損益計算書(PL):営業利益は前年比41.9%減
ここ10期間の業績を見ると、グリーの業績がピーク時から大きく悪化していることが分かります。2012年5月にソーシャルゲームにおけるアイテム課金の手法「コンプリートガチャ」が違法と指摘されるなど、以前が異常であったと言うこともできますが、ここ数期も利益率が下がり続けています。
グリーの2019年6月期決算は、売上高が前期比9%減の709億円、営業利益が同41.9%減の54億円でした。利益の落ち込みが特に大きくなっています。
売上原価は前期比1.9%増となり、売上総利益は同16.1%減。粗利率は55.7%で同4.7pt減と悪化しました。ピーク時の粗利率が90%台だったことと比べると、かなり下がっています。
販管費は前期比9.6%減と改善しましたが、ピーク時には50%台だった営業利益率は10.9%で、同4.4pt減となりました。
グリーのビジネスモデルは、ソーシャルゲームの「有料課金収入」と「広告メディア収入」です。2019年6月期のセグメント別売上高は、各四半期の決算報告書を集計すると、有料課金事業が564.8億円(売上高構成比79.6%)、広告メディア事業が144.6億円(同20.4%)でした。
ソーシャルゲームは原則として無料サービスとして提供されていますが、サイト内で利用可能な各種アイテムとの交換等を目的として、ゲーム内専用仮想通貨「GREEコイン」を発行しています。これをユーザーが購入する形で課金しています。
2019年6月期は、有料課金額がすべての四半期で前期から減少しました。アプリゲームは横ばいでしたが、ブラウザゲームへの課金が減少しています。
セグメント分析:中期的には事業3本柱へ
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コンサル会社員をしながら、副業ライターとして執筆活動を行っています。証券アナリスト取得を目指し日々邁進しております。