのは、優秀な人材の獲得に向けた投資額を増やしている点。2018年度の採用費は5億9100万円、既存社員に関する人件費は13億2500万円でした。

また、もう1つのグラフに見られる通り、スキルの高いエンジニアを多く迎ることで、開発プロジェクトの上流工程で高単価のコンサルティング案件の受注を増やすことにつなげました。結果として、会社の営業利益率(高いほど効率的に儲けている)は、2017年度の4.8%から2018年度には9.4%に向上しています。

(株)SHIFTの四半期業績推移(『2018年8月期 第4四半期及び通期決算説明会資料』より)

(株)SHIFTのエンジニア数の推移(『2018年8月期 第4四半期及び通期決算説明会資料』より)

セグメント別の業績と現在の取り組み

次に(株)SHIFTの事業別での業績を見てみましょう。

競合が少ないエンタープライズ領域において確実に成長を遂げています。2018年度の売上高は112億7660万円で、前年度の68億6855万円を大幅に超えました。また、売上全体に対してこの事業領域が占める割合は88%と高く、企業全体の売上増加に大きく寄与する結果になっています。大きな成長の要因となったのは、既存顧客のビジネスの大型化と新規大型顧客の獲得です。グループ会社への発注の増加も、急速な売上拡大に貢献していると言えるでしょう。

もう1つのエンターテインメント領域では、規模は小さいものの売上高の伸びが見られます。既存の大手顧客によるリピート受注やグローバル企業5社の獲得、さらには上位10社からの売上高が過去1年で約3億円増加したことが要因となり、2017年度の売上高13億551万円から15億1608万円へと拡大。同社はこの事業領域へ2014年から参入していますが、独自開発したソフトウェアテスト管理ツール(CAT)と、合格率6%程度の難関なCAT検定を合格した優秀なエンジニアにより、競合他社との差別化に成功していると言えます。

(株)SHIFTのセグメント別業績推移(『2018年8月期 第4四半期及び通期決算説明会資料』より)

SHIFTの事業戦略~今後の展開は

全体の事業戦略と事業計画

2014年に東証マザーズへ上場した(株)SHIFTは、東証一部への市場変更を目指して2019年度上期より準備を進めています。実現すれば知名度・社会的信用も高まり、受注件数は引き続き増加すると見られます。同社が目標として掲げている2020年度の売上高300億円、そして2025年度の売上高1000億円達成に向けて、プラスの影響力にもなることでしょう。

2019年度下期からは、プロジェクトマネージャー(PM)の採用により注力をする計画を掲げています。この背景には、下のビジネスモデルに示された通り、中規模企業のソフトウェア開発プロジェクトに関わる複数の開発ベンダーを同社がまとめてコントロールし、品質とコストを管理する役割を引き受ける狙いがあります。

また、SHIFTグループ内でのシナジー効果を促進させて、2022年度以降の長期方針としてグローバル市場へ本格的に事業を拡大することも掲げています。ソフトウェア製品の開発拠点がアジアへと移行している中、ベトナムに設立された同社グローバル化の拠点となるSHIFT ASIAで、多数の優秀なエンジニアの育成が進められています。グローバル市場においても、高品質・低コストのサービスを提供することが可能になるでしょう。

(株)SHIFTの中期業績計画とFY2019アクションプラン(『2018年8月期 第4四半期及び通期決算説明会資料』より)

セグメント毎の事業戦略

では、セグメント別での事業戦略はどのようになっているのでしょうか。実績を表すグラフを見てみましょう。

まず、(株)SHIFTの中核を成すエンタープライズ領域を見てみると、2017年度から2019年度第1四半期まで順調に受注を拡大してきたことがわかります。今後の受注拡大計画における注力度については業界により異なるようですが、産業ビジネスユニット(BU)を率いる真岡 佑介氏は抱負の中で、

ERP・通信業界を金融・流通業界に次ぐ 主力領域の柱として創生(以下省略)

