Amazon 転職ガイド【コンシューマー部門編】:アニュアルレポートと最新求人動向の分析

Amazon 転職ガイド【コンシューマー部門編】:アニュアルレポートと最新求人動向の分析

Amazonのコンシューマー部門(リテール・物流・広告・デバイス)への転職を目指す方へ。最新の開示資料に基づき、配送網の再編や広告事業の成長が現場の採用要件にどう反映されているかを徹底分析。主要職種のミッションを経営視点で解説し、選考突破に必要な「高い視座」を提供します。


目次

Amazonにおいて全売上高の8割以上を占める「コンシューマー部門(リテール、物流、広告、デバイス)」は、いま劇的な収益構造の転換期にあります。

本記事では、米国の最新の開示資料(Form 10-K、Annual Letter to Shareholders、決算説明会資料など)から読み取れる「物流網の地域分割」「広告事業の急成長」といったマクロ戦略が、日本国内の採用現場における具体的な職務要件(JD)へどのように反映されているかを詳説します。

各職種の存在意義を経営戦略と結びつけて紐解くことで、単なるオペレーターではなく、Amazonの成長を牽引する「Builder(構築者)」として面接に臨むための解像度を提供します。

1. 数字が語るコンシューマー部門の使命

Amazonの「コンシューマー部門」は、いま劇的な収益構造の転換期にあります。最新の開示資料(年次報告書「Form 10-K」や「Annual Letter to Shareholders」など)を読み解くと、「物を売る会社」から「プラットフォーム・サービスを提供する会社」への脱皮が、数字として鮮明に現れています。

1-1 売上構成の変化:直販から「第三者販売支援」へのシフト

FY2024の通期決算報告に基づいた、売上区分別の構成と成長率は以下の通りです。

売上区分 FY2024売上高 構成比 前年比(YoY)
オンラインストア(1P/直販) 2,433億ドル 40.3% +5.0%
第三者販売者支援サービス(3P) 1,485億ドル 24.6% +16.0%
広告サービス 562億ドル 9.3% +19.8%
サブスクリプション(Prime等) 439億ドル 7.3% +10.0%
実店舗(Whole Foods等) 215億ドル 3.6% +5.0%
AWS(クラウド) 1,054億ドル 17.4% +16.1%
その他 55億ドル 0.9% -
合計 6,043億ドル 100.0% +11.5%

この表から、リテールの現場で起きている「構造変化」が読み取れます。自社で在庫を抱えて売る「1P(1st-party)」の売上高は以前として大きいものの、前年比の伸びが5.0%にとどまります。

その一方で、出店者の配送代行等を担う「3P(3rd-party)」が16.0%、そして「広告」が19.8%という勢いで急成長しています。

◆1Pとは「First-party(直販)」

  • Amazon自らが「販売主」となるモデルです。Amazonがメーカーや卸業者から商品を買い取り(仕入れ)、自社在庫として持ち、自社で価格を決めてユーザーに販売します。商品ページのカート付近に「出荷元:Amazon.co.jp」「販売元:Amazon.co.jp」と記載されているものがこれに当たります。

◆3Pとは「Third-party(マーケットプレイス)」

  • Amazon以外の「第三者(出品者)」が販売主となるモデルです。Amazonは場所(マーケットプレイス)を貸しているだけで、商品の所有権は外部の出品者にあります。「販売元:〇〇商店」のように、Amazon以外の社名が記載されているものがこれに当たります。

すでに「3P・広告・サブスクリプション」の合計売上(2,486億ドル)は、「直販リテール」を逆転しています。ベンダーマネージャーブランドスペシャリストなどリテール関連職種の採用において、単なる仕入れ交渉力以上に、3P出店者へのコンサルティング能力や広告運用の視点が必須要件として強調されるのは、この数字の推移を見れば必然といえます。

1-2 物流コストを管理する共通指標:LSS(リーン・シックス・シグマ)

コンシューマー部門のFY2022の営業利益は、コロナ禍での過剰な設備投資と物流コストの高騰により、北米セグメントおよび北米外の国際セグメントで計105億ドルの赤字を出し、AWS(クラウド部門)の利益で補填する構造でした。

FY2023は、北米セグメントで黒字回復を果たしたものの国際セグメントでは赤字。それがFY2024には、北米・国際ともに黒字で、288億ドルの利益を生み出しています。

