【20年3月期】オムロン、減収減益も株価上昇 「コロナ後の成長機会」に期待集まる

【20年3月期】オムロン、減収減益も株価上昇 「コロナ後の成長機会」に期待集まる

オムロンは家庭用電子血圧計や体温計などの健康医療機器で知られていますが、利益の大半を産業用オートメーションに使用する制御機器が生んでいます。2020年3月期はコロナ禍の影響で売上が下がったものの、今後の展開が期待され株価は急騰しています。財務諸表などを基に会社の現状と将来性を整理します。


損益計算書(PL):減収減益も事業売却で当期純利益は大幅増

オムロンの2020年3月期決算は、売上高は前期比21.1%減の6780億円、営業利益は同28.5%減の548億円で減収減益となりました。

ただし第3四半期決算時点での通期予想を大きく上回り、特に営業利益は450億円から大きく上振れしました。

売上原価は前期比25.9%減の3743億円に抑えていますが、これは変動費コストダウンや構造改革による製造固定費削減の効果。粗利率は同3.6pt増の44.8%に改善し、過去最高を更新しています。

販管費も前期比10.3%減の2489億円と減っていますが、販管費比率は32.3%から36.7%へとやや上昇しており、営業利益率は同0.8pt減の8.1%に悪化しています。

一方で、事業売却益515億円の発生で車載事業の当期純利益が前期の77億円から357億円に増えたことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比37.9%増の749億円と大幅に増加しました。

2021年3月期の業績予想については、新型コロナウイルスのグローバルな感染拡大が顧客の設備投資や消費者の購買意欲の動向に与える影響を精査中であり、現時点では合理的な算定が困難であるため、未定とのことです。

セグメント分析:FAシステムやセンサなどの「制御機器事業」で利益の7割

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