28歳営業マンは年収868万円に「満足」
企業口コミサイト「キャリコネ」には、現役社員・OBOGによる書き込みが残されています。その中には「給与明細」の情報もありますが、さすが総合商社、堂々たる報酬の高さです。
43歳の男性管理職は、年収1432万円。基本給65万円に定期賞与は640万円、そのうえ労働環境にも余裕があるようです。
比較的柔軟にフレックス・育児休暇・有休を取得できるし、それを受容する組織風土があると思う。休暇・自己啓発・リフレッシュ・レジャー・保険等幅広く利用できる費用支援制度がある(2019.5.7)
28歳の営業マンは、年収868万円。基本給31万円に住宅手当が月5万円、定期賞与は280万円です。時間外手当が月12万円と残業はあるようですが、労働時間には不満がないそうです。
旅費交通費などを半額充当できるカフェテリアポイント制度は嬉しい制度。あとは保養所等も充実している(2019.4.26)
大学院卒の30歳男性コンサルタントは、年収800万円に「とても満足している」と答え、あわせて福利厚生制度を高く評価しています。
週末の休みは基本取れるし、仮に出張などで休日出勤になった場合にも代休を取りやすい雰囲気がある。資格取得時の奨励金や資格学校通学の補助金など、福利厚生は多岐にわたって充実している。(2019.3.4)
中途入社者が退職「実力身につかない」
一方で、せっかく高年収を得ていながら、事業や仕事の内容に疑問を抱き、退職に踏み切る若手社員もいるようです。
海外営業を担当していた30代前半の男性社員は、中途入社で年収1100万円までいきました。しかし、トヨタですら終身雇用を保証できないと公言した今、「自分の身は自分で守る必要を強く感じた」といいます。
トヨタならびにトヨタグループ企業から仕事が降ってくる利権企業。社会にとって役立っている感がない。世の中で通用する実力も身につかない。しかし給与水準は高いので、そのぬるま湯に浸っている人や人生逃げ切りを図る人が多い。ぬるま湯に浸かっているということに気づかず、勘違いしている人も多い(2019.5.22)
外の世界を知っている中途ならではの、かなり厳しい評価ですが、同じような見方をする人は他にもいます。別の海外営業担当者も、退職はしていませんが、将来性については疑問を抱いているようです。
業績の大部分がトヨタ自動車の業績に依存しており、独自の商圏が非常に弱いと思う。良くも悪くも自動車業界及びトヨタ自動車次第の会社(2019.5.5)
確かに豊田通商は総合商社とはいえ、トヨタ自動車に依存する部分が少なくありません。事業セグメント別でも自動車事業の利益率は高くなっていますし、中期経営計画の注力分野の筆頭にも、アフリカ市場における「トヨタビジネスの強化」があげられています。
中途採用も受け入れてはいるが
総合商社というと新卒生え抜き主義のイメージがありますが、豊田通商では中途入社の受け入れもしています。30代の海外営業担当者は、この点について次のように評します。
中途に対する研修も充実しており、新卒と中途の待遇の違いはないように思う。中途社員も年次によっては数多くおり、特段不利な扱いは受けていないように思われる(2019.5.5)
ある36歳女性社員は、年収1000万円でコーポレート部門への中途入社を果たした際の、面接での受け答えを書き残しています。
面接官にされた印象的な質問は「現職(前職)に留まるとしたらどういう場合か?」というもの。引っ掛けのようなものではなく、入社する可能性がどのくらいあるのかを淡々と聞いていた。内容よりも性格等に問題がないかを見ていた(2017.4.11)
当時の面接は「人事の担当者、配属先の部署のGL(課長)、人事部長」で、面接の前にウェブでの適性検査があり、そこで結構落とすらしい、と聞いたそうです。
20代の男性コンサルタントは、中途入社のメリットとデメリットをあげています。
中途(の待遇)は部署によってまったく違うので、多少の運が必要。給料は中途の方が高いと感じるが、定年まで働くのであれば、横の幅が広い新卒のほうが有利であろう(2018.2.6)
「横の幅」というのは、研修などをともにした同期入社との交流によって、部署間のつながりができるという意味でしょう。それによって仕事のやりやすさが変わることがあるのかもしれませんね。