セグメント FY2022 FY2023FY2024
北米セグメント △28 149 250
国際セグメント △77 △27 38
AWSセグメント 228 246 398
連結営業利益 123 368 686

単位:億ドル

コンシューマー部門が利益を出せる体質になった背景には、膨大な物流コストの抑制があります。P/L(損益計算書)上の「Fulfillment(フルフィルメント費用=物流コスト)」には、2024年度だけで約945億ドルが計上されています。

この巨額の費用を削り取るため、Amazonの物流現場(エリアマネージャー等)で共通言語となっているのが、LSS(Lean Six Sigma:リーン・シックス・シグマ)という改善手法です。

LSSとは、業務から徹底的にムダを省く「リーン」と、データのばらつき(欠陥)を統計的に抑制する「シックス・シグマ」を組み合わせた考え方です。求人票の必須要件や歓迎要件にこの「LSS」「プロセス改善」が必ずと言っていいほど含まれるのは、拠点のオペレーションが「経営の重石」に直結しているからです。

1-3 広告事業:リテール部門の収益性を補完する成長エンジン

前述した通り、FY2024の広告事業は前年比19.8%という、全事業で最高の成長率を記録しています。オンラインストア(直販)の成長が5%に留まるなか、この急速に拡大する収益源は、非AWS部門(北米・インターナショナル)の収益基盤を強化する最重要項目となっています。

高収益のAWSとともに高成長を続ける広告事業が財務を補完することで、Amazonは「配送網の地域分割」「配送スピードの向上」といった、大規模なインフラ投資を継続することが可能になっています。

2. 選考対策:自己の実績を経営戦略にひもづける技術

Amazonのコンシューマー部門(リテール、物流、広告、デバイス)の面接において、自身の過去の実績を語る際には、単なる成功体験として終わらせず、これまで述べてきた「経営戦略の文脈」にひもづけることが合格への鍵となります。

2-1 評価される実績の「再現性」をどう言語化するか

リテールや物流の現場では、日々膨大な数のトラブルや課題が発生します。しかし、面接官が求めているのは「大変な状況を根性で乗り越えた話」ではありません。

例えば、物流(エリアマネージャー)を志望する場合、開示資料にある「配送距離の短縮」「コスト削減」という視点から、自分の実績を再構成する必要があります。

「スタッフの士気を高めて作業を早めた」というエピソードであれば、それを「どのようなデータを分析してボトルネックを特定し、どのようなプロセス変更によって、結果として1件あたりの処理コストを何%削減したのか」という、定量的かつ構造的な説明に変換してください。経営層が注視している指標(KPI)を、自分の現場判断と直結させて語れるかどうかが、エピソードの「質」を決定します。

2-2 最重視される行動指針(Leadership Principles)

Amazonには16項目の行動指針(Leadership Principles。LP)があります。この言葉は採用時はもちろん、入社後の評価などあらゆる場面で問われる言葉です。

1.Customer Obsession(顧客へのこだわり)/ 2.Ownership(責任感)/ 3. Invent and Simplify(発明とシンプル化)/ 4.Are Right, A Lot(的確な判断)/ 5.Learn and Be Curious(学びと好奇心)/ 6.Hire and Develop the Best(優秀な人材を採用し、育成する)/ 7.Insist on the Highest Standards(常に高い基準を追求する)/ 8.Think Big(大胆に考える)/ 9.Bias for Action(迅速な行動)/ 10.Frugality(倹約)/ 11.Earn Trust(信頼を築く)/ 12.Dive Deep(深掘りする)/ 13.Have Backbone; Disagree and Commit(信念をもち、異議を唱え、かつコミットする)/ 14.Deliver Results(結果を出す)/ 15.Strive to be Earth’s Best Employer(世界最高の雇用主を目指す)/ 16.Success and Scale Bring Broad Responsibility(成功と規模には責任が伴う)

特に現在のコンシューマー部門の戦略下では、以下のような項目が重視される傾向にあります。

  • Frugality(質素節約):物流コストの削減が至上命題となっている現在、少ないリソースでいかに大きな成果を出すかという視点は不可欠です。
  • Customer Obsession(顧客への執着):配送スピードの向上や広告のROI改善など、すべての施策が「顧客(消費者および広告主)にとっての価値」に繋がっているかを常に自問自答する姿勢が問われます。
  • Are Right, A Lot(正しい判断を数多く下す):広告事業やサプライチェーン設計など、不確実なデータの中から正解を導き出し、確信を持ってプロジェクトを推進する能力が重要視されます。

