0 編集部が注目した重点ポイント
① 創業以来の最高値を更新し通期予想を上方修正
2026年3月期の中間決算において、連結・個別ともに完成工事高および全ての利益で前年同期を上回り、中間期として創業以来の最高値を達成しました。旺盛な建設需要を背景に、通期の業績予想も上方修正されており、転職者にとっては事業の安定性と成長性の両面を享受できる絶好のタイミングといえます。
② 北弘電社の新規連結によりグループ基盤を拡大
当期より株式会社北弘電社が新たにグループへ参画(新規連結)しました。この構造的変化により、国内子会社の売上高が86億円増加するなど、連結業績の押し上げに大きく寄与しています。新たなグループ会社の加入は、技術交流や拠点活用など、施工管理やエンジニアとしてのキャリア領域がさらに広がる可能性を示唆しています。
③ 適切な価格転嫁と生産性向上で利益率が大幅改善
資材費や労務費の高騰に対し、業界全体で「適正工期・適正金額確保」への動きが進む中、同社は建設コストの価格転嫁を完遂。さらにDX(デジタルトランスフォーメーション)関連の情報システム投資を行い、生産性向上を徹底した結果、個別業績の営業利益は前年同期比142.8%増という驚異的な伸びを見せています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.2
当第2四半期連結累計期間は、きんでん個別および子会社全体が堅調に推移しました。特に営業利益率は前年同期の4.3%から9.9%へと大幅に向上しており、高付加価値な工事の受注と厳格な原価管理が成果を上げています。期首の予想に対しても、完成工事高で113億円、営業利益で88億円のプラス乖離となっており、修正後の通期計画達成に向けた足場は盤石です。
中間期の売上高は通期上方修正予想(7,420億円)に対し43.3%の進捗ですが、利益面では営業利益が通期予想(810億円)に対し39.3%と着実に積み上がっています。良好な受注環境と豊富な手持工事高(6,655億円)を背景に、下期も順調な進捗が見込まれます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.9
一般電気工事
【事業内容】
オフィスビル、工場、学校、病院などの建物における電気設備全般の設計・施工。同社の売上高の約7割を占める基幹事業です。
【業績推移】
受注高は前年同期比21.0%増の3,194億円と大幅伸長。完成工事高も1,729億円と前年を上回り、利益率もトップ水準を維持しています。
【注目ポイント】
事務所ビル(データセンター含む)や工場、物流施設等の旺盛な建設需要が追い風です。特にデータセンター案件の増加は、高度な受変電設備やバックアップ電源システムの知見を持つ人材にとって、大規模プロジェクトに関われるチャンスが広がっています。
電力その他工事
【事業内容】
発電所、変電所の設備工事や、大規模な蓄電所建設など、電力インフラの上流工程を担う事業領域です。
【業績推移】
受注高が前年同期比90.3%増の355億円と激増。大型の蓄電所工事を受注したことが寄与しており、手持工事高も急拡大しています。
【注目ポイント】
再エネ導入拡大に伴う「電力の安定供給」へのニーズが高まっており、発・変電所工事の重要性が再認識されています。電力インフラのプロフェッショナルとして、日本のエネルギー政策を支える社会的貢献度の高いキャリアを構築できます。
海外(アジア・中東など)
【事業内容】
ベトナムやドバイなどの拠点を中心に、現地の工場やインフラ整備における電気・空調設備工事を展開しています。
【業績推移】
完成工事高は前年同期比で31億円増加し296億円。特にベトナムやドバイ子会社が好調に推移しており、受注高も前年比で大きく伸長しました。
【注目ポイント】
アジア圏における日系企業の進出支援や現地インフラ需要を確実に取り込んでいます。海外拠点のマネジメントや、グローバルプロジェクトの施工管理を志向する人材にとって、成長著しい地域での活躍機会が提供されています。
その他の報告セグメント(配電・情報通信・環境)
配電工事:レベニューキャップ制度のもと、関西電力送配電向けの工事が堅調。完成工事高は7.5%増の385億円。
情報通信工事:計装・LANなどの構内通信工事が増加。受注高は25.4%増の305億円と高い伸び。
環境関連工事:物流施設や事務所ビル向けの空調設備等が寄与。完成工事高は15.4%増の251億円。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明会資料 P.5
同社は中間期の好成績と下期の良好な受注環境を踏まえ、通期の連結業績予想を完成工事高7,420億円、営業利益810億円へとすべて上方修正しました。特筆すべきはROE(自己資本利益率)の見通しで、2024年度の8.1%から2025年度予想では10.5%へと、大台突破を見込んでいます。資本コストを意識した経営が強化されており、収益性の高い案件の選別受注や徹底した原価低減が今後も継続される見通しです。
また、株主還元策として年間配当を期首予想の100円から120円へと20円増配。自己株式の取得も総額100億円を上限に実施中(2025年10月末時点で約82億円取得済)であり、時価総額と企業価値の向上に非常に意欲的です。安定した財務基盤(自己資本比率74.6%)を維持しつつ、北弘電社のM&Aに代表される積極的な投資戦略を継続しており、中長期的なキャリア形成の場として非常に魅力的な環境が整っています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社が注力しているデータセンターや蓄電所、再エネ設備といった最先端のインフラ案件に関心があることを伝えるのが効果的です。「担い手三法」の精神に基づく「適正工期・適正金額」での施工管理という、業界の健全化をリードする姿勢に共感を示すことで、プロ意識の高さと意欲をアピールできるでしょう。
面接での逆質問例
「中間期で創業以来の最高利益を更新されましたが、現場の施工管理者の視点から、どのような原価低減や生産性向上の工夫が最も効果を上げていると感じられますか?」といった、実績に踏み込んだ質問がおすすめです。また、「北弘電社とのグループ統合により、他拠点との技術交流やキャリアパスにどのような変化が生まれていますか?」という質問も、将来を見据えた積極性を評価されるはずです。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
資格取得を援助してもらえる
会社から資格取得を援助してもらえる制度があり、無料で(給料を頂きながら)、個々の試験に長くキャリアのある専属講師が真髄を教えてくれるので難関資格にあっさり合格したりできます。
(30代前半・電気・通信設備施工管理・男性) [キャリコネの口コミを読む]労働環境に問題
労働環境に問題を感じる。会社だけの問題ではないが、建設業界は日曜日以外は現場が稼働しているのが現状なので、それを踏まえた上で、どうすれば社員の負担を軽減できるかを考えるべき。利益を追求するあまり、どんどん現場の社員は少数精鋭になり、足りない分は派遣や下請けで補填している。
(20代後半・電気・通信設備施工管理・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年3月期 第2四半期(中間期) 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年度 第2四半期(中間期) 決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。