するために取り組んでいくと語っています。SAP(ERPパッケージ)関連のテスト業務だけでも5年間で約2000億円規模の需要が見込まれ、同社内でSAP専門チーム作りを進めていることからも、今後ERP・通信業界にも力を注いでいく姿勢が読み取れます。

エイターテインメント領域においては、コンシューマーゲーム領域を中心に大型受注等の影響で売上が拡大。需要に対応するために、拠点の拡大や人員の増加が進められていますが、今後も事業の拡大が見込めるでしょう。

(株)SHIFTの2019年8月期1Q業績(『2019年8月期 第1四半期決算説明会資料』より)

SHIFTの年収~報酬はどれぐらいか

2018年8月期の有価証券報告書によると平均年収は545.8万円。平成29年度の民間給与実態統計調査(国税庁)によると、男女を合わせたサラリーマンの平均年収は約432万円、業種別モデル平均年収「インターネット関連」(マイナビ)では529万円となっており、それと比較しても高いことが分かります。平均年齢は35歳と比較的若く、それを考慮すると申しぶんない額だといえます。

代表取締役社長の丹下 大氏は、

頑張った分だけしっかりと給与を高くしたい

と明言。給与改定のチャンスも年2回あります。口コミを見ると、残業手当・休日出勤についてもきちんと支給される環境にあるようです。給与体系は基本的に年俸制。20代で年収310万円〜410万円前後、30代で460万円〜560万円前後、40代で620万円〜720万円前後が大体の目安のようです。同社の求人情報を見ると、例えば急成長中のエンターテインメント領域の事業部門責任者候補に関しては、

月収 50万円 〜 100万円 想定年収600万円~1200万円程度

と書かれているため、より高報酬を目指せるケースもあるでしょう。

上長評価や会社全体評価だけではなく、自己評価が重要視されている点も特徴的。自分自身で目標を設定すること、そして自ら振り返って評価することが重要視されています。年収を上げるためには、業績はもちろんのこと、半年に1回の評価面接で自らアピールすることが重要のようです。

ITエンジニアの年収実態(20代/男性/ソフトウェア関連)

具体的な年収額をお知りになりたい場合は、キャリコネの給与明細投稿をご覧ください。

SHIFT社員の給与明細(キャリコネ)

同年代で同職種でも賃金差が!

30代技術職の 給与明細

30代技術職の 給与明細

SHIFTの働く環境~働きやすさはどうか

SHIFTの口コミには働く環境について様々な意見が届いています。その中でも特徴的な点を3つ挙げます。

社内イベントで社員同士の交流を図る

同社内では多くのイベントが行われています。半期会・全社会や表彰式が全社的に開催され、社員に対して積極的な参加が呼びかけられています。参加を強要されるわけではないようですが、残業扱いとなり軽食などを交えながらイベントが行われるようです。

その他、有志イベントもハロウィン、IT運動会、お花見、BBQなど年間を通して数多くあります。同社の事業が急速に拡大する中で、新しく加わった社員と既存社員が雇用形態を問わずに交流できる場になっているようです。楽しく雰囲気の良い職場を作り上げたいという考えが反映された取り組みのひとつと言えるでしょう。

正社員も残業は少なめ

(株)SHIFTの正社員の平均残業時間は、2018年8月期の実績で15.2時間。これは厚生労働省が公表した2019年3月分調査の情報通信業(一般労働者/速報)の平均残業時間よりやや短めとなっています。採用ページを見ると、
”SHIFTではメリハリある働き方を推奨しており、長時間労働を推奨する職場風土ではありません。
とあり、口コミを見てもプライベートの用事が入っている日には残業を断れる雰囲気のようです。

ただし、働き方改革に関してはまだ発展途上の段階。社内制度の整備や現場での受け入れ準備が順次進められています。柔軟な働き方が可能になれば、子育て・介護などを優先したい人にとっても、より良い職場環境になるでしょう。