これらのLPを意識したエピソードの作り方については、「Amazon転職ガイド:米SEC年次報告書から読み解く会社の実態(FY2024版)」を参考にしてください。

2-3 Amazon独自の評価基準「バーレイザー」を意識する

Amazonの面接には、「バーレイザー(Bar Raiser)」と呼ばれる、そのポジションの直属のチーム外から参加する面接担当者が同席します。彼らの役割は、候補者が「既存の社員の平均(バー)を上回っているのか?」を客観的に判断することです。

特にリテールや広告のような成長領域では、現状の業務を回す力だけでなく、将来的に組織全体のレベルを引き上げられるポテンシャルが評価されます。回答の端々に「この改善案は、自分のチームだけでなく他部署にも横展開できる仕組みにした(Ownership)」「長期的な成長のためにあえて短期的な利益を追わなかった(Think Big)」といった視点を盛り込むことで、バーレイザーからの高い評価を得ることが可能になります。

以下の3~6章では、「コンシューマー部門の主要職種の役割」を経営の視点から解読します。Amazonが公開している求人票には、一見すると定型的なスキルや経験が並んでいますが、これらは全て、開示資料で示された「物流網の地域分割による効率化」「広告事業による収益構造の転換」といった戦略を現場で完遂するためのミッションとなります。

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3. 物流・オペレーション:物理ネットワークを数値で管理する現場

Amazonのコンシューマー部門において、物流(オペレーション)は顧客体験の根幹を成す領域です。開示資料で最重要課題として語られている「Cost to Serve(注文あたりの配送コスト)」の削減を、実際の配送拠点において「物理的な改善」として実装する役割を担います。

3-1 エリアマネージャー:大規模組織の運営と現場改善の責任者

Amazonの配送拠点であるフルフィルメントセンター(FC)やデリバリーステーション(DS)において、現場の指揮を執るのがエリアマネージャーです。彼らに課せられた任務は、単に荷物を滞りなく送り出すことではありません。全売上の約2割を占める物流コストを、現場の「1円・1セント単位」で管理・抑制する経営責任を負っています。

FY2024の開示資料において「2018年以来、初めて世界全体で1ユニットあたりの配送コストを削減した」と報告されていますが、この数字を作っているのは、全米で8つの地域に分割された独立型のネットワーク(Regionalization)を、現場レベルで機能させているエリアマネージャーたちです。

以前のように、全土で商品を融通し合う広域配送に頼るのではなく、「各地域内のFCでいかに在庫を完結させるか(地域内完結率)」が、彼らの評価を左右する重要な指標となっています。

具体的には、数百人規模のスタッフ(アソシエイト)の安全を最優先に確保した上で、拠点の処理能力を最大化し、配送ミスや作業の無駄を排除します。

地域内完結率が、導入前の62%から76%へと大幅に向上した背景には、担当エリア内でのスタッフの動線や作業プロセスをデータに基づいて微修正し、配送距離の短縮を「具体的なコスト削減」として結実させてきた現場の執念があります。ここでは、迅速な判断を促す "Bias for Action" と、自らが経営数値の責任を負っているという強烈な当事者意識(Ownership)が、面接で厳しく問われることになります。

3-2 経営指標を「現場の具体的な改善行動」へ落とし込むプロセス

エリアマネージャーの真骨頂は、経営層が掲げる「配送スピードの向上」「コスト削減」という、相反する高い目標を現場の作業工程に翻訳することにあります。

最新の資料によれば、米国市場において「1ユニットあたりの配送コスト」は前年比で0.45ドル以上減少しました。なお、Amazonの物流(オペレーション)の文脈で使われる「1ユニット」とは、注文の数(オーダー数)ではなく、発送される「商品1点」を指します。

この「0.45ドル(約70円)」という数字の積み重ねが、Amazon全体で288億ドルの利益を生み出す原動力です。エリアマネージャーは、この経営数値を「ピッキング時間の数秒短縮」「トラックへの積み込みフローの1%の最適化」へと分解します。

