0 編集部が注目した重点ポイント
① アヲハタを完全子会社化しグループシナジーを最大化する
2025年11月1日付で、ジャム類で高いシェアを持つアヲハタ株式会社を完全子会社化しました。迅速な意思決定体制を構築し、フルーツ加工品や調理食品領域での人的資源・情報の協業を強化します。これにより、研究開発や販売面での連携が深まり、関連職種でのキャリア機会が大きく拡大する見込みです。
② 新中期経営計画で2028年度に営業利益450億円をめざす
2025年度から2028年度を対象とする新中期経営計画「Change & Challenge」を始動しました。成熟市場での効率化と成長領域への投資を加速させ、最終年度に営業利益450億円、ROE8.5%以上という高い目標を掲げています。特に海外事業の利益成長を重視しており、グローバルに活躍できる人材へのニーズが一段と高まっています。
③ 構造改革の進展により親会社株主に帰属する当期純利益が42.4%増加
2025年11月期決算では、工場跡地の売却といった資産流動化や国内の不採算領域の整理を進めた結果、最終利益が前年比42.4%増の305億円と大幅に伸長しました。稼ぐ力の向上を重視した経営への転換が進んでおり、生産性の向上やDX推進(デジタルトランスフォーメーション)を担う専門人材の活躍の場が広がっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025-2028年度 中期経営計画説明資料 P.2
2025年11月期は、原材料価格の高騰や物流費上昇という厳しい環境下ながら、海外事業の拡大や国内での適正な価格改定により、過去最高の売上高を更新しました。特に営業利益は、主原料である鶏卵価格の高止まり影響を、販売増とコスト削減努力で跳ね返しています。当期純利益については、工場跡地売却による特別利益の計上が寄与し、大幅な増益となりました。
通期業績の着地は、計画されていた数値を着実に達成しており、経営の質的転換が着実に進んでいると評価されます。次期の2026年11月期についても、営業利益で前期比9.7%増の380億円を見込んでおり、成長に向けた施策は極めて「順調」に進捗しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025-2028年度 中期経営計画説明資料 P.13
市販用
事業内容:マヨネーズ・ドレッシング類、カット野菜、パスタソース、育児食、惣菜などの家庭向け商品の製造・販売。
業績推移:売上高は前年比1.6%増の1,898億円。一方、営業利益は原材料高の影響で11.9%減の125億円。
注目ポイント:「サラダファースト」の推進によるサラダ価値向上や、基幹商品の万能調味料化を進めています。労働集約型からの脱却を目指し、生産ラインの自働化・ロボット活用を強力に進めており、生産技術やSCM(サプライチェーン・マネジメント)領域の専門人材が求められています。
業務用
事業内容:外食や中食業界向けに調味料、食酢、液卵、冷凍卵、卵加工食品などを提供。
業績推移:価格改定とタマゴ商品の販売回復により売上高は9.1%増の1,855億円、利益は微減の118億円。
注目ポイント:「ソース領域」の強化と、付加価値の高い「タマゴ商品」へのシフトを進めています。相場変動に左右されない体制を構築するため、タマゴ代替品の開発や、業界との共創による販路拡大を担う営業・開発職のニーズが高まっています。
海外
事業内容:中国、東南アジア、北米を中心にマヨネーズ・ドレッシング類を製造・販売。
業績推移:売上高は8.7%増の1,002億円。営業利益はアジアでの販売増が寄与し9.0%増の135億円と好調。
注目ポイント:グループ最大の成長エンジンです。300億円規模の設備投資を実施し、北米・中国・東南アジアでの供給能力を増強中。各国の食文化に合わせた「サラダ文化」の創造を目指しており、グローバルな視点を持つマネジメント人材やマーケターにとって絶好の機会があります。
フルーツ ソリューション
事業内容:家庭用ジャム(アヲハタブランド)や、産業用の冷凍・加工フルーツの製造・販売。
業績推移:売上高は3.4%増の175億円。営業利益は前年から大幅増となる6.8億円(+245.2%)。
注目ポイント:アヲハタの完全子会社化により、キユーピーグループの強固な基盤を活用した新領域への挑戦が加速します。家庭用ジャムの安定成長に加え、中食・外食向けの産業用フルーツ加工でのシェア拡大が期待されています。
ファインケミカル
事業内容:ヒアルロン酸や卵黄レシチンなどの医薬品・化粧品・食品向け原料の製造・販売。
業績推移:通信販売が好調に推移し、売上高は4.0%増の118億円、利益は24.5%増の7.1億円。
注目ポイント:独自のバイオ技術を活かした高成長・高収益領域です。医薬原料のグローバル販売を強化しており、高度な専門性を持つ研究者や、ライフサイエンス分野に精通した営業人材が活躍できるフィールドです。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025-2028年度 中期経営計画説明資料 P.19
キユーピーグループは、2028年度までの4年間を「高収益なポートフォリオへの転換」と位置づけ、合計で1,000億円の設備投資と、200億円の戦略経費(未来投資)を計画しています。特に注目すべきは、人的資本の強化に重点を置いている点です。公募型スタートアップ支援プログラムや海外人材育成プログラムの拡充、専門性を高めるキャリアコースの新設など、従業員の自己実現を後押しする環境整備を急ピッチで進めています。
経営陣は、成熟市場である国内での抜本的な構造改革を実行しつつ、海外を主戦場に利益成長を追う姿勢を鮮明にしています。ブランド100周年を機に全世界で統一したブランドメッセージを発信するなど、マーケティング投資も強化されています。また、M&Aやアライアンスについても「更なる成長投資」として検討が継続されており、既存の枠組みにとらわれない事業拡大の機運が高まっています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
中期経営計画で掲げられている「Change & Challenge」に共鳴する姿勢が重要です。単なる食への興味に留まらず、「スマートファクトリー化」や「海外でのサラダ文化創造」といった具体的な戦略目標に対して、自身のスキルをどう活かせるかを言語化しましょう。特にアヲハタの完全子会社化など、グループ一丸となって変革を進める中での「部門を超えた協業スキル」は高く評価されるポイントです。
面接での逆質問例
・「中期経営計画で掲げる『高収益なポートフォリオへの転換』において、配属予定の部署が担う最も重要な役割は何ですか?」
・「人的資本への投資強化に関連して、キャリア採用者が早期に専門性を発揮するためのサポート体制や、将来的な海外拠点へのキャリアパスについて教えてください。」
・「アヲハタとのシナジー最大化に向けた取り組みの中で、現場レベルで現在どのような変化や挑戦が起きていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025-2028年度 中期経営計画説明資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。