豊田合成の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

豊田合成の転職研究 2026年3月期3Q決算に見るキャリア機会

豊田合成の2026年3月期3Q決算は、売上収益が前年比5.5%増、営業利益が11.5%増と好調に推移。芦森工業の連結子会社化やインド市場の急成長により、事業構造の強化が加速しています。「なぜ今豊田合成なのか?」「転職希望者がどの事業で、どんな役割を担えるのか」を整理します。


0 編集部が注目した重点ポイント

芦森工業の連結子会社化で事業構造を強化する

2025年度第3四半期より、芦森工業株式会社を連結子会社化しました。セーフティシステム事業の成長加速と機能製品事業での相乗効果を狙う大きな構造的変化です。前年は未連結のため単純比較はできませんが、マツダ向け売上増など、すでにキャリア機会を広げる新たな販路拡大が実績として表れています。

通期業績予想を上方修正し成長を加速させる

顧客の生産台数増加や為替影響を背景に、売上収益を1兆1,400億円、営業利益を700億円へと上方修正しました。原価改善や増販効果が昇給影響を上回るペースで進んでおり、堅実な経営基盤のもとで中長期的な成長に向けた攻めの投資が可能なフェーズにあります。

インド市場で大幅な増益を達成し存在感を高める

インド市場において営業利益が前年同期比で37.8%増と際立った成長を見せています。スズキ「Swift」等の新型車への搭載増が寄与しており、グローバルでの成長ドライバーとして明確な成果が出ています。海外拠点の重要性が増しており、グローバルに活躍したい人材にとって魅力的な環境です。

1 連結業績ハイライト

増販効果と原価改善が奏功。売上・利益ともに前年を上回り、通期予想も上方修正されるなど非常に力強い推移を見せています。
2025年度第3四半期連結業績総括

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明会 P.2

売上収益 8,306億円 (前年比 +5.5%)
営業利益 525億円 (前年比 +11.5%)
親会社帰属利益 438億円 (前年比 +36.0%)

第3四半期累計の業績は、主要顧客の生産回復に伴う増販効果が大きく寄与しました。原材料価格の高騰や昇給による人件費増といった逆風があるものの、徹底した原価改善活動により利益率を押し上げています。親会社の所有者に帰属する四半期利益が大幅に伸長しており、資本効率の指標であるROEも10.3%と二桁台を達成しました。

通期予想の営業利益700億円に対し、第3四半期末時点の進捗率は75.0%に達しています。この実績は期初の計画を上回るペースであり、業績の進捗状況は極めて順調であると評価できます。

2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド

地域ごとの市場特性に合わせた戦略が実を結んでいます。特に国内の原価改善と新興国の増販が、全社の収益を力強く牽引しています。
地域別業績推移

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明会 P.14

日本

事業内容:国内における自動車部品の製造・販売。セーフティシステム、内外装、機能部品、ウェザストリップ等。

業績推移:売上収益3,508億円(+7.8%)、営業利益113億円(+17.7%)。大幅な増益を達成。

注目ポイント:顧客の生産台数増加に伴う増販効果に加え、原価改善の取り組みが実を結んでいます。国内生産基盤の効率化を推進しており、ものづくりのプロセス改革を主導できるエンジニアや生産管理職の重要性が極めて高まっています。

注目職種:生産技術、プロセス改革、製造DX推進、原価企画

米州

事業内容:北米・中南米市場における製造・販売。主要顧客であるトヨタ等の増産に対応。

業績推移:売上収益3,123億円(+5.1%)、営業利益224億円(+8.3%)。堅調な伸びを維持。

注目ポイント:米国の関税影響という外部リスクはあるものの、それを補って余りある増販と原価改善を実現しています。北米でのサプライチェーン最適化が鍵を握っており、グローバルサプライチェーン管理の実務経験者が高く評価されるフィールドです。

注目職種:サプライチェーンマネジメント、海外拠点管理、法務(貿易実務)

欧州・アフリカ

事業内容:欧州およびアフリカ拠点での事業展開。為替影響を受けやすい地域特性。

業績推移:売上収益250億円(+2.7%)、営業利益19億円(▲8.2%)。固定費増等により減益。

注目ポイント:売上は円安効果で微増しましたが、固定費の増加が利益を圧迫しています。収益性の立て直しが急務であり、経営企画やコスト管理職として、不採算要素を特定し改革を断行できる人材が求められています。