Amazonの物流現場では、あらゆる事象が数値化されています。目標値に届かないデータがあれば、即座に現場へ入り込み、原因を究明する "Dive Deep" を実践します。例えば、ある荷物が配送拠点を経由する回数(タッチポイント)が想定より多い場合、それが配送距離を伸ばし、コストを増大させ、さらには配送遅延のリスクを高めます。

2023年には、「世界で70億点以上の商品が当日または翌日に配送される」という史上最速の記録を達成しましたが、これは現場が「配送距離を短くすれば、スピードが上がり、同時にコストも下がる」という地域化の論理を、日々のオペレーション改善で証明し続けてきた結果です。このデータに基づいた改善サイクルを24時間体制で回し続けることが、Amazonが世界最高水準の物流効率を維持できる理由です。

3-3 サプライチェーン・プランナー:在庫と物流の動きをデータで最適化する

エリアマネージャーが配送拠点という「点」を最適化するのに対し、サプライチェーン・プランナーは拠点と拠点をつなぐ「線」の設計を担います。彼らのミッションは、開示資料で強調されている「地域分割ネットワーク」をシステム上で実装し、どの商品を、どの拠点に、どのタイミングで配置すれば「Cost to Serve」を最小化できるかを、高度な予測モデルを用いて算出することにあります。

以前のAmazonはスピードを優先するあまり、配送コストを犠牲にする局面もありました。しかし現在のプランナーには、「地域内で在庫を完結させる割合」を極限まで高め、配送距離を物理的に短縮する設計力が求められます。彼らが描く設計図によって、米国内で配送される商品のうち40億点以上が当日・翌日配送という驚異的なスピードを実現し、かつそれが「1ユニットあたりのコスト削減」と両立しています。

プランナーに求められるのは、単なるデータ分析能力だけではありません。天候不順や交通状況、あるいはプライムデーのような爆発的な注文増といった不確定要素に対し、いかに低コストで安定した配送網を維持できるかという実務的な構想力です。

物理的なトラックの移動を数値として捉え、1分、1円の無駄をシステムで削ぎ落とすこの職種は、リテール単独で力強く成長できる体質へと進化させた影の主役と言えます。

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4. リテール・ベンダーマネジメント:データと交渉力を駆使する「事業成長のパートナー」

リテール部門は、Amazonというプラットフォーム上で展開される膨大な商品の「品揃え」「価格」、そして「在庫」を管理する組織です。開示資料において、Amazonは顧客体験の三本柱として「価格・品揃え・利便性」を掲げていますが、リテール職種はこのうち「価格」「品揃え」に直接的な責任を負います。

4-1 ベンダーマネージャー:カテゴリーの収益と成長を統括する

ベンダーマネージャー(VM)は、家電、日用品、ファッションといった特定のカテゴリーを担当し、その売上と利益の最大化に責任を持つ「カテゴリーの経営者」です。主な業務は、メーカー(ベンダー)との仕入れ条件の交渉、販売計画の立案、そして新規商品の採用による品揃えの拡充です。

Amazonの成長戦略の根幹には、商品の「Selection(品揃え)」を増やすことが顧客体験の向上を招き、さらなるトラフィックを生むという「フライホイール(弾み車)」の思想があります。VMはこの戦略の実行者として、単に売れ筋商品を扱うだけでなく、多様な顧客ニーズに応えるための商品網を構築します。

ここで重要になるのが「直販(1P)からサービス(3P・広告)への重心移動」という視点です。現在のVMには、単なるバイヤーとしての交渉力以上に、Amazon内の購買データを分析してメーカーに共有し、1Pでの販売のみならず、広告活用やマーケットプレイス(3P)への展開を含めた「ブランド全体の成長パートナー」としての立ち回りが求められます。

評価の軸となるのは、行動指針(LP)の一つである "Deliver Results(結果へのこだわり)" です。厳しい交渉や市場環境の中でも妥協せず、顧客のための価格と品揃え、そしてAmazonとしての収益性を同時に成立させることが求められます。

4-2 ブランドスペシャリスト:特定ブランドの成長を加速させる専門職

ベンダーマネージャーがカテゴリー全体を横断的に見るのに対し、ブランドスペシャリスト(BS)は特定の重要ブランドに特化して成長を深く支援します。

Amazonの収益構造において「広告事業」の存在感は年々増しています。BSの業務においても「担当ブランドの売上を伸ばすためにAmazon内の広告をいかに効果的に運用するか」が、極めて重要なミッションとなっています。具体的には、購買データから「どの層に、どのタイミングで、どの広告を表示すべきか」をメーカーに提案し、投資対効果(ROI)を最大化させます。

