野村総合研究所の転職研究 2026年3月期1Q決算に見るキャリア機会

野村総合研究所の転職研究 2026年3月期1Q決算に見るキャリア機会

野村総合研究所の2026年3月期1Q決算は、国内IT投資の活況により営業利益率19.0%の高水準を達成。セグメント変更を通じた収益責任の明確化や、離職率3.3%という安定した環境下での中途採用拡大が続いています。「なぜ今NRIなのか?」「高度専門職がどの領域で変革を主導できるのか」を客観的に分析します。


0 編集部が注目した重点ポイント

報告セグメントの区分を一部変更する

2026年3月期第1四半期より、事業の実態をより正確に反映するためセグメント区分の変更を実施しました。これにより過去数値も組み替え後の基準で比較されており、専門領域ごとの収益責任が明確化されています。転職者にとっては、自身の専門性がどの事業の成長に直結するかを判断しやすい体制へと進化しています。

国内IT投資の活況で営業利益が14.1%増加する

国内の金融IT刷新需要やデジタルワークプレイス事業が牽引し、全社的な収益性が向上しました。連結営業利益は372億円と、前年同期比で14.1%の増益を達成しています。営業利益率も19.0%へ上昇しており、生産革新を通じた高収益体質の構築が着実に成果として表れています。

中途採用の拡大と離職率3.3%の低水準を維持する

2025年3月期のNRI籍採用数は673人に達し、うち中途採用者が187人と積極的に外部専門人材を登用しています。一方で、自己都合離職率は3.3%という極めて低い水準を維持しており、高度専門職が長期的にキャリアを形成できる安定した就業環境が整備されていることがデータから裏付けられています。

1 連結業績ハイライト

主要全セグメントにおいて収益性が向上し、中期経営計画2025の達成に向けた順調な滑り出しとなりました。
決算ハイライト(前年同期比較)

出典:2026年3月期第1四半期決算説明資料 P.3

売上収益

1,957億円

(前年比 +4.1%

営業利益

372億円

(前年比 +14.1%

親会社所有者帰属利益

260億円

(前年比 +17.3%

※事業利益 = 営業利益 - 一時的要因(事業の恒常的な実力を測る指標)
※EBITDAマージン = EBITDA / 売上収益

当第1四半期の売上収益は、金融ITソリューションおよびIT基盤サービスが力強く成長し、増収を記録しました。利益面では、国内のシステム開発案件の活況に加え、運用サービスの増加が利益率の押し上げに寄与しています。営業利益率は19.0%(前年同期は17.4%)と大幅な向上を見せており、高付加価値な案件へのシフトが進んでいます。

通期予想の営業利益1,500億円に対し、第1四半期時点で約24.8%の進捗となっており、受注残高を含めた通期計画達成への進捗状況は順調であると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

コンサルティングから開発・運用まで一貫して提供する NRI の強みが、国内の旺盛なDX需要を確実に捉えています。
金融ITソリューションの業績

出典:2026年3月期第1四半期決算説明資料 P.5

コンサルティング

事業内容: 政策提言、戦略・業務コンサルティング、システムコンサルティング。株式会社野村総合研究所の知見の源泉。

業績推移: 売上収益は144億円(前年比 6.1%増)。営業利益は31億円(前年比 14.5%増)と大幅な伸びを記録。

注目ポイント: 国内でのDX支援案件が引き続き活況です。上流工程を担うコンサルタントがITソリューション側と並走する「コンソリューション」が定着しており、実行までを支援するプロフェッショナルへの需要が極めて高くなっています。

注目職種:戦略コンサルタント、DXアドバイザー、官公庁向けリサーチャー

金融ITソリューション

事業内容: 証券、保険、銀行、その他金融機関向けの基幹システム開発・運用および共同利用型システムの提供。

業績推移: 売上収益は963億円(前年比 6.3%増)。営業利益は176億円(前年比 14.3%増)と増収増益。

注目ポイント: 基幹システムの刷新やビジネスプラットフォームの新規導入が加速しています。特に年金運用関連を含む「その他金融業」の受注残高が拡大しており、大規模SIのプロジェクトマネジメント知見を持つ層が活躍できる最前線となっています。