社員のスキルアップを支援

3つ目のポイントとして、(株)SHIFTの教育・研修制度に注目を移しましょう。

プロフェッショナルを目指す社員を支援するため、「スキルアップ応援制度」と呼ばれる制度があります。指定する資格試験を受験して合格した社員は、受験費用と報奨金をあわせた応援金を受け取ることができるとのこと。

また、ソフトウェア品質保証エンジニア未経験者であってもキャリアを積める体制が整っています。入社後に行われる集合研修で同社開発のツールを使ってテスト設計を実践的に学べるなど、フォローは万全。安心してキャリア転換に臨めるでしょう。

入社時以外にも「ヒューマン&マネジメント」「技術スキル」に関わる研修を受けることができます。特に技術系のカリキュラムは随時更新されるようで、技術の進歩が速いIT業界で働き続けるために、必要な最新の知識と技術を取得する機会が用意されていると言えるでしょう。

ITエンジニアの休日出勤の実態(20代/男性/システムコンサルタント)

SHIFTの職種~どんな職種があるのか

職場環境と教育・研修制度が分かったところで、今度は実際に(株)SHIFTが募集をしている職種を確認してみましょう。

同社の採用ページでは、6系統のキャリア採用情報が掲載されています。プロジェクトマネージャー系として掲載されている募集人数は非常に多く、2019年5月初旬の段階で120名程度です。エンジニア系でも100名程度と多数の募集があり、その中には品質保証エンジニア未経験者の募集としての40名も含みます。勤務拠点はほとんどが東京本社ですが、札幌、名古屋、大阪、福岡のテストセンターでの勤務も。どこもアクセスが良いのが魅力のひとつと言えるでしょう。

特に大阪では、積極的に採用活動を行っているようです。事業拡大や関西・中国地域のクライアントへのタイムリーな対応を目指して、2017年12月に新しく大阪テストセンターが設置されています。

SHIFTの採用試験~面接に合格する方法は

次に、採用プロセスについても見ていきましょう。

同社の採用情報によると、品質保証アシスタントなどIT業界未経験者からも広く採用をしている職種の場合は、書類選考と1~2回の面接の後に、Web適性検査が行われます。ソリューション営業やエンジニアなどの職種は、書類選考を通過後に配属先グループ責任者との1次面接、そして配属先ビジネスユニット責任者との最終選考面接が一般的なプロセスになっています。事業部門責任者クラスに応募の場合は、代表取締役社⻑との最終⾯接も組まれているようです。

面接に向けた準備については、大原則として同社がソフトウェアの品質評価に特化した事業に従事していることを理解することが重要でしょう。また、在籍中または離職前の企業では実現できなかった点を明確にし、(株)SHIFTに入社することでそれが実現可能なことをアピールできるように、ホームページなどで品質評価プロセスを中心に同社の強みや他社との差別化のポイントを確認することをおすすめします。

30歳男性/システムエンジニア【結果:最終面接で辞退】

質問

品質評価への思いを教えてください。

回答

開発プロセスで一番肝になり、無駄が多いのがテスト工程…(回答の続きとアドバイスを見る

最後に~SHIFTを転職先としておすすめする理由

ここまで様々な側面から(株)SHIFTを紐解いてきました。

同社全体として特に注目すべきは、2018年に日本経済新聞社「伸びる会社MIDDLE200」で総合2位に選ばれた成長力と言えます。同社に入社をすることで、今後も継続してダイナミックに成⻑していく過程を社員として体感できるでしょう。また、営業職の場合、競合が少ない業界で高品質でありながら良心的な価格のサービスを提供しているため、見込み客や既存顧客に向けて提案しやすいというメリットも期待できます。

Slerなどに対するブラック企業のイメージが横行するIT業界において、ワークライフバランスが保たれているところも魅力のひとつ。転職先として検討する価値は大いにあるでしょう。

この記事の執筆者


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