また、欠品を防ぐための需要予測の精度向上や商品詳細ページの最適化など、実務的な改善を積み重ねることも重要な職務です。ここでは、複雑なデータの中から本質的な課題を見つけ出す "Dive Deep" や、既存のやり方に捉われず効率的なプロセスを構築する "Invent and Simplify" といった行動指針が、日常の業務の中で体現されているかが問われます。

4-3 リテール職種に共通する「データドリブン」な姿勢

ベンダーマネージャー(VM)、ブランドスペシャリスト(BS)の両職種に共通しているのは、「すべての意思決定がデータに基づいている」という点です。メーカーとの商談においても、個人の経験や感覚ではなく、閲覧数、転換率、在庫回転率といった客観的な指標を基に対話を進めます。

開示資料で示されている「低価格の維持」「広告による収益向上」を両立させるためには、現場の担当者が一商品ごとの収益構造を細かく把握していなければなりません。Amazonのリテール職種は、こうした極めて緻密な数値管理を通じて、世界最大のストアの競争力を支えています。

5. 広告・アドテクノロジー:購買データで投資対効果を最大化させる

Amazonの広告事業は、現在、同社の中で最も急速に成長している領域の一つです。FY2024の広告売上は562億ドル(前年比19.8%増)に達しており、リテール部門全体の収益性を支える強力なエンジンとなっています。この領域で募集されている「アカウントマネージャー」などの職種には、他社の広告プラットフォームとは一線を画す、Amazonならではの専門性が求められます。

Amazon Adsについて理解する: 広告商品のご案内Icon outbound

https://advertising.amazon.com/ja-jp/library/guides/basics-of-success-understanding-amazon-advertising

ブランドの認知度の向上、検討の促進、購入促進、ロイヤルティの強化など、Amazon Adsはビジネスをサポートするソリューションを提供します。

5-1 広告アカウントマネージャー:購買データに基づく広告戦略の立案

広告アカウントマネージャーの主な任務は、Amazon上で商品を販売するメーカーやブランドに対し、「広告ソリューションを活用した売上拡大のコンサルティングを行うこと」です。

Amazonの広告がGoogleやMetaなどの他社プラットフォームと根本的に異なる点は、広告の表示から「実際の購買」までを、同一プラットフォーム内で完結して追跡できる「クローズドループ」にあります。

アカウントマネージャーは、この膨大な購買データを駆使して、「どのキーワードで検索したユーザーが、最終的にどの商品を購入したのか」という一連のプロセスを分析し、広告主にとって最も投資対効果(ROI)の高いプランを提案します。

広告事業は今やAmazonの全事業セグメントで最も速い成長を遂げ、物理的な物流網を支える重要な収益の柱となっています。そのため、アカウントマネージャーには単に広告枠を売る営業力ではなく、広告主が「Amazonに広告を出せば確実にビジネスが成長する」確信を持てる精度の高いデータ分析が求められます。

ここでは、膨大なデータから真実を見極め、的確な判断を下す能力 "Are Right, A Lot(正しい判断を数多く下す)という行動指針が強く求められます。自らの提案がクライアントの事業成長、ひいてはAmazon全体の収益構造を下支えするという責任感が、この職種の醍醐味と言えます。

5-2 認知から購買まで:消費者の行動を一気通貫で捉える視点

かつてのAmazon広告は、検索結果の下部に商品を表示する「スポンサー商品広告」が主流でした。しかし現在の戦略では、「動画広告」「ディスプレイ広告」を通じて、ブランドの認知度自体を高める「アッパーファンネル(認知・興味段階)」へのアプローチも強化されています。

広告アカウントマネージャーは、新商品の認知拡大を目指すブランドに対し、Amazon Prime Video内での広告やバナー広告を組み合わせた統合的な戦略を提示します。開示資料において広告事業が「サービス」として定義されている通り、単なるシステム提供ではなく、「広告主のビジネス成長をいかにサービスとして伴走できるか」が現場の担当者のミッションとなります。

5-3 広告事業が体現すべき「顧客への執着(Customer Obsession)」

Amazonにおいて、広告主もまた大切な「顧客」です。アカウントマネージャーには、短期的、強引な予算の引き上げを促すのではなく、長期的に広告主が成長し続けられるような健全な運用を提案する姿勢が求められます。