注目職種:金融系システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、フィンテック企画

産業ITソリューション

事業内容: 流通、製造、サービス業、公共向けのITソリューション。国内および海外(北米・オセアニア等)での展開。

業績推移: 売上収益は710億円(前年比 1.8%減)。国内は堅調も、海外(豪州)での為替影響等により減収。ただし国内増収効果で増益。

注目ポイント: 質疑応答で言及された通り、国内の製造・サービス業向けは非常に活況であり、豊富なパイプラインを抱えています。海外事業はポートフォリオを収益性の高い領域へシフト中であり、グローバル拠点での事業立て直しをリードする人材への期待が高まっています。

注目職種:産業系SE、グローバルプロジェクト管理、新規事業開発(製造・流通)

IT基盤サービス

事業内容: データセンターの運営、ネットワーク構築、セキュリティサービス。クラウド基盤の高度運用を担う。

業績推移: 売上収益は522億円(前年比 9.8%増)。営業利益は88億円(前年比 15.1%増)と大きく伸長。

注目ポイント: デジタルワークプレイス(DWP)事業が牽引しています。単なる機器更新ではなく、セキュリティ監視を含むトータルな環境構築への需要が増大しています。生産革新によるコスト共通化の効果が最も顕著に表れるセグメントです。

注目職種:クラウドエンジニア、セキュリティアナリスト、ITインフラ構築

3 今後の見通しと採用の注目点

生産革新の適用範囲拡大と、生成AIを活用したビジネスモデルそのものの変革(DX 2.0)に挑戦します。
社員数・中途採用の推移

出典:2026年3月期第1四半期決算説明資料 P.25

NRIは、2026年3月期の資本配分方針として、ソフトウェア投資を中心に約800億円(うちAI関連は約170億円)を投じる計画を継続しています。質疑応答で言及された通り、AI活用は現時点で生産革新の共通化フェーズが中心ですが、今後はより上流工程でのトライアルを加速させ、顧客のビジネスモデルそのものを変革するDX 2.0領域への進出を図ります。

人的資本面では、中途採用が年間180人を超える規模で定着しており、新卒との融合が進んでいます。海外子会社での人財最適配置といった課題は残るものの、国内の強固な収益基盤と3.3%という極めて低い離職率が、挑戦を支える土台となっています。中計2025達成に向け、既存のSIビジネスに加え、ビジネスプラットフォームを起点とした非連続な成長に共創できる人財が今後の鍵となります。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

NRIを志望する際は、単なる「エンジニア」や「コンサルタント」という枠組みを超え、「顧客とともに新たな社会価値を創出する(コンソリューション)」姿勢を示すことが重要です。資料にある「生産革新」や「AIへの先行投資」といったキーワードを軸に、自身の技術力やコンサルティング経験が、いかにNRIの標準化された強固な開発プラットフォームと融合し、高付加価値なサービスへ昇華できるかを語る構成が有効です。

Q&A

面接での逆質問例

「第1四半期で全セグメントの収益性が向上した背景にある生産革新の具体策が、今後中途採用者が参画するプロジェクトにおいて、どの程度標準化・ツール化されていますか?」といった質問は、入社後の実務イメージを深めるだけでなく、経営目標への関心を示せます。また、「豪州事業のポートフォリオシフトにおける課題と、日本国内での成功事例をどのように海外展開しようとしているのか?」と問うことで、グローバルな視点をアピールすることも可能です。

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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ハワイにある保養施設を利用可能

野村證券と同じ組合に入ることができ、ハワイにある保養施設を利用可能。その他国内の宿泊施設であれば補助を受けることができる。家族でいく場合は人数分の補助が出るため、施設によっては0〜1000円程度で利用できることもあり、とても便利。

(20代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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労働時間が長くなる傾向 

特に、労働時間が長くなる傾向があり、これが働きづらさに繋がっています。詰めの文化が根強く残っており、メンタル面での負担が大きいと感じることもあります。

(30代後半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結) 2025年7月28日発表
  • 2026年3月期 第1四半期決算説明資料 2025年7月28日発表
  • 2026年3月期 第1四半期決算説明会 質疑応答(Q&A) 2025年7月28日開催

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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