0 編集部が注目した重点ポイント
① OpenAIへの投資利益が2.1兆円を超過する
2025年度上期において、OpenAIへの投資による公正価値が146億米ドル(約2.1兆円)増加し、連結純利益の大幅な押し上げに寄与しました。世界最大級の未上場企業となったOpenAIとの戦略的提携を深化させており、次世代のAIインフラ構築に向けた巨額投資を継続しています。AIエンジニアや戦略投資担当者にとって、世界最先端のAIエコシステムに直接関与できる機会が拡大しています。
② ABBのロボティクス事業買収に合意する
2025年10月、産業用ロボット世界2位のABBロボティクス事業の買収(約53.75億米ドル)に合意しました。これにより「脳(ASI/人工超知能)」としてのOpenAIと「身体」としてのロボティクスを融合させる「フィジカルAI」戦略を加速させます。2026年の買収完了後は、グローバルな製造・開発拠点でのキャリア機会が創出される可能性が高く、ロボティクス・メカトロニクス分野の専門人材にとって大きな転換点となります。
③ 投資家層拡大のため1対4の株式分割を実施する
2026年1月1日を効力発生日として、普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行うことを決定しました。最低投資金額が引き下がることで、より幅広い投資家層の獲得を目指しています。業績も純利益2.9兆円と過去最高益を更新しており、財務基盤の安定とAIへの攻めの投資を両立させる姿勢を明確にしています。経営陣のスピード感ある意思決定に触れたいビジネスプロフェッショナルには魅力的な環境です。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.7
売上高
3兆7,368億円
+7.7%
純利益
2兆9,241億円
+190.9%
NAV(時価純資産)
33.3兆円
+2.8%
2026年3月期第2四半期の連結累計実績は、売上高が3兆7,368億円(前年同期比7.7%増)、親会社の所有者に帰属する純利益が2兆9,241億円(同190.9%増)と驚異的な成長を遂げました。この利益水準は中間期として過去最高であり、OpenAIへの投資に係る投資利益2兆1,567億円の計上が主因です。投資会社への変貌を遂げたことで、営業利益という単一指標ではなく、保有資産の価値から負債を引いた「NAV(時価純資産)」が経営の最重要指標となっており、当中間期末で33.3兆円と堅調に推移しています。
通期予想は未公表ですが、中間期時点で前年通期を大きく上回る利益を確保しており、進捗は極めて順調と評価できます。保有するNVIDIA株の売却による資金化(約58億米ドル)や、アーム株を活用したマージンローンの増額などにより、手元流動性は4.2兆円と潤沢な水準を維持しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.6
アーム事業
事業内容: 半導体のIP(設計資産)および関連テクノロジーのデザイン、ソフトウエアツールの販売。
業績推移: 米ドルベース売上高は前年同期比22.7%増。ロイヤルティー、ライセンス収入ともに過去最高を更新。
注目ポイント: AI計算需要の爆発により、チップ当たりの単価が高い最新の「Armv9」や、設計期間を短縮するコンピュート・サブシステム(CSS)の採用が拡大しています。MicrosoftやSamsungなどの主要テクノロジー企業による採用が加速しており、最先端の半導体アーキテクチャ設計やAIアクセラレーター開発に携わるエンジニアにとって、世界で最も影響力のあるフィールドとなっています。
注目職種:
半導体設計エンジニア、AIアーキテクト、テクニカルセールス
ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業
事業内容: SVF1、SVF2、LatAmファンドを通じたグローバルなAI関連企業への投資。
業績推移: セグメント利益は2兆8,283億円と前年同期の1,688億円から本格反転。
注目ポイント: OpenAIへの投資が利益の主軸となっており、活動開始来の累計損益はSVF1で328億米ドルのプラスへ。単なる金融投資にとどまらず、グループ会社間でのシナジー創出やJV設立(例:SB OAI Japan)を主導しており、グローバル投資と事業開発の双方を担える高度なプロフェッショナルが求められています。
注目職種:
インベストメントプロフェッショナル、グローバル事業開発、投資先経営支援
ソフトバンク事業
事業内容: 通信サービス、メディア(LINEヤフー)、金融(PayPay)等の国内事業。
業績推移: 売上高は前年同期比7.9%増、セグメント利益は同9.6%増と安定成長。
注目ポイント: PayPayのEBITDAが前年同期比で倍増(483億円)するなど、非通信領域の収益化が加速しています。また、OpenAIとの独占的展開を目指す「Crystal intelligence」を国内法人向けに提供開始するなど、通信インフラを基盤とした国内AI市場の開拓が進んでおり、大規模ユーザー向けのサービス開発人材にとって活躍の場が広がっています。
注目職種:
FinTechエンジニア、データサイエンティスト、法人向けソリューション営業
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期 決算説明会 P.43
今後の成長戦略の核心は、OpenAIのためのAIインフラを構築する「Stargate Project」にあります。4年間で5,000億米ドル規模の投資計画を掲げ、総電力10GW規模のデータセンター拠点を世界5カ所に設立する見通しです。この壮大な計画により、エネルギー・電力インフラからデータセンター設計に至るまで、従来とは異なる領域の専門人材が必要不可欠となっています。
また、半導体設計企業のAmpereの買収(100%子会社化)を2025年末までに完了させる見込みです。アーム、OpenAI、ABB、そして電力事業(SB Energy等)の全ピースが揃うことで、バーチャルなAIとリアルなロボットが融合する「自動運転2.0」や「次世代ロボタクシー」などの事業化が目前に迫っています。質疑応答では言及されていませんが、資料からは各事業子会社のポートフォリオを集約し、ASI実現という単一目標に向かってグループを再定義する強力な意志が読み取れます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「情報革命で人々を幸せに」という企業理念が、今や「ASIによる人類の進化」へと一段高い次元に引き上げられています。OpenAIやアーム、ABBといった世界最高峰の技術アセットを活用し、単なる既存事業の延長ではない、社会構造を根本から変える事業に挑戦したいという意欲を伝えると効果的です。特に「フィジカルAI」や「AIインフラ」といったキーワードへの深い洞察を示すことが鍵となります。
面接での逆質問例
「ABBロボティクス事業の統合後、既存のソフトバンクロボティクスや他投資先とのシナジー創出に向けた具体的なマイルストーンはどう設定されていますか?」や、「Stargate Projectのような巨額なインフラ投資において、グループ内の事業会社が担う実務的役割と、中途採用者に期待される専門性はどこにありますか?」といった、戦略実行の具体性に踏み込んだ質問が好まれます。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
スピードがあるのは魅力的
トップダウンで案件が決まるため、風通しが良い悪い云々言っている暇がないくらい、スピードがあるのは魅力的。案件の中心にいれば年齢に関係なく、エキサイティングな経験を積むことができる。
(30代後半・財務・男性) [キャリコネの口コミを読む]社内調整に時間を取られハードルが高い
自由で攻めていくイメージがあったがそこまで他の会社と変わらない他部署間のやりとりがありやりにくさがあった。 お客様との調整より社内調整に時間を取られ何かやりたいと思った時に何事もハードルが高い。
(20代前半・技術関連職・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期 決算説明会資料(2025年11月11日)
- 2026年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(2025年11月11日)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。