これは、顧客を起点に考える "Customer Obsession" の精神そのものです。広告主の予算を1円たりとも無駄にせず、購買データという「事実」に基づいて最適な投資先を導き出す。この誠実かつ緻密な積み重ねが、広告事業の圧倒的な成長率を支えています。

(31歳・広告宣伝・男性・年収804万円)労働時間はフレックス制で、自分の働く時間を非常に自由にコントロールできる。福利厚生手当は日系大手に大きく及ばず、退職金代わりの企業iDeCoくらいだが、月当たり最大25000円程度の医療費補助に助けられたことがある。[キャリコネで給与明細を見る]

6. デバイス・新領域:生活に溶け込む「顧客接点」を再定義する

Kindle、Echo、Fire TVといったAmazonのデバイス事業は、単なる「ハードウェアの販売」を目的とした組織ではありません。開示資料において、これらのデバイスは「顧客との強固な接点(Customer Engagement)」を創出し、Amazonの各種サービス(リテール、プライム・ビデオ、ミュージック等)への入り口となる戦略的資産として位置づけられています。

6-1 プロダクトマネージャー(PM):サービスとハードウェアを統合する

デバイス部門におけるプロダクトマネージャー(PM)や、技術的なバックグラウンドを重視するPM-T(Product Manager - Technical)の任務は、顧客の生活をより便利にする「新しい体験」を設計することにあります。

現在、Amazonの開示資料でも強調されているのが、生成AI(Generative AI)のデバイスへの統合です。例えば、Alexaを単なる音声アシスタントから、より自然で高度な対話が可能なAIインターフェースへと進化させることが、最優先の投資事項となっています。プロダクトマネージャーは、こうした最新技術をどのようにデバイスに搭載し、顧客が日常的に使いたくなるような価値へと昇華させるか、そのロードマップを描きます。

ここでは、既存の枠組みに捉われず、シンプルかつ革新的な解決策を生み出す "Invent and Simplify" という行動指針(Leadership Principles)が極めて重要になります。なお、各職種に共通するLPの深い理解については、Amazon転職ガイド:決定版を併せて参照してください。

6-2 デバイスを起点としたエコシステムの拡大

デバイス部門のもう一つの重要なミッションは、デバイスを通じてAmazonの経済圏(エコシステム)を拡大することです。

例えば、Fire TVは単なる映像出力機器ではなく、そこからプライム・ビデオの視聴を促し、さらには「広告事業」の新たな表示媒体としても機能しています。

開示資料に示されている通り、Amazonは複数のサービスが相互に補完し合う構造を重視しています。プロダクトマネージャーは、デバイスの利用データに基づき、「どのように顧客の滞在時間を増やし、他のサービスとの相乗効果(シナジー)を生み出すか」という、ビジネスモデル全体の視点を持って製品を磨き上げる必要があります。

ここでは、自分の担当領域だけでなく、会社全体の利益を考えて行動する "Ownership" の精神が、採用においても強く問われます。

6-3 新領域への挑戦と「Day 1」の精神

Amazonは既存のデバイスだけでなく、衛星通信プロジェクト(Project Kuiper)家庭用ロボットといった新領域への投資も継続しています。

こうした未踏の領域に挑む際に、Amazonが全社員に求めているのが、創業以来の核心的な哲学である 「Day 1」 のマインドセットです。これは、「毎日が創業初日である」という、大企業になってもスタートアップのようなスピード感、好奇心、そして顧客起点でゼロから挑戦し続ける姿勢を指します。

新領域に関わる職種では、この「Day 1」の精神を持ち、不確実な状況下でも顧客のために最善の策を模索し続けることが不可欠です。開示資料に記された「長期的な視点での投資」を、具体的な製品やサービスとして形にするために、膨大なデータから顧客の潜在的なニーズを掘り下げる "Dive Deep" を実践し、これまでにない価値を市場に問い続けることが求められます。

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https://www.aboutamazon.jp/news/innovation/heres-what-to-expect-from-project-kuipers-first-full-scale-satellite-launch

宇宙開発ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)が、衛星コンステレーションの本格的な配備の開始に向けてProject Kuiperの衛星27基を地球低軌道に打ち上げ

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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