0 編集部が注目した重点ポイント
① 5期連続の増収増益を達成し年間配当を90.5円へ増配する
大阪・関西万博の需要や旺盛なインバウンド対応により、中間期として5期連続の増収増益を成し遂げました。業績予想の上方修正に伴い、年間配当は期首予想の86円から90.5円へ増配される予定です。コロナ前水準を超える利益創出力を示しており、安定した経営基盤でのキャリア形成が期待できます。
② ライフデザイン分野の拡大に向けホテル子会社を統合・再編する
2025年4月にJR西日本ヴィアインを連結子会社化し、7月にはホテルグランヴィア岡山等の3社を統合するなど、構造的変化を加速させています。不動産・まちづくり等のライフデザイン分野の営業利益割合を35%程度(2028年3月期目標)に引き上げる戦略を推進しており、非鉄道事業でのキャリア機会が大幅に拡大しています。
③ デジタル経済圏「WESTER」の会員数が1,000万人を突破する
グループ共通ID「WESTER」の会員数が当初目標を前倒しして1,000万人を突破しました。デジタル給与払いやキャッシュレス決済「Wesmo!」のローンチを通じ、鉄道を基軸とした巨大なデジタルプラットフォームの構築を進めています。データマーケティングやシステム開発領域におけるDX専門人材の活躍フィールドが急速に広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.3
営業収益
8,718億円
(前年比 +7.4%)
営業利益
1,229億円
(前年比 +17.3%)
中間純利益
867億円
(前年比 +24.4%)
2026年3月期第2四半期の連結業績は、売上高・各段階利益ともに大幅な増収増益となりました。大阪・関西万博による輸送需要の取り込みに加え、インバウンド需要の旺盛な継続が、山陽新幹線や近畿圏の運輸収入を大きく押し上げています。営業利益は前年同期比で181億円増加し、2期ぶりの増益に転じました。
通期営業利益予想1,950億円に対する進捗率は63.0%に達しており、期首予想からの上方修正分も含めて業績は順調に推移しています。人的資本投資やDX関連の費用先行がありながらも、それを上回る需要獲得ができている点は、転職者にとっても非常にポジティブな材料です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.4
モビリティ業
事業内容: 西日本旅客鉄道株式会社による鉄道輸送サービス、駅業務、インバウンド対応等のコア事業。
業績推移: 営業利益は863億円(前年比 +131億円)。万博利用やインバウンドが運輸収入を牽引し、大幅な増益を達成した。
注目ポイント: 山陽新幹線が万博効果で対前年+198億円の増収となるなど、圧倒的な収益力を誇ります。現在は自動運転技術の導入や人型ロボットによる設備保守など、最新技術を用いた生産性向上に注力しており、技術系プロフェッショナルの需要が高まっています。
流通業
事業内容: 駅構内店舗の運営、百貨店、および「ヴィアイン」ブランドを展開する宿泊特化型ホテル事業。
業績推移: 営業利益は103億円(前年比 +26億円)。ホテル事業の連結化と宿泊単価増により、過去最高益を更新した。
注目ポイント: 2025年4月より宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」を新規連結し、リテールと宿泊の相乗効果を狙っています。万博会場内のオフィシャルストア運営など、大規模イベントに連動したマーケティングを主導できる商業・サービス分野のエキスパートを求めています。
不動産業
事業内容: 不動産賃貸・販売、ショッピングセンター(SC)運営、ホテルグランヴィア等のフルサービスホテル運営。
業績推移: 営業利益は255億円(前年比 +34億円)。大阪・広島の「まちづくりプロジェクト」の寄与により、大幅な増収増益となった。
注目ポイント: 大阪駅周辺(バルチカ03等)や広島駅ビル(minamoa)などの新規開業が相次いでいます。私募REITの規模拡大や不動産ポートフォリオの高度化を進めており、都市開発や金融・アセットマネジメントの高度な専門性を持つ人材の活躍の場が飛躍的に広がっています。
旅行・地域ソリューション業
事業内容: 国内外の旅行パッケージ販売(ツーリズム)、および法人向けソリューション事業。
業績推移: 営業利益は9億円の損失(前年比 9億円の減益)。国内旅行の弱含みと原価高騰が影響した。
注目ポイント: パッケージ商品「赤い風船」等が苦戦する一方で、インバウンド受託やBPO事業は堅調です。従来の旅行販売から、デジタルを活用した地域課題解決型ソリューションへのビジネスモデル転換を推進中であり、新規事業開発のスキルが強く求められています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会 P.35
JR西日本グループは現在、中期経営計画2025のアップデート版に沿って、「鉄道を基軸としたまちづくり」の対象を西日本エリア以外にも広げています。2025年2月には清澄白河、12月には小岩での住宅・ビル竣工を予定するなど、首都圏でのアセット拡充を鮮明にしており、全国規模で活躍できる環境が整いつつあります。
質疑応答で言及された通り、政権交代による経済対策や「大阪副首都構想」の進展は、関西・大阪のプレゼンス向上を通じて同社の果たす役割をさらに重要なものにするとの見解を示しています。今後の経営課題としては、インフレ環境に対応した適切な運賃制度への見直しを政府へ働きかけるなど、持続可能な収益基盤の構築を模索しています。転職者にとっては、歴史あるインフラ企業でありながら、デジタルプラットフォームの構築や大規模都市開発といった「非連続な成長」の当事者になれる、極めてエキサイティングなタイミングといえます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
JR西日本は現在、鉄道会社から「人・まち・社会のつながりを進化させる企業グループ」への転換を掲げています。単なる移動手段の提供ではなく、「ライフデザイン分野の拡大」や「WESTER経済圏の構築」といった新しい価値創造に、自身の専門性(IT、金融、開発等)がどう貢献できるかを具体的に語ることが重要です。特に、中間期で子会社再編を断行したスピード感に呼応できる、変化を恐れない姿勢をアピールすることが、内定への近道となります。
面接での逆質問例
「今回のホテル子会社の再編により、現場の意思決定スピードや人財交流にどのような変化が生まれていますか?」といった質問は、組織構造の変化に関心があることを示せます。また、「2028年3月期の営業利益構成比35%達成に向け、現在ライフデザイン分野で最も不足している専門性は何でしょうか?」と問うことで、自身のスキルとのマッチングを確認するとともに、高い貢献意欲を伝えることができます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
旅客からのセクハラが多いのが気になる点
しかし、旅客からのセクハラが多いのが気になる点で、メンタル面でのケアが必要だと感じます。全体として、制度面では働きやすさがあるものの、改善が必要な部分もある職場です。
(40代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料
- 2026年3月期 第2四半期決算説明会 主なQ&A
- 「2026年3月期 第2四半期決算説明会」資料の一部訂正について



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。