注目職種:経営企画、FP&A(財務分析)、海外事業再生担当

中国

事業内容:中国市場での製造・販売。日系メーカーの生産台数減少の影響を強く受ける。

業績推移:売上収益683億円(▲8.4%)、営業利益21億円(+107.9%)。減収増益。

注目ポイント:減販という厳しい局面ながら、固定費削減を徹底することで大幅な増益を達成しました。市場環境の変化に柔軟に対応できる組織のスリム化と構造改革を断行しており、変革期の拠点運営を担える人材への期待が高まっています。

注目職種:事業構造改革リーダー、人事労務、生産拠点統廃合実務

アジア

事業内容:タイ、ベトナム等、東南アジア諸国での自動車部品製造。

業績推移:売上収益1,089億円(+6.6%)、営業利益103億円(+0.8%)。増販効果が寄与。

注目ポイント:東南アジア市場での生産回復を受け、増益を確保しました。新製品の立ち上げや原価改善を並行して進めており、多国籍なチームをまとめ上げながら、技術を製品に落とし込めるプロジェクトマネージャーの活躍の場が広がっています。

注目職種:プロジェクトマネージャー、技術営業、海外生産立上げ支援

インド

事業内容:インド国内での急拡大を続ける製造・販売拠点。

業績推移:売上収益373億円(+19.9%)、営業利益42億円(+37.8%)。爆発的な成長。

注目ポイント:スズキ「Swift」等の主要車種への搭載増が強力な推進力となっています。成長市場におけるシェア拡大を実体験できる貴重なフェーズにあります。急激な規模拡大に伴い、現地マネジメント層の強化が急務となっており、キャリアステップとして非常に挑戦しがいのある地域です。

注目職種:拠点長候補、営業リーダー、品質保証(グローバル基準)

3 今後の見通しと採用の注目点

M&Aによるシナジー創出と、次世代モビリティに向けた技術革新が次の成長を形作ります。
通期業績予想修正

出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明会 P.8

2026年3月期の通期見通しは、第3四半期の好調を受け上方修正されました。特に芦森工業との統合により、セーフティシステム分野での開発スピードと製品ラインナップが格段に強化されます。新構造の「前席センターエアバッグ」やリサイクル材を高配合した部品など、環境・安全という高付加価値領域への投資を継続する方針です。

さらに、自己株式の取得(500億円・1,000万株上限)を決定するなど、資本効率の向上と株主還元にも積極的です。安定した収益力をもとに、将来のBEV(電気自動車)シフトに対応した内外装部品の開発など、中長期的な技術優位性を確保するためのR&D人材を求めています。

4 求職者へのアドバイス

HINT

志望動機のヒント

「モビリティの安全と環境への貢献」を軸にすることが有効です。今回の決算で見せた芦森工業との事業統合は、安全部品での世界シェア向上を狙った戦略的布石です。この変革期において、自身の専門性をどうシナジー創出に活かせるか、あるいは成長著しいインド市場等のグローバル展開にどう寄与できるかを具体的に語ることで、即戦力としての期待値を高めることができます。

Q&A

面接での逆質問例

・「芦森工業との統合において、現場レベルでの技術交流やシナジー創出のために、中途採用者に期待されている役割は何ですか?」
・「インド市場の急成長に伴い、国内拠点からどのような技術支援やマネジメント協力が必要とされているのでしょうか?」
・「BEV化に伴う内外装部品の変化に対して、貴社の原価改善のノウハウをどのように進化させようと考えていますか?」

5 転職者が知っておきたい現場のリアル

決算資料や公式発表だけでは見えにくい、現場で働く社員・元社員の実体験(口コミ)を、転職判断の参考となるよう編集部で選定しています。
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自動車業界に貢献している実感

自動車部品の製造に携わることで、製品が実際に車に取り付けられる様子を目にすることができ、非常にやりがいを感じます。特にトヨタ系の車両に関わることが多く、大手企業との取引を通じて自動車業界に貢献している実感があります。新しい車種の開発にも参加できるため、自分の仕事がどのように形になっているのかを実感でき、誇りを持って働けます。

(20代後半・システムエンジニア・男性) [キャリコネの口コミを読む]
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部署によって休暇取得が難しい

設計部門では顧客の要望や社内会議の頻度が高いため、他の部署に比べて休暇取得が難しい場合もあります。

(20代後半・コンサルティング営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]

※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。

使用した主な公開資料

  • 2026年3月期 第3四半期 決算説明会資料(2026年2月3日)
  • 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月3日)

この記事の執筆者

2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。


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