住友林業の転職研究 2025年12月期2Q決算に見るキャリア機会

住友林業の転職研究 2025年12月期2Q決算に見るキャリア機会

住友林業の2025年12月期2Q決算は、米国市場の回復遅れで通期予想を下方修正するも、売上高は1兆円を突破。LeTech社の子会社化による国内賃貸強化や、北米での製材コンビナート事業展開など、グローバルな「ウッドサイクル」構築に向けた構造改革を加速させています。変革期にある同社でのキャリア機会を分析します。


0 編集部が注目した重点ポイント

LeTech社を子会社化し賃貸住宅事業を強化する

2025年度より、不動産開発のノウハウを持つ株式会社LeTechを連結子会社化しました。持ち家のアフォーダビリティ(値ごろ感)低下を背景に需要が高まる国内賃貸住宅市場において、土地仕入れから開発、売却までを一貫して担う体制を構築。不動産開発や建築企画領域でのキャリア機会が大きく拡大しています。

米国製材大手の買収で供給網の脱炭素化を推進する

木材建材事業において、北米大手の製材工場を子会社化し、海外初の木材コンビナート事業を展開します。外的要因に左右されない安定した原材料の確保と、木材の価値を最大化する「ウッドサイクル」を米国でも実現。グローバルなサプライチェーン管理やサステナビリティ推進の専門性が強く求められています。

米国市場の停滞を受け通期業績予想を下方修正する

住宅ローン金利の高止まりによる米国住宅市場の回復遅れを背景に、通期の経常利益予想を1,700億円へ修正しました。一方で豪州や国内事業は期初予想を上回るペースで推移しており、不透明な市場環境下でも利益を確保できる強固なポートフォリオ経営を支える戦略人材への期待が高まっています。

1 連結業績ハイライト

売上高は前年同期比で伸長したものの、主力の米国事業における金利高騰の影響により、経常利益・当期純利益ともに前年割れとなりました。
2025年12月期 第2四半期実績

出典:2025年12月期第2四半期決算説明会資料 P.3

売上高

1兆748億円

(前年比 +9.5%)

経常利益

875億円

(前年比 ▲5.9%)

当期純利益

486億円

(前年比 ▲10.3%)

第2四半期累計の連結売上高は、豪州住宅事業や国内住宅事業が牽引し、1兆748億円(前年同期比9.5%増)を達成しました。一方で、利益面では米国での需要減速が継続。営業外での持分法投資損益も減少したことで、経常利益は前年同期を下回る結果となりました。

修正後の通期経常利益予想(1,700億円)に対する進捗率は51.5%となっています。例年、同社の業績は期末に偏重する傾向にありますが、米国市況の本格的回復が来年度以降にずれ込むとの保守的な見通しに基づき、中間期時点では進捗が遅れている状況です。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

成長著しい豪州住宅事業や、構造改革が進む国内賃貸分野など、地域ごとに多様なミッションが存在します。
国内賃貸住宅事業の拡大

出典:2025年12月期第2四半期決算説明会資料 P.13

木材建材事業

事業内容:国内外での木材・建材の製造、仕入れ、販売。米国での製材事業拡大。

業績推移:経常利益30億円(前年同期比 ▲39.9%)。

注目ポイント:販売数量の減少により減益となりましたが、北米で製材工場を子会社化するなど攻めの姿勢を崩していません。外的要因に左右されない安定した木材供給体制の構築を急いでおり、国際的な資材調達や生産拠点の運営に長けた人材が不可欠となっています。

注目職種:国際貿易・仕入れ、生産管理(製材)、海外事業企画

住宅事業(国内・豪州など)

事業内容:国内注文住宅、賃貸住宅。豪州での戸建分譲住宅事業。

業績推移:経常利益192億円(前年同期比 +33.2%)。

注目ポイント:豪州での政策金利引き下げと顧客心理の改善が寄与し、大幅な増益を達成。国内ではLeTech社(2025年度より新規連結)との連携により賃貸住宅の開発を加速させており、アセットマネジメントや不動産開発のプロフェッショナルにとって活躍の幅が広い領域です。

