0 編集部が注目した重点ポイント
① 2025年度より3つの事業フィールドへ組織を刷新する
中長期経営計画「MLMAP2028」の推進体制を整備するため、2025年第1四半期より報告セグメントを従来の5事業から「エネルギー・環境」「バイオ・ヘルスケア」「先端材料・半導体」の3フィールドへ再編しました。この変更により、成長領域へのリソース集中が明確化され、転職者にとっても専門性を活かせる職域がより鮮明になっています。
② 半導体と自動車開発需要が牽引し過去最高業績を達成する
2025年12月期第3四半期累計において、売上高・営業利益・経常利益で過去最高を更新しました。生成AI向けの先端半導体需要や、ハイブリッド車(HEV)開発向けの計測需要が非常に堅調です。特に先端材料・半導体フィールドが利益の柱となっており、グローバルな市場成長の恩恵を直接的に受ける事業構造へと進化しています。
③ バイオ事業の中国工場閉鎖など抜本的な構造改革に着手する
業績が拡大する一方で、採算性の低い領域の改善も加速させています。中国の試薬工場の閉鎖を決定したほか、欧州拠点での雇用調整を含む構造改革の検討を開始しました。これは単なるコスト削減ではなく、次なる成長に向けた筋肉質な組織への転換を意味しており、経営判断のスピード感が増している点は求職者にとっても注目すべき変化です。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 第3四半期決算説明会 P.3
売上高
2,302億円
+6.7%
営業利益
335億円
+12.1%
純利益
240億円
+21.0%
第3四半期累計の実績は、エネルギー・環境および先端材料・半導体フィールドが牽引し、全指標において前年を上回りました。特に営業利益率は14.6%(前年同期比+0.7ポイント)と向上しており、高付加価値製品の販売比率が高まっていることが伺えます。研究開発費も前年比+30億円の260億円(通期予想)を計画しており、将来への投資も積極的です。
通期予想に対する進捗状況について、売上高は68.7%、営業利益は64.4%となっており、基準値の75%を下回っているため「進捗が遅れている」評価となります。ただし、会社側は期末にかけての需要回復を見込み、全体の業績予想を据え置いています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 第3四半期決算説明会 P.4
エネルギー・環境フィールド
【事業内容】 自動車の排ガス計測システムやエンジニアリング・試験サービス、電力網の最適化など脱炭素社会を支える技術を提供。
【業績推移】 売上高859億円(+10.0%)、営業利益20億円(前年は13億円の損失)と大幅な黒字転換を達成。
【注目ポイント】 EVシフトの鈍化に伴い、欧米でHEV/PHEV(ハイブリッド車等)開発向けの需要が急増しています。一方、燃料電池等のクリーンエネルギー関連は調整局面にあるため、構造改革を進めつつ成長領域へ注力する柔軟性が求められています。
バイオ・ヘルスケアフィールド
【事業内容】 血液検査装置などのメディカル機器や、創薬・バイオプロセス向け計測ソリューションを展開。
【業績推移】 売上高295億円(+2.4%)、営業損失13億円。米州での試薬販売減少が響き、利益面で苦戦しています。
【注目ポイント】 採算改善に向け、中国の試薬工場の閉鎖を決定しました。今後はインドなどの成長市場への展開強化と、製薬プロセス向けソリューションへの投資を継続し、収益構造の抜本的立て直しを図るフェーズです。
先端材料・半導体フィールド
【事業内容】 半導体製造装置向けのマスフローコントローラ(流量制御機器)や、先端材料の分析機器を提供。
【業績推移】 売上高1,147億円(+5.4%)、営業利益328億円(+1.1%)。全社利益の約98%を稼ぎ出す圧倒的柱です。
【注目ポイント】 生成AI向けのDRAM関連需要が牽引し、アジア・日本・米州で販売が堅調です。中国市場での一時的な在庫調整はあるものの、中長期的な需要増は見込まれており、最先端技術に携わる機会が豊富にあります。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 第3四半期決算説明会 P.7
今後の成長戦略の目玉は、下半期より本格稼働する「福知山テクノロジーセンター」の新棟竣工です。これにより研究開発がさらに加速し、次世代の主力製品の創出が期待されます。また、バイオ・ヘルスケア分野での採算改善に向けた構造改革は、一時的な費用(環境対策費等)を伴いながらも、来期以降の利益貢献を目指す強い意志の表れです。
市場環境面では、為替レートを1USドル145円、1ユーロ165円と保守的に設定しており、円安方向に振れた際の上振れ余地も持っています。半導体市場の中長期的な拡大と、モビリティ分野での受注残高が高水準であることを鑑みると、エンジニアや海外事業を担う人材のニーズは引き続き高水準で推移する見通しです。
4 求職者へのアドバイス
「MLMAP2028」に基づく3つの注力フィールドへの再編という大きな変化のタイミングを狙い目として伝えましょう。特にエネルギー分野でのHEV回帰や、バイオ分野での事業構造改革を支える役割への意欲は、経営課題に直結する訴求になります。「おもしろおかしく」という社是を背景にした、挑戦的な開発環境に魅力を感じている点も有効なキーワードです。
- 新設された3つのフィールド間で、技術共有やシナジー創出に向けた具体的な連携プロジェクトはありますか?
- バイオ・ヘルスケア事業の中国工場閉鎖に伴う戦略転換において、現場のエンジニアに求められる最も重要な変化は何でしょうか?
- 福知山テクノロジーセンターの新棟稼働により、研究開発のスピードや質は具体的にどう変わると想定されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
土日祝日は基本的に休みになる
女性だからといって、仕事に区別をつけられたりという不公平なことはない。また、内勤だけでなく、外回りの営業職にも女性の社員は割といる。必要に応じて有給を使うことももちろん可能であったし、営業だとしても休日出勤もほぼなく、土日祝日は基本的に休みになるため、ライフワークバランスを重視したい方にも特段問題はないと思われる。
(20代後半・代理店営業・女性) [キャリコネの口コミを読む]女性比率はまだまだ少ない印象
女性の管理職は最近は増えてきてはいるが、比率はまだまだ少ない印象。開発などはそもそも女性社員の絶対数が少ないので、管理職も少ないまま。
(30代前半・研究開発・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 株式会社堀場製作所 2025年12月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)
- 株式会社堀場製作所 2025年12月期 第3四半期決算説明会資料



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。