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編集部が注目した重点ポイント
① 売上収益が過去最高を更新し成長を加速させる
2026年3月期中間期の売上収益は9,839億円(前年同期比9.1%増)に達し、過去最高を記録しました。好調なインバウンド需要と日本発ビジネス需要の回復を確実に捉えた結果です。財務・法人所得税前利益(EBIT)も1,097億円(同28.0%増)と大幅増益を達成しており、中期経営計画の目標達成に向けた強い進捗が見られます。
② 金融分野への投資で非航空事業を強化する
「マイル/金融・コマース事業」の強化を目的に、株式会社マネースクエアHDの株式取得(持分法適用会社化)を決定しました。日常生活と旅行をマイルで繋ぐ「JALマイルライフ」構想を推進しており、非航空領域でのキャリア機会が急速に拡大しています。事業構造改革による利益基盤の多角化が着実に進んでいます。
③ 総額200億円規模の自己株式取得を断行する
2025年10月30日の取締役会にて、上限200億円(800万株)の自己株式取得を決議しました。取得期間は2025年10月31日から2026年3月31日までです。これはキャッシュアロケーションを考慮した機動的な株主還元策であり、総還元性向50%程度の実現を目指す経営姿勢の表れです。財務健全性を維持しつつ攻めの姿勢を鮮明にしています。
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連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.3
※EBIT(財務・法人所得税前利益) = 中間利益から法人所得税費用、利息およびその他の財務収益・費用を除いた、事業の純粋な稼ぐ力を示す指標。
当中間期の連結業績は、売上収益が前年同期比821億円増の増収を達成。燃油価格の下落や徹底した費用削減により、営業費用の増加を8.1%に抑え込みました。結果として、EBITマージンは11.2%(前年同期は9.5%)へ向上し、収益構造の改善が顕著に表れています。
通期計画のEBIT 2,000億円に対し、中間期時点で1,097億円を創出しており、進捗率は54.8%となっています。下期に需要が高まる航空業界の季節性を考慮しても、通期目標の達成に向けて概ね順調な進捗状況と評価できます。
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事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.5
フルサービスキャリア事業
【事業内容】 JALブランドによる高品質な航空輸送サービスを提供。国際線・国内線の旅客および貨物郵便事業を主軸とする。
【業績推移】 売上収益7,751億円(前年比8.9%増)、EBIT 762億円(同34.1%増)。国際旅客収入が8.0%増と全体を牽引。
【注目ポイント】 最新鋭機エアバスA350-1000の導入により燃費効率と顧客体験の向上を同時に実現しています。貨物事業ではヤマトHDとの提携による専用機輸送が着実に伸びており、航空運用の最適化を支えるオペレーション人材の重要性が高まっています。
LCC事業
【事業内容】 ZIPAIR(中長距離)、スプリング・ジャパン(中国路線中心)、ジェットスター・ジャパンによる低コスト運営事業。
【業績推移】 売上収益590億円(前年比10.4%増)、EBIT 70億円(同9.5%減)。需要の一時的な変動により減益も増収を維持。
【注目ポイント】 ZIPAIRがヒューストン線を開設し就航地点を10地点へ拡大。2030年代前半までに事業規模を現在の2倍以上にする目標を掲げており、急速なネットワーク拡大に伴うマーケティングや事業開発のプロフェッショナルが不可欠となっています。
マイル/金融・コマース事業
【事業内容】 会員プログラム「JALマイレージバンク」を基盤とした金融・クレジットカード・物販等のライフスタイル事業。
【業績推移】 売上収益1,079億円(前年比9.4%増)、EBIT 210億円(同8.3%増)。JALUXの増収等が寄与。
【注目ポイント】 非航空事業の利益柱として急成長しており、マネースクエアHDへの出資など金融領域の深化が加速しています。顧客データを活用したマーケティングや新規ビジネス創出に関心のある転職者にとって、最もチャンスの多い領域です。
その他事業
【事業内容】 外国航空会社向けのグランドハンドリング受託業務、旅行企画・販売など。
【業績推移】 売上収益1,280億円(前年比11.6%増)、EBIT 64億円(前年比41億円増)。受託事業が大幅増益を牽引。
【注目ポイント】 外国航空会社のグランドハンドリング受託件数が前年度から大幅に増加。JALグループ以外の収益源を確保する「外貨を稼ぐ」部門として、現場の効率化やサービス品質管理を担う専門人材の需要が急増しています。
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今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明資料 P.18
今後の成長戦略の核は、省燃費機材への更新を通じたGX(グリーントランスフォーメーション)と、事業ポートフォリオの再構築です。2025年11月より羽田=パリ線へエアバスA350-1000型機を毎日投入するなど、プロダクト競争力の強化を急いでいます。
また、200億円規模の自己株式取得は、財務基盤の強固さを証明すると同時に、戦略的投資への意欲も示唆しています。特に金融分野でのマネースクエアHDへの出資は、航空会社という枠を超えたライフスタイル企業への変革を象徴する動きであり、異業界からのデジタル・金融専門職の採用がさらに加速する見通しです。
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求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
JALは今、「航空会社」から「顧客の人生に寄り添うライフスタイル企業」への転換期にあります。特に非航空領域での成長戦略(金融、物販、DX)に触れ、自分の専門性がどう貢献できるかを語るのが有効です。また、安全性と信頼の回復を第一に掲げる企業文化の再生に、プロとしてどう関わりたいかも評価のポイントになります。
面接での逆質問例
・「非航空事業のEBIT目標達成に向け、現場レベルではどのような組織横断的なプロジェクトが動いていますか?」
・「エアバスA350-1000型機導入などの機材更新において、ITやデータの活用がオペレーション効率化にどう結びついていますか?」
・「人的資本経営を掲げる中、異業界出身者が早期にパフォーマンスを発揮するための仕組みはありますか?」
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転職者が知っておきたい現場のリアル
新鮮な気持ちで業務に取り組めるのが魅力
毎回異なるお客様と接する機会があり、新鮮な気持ちで業務に取り組めるのが魅力です。フライトごとに仕事が完結するため、悩みを引きずることなく、次のフライトに集中できます。お客様からの感謝の言葉を直接いただけることが、やりがいにつながっています。
40代後半・コンサルティング営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]休日がリフレッシュに使えないこともある
長距離フライトの後は疲労が残り、休日は体調を整えることに費やすことが多いです。フライトの時間に合わせて飲酒可能な時間が決まっているため、休みの日でも翌日のスケジュールによっては夕方以降の飲酒が制限されることがあります。時差や不規則な生活リズムが影響し、休日がリフレッシュに使えないこともあるため、体調管理が重要です。
20代後半・コンサルティング営業・男性 [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔IFRS〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。