注目職種:不動産開発・企画、建築施工管理、住宅営業、ランドセット事業推進

建築・不動産事業(米国など)

事業内容:米国、豪州等での戸建・集合住宅分譲。大規模木造建築の推進。

業績推移:経常利益656億円(前年同期比 ▲12.5%)。

注目ポイント:米国市場の冷え込みにより減益ですが、同社の利益の柱であることに変わりはありません。きめ細かな着工ペースの調整とスペック在庫(完成済み物件)の早期売却による利益率確保を最優先しており、データ分析に基づいた緻密な事業運営スキルが求められています。

注目職種:経営管理、マーケティングアナリスト、海外事業マネジャー

資源環境事業・その他

事業内容:山林管理、バイオマス発電事業。介護、保険代理店業など。

業績推移:経常利益18億円(前年比増)。

注目ポイント:山林保有・管理面積は国内外で拡大を続けており、脱炭素化をビジネス価値に変える最前線です。バイオマス発電などの再生可能エネルギー分野や、介護・高齢者住宅運営といった社会課題解決型の事業で、専門性を活かしたい人材にとって意義深い環境です。

注目職種:森林資源開発、エネルギー事業企画、施設管理者(介護)

3 今後の見通しと採用の注目点

米国市場の停滞を「戦略的在庫管理」で乗り越えつつ、2027年度の経常利益2,800億円達成に向けた投資を継続しています。
2027年度経常利益目標

出典:2025年12月期第2四半期決算説明会資料 P.5

通期見通しについては、米国での住宅引渡戸数の下方修正に伴い、利益予想を引き下げました。質疑応答では、米国住宅市場の回復トリガーとして、「政策金利の安定化」を挙げています。一方で、短期的な市況悪化に備えつつも、中長期では米国内の構造的な住宅不足(400~600万戸不足)を見越し、戦略的な土地確保を継続する方針を明確にしています。

注目すべきは、インドネシアでのタウンシップ開発参画や米国製材事業への巨額投資など、グローバルでの垂直統合を加速させている点です。単なるビルダーから、資源・素材まで握る「世界のティーカンパニーならぬ木材カンパニー」としての進化を支える、クロスボーダーな事業開発人材の採用ニーズが強まっています。

4 求職者へのアドバイス

HINT 志望動機のヒント

住友林業の強みは「木」を軸にしたグローバルな垂直統合モデルです。志望動機では、単に住宅を作ることへの関心だけでなく、「ウッドサイクルによる脱炭素化」や、LeTech社の連結による「賃貸住宅市場での新モデル構築」といった、会社の戦略的転換点に対する貢献を語ることが有効です。グローバル市場でのリスク管理と成長投資の両立に携わりたい意欲を強調しましょう。

Q&A 面接での逆質問例
  • LeTech社の子会社化により、国内の賃貸住宅事業における「土地・建物セット(ランドセット)」の提案スピードや品質はどう変わる見込みですか?
  • 米国での木材コンビナート事業開始は、既存の戸建分譲住宅事業のコスト競争力に具体的にどの程度のインパクトを与えると想定されていますか?
  • 市場環境が厳しい米国において、「スペック在庫(完成済み物件)」の売却を進める中で、現場の営業職に最も求められている工夫は何でしょうか?

5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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年収は予想以上に良かった

多角的な事業展開が魅力で入社を決めました。特に海外進出に力を入れており、将来性を感じます。年収は予想以上に良かったです。全体的に大きなギャップはなく、安定した環境で働ける印象です。

(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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有給が自動的に消化されてしまう

計画年休や夏季休暇の制度により、有給が自動的に消化されてしまうことがあり、新入社員にとっては自由に使える有給が少なく感じるかもしれません。

(30代前半・コンサルティング営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 住友林業 2025年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
  • 住友林業 2025年12月期第2四半期決算説明会資料
  • 住友林業 2025年12月期第2四半期決算説明会 質疑応答要旨

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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